8月も終わりを迎えようというのに、うだるような暑さが連日続いていた
親友の曜ちゃんと下校しようと教科書を鞄に入れていると、やや低めながらも透き通るような懐かしい声が耳に入ってくる
「千歌ちゃんはいる?」
「いるけど」
「……あっ」
声がした方を振り向くと、肩ほどまで伸びた紅いセミロングの娘と目が合ってしまった
一瞬だと誰だかわからなかったが、わたしはやや吊り上がった琥珀色の瞳を憶えている
「はぁ、はぁ」
動悸が高まる
呼吸が荒くなる
まるで天敵を視界に捉え、いつでも逃げられる体勢に入った草食獣のように
「千歌ちゃん? 平気?」
「う、うん」
この発作も以前よりはだいぶマシになったのだから
「悪いけど曜ちゃんは先に帰ってて」
「……わかった。また明日」
「また明日」
察しがいい親友を持てたわたしは幸せ者だ
去り際に曜ちゃんが彼女に何か耳打ちしていったが、それを聴いた彼女がしかめっ面を作った様子からしてポジティブな内容でないのは確かだ
「千歌ちゃんっ」
ドアの前から駆け寄って来た彼女──桜内梨子ちゃん──があの頃のようにはきはきとした声でわたしを呼んだ
「何ですか? 桜内さん」
それに対し何の感情も込めず、無機質な声で機械的に応じてやる
彼女の双眸が見開かれ、同時に口もぽかーんと開かれた
「『梨子ちゃん』って呼んでくれないの? 前みたいに」
「今さら何さ?」
少しだけ怒気を込めて問う
「この女はかつてわたしにしたことを忘れたのか」という不信感を伝えるべく
「よっちゃんにフラれちゃった。『重過ぎる』『自分一人の時間が取れない』って」
「ふぅーん、あっそ」
無関心を装うも、心拍数が高まっていくのを自覚できた
梨子ちゃんがフラれた理由はなんとなく想像できる
善子ちゃんは自分だけの心象世界を大切にする人だからだ
恐らく四六時中ひっきりなしに電話を掛けたり、メールの返信を催促したりして鬱陶しがられたのだろう
「ねぇ、何か冷たくない?」
「当たり前でしょ。限りなくどうでもいいことだもん」
そうだ、わたし達にはもはや同じ学校の生徒である以上の繋がりなんてないのだから
「本当に?」
「知ったことじゃないよ、他人の色恋沙汰なんて」
「私と付き合えるとしても?」
梨子ちゃんが蠱惑的な微笑みを浮かべながら問い掛けてきた
「私、千歌ちゃんと仲直りしたいの」
梨子ちゃんがわたしの両手を握り、わたしを正面から見据えて一回り大きなトーンで懇願する
周りのクラスメート達がわたし達を注視した
「……本気?」
「うん、本気」
「……7時にウチに来て」
「7時ね、わかった」
試してやるよ
彼女の言葉が、気持ちが、想いが本心から出たものかどうか
その日の夕方6時55分、約束の時刻を迎える5分前にピンポーンとチャイムが鳴った
「お邪魔します」
梨子ちゃんは見慣れた白と水色の寝間着姿で我が家を訪ねてきた
「来ると思ってなかったよ」
「……約束したからね」
そういうことか
交わした約束を重んじるところは変わっていないという訳か
「上がって」
「宴会やってるのに呼んだの?」
「そうだけど」
「ウチじゃ駄目?」
「だからこそ、だよ」
一式経験した身であらば、今さら恥ずかしがることなぞ何一つないだろうに
梨子ちゃんがわたしより先を行く形で2階まで上がった
「私はあの時のように千歌ちゃんを置いていなくなったりしないよ」とでもアピールしているつもりか
「半年ぶりだね、ここに来るのも」
閉校祭の1週間前にラブライブ決勝で使う曲の打ち合わせ以来、梨子ちゃんがわたしの部屋を訪れたことはなかった
「そうなるね」
「ねぇ、千歌ちゃんはまだ怒ってるの?」
梨子ちゃんが再度悲しげに尋ねてくる
|c||^.- ^|| なんだかエッチな予感がしますわ〜
