施政方針演説 首相「現役負担に歯止め」全世代型社会保障制度改革
安倍晋三首相は20日の施政方針演説で、全世代型社会保障制度改革について、令和4年から団塊の世代(昭和22〜24年生まれ)が75歳以上の後期高齢者になり始め、
社会保障費の急増が予想されることを踏まえ、「現役世代の負担上昇に歯止めをかけることは、待ったなしの課題だ」と強調した。
その上で現行1割となっている後期高齢者の医療費の窓口負担について「一定以上の所得がある人には2割負担を新たにお願いする」と述べ、年齢ではなく能力に応じた負担への見直しを進める考えを示した。
全世代型社会保障検討会議が6月にまとめる最終報告に向け、2割負担の所得基準を検討する。
年金制度については、パートら短時間労働者への厚生年金の適用を拡大する考えを表明した。適用の企業規模要件について、現行の「従業員501人以上」を令和4年10月に「101人以上」、6年10月に「51人以上」に引き下げる。
現役世代の急激な減少が見込まれる中、政府は社会保障をめぐる財政基盤を強化する必要性に迫られている。
首相は「70歳までの就業機会を確保する」と明言し、バブル崩壊後に就職難に直面した就職氷河期世代の就業については「3年間集中で一気に拡大する」と述べた。
厚生年金の適用拡大を含め、いずれも社会保障制度の支え手の確保を狙った政策といえる。
労働施策総合推進法を改正し、大企業に中途採用・経験者採用比率の開示を求める考えも表明した。こうしたユニークな取り組みも交えながら、労働市場の流動性を高めたい考えだ。
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