石野氏:こうやってマイクロソフトがAndroidを使って自社のサービスを拡大する一方で、グーグルはAcerとHPのパソコンに、ファイルやアプリをスマホと共有する「ニアバイシェア」機能を搭載するとCESで発表しています。
房野氏:アップルでいう「AirDrop」のような機能ですね。
石野氏:そうです。マイクロソフトとグーグルの関係性は面白くて、パソコンをもともとやっていて、モバイルの領域を攻めてくるマイクロソフトと、モバイルデバイスに強くて、パソコンに自社のソフトを入れていくグーグルという形になっています。
法林氏:全体像を見ていてすごく感じるのは、マイクロソフトとグーグルはお互いが良くわかっていて、敵対関係ではなく、実は補完し合っている。
石野氏:Windowsには「スマホ同期」といった機能もありますからね。
法林氏:そうなんです。なので、マイクロソフトとグーグルが覇権争いをしているとは思わないほうがよくて、それぞれが世の中を便利にするためには何が必要かをよく考えている。
石川氏:マイクロソフトもグーグルも、アップルに対する憧れのようなものがあると思います。アップルは、様々な製品がApple IDによって一気通貫に繋がっている世界を作っていますが、マイクロソフトとグーグルはここがまだできていない。グーグルが発表しているイヤホンとかを見ていても、アップル対抗の意識はすごく見えてきます。
グーグルに足りないのは、Chromebookこそあるけど、パソコンの分野はまだ弱いので、マイクロソフトと組んでやっている。マイクロソフトも、スマートフォンといったモバイルの部分が足りていないので、やるのであればAndroidでやるといった形ですね。
法林氏:これは主義主張の違いで、僕は石川君の考えとは逆です。アップルはすべてを自社製品で固める“閉じた世界”を作っているのに対して、マイクロソフトとグーグルは、オープンだからこそできる“開いた世界”を作っている。アップル製品で家中を固めるとなれば成立するかもしれないけど、そんなことはなかなかできないので、オープンな世界のほうがいいと思う。考え方の違いですが、アップルが正解かといわれると違うと思う。“アップルだからできる”という考え方は良くないと思っていて、例えばアップル製品は他社製品となかなかつながらない。石川君の意見もわかるけど、閉じた世界を作ってきたメーカーは、歴史的に見ても失敗していますしね。
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