
中学受験は東京で過熱も、地域差が「一覧表」で浮き彫りに。児童手当カットから見る中間層の貧困
https://news.yahoo.co.jp/articles/70335e2aa358632097cca1e7b145c3667e6cc838
2022年10月から、一定の所得がある世帯で児童手当の特例給付が廃止となります。
児童手当は中学校を卒業する子どもがいる世帯に支給されているものの、所得が一定以上になると一律で5000円に下げられていました。
今回の改定で、さらにこの5000円も廃止になる予定です。
また住民税非課税世帯へ5万円給付が行われることから、ますます中間層の貧困問題が浮き彫りになる結果となりました。
中間層が教育費の負担をまず感じるのは、中学受験ではないでしょうか。特に都市部において、その費用負担は高まる傾向にあります。
児童手当がカットされても教育費の負担は軽減されない
子育て世帯への給付金はいろいろありますが、その多くに所得制限があります。この10月からは児童手当の特例給付も打ち切りとなります。
対象となる年収目安は、子ども2人と専業主婦世帯の場合、1200万円。このあたりから所得税の負担も高まるため、家計が苦しくなる目安とも言われます。
教育を取り巻く状況は刻々と変化しており、特に東京では中学受験が特別でない状態になっています。しかし、その教育費が多くの子育て世帯を苦しめているのも事実です。
もちろん世帯収入に合わせた進路を選ぶのが鉄則ではありますが、中学受験を契機として学歴が軌道に乗れば、将来の就職に有利になると考えるのが親心ですよね。
子どもの将来を考えたとき、少しでも選択肢が広まる道を用意したいと考えてしまうものです。
中学受験は都市部で過熱
2022年8月24日、文部科学省は「令和4年度学校基本調査(速報値)」を公表しました。
こちらによると、令和4年5月1日現在で中学校に在籍する生徒は320万5226人。このうち私立に通う生徒は24万6337人で、8%に満たない状況です。
ただし、私立中学に通う生徒は都市部に集中することがわかりました。
私立中学に通う生徒の人数ランキング
都道府県ごとに私立中学に通う生徒の人数を順にまとめたところ、下記のとおりとなりました。
1位は東京で7万9896人。次いで神奈川、大阪、兵庫、千葉、愛知と続きます。都市部は母数となる人口自体も多いため、私立中学に通う生徒も多い傾向にあります。
私立中学に通う生徒の割合ランキング
続いて割合でも見ていきましょう。
断トツで多いのが東京の25.5%です。次いで高知、京都、奈良、神奈川、広島と続きます。母数が少ない都道府県では数字の変動も大きくなるため、一概にははかれないところもあります。
ただし、やはり東京の中学受験は活性化していることがよくわかります。
実際に私立中学に通っている割合で25.5%なので、受験を経験する子どもはさらに多いことになります。
また東京都の中でも、区によって受験に熱心な地域はあります。そのような区ではクラスの半分が中学受験をすることもめずらしくありません。
現代の東京において、中学受験は特別なこととは言えないのです。