「自分の胸に聞いてみたら?」
突き放すように冷たい声色で答えるそう告げた
同時にわたし自身の胸がズキリと痛む
「ごめんなさい。……って口にするだけなら意味ないよね?」
梨子ちゃんがあの時と同じように深々と頭を下げた
「そうだね」
「だから──」
梨子ちゃんが寝間着の下を掴んでガバッとたくし上げる
「──好きにしていいよ、私のこと」
ブラジャーとパンティだけの下着姿になった梨子ちゃんが、顔を赤らめながらも宣言した
部活の練習や体育の授業で彼女の下着姿なんて何度も見てきたというのに、「好きにしていい」と告げられるだけでこうもわたしの中のケダモノが昂るものか
「黒って……嫌味かよ」
「今でも私は善子ちゃんのモノです」という当て付けとしか感じられなかった
まるで真紅のマントを見せられた闘牛のように頭に血が上ってくる
「そんなつもりじゃ──」
「わたしは未だに梨子ちゃんのこと忘れられないでいるのにっ!」
こちらからは弱みを見せなくなかったのに、つい本音が零れてしまった
「千歌ちゃん……」
梨子ちゃんが両目を細め、わたしを憂うような表情を見せる
「わたしの時間は、あの時止まったままなのに」
わたしと梨子ちゃんの関係が壊れたのは、閉校祭の2日目のことだった
「閉校祭を一緒に回りたい」の誘いを断られたことはショックではあったが、まだそれは彼女が善子ちゃんと先約を交わしていたから仕方ないと諦めはついた
「あくまで友情の範疇である」と
わたしは前々から抱くようになっていた自分の気持ちに素直になろうと決意し、晩のキャンプファイヤーが始まる前に梨子ちゃんを校舎裏に呼び出した
『梨子ちゃんのことが好きです。わたしと付き合って下さい』
『ごめんなさい。私、善子ちゃんと付き合うことにしたから』
わたしのストレートな一世一代の告白は、見事に玉砕した
わたしはその場で力を失い崩れ落ちた
梨子ちゃんはワンワンと子どものように大声をあげて泣き出したわたしに一声も掛けることなく、その場を後にした
あれ以降梨子ちゃんの顔を見るのも声を聞くのも嫌になってしまい、クラスやスクールアイドル絡みの事務的なやり取りすら出来なくなった
その拒否反応ときたら、見かねた曜ちゃんが連絡係を買ってくれたほどだ
「わたしだけが──んぐっ!?」
あの時の哀しみがフラッシュバックし、瞳から涙が零れ落ちそうになったところで梨子ちゃんがわたしの両肩をがっしりと掴んだ
そして強引にサクラピンク色の艶やかな唇を押し当ててきた
「んむっ、むふっ」
梨子ちゃんの舌がツンツンとわたしの口内を突っつく
「お願い、私とお話しようよ」と訴えるかのように
「んっ……んんっ」
梨子ちゃんにとっては善子ちゃん相手に幾度となく行ってきた「最初の挨拶」なのかもしれないが、わたしにとっては「未知との遭遇」だった
それでも恐る恐る舌先を伸ばし「いいよ、わかった」と応じた
互いの舌が蛞蝓のように絡み合う
たったそれだけのことなのに、快楽神経が刺激されることがあるのだと初めて知った
クチュクチュと卑猥な音が聴こえてくる
そして何だか極めて刺激の強い甘味がする
この甘味の中でしっかりと酸っぱさが同居する柑橘系の味が、わたしに違和感を覚えさせた
「ぷはぁ。初めて?」
梨子ちゃんとわたしの間で涎が糸を引いた
「うん、初めて」
「どんな味がした?」
「偽物、紛い物、作り物、嘘ついてる味」
意地の悪い答えを放った
キスの味を果物に例えるのはよく聞くが、あの味は人間の身体が作り出すことは到底不可能な味だ
「そっか、ごめんなさい。さっき果汁100%のみかんジュース飲んできたの」
「やっぱりね。そういうことするから梨子ちゃんは信用できないの」
