ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究者たちが、「アンティキティラ島の機械」で採用された計算式から
「アンティキティラ島の機械」の構造全体を再現することに成功しました。
「アンティキティラ島の機械」の復元に関する研究論文はオープンアクセスジャーナルのScientific Reports上で公開されています。
研究チームは「『アンティキティラ島の機械』は、美しい構想が優れた技術によって天才的な装置に変換されたものであることを明らかにしました。
これは古代ギリシア人の技術力に関する私たちの先入観を覆すものです」と記しています。
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究者たちが公開した「アンティキティラ島の機械」の分解図が以下の通り。
複数の歯車を用いたかなり精巧な構造であることがわかります。
研究チームは過去の「アンティキティラ島の機械」に関する研究などを参照し、
その構造に関するテキストや、古代ギリシアの哲学者であるパルメニデスが提唱した
惑星の動きに関する数学的モデルなどを用いて、わずか1インチ(2.54cm)の中に収まる複数の歯車により構成される構造をCGモデルで復元しています。
各歯車は惑星・太陽・月が古代の星図を横切って移動し、日食や月食のタイミングを知らせてくれるようになっています。
当然ですが、当時は天動説が主流であったため、それに基づいて地球ではなく天体が動くように設計されているとのこと。
なお、Wojcik氏は「古代ギリシア人がこのようなものを作ることができた証拠はありません。
そのため、『アンティキティラ島の機械』の存在は本当に謎に包まれています」と語り、
復元モデルを作成しても「アンティキティラ島の機械」の存在は謎に包まれたままであるとしています。