「米を冷まして食べる」のが病気を遠ざける根拠
「冷や飯」で増えるレジスタントスターチの特徴
レジスタントスターチの存在が発見されたのは、1980年代のことでした。毎日食べていたにもかかわらず、このときまで、その存在に誰も気づかずにいました。そして現在、研究技術の進歩により、レジスタントスターチには腸内環境を良好にする大切な役割があることがわかってきました。
レジスタントスターチには、不思議な特徴があります。それは、「冷ますと増える」ということ。加熱後のでんぷんを冷ますと、伸びてしまったブドウ糖のひもが再び絡み合って、たくさんの結び目ができます。こうなると消化酵素でもブドウ糖のひもが解けなくなり、消化されにくくなるのです。
例えば、炊きたてのご飯に比べて、冷ましたご飯には約1.6倍の量のレジスタントスターチが含まれています。つまり、ご飯を冷ますとレジスタントスターチの量が増えるということです。
レジスタントスターチの測定法が確立されたのは最近であるため、昔の人がどれだけ摂取していたのかはわかりません。ただ現在より保温技術が整っていなかった頃は、「冷たいご飯」を今よりたくさん食べていたことは間違いないでしょう。ということは、昔の日本人は意識しなくてもたくさんのレジスタントスターチを摂取していたと考えられます。
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