
「負の性欲」はなぜバズったのか? そのヤバすぎる「本当の意味」
2019年11月28日──ツイッターのトレンドに、突如として「負の性欲」なる禍々しいオーラを放つ4文字のワードが登場し、その日ずっとトレンド欄から消えることはなかった。
もうツイッターは、いや、インターネットは終わりなのかもしれない。
女性から男性に対する「キモい」ということばは、しばしば「『キモい』という感情を抱かされた私は被害者だ(そして加害者は、キモいアイツである)」といったニュアンスを帯びる。
「キモい」「生理的に無理」といった拒否反応を、他人に向けることの加害性に無自覚な人びとに対する批判的説明として、「負の性欲」ということばには、大きな説得力があったのだろう。
そして、その生理的嫌悪感が、多くの女性にとっては実社会で関わり合いになる機会も少ないような人びと(とりわけ、いわゆる「キモ・オタク」とか「非モテ」などと侮蔑的に呼ばれるような人びと)
に向けて頻繁に言明されることに対する、「カウンター」としての文脈をも強く帯びていた。
「キモい」ということばを向けられる男性は、「侮辱や差別を受けた被害者」ではなく、むしろ「女性に不快感を与えた加害者」とされる。
そうした状況に違和感を抱く人びとのなかで鬱積していた思いを、「負の性欲」ということばが当意即妙に代弁し、巨大なバズ・ワードとして猛烈な速度で成長したのだ。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69024