明るいロングヘアにショートパンツ、札幌に住む、ありすさんです。
ありすさんと出会ったのは、去年12月。
ありすさん
「普段?プライベートで外を歩くときは、おとなしめにする。無口よ。声出したら絶対振り向かれるもん。ハハハ」
このバーのスタッフとして働いています。
心は女性、身体は男性のトランスジェンダーです。
ありすさんは、両親と暮らしています。
お母さんのゆみ子さんとは、大の仲良しです。
ありすさん
「高校のときは好きな男の子いたね。化粧したいとかも出てきているよね」
自分らしく生きてきたありすさん。
男性のパートナーと交際していたこともありますが…
ありすさん
「むこうが浮気して、そっちが良くなって、そっちに移るってなって振られる側になった、普通に女の子に浮気されて女の子と結婚しちゃった。そのまま」
ありすさんはこのとき、人生の大きな一歩を踏み出そうとしていました。
札幌医科大学附属病院は、性同一性障害の専門外来がある日本でも数少ない病院です。
ありすさんは、性別適合手術を受け、身体も戸籍も女性に変えると決めています。
診察には、バーの店長も付き添います。
2度と元に戻れない手術のため、複数の医師による診断、カウンセリングを受ける必要があります。
札幌医科大学泌尿器科学講座 舛森直哉 医師
「明らかに本人の生活の質が上がるのではないか。あと、嫌悪感が軽減する。望む性別で社会でも活動できるようになると。社会的にも受容される」
性同一性障害特例法は、戸籍の性別を変えるためには、精巣や卵巣などの生殖腺がないこと、または、その機能を永続的に失っていることが条件です。
このため、自分の子どもを持つことは、できなくなります。
元の性別の機能によって子どもが生まれた場合、混乱や問題が生じる可能性があることなどが、その理由です。
ありすさん
「それはそれでいいのかなしょうがない、それ以外何で基準つけるのってなるから、じゃあ温泉どうなるのってなるし、スポーツジム行ったとき更衣室問題は?ってなると思うから」
入院と手術の費用は、およそ190万円。
ありすさん
「手術当日の朝です。ネーどきどきが止まらない…」
手術にいたるまで、3年。
専門医の数も少なく、この病院でも手術を受けられるのも年間10人ほどだといいます。