絶滅危惧種・巨大カラスガイ発見 殻の長さ36センチ重さ4キロ 坂東の川魚専門店の養殖池
2021年06月29日 07時51分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/113414 坂東市岩井の川魚専門店「川せみ」の養殖池で、殻の長さ36センチ、重さ4キロもある
巨大なカラスガイが見つかった。
かつては霞ケ浦でも食用として採取されていたが、近年はほとんど姿を消し、
環境省や県のレッドリストでは絶滅が危惧される希少種だ。
専門家は「これほど大きなカラスガイは最近では珍しく、大変貴重だ」と指摘している。(出来田敬司)
川せみを経営する飯塚昭夫さん(74)が、巨大なカラスガイを発見したのは四月十一日午後。
十数年ぶりに養殖池の水を抜いて掃除をしていた。
タナゴなどを飼育するいけすの網をさらったところ、六匹の貝が
半身を突き立てるようにして泥の中に埋まっていた。
川魚の養殖を始めてから三十年以上になる飯塚さんだが、
「こんなにでかいカラスガイは見たことがない」とびっくり。
最も大きな貝は、小柄な大人の肩幅ほどあり、重さは四キロ。
貝の由来は不明だが、飯塚さんは「東北地方などから魚を仕入れた際、交じっていたのではないか」と推測する。
すぐに坂東市役所と県自然博物館(同市)に連絡し、大きい方の三匹を同館に寄贈した。
カラスガイは、暗黒色で殻長一〇〜二〇センチほどの淡水性の二枚貝。
北海道や本州、九州のほか、東南アジアにも生息する。
同館の調査の結果、寄贈された三匹の殻長は三〇、三三、三六センチ。
二枚の殻のかみ合わせの箇所に「側歯」と呼ばれる凹凸があったことからカラスガイと断定した。
カラスガイは、県のレッドリストでは、
絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧1(ローマ数字の1)A類」に指定され、
環境省のリストでも、1(ローマ数字の1)A類より一段下の「1(ローマ数字の1)B類」に分類される。
同館資料課長の池沢広美学芸員(水性無脊椎動物)によると、霞ケ浦では既に絶滅した可能性があるという。