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安倍首相が実現させた公約はひとつもない
本当にやりたいのは"憲法改正"だけ
石破氏に投じられた45%の多くは「反安倍」票
2018年9月の自民党総裁選は特段の盛り上がりもなく、大方の予想通り、安倍晋三首相の3選ですんなり決着した。
地方票の約45%を獲得した石破茂氏を「善戦」と評する向きもある。しかし、石破氏に投じた党員が本当に石破氏を推していたのかどうかはわからない。
一般党員は国会議員よりもずっと安倍首相を「嘘つき」と感じている民意に近い。石破氏に投じられた45%のかなりの部分は「反安倍」票だったのではないかと私は見ている。
安倍首相が3選を決めた2018年自民党総裁選。(AFLO=写真)
従って前回地方票で安倍首相を上回った石破氏が今回は敗れているわけで善戦したとは言えない。
善戦できなかった最大の理由は、総裁選の争点になるような政策提言ができなかったことだ。
たとえば安倍首相は第1次政権のときから「憲法改正」を政権課題として訴えてきた。そのために苦労して国民投票法を成立させて改憲の下地を整えてきた。
早ければ秋の臨時国会に自民党の憲法改正案を提出し、残り3年で憲法改正の総仕上げをしたいという主張は首尾一貫している。
https://president.jp/articles/-/26699