B52(航空自衛隊提供)はルーマニア空域で演習に参加した
ロシアのウクライナ侵攻に対し、ジョー・バイデン米政権が「軍事的関与」へとかじを切りつつある。米軍爆撃機がウクライナ周辺で演習を行ったほか、米国とポーランドが「ウクライナへ戦闘機供与」の可能性を検討している。民間人も巻き込む無差別攻撃を続けるロシア軍に対し、世界的な批判が高まっていることも理由のようだ。
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米国の欧州軍空軍は4日、複数の戦略爆撃機「B52ストラトフォートレス(成層圏の要塞)」がルーマニアの空域で、同国軍と演習を実施したとの声明を発表した。米CNNが報じた。
B52は、全長約49メートル、全幅約56メートルと巨大で、核爆弾や巡行ミサイルなどを大量に搭載でき、「死の鳥」と恐れられている。ベトナム戦争や湾岸戦争で活躍した。
ルーマニアはウクライナの南西にある隣国で、NATO(北大西洋条約機構)加盟国でもあるため、米軍が同盟・友好国との団結を示したかたちだ。B52はドイツ軍とも演習を行ったという。
米国はこれまで、G7(先進7カ国)などとロシアに経済制裁を断行するとともに、ウクライナに400億円相当の武器供与などを行ってきた。ここに来て、軍事支援にも変化がみられる。
欧州歴訪中のアントニー・ブリンケン米国務長官は6日、訪問先のモルドバで記者会見し、ポーランドによるウクライナへの戦闘機供与を「積極的に検討している」と述べた。ポーランドが保有する旧ソ連製戦闘機をウクライナに供与し、米国がポーランドにF16戦闘機などを補塡(ほてん)する計画が浮上している。
ブリンケン氏は同日、CNNテレビに対し、「戦争犯罪にもつながる民間人への意図的な攻撃に関し信頼できる報告がある」と述べた。すでに戦争犯罪と人道に対する罪の疑いで、国際刑事裁判所(ICC)が捜査を開始しており、これに合わせて情報を収集していることを明らかにした。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「ウクライナへ戦闘機供与検討のインパクトは大きい。実現すれば、ウクライナ空軍がすぐに使用できるため、大きな戦力になる。米国としてはウクライナに関与できるギリギリの戦略の1つだろうが、暴走を続けるロシアに対し、米国もこれまで以上の関与をせざるを得なくなっているのだろう」と指摘した。
https://www.zakzak.co.jp/article/20220307-LPAEQOGADVN6FBXPIERFH2WUMY/