いくらわたしが自他共に認める大のみかん好きだからと言えども、無理矢理ファーストキスまでみかん味にしようとするなど言語道断だ
「……私なりに信じてもらいたくてやったのに。人工甘味料は入ってないから」
そういう問題じゃないだろ
「だったら……次、いこっか♡」
梨子ちゃんが背中に両手を回し、パチンパチンとブラのスナップボタンを外した
ぷるんっ♡ とこれまでブラに覆われていた彼女の乳房が解き放たれる
「さすがに乳首までは善子ちゃんの色に染まってないんだね」
サクラピンク色の綺麗な突起に視線が釘付けになっていたことに気付き、ちょっと皮肉ってみせた
「当たり前でしょ。別に赤ちゃんが出来たとかじゃないんだから」
「わかってるよ」
もし仮にわたしが男性だったなら、是非とも彼女の乳首を黒く染めてみたいものだ
「いいよ、揉んでも」
「じゃあ、遠慮なく」
そう宣言したはいいものの、わたしとて他人の乳房に触れるなど恐れ多くてしたことなどないのだ
(というか公の場だろうと平気で乳を揉むなど鞠莉ちゃんぐらいだろう)
それでも梨子ちゃんの誘いに応じねば女が廃ると考え、彼女の綺麗なお椀型の乳房を鷲掴みにした
「んっ、ふうっ」
おっぱいの感触は、なんとも形容し難いものである
とろけるような柔らかさも持ちつつも軟球のような弾力も併せ持ち、いつまでも触っていたいと思えるほどのほどよい感触だ
「ちょっとおっきくなった?」
「んっ、うんっ。確か84」
「むうっ」
「好きな人に胸を揉まれると大きくなる」という迷信を思い出し、ふつふつと怒りがこみ上げてきた
いつの間にかわたしより一回りも膨らんだ梨子ちゃんの乳房を掴む両手に、無意識に力が入る
「あっ、ああんっ」
「どんだけ善子ちゃんに揉まれたのさっ!」
「んんっ、んあぁっ……痛っ!」
梨子ちゃんが苦悶に顔を歪め、甲高い悲鳴をあげた
「あっ……大丈夫?」
「下手くそ。よっちゃんはもっと優しかったよ」
梨子ちゃんがムスッと頬を膨らませ、わたしをキッと睨み付ける
「ぐうっ」
彼女の挑発に乗ってやることにした
少しでもわたしが味わってきた哀しみを、苦しみを、寂寥感を、深い深い絶望を理解してもらいたくて
「梨子ちゃんのバカ、アホ、尻軽、淫乱、鬼畜、ちゃらんぽらんのすれっからし、軽薄女、雌犬っ!」
ありったけの嫌悪感と不快感と侮蔑を込めて、好きで好きで仕方ない人を罵倒する
「んっ、ふうっ。よくそんなに……んあぁっ……調べたの?」
「梨子ちゃんのためなら、わたしはどんなことだって頑張れるんだよ」
「愛が憎しみに変わってゆく」
ありきたりなフレーズではあるが、わたしはあの時それを身を以て痛快した
それと「復讐は人を勤勉にする」というのも
「そんなことを……んあぁっ」
「勉強したんだもん! 梨子ちゃんそっくりの女優さんが出てるAVでっ!」
「ふふっ、何よそれ?」
梨子ちゃんが呆れたように苦笑いする
「万が一の奇跡が起こった時に備えて」
それだけ告げて、赤ん坊のように彼女の乳首にむしゃぶりついた
「そう……んっ、ふうっ。その万が一が起こって満足?」
梨子ちゃんがお母さんのように優しい声色でわたしの頭を撫でながら尋ねる
「満足なんてできる訳ないでしょ!」
彼女の舐めたような物言いに腹が立ち、癇癪を起こしたガキのように怒鳴り散らした
「どうして?」
梨子ちゃんがするりとパンティを下ろし、とうとう一糸纏わぬ姿になる
そしてそのままベッドに背中から倒れ込んだ
あくまで「主導権は千歌ちゃんにあるんだよ」と言外に示すかのように両腕を広げ、柔らかい微笑みを向けて誘惑する
「なに清純派ぶってるのさっ!」
天使のような笑顔が心の傷口を余計に抉った
お前はむしろ悪魔のクセにっ!
わたしの心を掴んで離さない恐ろしい魔性の存在めっ!
