「金田一少年」原作者 “黒歴史”漫画「MMR」秘話語る
“黒歴史”と表現する「MMR」について語る漫画原作者の樹林伸さん(本間英士撮影)(写真:産経新聞)
「MMR マガジンミステリー調査班」という漫画をご存じだろうか。週刊少年マガジン(講談社)に不定期連載され、
世界の超常現象や陰謀論、はたまた「ノストラダムスの大予言」などを検証した作品で、
世紀末を控えた1990年代には一部に熱狂的な読者がいた。
「MMRは、ある種の“黒歴史”です」。主人公のモデルで
漫画原作者の樹林伸(きばやし・しん)さん(55)は苦笑いしつつ、今だから明かせる秘話を語る。
■僕はあんな人間じゃない
樹林さんといえば、「金田一少年の事件簿」シリーズを筆頭に、怪事件を扱った「サイコメトラーEIJI」、
“ヤンキー”が政治の道を歩み出す「クニミツの政」、さらにはサッカーがテーマの「エリアの騎士」…
と代表作の枚挙にいとまがない漫画原作者だ。ワインを扱った「神の雫」は、ロングセラー。
その樹林さんが「黒歴史」と語る漫画「MMR」は、平成2年に週刊少年マガジンで始まった。
作者は漫画家の石垣ゆうきさん。主人公はマガジン編集部の編集者という設定で、実在の編集者をモデルにした。
樹林さんも当時、講談社の編集者で、MMRのリーダー「キバヤシ」のモデルになった。
キバヤシは、同僚の編集者らとともに世界の超常現象などを科学的見地から検証する。
この作品、なんといっても、特筆すべきは、その「うさん臭さ」だ。キバヤシは、さまざまな資料や証言から論理を飛躍させ、
最終的には「このままでは人類は滅亡する!」と警鐘を鳴らす。
強引だが不思議な説得力があるストーリー展開と、迫力のある絵が相まって不定期連載ながらも大変な人気を得た。
樹林さんが振り返る。
「当時のマガジンには、『ツチノコを探せ!』みたいな変な企画を許容する空気があったんですよ。
面白いかと思って会議で提案してみたら通ってしまったのが、この作品でした」
ただ、誤算があった。自身が“主人公”として登場することになったのだ。
「ものすごく嫌でした(笑)。僕はあんな人間じゃないって思うんだけど…。
とはいえ、ああいう部分もあるようだし、何でも人類滅亡にこじつけている様子が漫画として面白いですよね」
■MMRはある種のギャグ
講談社によると、掲載当初は霊能力者を名乗るタレント、宜保愛子(ぎぼ・あいこ)さん(1932〜2003年)らに取材し、
身の回りの謎や不思議を追いかけることをテーマとしていた。次第に熱狂的な読者がつき、不定期ながら連載でシリーズ化した。
「『マジかよ…』と思いましたね」と樹林さん。
中でも話題となったのが、「ノストラダムスの大予言」を扱った話だ。
昭和48年に作家、五島勉さん(88)が著した「ノストラダムスの大予言」により、仏のノストラダムス医師(1503〜66年)は日本では、
「1999年7の月、恐怖の大王が来るだろう」と「世界の終わり」を示唆した予言者として広く知られていた。
彼の破滅的かつミステリアスな言葉は、世紀末の若者も強くひきつけた。MMRもノストラダムスを何度も扱った。
「MMRはある種のギャグです。ただ、僕らは笑いながらも、真剣にやっていましたよ」
そして予言で「恐怖の大王が来る」とされた1999年を迎えたが、人類は滅亡しなかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180127-00000537-san-ent
“黒歴史”と表現する「MMR」について語る漫画原作者の樹林伸さん(本間英士撮影)(写真:産経新聞)
![「金田一少年」原作者キバヤシこと樹林伸氏、“黒歴史”珍作漫画「MMR」秘話語る ->画像>6枚](http://www.sankei.com/images/news/180127/prm1801270005-p2.jpg)
「MMR マガジンミステリー調査班」という漫画をご存じだろうか。週刊少年マガジン(講談社)に不定期連載され、
世界の超常現象や陰謀論、はたまた「ノストラダムスの大予言」などを検証した作品で、
世紀末を控えた1990年代には一部に熱狂的な読者がいた。
「MMRは、ある種の“黒歴史”です」。主人公のモデルで
漫画原作者の樹林伸(きばやし・しん)さん(55)は苦笑いしつつ、今だから明かせる秘話を語る。
■僕はあんな人間じゃない
樹林さんといえば、「金田一少年の事件簿」シリーズを筆頭に、怪事件を扱った「サイコメトラーEIJI」、
“ヤンキー”が政治の道を歩み出す「クニミツの政」、さらにはサッカーがテーマの「エリアの騎士」…
と代表作の枚挙にいとまがない漫画原作者だ。ワインを扱った「神の雫」は、ロングセラー。
その樹林さんが「黒歴史」と語る漫画「MMR」は、平成2年に週刊少年マガジンで始まった。
作者は漫画家の石垣ゆうきさん。主人公はマガジン編集部の編集者という設定で、実在の編集者をモデルにした。
樹林さんも当時、講談社の編集者で、MMRのリーダー「キバヤシ」のモデルになった。
キバヤシは、同僚の編集者らとともに世界の超常現象などを科学的見地から検証する。
この作品、なんといっても、特筆すべきは、その「うさん臭さ」だ。キバヤシは、さまざまな資料や証言から論理を飛躍させ、
最終的には「このままでは人類は滅亡する!」と警鐘を鳴らす。
強引だが不思議な説得力があるストーリー展開と、迫力のある絵が相まって不定期連載ながらも大変な人気を得た。
樹林さんが振り返る。
「当時のマガジンには、『ツチノコを探せ!』みたいな変な企画を許容する空気があったんですよ。
面白いかと思って会議で提案してみたら通ってしまったのが、この作品でした」
ただ、誤算があった。自身が“主人公”として登場することになったのだ。
「ものすごく嫌でした(笑)。僕はあんな人間じゃないって思うんだけど…。
とはいえ、ああいう部分もあるようだし、何でも人類滅亡にこじつけている様子が漫画として面白いですよね」
■MMRはある種のギャグ
講談社によると、掲載当初は霊能力者を名乗るタレント、宜保愛子(ぎぼ・あいこ)さん(1932〜2003年)らに取材し、
身の回りの謎や不思議を追いかけることをテーマとしていた。次第に熱狂的な読者がつき、不定期ながら連載でシリーズ化した。
「『マジかよ…』と思いましたね」と樹林さん。
中でも話題となったのが、「ノストラダムスの大予言」を扱った話だ。
昭和48年に作家、五島勉さん(88)が著した「ノストラダムスの大予言」により、仏のノストラダムス医師(1503〜66年)は日本では、
「1999年7の月、恐怖の大王が来るだろう」と「世界の終わり」を示唆した予言者として広く知られていた。
彼の破滅的かつミステリアスな言葉は、世紀末の若者も強くひきつけた。MMRもノストラダムスを何度も扱った。
「MMRはある種のギャグです。ただ、僕らは笑いながらも、真剣にやっていましたよ」
そして予言で「恐怖の大王が来る」とされた1999年を迎えたが、人類は滅亡しなかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180127-00000537-san-ent