https://news.yahoo.co.jp/byline/satohitoshi/20180728-00090979/
若者の新規HIV感染者年間25万人、3分の2は女子:ユニセフが「HIV/エイズ報告書」
1時間ごとに約30人(年間25万人)の若者が新たにHIVに感染
ユニセフ(国連児童基金)は2018年7月、「子どものHIV/エイズ対策の中心にいる女性たち(Women: at the heart of the HIV response for children)」という報告書をアムステルダムで開催された国際エイズ会議で発表。2017年には1時間ごとに約30人(年間25万人)の15歳〜19歳の若者が新たにHIVに感染、その3分の2を女子が占めていることを明らかにした。
報告書によると、昨年だけで13万人の19歳以下の子どもと若者がエイズ関連で死亡し、同時に1時間に約50人という割合に相当する43万人が新たに感染した。
エイズの流行の負担を負わされ続けているのは若者で、彼らに支援を届けることができないことで、過去20年に世界がエイズの流行に取り組み達成した前進を減速させることになると指摘している。
若者のHIVの5人に3人が女子
・300万人いる0歳〜19歳のHIV感染者のうち、青少年(10歳〜19歳)が約3分の2を占める。
・2010年以降、おとなも含めたあらゆる年齢別グループでエイズ関連の死亡者数が減少しているのにも関わらず、15歳〜19歳の若者グループだけは死亡者数が減っていない。
・2017年にHIVと共に生きる15歳〜19歳の若者の数は約120万人で、その5人に3人は女子。
女子の間で感染が拡大している理由として、年上の男性を相手に含めた若年齢での性交渉、強制された性交渉、性交渉に関して交渉する力不足、貧困、秘密を厳守するカウンセリングおよび検査が受けられないことが挙げられている。
ユニセフ親善大使のアンジェリーク・キジョー氏は、報告書内のエッセイの中で以下のように語っている。「私たちは、女の子と女性が性交渉で稼がなくてもいいように、経済的に十分安定させる必要があります。彼女たちが確実に、HIVがどのように伝染し、どのように感染を防げるかに関する正しい情報を得られるようにしなければなりません。
もちろん、彼女たちが健康に生きるために必要なサービスや医薬品を得られるようにしなければなりません。そして何よりも、女の子たちと女性たちをエンパワーすることに注力しなければなりません。多くの場合、教育がその最適な方法です」