「わたしが一番欲しかったモノは、もうどんなに頑張ったって手に入らないんだからっ!」
AVで学んだように人差し指と中指を揃え、彼女の手入れされたツルツルの秘部にそっと挿し込む
そしてさっきのように乱暴にしたりはせず、あくまで「梨子ちゃんを気持ち良くさせてやりたい」と慎重に動かした
「んああぁっ♡ 何さぁ、それって?」
「梨子ちゃんのっ……『一番』にぃっ、なることだよぅっ……ううっ」
とうとう堪えきれなくなり、ぽろぽろと大粒の涙が零れ出した
「んんっ、んああぁっ!?」
「どうせわたしなんてぇっ……善子ちゃんのぉっ、代わりでしかっ……ううっ、ないんでしょっ」
「ああんっ♡ そんな、つもりじゃあっ……んああっ」
はぁはぁと梨子ちゃんの吐息が荒くなってくる
わたしの指遣いで感じてくれているのは間違いないようで喜ばしい
「嘘なんてぇっ、いらないよぅっ!」
「んあっ……あはっ♡」
指先が湿り気を感じた
愛液が分泌されたのか?
「梨子ちゃんがわたしの愛撫で感じてくれている」確証が得られ、思わず口元が弛んでしまう
「わたしねっ、善子ちゃんは尊敬してるんだよ」
端正な顔立ちにスレンダーなボディ
「堕天使ヨハネ」を自称し一見ふざけているようで、確たる自分を持っているところ
傲岸不遜な物言いとは裏腹に、周囲をよく見て他人を気遣える優しさ
他にも色々あるが、もしわたしが梨子ちゃんの立場だったなら、「こんなわたしなんかより善子ちゃんを選ぶのは当然だよね」と納得できてしまうほどに彼女は人間が出来ているのだから
「でもぉっ、よっちゃんはぁっ……千歌ちゃんから私を奪ったのにいぃっ、ああんっ♡」
「元々梨子ちゃんはわたしのモノじゃない。わかってるでしょ?」
そう思い込むようになっていた自分自身に言い聞かせてきた「戒めの言葉」を当人に吐き出した
「それはっ……んああっ、そうだけどぅ……ああんっ♡ 千歌ちゃんの好意をぉっ、無下にしたのは事実でえっ──」
「心にもないこと口にしないでよっ!」
「そんなっ……はぁはぁ、つもりはっ……ああんっ♡」
梨子ちゃんの吐息がまるで全力ダッシュをした直後のように乱れてくる
やっぱり、彼女は酷く罵られると感じちゃうドMさんのようだ
語彙力豊富な善子ちゃんからどのような罵詈雑言を浴びせられてきたのか、正直気になるところである
「梨子ちゃんは自分が気持ち良くなれれば、誰にだって股開くんでしょ! それこそ曜ちゃんや花丸ちゃんだろうともっ!」
かくいう彼女達は、今や恋人としてお付き合いをする仲である
梨子ちゃんにフラれた翌日に、曜ちゃんが我が家を訪ね『千歌ちゃんのことが好きです。私の恋人になって下さい』と告白してくれた
だがわたしは『ごめん。曜ちゃんのこと、そういう風には見られないんだ』と断ったのだ
昨日のわたしと同じように泣き出しそうになった彼女に向けて『でも曜ちゃんのことが嫌いって訳じゃないよ。これからもいい親友としてよろしくね』とぎこちないながらも精一杯のフォローをした
結果、わたしと曜ちゃんの関係は壊れることはなく、彼女が今まで通りわたしに接してくれることが心から喜ばしく思う
……まあ曜ちゃんが「善子ちゃんにフラれた」花丸ちゃんと、半ば傷の舐め合いという形で付き合うようになるとは予想外ではあったが
