何をどう間違えたのか 旧統一教会問題と国葬断行で坂道を転がり始めた岸田首相
権力の源泉「世論の支持」は取り返せるのか
2022年09月18日
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2022091600001.html?page=1
何をどう間違えたのか 旧統一教会問題と国葬断行で坂道を転がり始めた岸田首相
権力の源泉「世論の支持」は取り返せるのか
2022年09月18日
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2022091600001.html?page=1
（ソースより抜粋）
何やら岸田首相がおかしい。打つ手、打つ手が裏目に出る。歯車が狂い始めた。一気に坂道を転がり落ちるかのようだ。
閣僚の旧統一教会との関係の処理を誤ったことが暗転の始まりだった。岸田首相は、この問題が大きな火種になるとの認識を欠いた。
国民は、旧統一教会と政治との結びつきは看過しがたい問題で、自民党は旧統一教会とズブズブの関係にあるのではないか、きちんと調べるべきだとした。
岸田首相は、その声に正面から向き合おうとしなかった。
岸田首相は、菅前首相が、国民の声にきちんと向き合わず、説明責任を欠いたことで支持を急落させたことを反省し政権を発足させた。
元々、岸田首相に強いリーダーシップや、政策実行能力があったわけではない。その点では、前任や前々任の方が上だ。
それでも、国民の方を向き、丁寧な説明に努めるという姿勢が高い評価を生んだ。いわば、国民の支持が、力量の不足をカバーした。
だから、岸田首相は、ゆめゆめ国民の支持を疎かにするようなことがあってはならなかった。
国民は、旧統一教会と政治の関係に疑いの目を向けている、岸田首相はそう鋭敏に察知すべきだった。
察知したなら、直ちに実態を明らかにし、国民に説明しなければならなかった。
逆に、旧統一教会問題は、岸田首相が指導力を発揮できる格好の案件でもあったはずだ。
これをきちんと処理し、国民の疑念に真正面から向き合えば、支持率をさらに上積みすることも可能だった。
首相は、せっかくのチャンスをみすみす逃してしまった。
安倍元首相の国葬の決定も、決めた時点ではまだこれを支持する声の方が多かった。その後、旧統一教会との関連でこういう展開を辿ろうとは、夢にも思わなかっただろう。
しかし指導者たるもの、事態が思わぬ方向に向かったなら、すぐ手を打たなければならない。
首相はここで、何故すぐ、国民に正面から向き合い説明責任を果たそうとしなかったか。
岸田首相の権力の源泉は、結果を出す力量にあるのではなく、力量がどうであれ首相を支持する、とした世論にあったからだ。
世論が離れれば、岸田首相が頼れるものは最早多くない。
岸田首相がすべきは、十分でないリーダーシップを十分だと見せかけることでなく、国民にきちんと向き合い、丁寧な説明を心掛けることだったのだ。
ようやく、岸田首相もそこに気が付き、このところしきりに、初心に帰り、丁寧な説明に心がけると繰り返す。
しかし、疑念というのは厄介なものだ。一度心の中に芽生えると、容易なことではこれを拭い去ることができない。はがれたメッキをもう一度付け直すのは至難だ。
