京都発祥のラーメンチェーン店「天下一品」を全国展開する天一食品商事(滋賀県大津市)の木村一仁社長(35)が、心臓病と闘う山口県山陽小野田市立本山小4年の北永健人さん(9)に「会いたい」と連絡した。店のラーメンが大好物の北永さんが、店員を模した折り紙作品を作ったことがきっかけ。木村社長が折り紙に情熱を注ぐ姿を知り、深く感銘した。
北永さんは心室を隔てる壁に穴が開くなどの「ファロー四徴症」という先天性の心臓病を患い、3歳時にはペースメーカーを植え込む手術を受けた。できることを伸ばす両親の教育方針で、折り紙が得意。各地のゆるキャラを折り紙で作り、地図に貼り付けた作品「日本全国ご当地キャラクター~コロナにまけるな~」は2021年秋以降、地元などで展示され、現在は、さまざまな折り紙作品に意欲的に取り組んでいる。
また、ラーメンが好物で、コツコツ励む性格を生かして、ラーメン屋で働くことが将来の夢だ。中でも天下一品のこってりラーメンがやみつきになり、両親と食べに行くのが日々の楽しみという。そんな中、4月に約10日間かけて店員を模した作品を作り、長府店(下関市)に寄贈した。折り紙のことを知った木村社長は、これまでの活動内容も知った上で「勉強をしながら、通院も続け、大変な中、折り紙に情熱を注ぐことは素晴らしい」と感動し、北永さんとの面会希望を母千賀さん(46)に伝えた。
面会は夏ごろの予定で、場所や日時は現在調整中。北永さんは「大好きなラーメンを作ってくれる神様のような人に会えるなんてうれしいよ。将来は天下一品で働きたいな」と大喜びで、千賀さんは「息子の可能性に驚いています。得意なことをこれからもどんどん伸ばしてあげたい」と話している。【柳瀬成一郎】