「違うもんっ……はぁはぁ♡ そんなことないもぉんっ……んああんっ♡」
「嘘つきっ! 梨子ちゃんの言うことなんて、何一つ信用できないからっ!」
頻繁に約束を破る子どもを叱りつける母親のように、ドスを効かせた低音で怒鳴り付けた
「だったら──」
「だったら?」
「いいよ、シよっ♡」
梨子ちゃんが右手を伸ばし、わたしの右手首をガシッと掴む
「するって……何を?」
敢えて無知のフリをしてみせた
「本番、シたいくせに。千歌ちゃんも脱いで」
「う、うん」
言われるがままにわたしも梨子ちゃんに倣いブラとパンティを脱ぎ捨て、産まれたままの姿を晒した
「ふふっ、千歌ちゃんだってこんなに濡れてるじゃない」
梨子ちゃんがわたしのヒクヒクするアソコを凝視しながら責め立てる
「仕方ないでしょ。ずっと梨子ちゃんにしたかったことがヤれてるんだもん」
「じゃあ最後までヤろっ♡」
彼女に導かれるまま、わたしはゆっくりとベッドに上がった
膝立ちの姿勢になり、そっと腰を下ろして梨子ちゃんのアソコにわたしのアソコを重ねる
「梨子ちゃんっ、梨子ちゃんっ、りこちゃぁんっ!」
そして最愛の人の名を何度も叫びながら前後に腰を振った
「そうだよっ、あはっ♡ 千歌ちゃんの欲しがってた……ああんっ♡ 梨子ちゃんだよぅっ♡」
彼女がわたしの背中に両腕を回し、強引にわたしを引き寄せた
そして初めてのわたしに負けるまいと腰を上下させる
ミシミシとベッドが軋む音と、クチュクチュと愛液が泡立つ音が響いた
「んああぁっ♡ 梨子ちゃんっ、梨子ちゃんっ、りこちゃぁーんっ!」
彼女をもう二度と他の誰かの下に行かせたくない
彼女の温もりを独り占めにしていたい
彼女の愛情がわたしだけに向いていてほしい
そんな醜い独占欲を吐き出すつもりで彼女の名を叫び続ける
「いいよ、いいのよ♡ もっと、もっとぉーっ!」
彼女の腰の動きがますます激しくなったためか、わたしの全身が快感に負けてビクリと痙攣した
今が初めてのわたしに対して、梨子ちゃんは善子ちゃんと何度も身体を重ねたであろう百戦錬磨のテクニシャンのはずだ
だからといって一方的にイカされてていいのか、高海千歌ァ!
「大好きだよぅーっ、りこちゃぁんっ!」
彼女にもわたしと同じように気持ちよくなってもらわねば不公平だと、腰の動きを速くする
「私もだよぅーっ、ちかちゃぁんっ!」
彼女の身体がビクンッ、ビクンッと痙攣したのが伝わってきた
よし、梨子ちゃんも感じてくれている何よりの証拠だ
「りこちゃぁんっ!」
「ちかちゃぁんっ!」
お互いに「負けるもんか」と相手の名前を叫んでみせる
「「あぁああんっっ♡♡♡」」
わたし達は同時に絶頂を迎えた
プシャーっと潮が噴き出し、互いの下半身をビショビショに濡らした
|c||^.- ^||
梨子ちゃんの左手を右手でぎゅっと握りしめ、わたし達は全裸のままベッドの上で横になっていた
「梨子ちゃんさ、わたしの神経を逆撫でするようなこと何度か言ったけどさ」
「うん、言ったね」
「あれって、わざと?」
特別咎めるつもりはなく、ちょっとした疑問を解くつもりで軽く問う
「うん。禊にしたかったから」
「禊?」
禊とは罪や穢れのある者が、川や海の水で心身を洗い清めることだという
むしろつい先ほどまでわたし達がやっていた行為とは正反対の位置にある神聖な行為ではないのか?
