国会などで議論になっている「日本学術会議」。科学者が専門的な立場から意見を表明する役割を担っていますが、出される「提言」は私たちの生活に身近なものも少なくありません。
日本学術会議が意見を表明する方法のうち、もっとも頻繁に発表されているのが、「科学的な事柄について実現を望む意見」として出される「提言」です。
ゲノム編集技術に関するものなど最先端の科学技術についてさまざまな意見を発表している一方、私たちの生活に身近な提言も少なくありません。
ことし出された提言には、子どもや妊婦の受動喫煙対策を充実させるよう求めるものや心と体の性が異なる
「トランスジェンダー」と呼ばれる人たちが暮らしやすい社会をつくるため法整備の必要性を指摘したものなどがあります。
また、新型コロナウイルスの感染が広がる前の去年5月には、感染症の「パンデミック」に備えて、ウイルスなどの微生物や病原体についての教育を充実させる必要があるという提言を出していました。
さらに、おととしには、夏の生活時間を早める「サマータイム」について、長期にわたって健康に影響を及ぼすおそれのあることや
必ずしも暑さ対策になるとは限らない点を指摘し、「導入は見合わせるべきだ」と提言しています。
このほか、6年前に発表した選挙の投票率低下への対応策をまとめた提言では、過疎が進んでいる地域で、期日前投票のために投票箱を載せた車が地域をまわる
「移動投票所」について、まだ全国的に広がっていない時期に、その必要性に言及していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201018/amp/k10012668921000.html