■窒素原子の含有率を2.6%に
東京大学大学院理学系研究科の磯部寛之教授(JST ERATO磯部縮退π集積プロジェクト研究総括)らの研究グループは2020年4月、窒素原子が埋め込まれたナノチューブ分子(窒素ドープ型ナノチューブ分子)の化学合成に初めて成功したと発表した。
研究グループは、2019年に独自のナノチューブ分子化学合成法を開発していた。これまでは化学合成法にベンゼンを用いてきたが、今回はピリジンを活用することで、窒素原子の位置や数を制御しながら埋め込むことに成功した。これまでの物理的な製造方法では組成や位置、構造などを制御しながら窒素ドープを行うことはできなかったという。
合成した窒素ドープナノチューブ分子は、構成される主原子304個のうち、8個を窒素原子とした。窒素原子の含有率は2.6%である。これまで検討されてきた窒素ドープナノカーボンの窒素含有率は2〜5%であり、この範囲に収まっているという。
最先端X線構造解析法により、窒素上の孤立電子対(ローン・ペア)の存在を明確にし、理論計算による電子的寄与も明らかにした。この結果から、窒素は電子をナノチューブに注入させやすくする効果があることが分かった。窒素が電子を受け取りやすくすることで、n型半導体になりやすいという。
https://eetimes.jp/ee/articles/2004/23/news031.html
東京大学大学院理学系研究科の磯部寛之教授(JST ERATO磯部縮退π集積プロジェクト研究総括)らの研究グループは2020年4月、窒素原子が埋め込まれたナノチューブ分子(窒素ドープ型ナノチューブ分子)の化学合成に初めて成功したと発表した。
研究グループは、2019年に独自のナノチューブ分子化学合成法を開発していた。これまでは化学合成法にベンゼンを用いてきたが、今回はピリジンを活用することで、窒素原子の位置や数を制御しながら埋め込むことに成功した。これまでの物理的な製造方法では組成や位置、構造などを制御しながら窒素ドープを行うことはできなかったという。
![【先端技術】窒素ドープ型ナノチューブ分子の化学合成に成功 [しじみ★]->画像>4枚](https://image.itmedia.co.jp/ee/articles/2004/23/tm_200423tokyo01_w290.jpg)
![【先端技術】窒素ドープ型ナノチューブ分子の化学合成に成功 [しじみ★]->画像>4枚](https://image.itmedia.co.jp/ee/articles/2004/23/tm_200423tokyo02_w290.jpg)
合成した窒素ドープナノチューブ分子は、構成される主原子304個のうち、8個を窒素原子とした。窒素原子の含有率は2.6%である。これまで検討されてきた窒素ドープナノカーボンの窒素含有率は2〜5%であり、この範囲に収まっているという。
最先端X線構造解析法により、窒素上の孤立電子対(ローン・ペア)の存在を明確にし、理論計算による電子的寄与も明らかにした。この結果から、窒素は電子をナノチューブに注入させやすくする効果があることが分かった。窒素が電子を受け取りやすくすることで、n型半導体になりやすいという。
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https://eetimes.jp/ee/articles/2004/23/news031.html