「やり直すなら、お互いにきちんと膿を吐き出さないといけないと思って」
「ああ、そういうことね」
梨子ちゃんはわたしを残酷に切り捨てたことの贖罪をして
わたしはそれに対して思う存分罵って
互いに本心をぶち撒けることで
彼女はわたし達の絡まってぐちゃぐちゃになった心の糸をほどこうとしてくれたのか
「改めてごめんなさい。千歌ちゃんの気持ちを蔑ろにして」
「勘違いしないでよ。梨子ちゃんを色々励ましてきたのは、別に梨子ちゃんと恋人になりたいからとか、エッチなことがしたかったから……とかじゃないんだからね」
彼女の謝罪に対し、きちんと訂正を入れておく
「わかってるよ。千歌ちゃんは悩んだり迷ったり苦しんでる人が放っておけないんだってね」
「う、うん。……まあ、『大好きだよ』って告白されるまでは」
海岸通りでの一件以降、「梨子ちゃんをわたしのものにしたい」という下心が混じるようになったのは否定しないが
「やっぱり。でもアレは確かに……誤解を招くようなやり取りだったし」
今になって恥ずかしくなったのか、梨子ちゃんの顔が茹で上がった蛸のように真っ赤になった
それと比べものにならないほどの恥ずかしい行為をしてきたというのに、告白一つで赤面してしまおうとは
「あらら〜。可愛いよ、梨子ちゃん♡」
「うっ、ううっ」
堪えきれなくなったのか、彼女が両手で顔を覆ってしまった
「もっと見たいのになぁ。梨子ちゃんの恥ずかしがる顔♡」
「……千歌ちゃんのバカっ」
梨子ちゃんが落ち着いたところで、わたしからも彼女に謝罪した
「わたしこそごめんなさい。フラれたからって梨子ちゃんを敵視して、ずっと口を利かないでいたこと」と
「自分を好きでいてくれないなら嫌いになる」なんて、相手を一人の人間として認めていない極めて利己的な思考だと認める
あ、今のは「梨子」ちゃんと「利己」的を掛けた──
「口元がニヤついてるわよ。またしょうもない駄洒落でも浮かんだんじゃないの?」
「いやー、全く以てその通りなんですよー梨子ちゃーん。てへへぇ〜」
呆れる彼女に向けてとぼけてみせる
「ほんと、変な人。いいよ、赦す」
梨子ちゃんが以前よく見せてくれた屈託のない微笑みを浮かべてくれた
「ありがとねっ、梨子ちゃんっ♡」
隣で寝そべる最愛の人をギュッと強く、強く抱きしめる
「千歌ちゃんったらもう1ラウンドしたいの?」
「そういうつもりじゃなかったんだけど……っていうか梨子ちゃんがシたいんでしょ?」
「うんっ♡」
どうやらわたしが惚れた相手は、なかなかにエッチが大好きな変態さんだったようです
見る目変わっちゃうわ、梨子ちゃんのこと
「善子ちゃんとは普段何回シてたのさっ?」
「デリカシーがないのね。これから始めようってのに他の娘の名前を出すなんて」
「梨子ちゃんがそれ言うかなぁ? デリカシーなし子ちゃんの分際で」
「言ったわね! 私がずっと気にしてたことをっ!」
わたしがフラれた時の痛みを延々引きずっていたように、梨子ちゃんもフった際の冷たい態度を長らく引きずっていたようだ
「「ふふっ、あははっ」」
顔を向き合って笑い合う
わたし達の関係はもう以前と同じには戻れない
でも痛みや苦しみを乗り越えた今なら、また少しずつやり直し積み重ねていけばいいと思える
「改めてよろしくね、千歌ちゃん♡」
「こちらこそよろしくね、梨子ちゃん♡」
そしてわたし達は再び快楽の海に溺れていった
从c*^ヮ^§ ♡ メイ*^ _ ^リ 終わりです
>>41
ありがとうございます
R-18のSS書くのは今回が初めてなので嬉しいです |c||^.- ^|| 千歌が男口調で語るのはなんとかならんのか
作者越しに見てしまうわ
これがちかりこ厨か………
KOUGIといいロクなのがいないな
>>44
docomoだけど飛行機飛ばしたりしてもなかなか立てられなくて試行錯誤してたの 地域隠して特定のキャラを当て馬にする展開はちょっと
曜善子のフォローはしてあるかと、あと花丸も
というか千歌も梨子もどっちも屑過ぎる
まあそういうテーマなんだろうと
日朝友好の架け橋かな
>>10
訂正
