猿まね大国ニッポンの転落、後進国化を暗示するITベンダーの惨状
少し前からIT業界の人と話していて、気になることがある。
例えば「韓国のサムスン電子や中国のファーウェイはすごいね」といった話になると、
必ず眉をひそめて「あんなの、米国の猿まねでしょ!」「コピーキャットのどこがすごいのか」
とムキになって言い返す人が増えてきたことだ。そんな人も立派なビジネスパーソン。
witterなどでの裏の顔を知らないから断言できないが、おそらく反韓・反中感情を持っているわけではないはずだ。
いやぁ、由々しい事態である。断っておくが、私は何も「日韓友好、日中友好の観点から問題」と憂いているわけではない。
私の問題意識からすると、そんなことは小事である。
「かつては猿まね大国ニッポン、その日本のビジネスパーソンが何を言っているのか
。日本企業特にITベンダーが世界で負けるのは、猿まねができなくなったからだぞ」。
私は立派なビジネスパーソンとケンカしたくないので黙っているが、本当は声を大にしてそう言いたい。
まさかそんなことはないと思うが、この手の立派なビジネスパーソンはひょっとしたら
「日本や日本企業は猿まねしなくてもよいぐらいクリエイティビティがある」と勘違いしているのでは、
と懸念する。もちろん、米アップルのようにクリエイティビティで勝負できれば、素晴らしいに決まっているが、
日本企業の大半、特にITベンダーのクリエイティビティは皆無に等しい。
そう言えば、日本には少し前から、「日本はすごい」「日本人は個性的」と外国人にヨイショされ悦に入るという、
気持ちの悪い風潮がはびこっている。まあ、昔「日本人には個性や創造性が無い」
とあざ笑われ続けた結果、自意識が肥大化したせいかもしれないが、
カネもうけに生きるビジネスパーソンが、そんな風潮に惑わされ、自分たちの正確な姿を見失ってはいけない。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/463805/052400140/