
立憲民主党の山尾志桜里衆院議員は10日の衆院予算委員会で、黒川弘務・東京高検検事長を国家公務員法の規定に基づき定年延長したのは過去の政府見解に矛盾するとして、「違法だ」と述べた。
森法相は「国家公務員法の規定が適用される」と反論した。
政府は今月7日で定年予定だった黒川氏の勤務を半年間延長する人事を閣議決定した。検察庁法には定年延長の規定がなく、定年を迎えた検察官が勤務し続けるのは初めてとみられる。
山尾氏は、1981年4月の衆院内閣委員会で、政府委員の人事院幹部が「検察官に国家公務員法の定年制は適用されない」と答弁したと指摘。「法的根拠が本当にあったのか検討し直す必要がある」と詰め寄った。
森氏は「(人事院幹部による答弁の)詳細は知らない」と述べ、「検察官も一般職の国家公務員だ。(国家公務員に)勤務の延長を認める制度の趣旨は検察官にも等しく及ぶ」と反論した。
法務次官などを歴任した黒川氏は、改正組織犯罪処罰法の成立などに携わり、「菅官房長官に近い」(自民党関係者)とされる。稲田伸夫・検事総長の後任に据えることをにらみ、「定年延長は官邸主導の人事」との見方が出ている。
山尾氏が「検事総長に任命することはありえませんね」とただすと、菅官房長官は「検察庁の業務遂行上の必要性に基づき、引き続き勤務させることにした。それに尽きる」と述べるにとどめた。
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