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労働相談が最多 内容別はいじめ・嫌がらせトップ
岐阜労働局と労働基準監督署の「総合労働相談コーナー」に寄せられた2019年度の労働相談は1万8854件で、制度が始まった01年以降で最多だった。パワハラに関する法改正や「働き方改革」の流れを受けて、関連する制度への問い合わせが増えたという。法令違反を除いた民事上の相談では、職場の「いじめ・嫌がらせ」が9年連続でトップだった。
相談コーナーは、岐阜労働局と県内7カ所の労働基準監督署にある。19年度の相談件数は前年度より5・9%増となり、過去最多だった。昨年5月に改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が成立したことなどで、各種制度についての問い合わせが増えた。
法令違反を除いた民事上の「個別労働紛争相談」は、延べ5046件。内容別は「いじめ・嫌がらせ」が1451件(28・8%)、「解雇」479件(9・5%)、「自己都合退職」462件(9・2%)などだった。
これらの民事上の相談に対しては、労働局長の助言・指導や、弁護士や大学教授らによる紛争調整委員会を通じた「あっせん」を受けることができる。19年度の助言・指導の申し出は97件、あっせんの申請は61件だった。
保健衛生業の会社に勤めていた20代の女性は、パワハラなどを受けたとしてあっせんの申請をした。
女性はアルバイトとして採用され、2カ月後に正社員になったが、入社当初から上司に「性格が悪い」「親の教育が悪い」などと言われたという。正社員になり2カ月たって「辞めてもらいたい」と言われ、退職すると伝えたという。
会社側は「本人が退職を申し出た。パワハラには該当しない」などと主張したが、あっせんの結果、会社側が女性に10万円の和解金を支払った。
労働局の担当者は「パワハラ、セクハラ、マタハラなどの相談窓口の存在が、徐々に知られるようになってきた」と話している。