首相「失策」で支持率低迷…反転攻勢へ糸口つかめず
9/3(金) 9:53
https://news.yahoo.co.jp/articles/ef0223880c7c0e88b95b4dfc4b2d03007ce0106e
新型コロナウイルスの感染拡大の収束が見通せない中、
12日の緊急事態宣言の期限が延長され、
宣言下での自民党総裁選(17日告示、29日投開票)に突入する公算が大きくなっている。
一連のコロナ対策の「失策」で内閣支持率が低迷する菅義偉首相は、
何とか宣言解除にこぎ着けて反転攻勢に出たい考えだが、糸口はつかめない。
厚生労働省によると、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は
全国で116・38人となり、前週比0・91倍と減少傾向だ。
ただ、同省の専門家会議は1日、
「ピークを越えたという議論はなかった。お盆休みや連休という
感染の増加要因がなくなったことが大きい」と分析。
感染再拡大に警戒感を示す。
田村憲久厚労相は8月下旬のNHK番組で、宣言解除について
「現状を考えると多分、かなり難しい」との認識を語った。
政府は病床数の上積みなどで、
以前より高い感染者数の水準でも宣言を解除できるよう指標を見直すことを検討。
だが、専門家からは
「解除を優先してゴールを変えた」
「誤ったメッセージになる」
と否定的な意見が相次ぎ、見直しは進んでいない。
コロナ対策を巡る国民の不満の矛先をかわす意味でも、首相は宣言の「出口戦略」の打ち出しを急ぐ。
西村康稔経済再生担当相は8月31日の記者会見で、
ワクチン接種の進展を受けた行動制限緩和などの在り方について
「12日までに一定の考え方の整理を専門家には示してもらいたい」と述べた。
首相は来週、関係閣僚と協議し、宣言の延長について最終判断し、対策本部会合を開いて正式決定する。
延長になれば、総裁選で他陣営に「コロナ対策がうまくいっていない」といった攻撃材料を与えかねないが、
政府関係者は「首相はまだ宣言解除の道を諦めていない」。
現職閣僚は、迫る総裁選や衆院選を念頭に、
「専門家の反対を押し切って政治が解除を判断すれば、国民の命を軽視していると映る」とくぎを刺す。
(前田倫之、井崎圭)