冷たい声色で答えるそう告げた ×
冷たい声色でそう告げた ○ アニメ準拠のくせによしりこを潰してちかりこにするとはこれがちかりこ厄介か
まるでKOUGIだな(将棋だなのイントネーションで)
成り済まして対立煽りスレ立ててよしりこ、ようちか、ようりこ争わせたちかりこ厨の愛され梨子大好きヘラクレス茸はやっぱやること違うわ
思考そのものがクズってはっきりとわかった
またよしりこ厨やようちか厨がSS荒らしてんのか
二次創作すら許さない独裁者だなまるで
善子は話のキーパーソンだから仕方ないとしても2人+善子で完結してるから
、花丸と曜にはフォロー以前にそういう描写を入れる意味がないのでは?と感じる
傷を舐め合うようまるを振り回す善子やギスギスAqoursを描きたいなら分かるけど、あくまでちかりこSSだろうしね
わざわざ描写を入れるせいで余計に当て馬感が出てるわ
渡辺曜と津島善子は五体引き裂かれて内蔵引き千切られて血反吐撒き散らしてのたうち回って死に晒せ
>>28-29間に急遽追加
梨子ちゃんにフラれた翌週末に曜ちゃんと花丸ちゃんが「美味しいものでも食べて嫌なことは忘れよう」とわたしをショッピングに誘ってくれた
ところがわたしはデパ地下の飲食店街で発作を起こして倒れてしまったのだ
『大丈夫、千歌ちゃん?』
『うん。アプ「リコ」ットとか「リコ」ッタチーズとか見て思い出しちゃっただけだから』
『そっか。ごめんね』
『いいって。曜ちゃんも花丸ちゃんも何も悪くないんだから』
彼女達が失恋の傷を乗り越えようとしているのに、わたしだけが未だにフった相手に未練タラタラなのが情けなかった 千歌「梨子ちゃん、新曲できたの!? 聴かせて聴かせてー!」
梨子「あぁっ、ダメだよまだ途中……」
千歌「いーじゃんいーじゃん、途中まででもチカは聴きたいの!」
〜〜♪
〜〜♪
千歌「はあぁ、ステキなメロディー……。途中まででもわかるよ、これはもう神曲間違いないよ……チカの心を響いてくるもん」
梨子「……ありがとう///」
千歌「よおっし、じゃあこれみんなにも聴かせてくるね!」
梨子「ああっ、そ、それはダメ……!」
千歌「えー、せっかくの神曲なのに、チカだけなんてもったいないじゃん!」
梨子「……いいの、千歌ちゃんだけに、聴いてもらえれば……」
梨子(だってその曲は、千歌ちゃんの為に作ったバースデーソングのつもりだから……)
千歌「どーして? どーしてなの、りーこちゃーん?」
梨子(……って言いたいのに、気恥ずかしくて言えないよ……///)
曜(やりとり見え見えだったぞーwwwww)
曜「何聞いてるのー?私にも聞かせてよ!」
千歌「ふぇ?」
梨子「う、うん」
梨子(本当は千歌ちゃんにだけ聞いてほしかったのに)ぐすん
鞠莉「!?」
鞠莉(周りにも二人のやりとり見え見えで恥ずかしくなってたけど空気読めない行動に出たのはこいつだけねーよーしマリーにお任せよ)
鞠莉「はーい曜!音楽聞きたいなら私の音楽聞いてみなーい?」
曜「ええ?梨子ちゃんが作ったの聞きたいなー」
鞠莉(やっぱり梨子が作ったって知ってたのね遠慮する必要がなくなったわ)
鞠莉「いいからいいから」
曜「わわっ」
ヘッドホーン&ロックオン!
鞠莉(ボリューム最大で)「スイッチオン」
ドオン!ドンドンドン!!!!!
曜「!?!?!?!?!?!?」パーン
こうして曜は鼓膜が破れてしまいました
鞠莉「これじゃあ音楽に合わせて踊るの無理ねー」
果南「曜は引退ってことで」
ダイヤ「偶数になったのでちょうど皆さんでペアになるフォーメーションも組めますわね」
鞠莉「もちろん千歌と梨子はペアよ」
曜(何言ってるのみんな?聞こえないよ……)
梨子「千歌ちゃん大好きだよ」
千歌「私も!この曲も梨子ちゃんもだーい好き」
こういうのを読むと当て馬を作らない組み合わせがより支持を得やすいのも分かる
ドロドロ好きなので良かった
身体の関係持ったら簡単に許しちゃうのはもったいないが
>>70
というかただの男
千歌が喋ってるんじゃなくて作者が喋ってる風にしかみえない
千歌ちゃんこんなに賢くないよ