あなたが観ている試合には“台本”があるかもしれない(前編)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140102-00010002-footballc-socc それは、今日のスポーツ界で最も深刻な問題だと言える。
シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイといった主にアジアの国々を拠点に、
八百長を行う集団が暗躍している。彼らは、国際試合からマイナーなリーグのゲームまで、
何百という試合で八百長を仕組むべく世界中を飛び回っている。
このスキャンダルについて見たことも聞いたこともない、またはそんなことあり得ないと考える読者は、
いきなり八百長などと言われても作り話か悪い冗談のように思うだろう。だがそれは間違いだ。
この八百長という汚職問題の背景と、それによって私たちの愛して止まないスポーツが、信頼を失って
崩壊するのを防ぐために何ができるのだろうか。
かなりセンセーショナルな話なので、多くの読者は「一体お前は何者なんだ?
よくこんなでたらめが言えるな」と思うかもしれない。日本の読者には考えられないような内容だろうから、
私の主張の根拠をお話したい。
その多くは読者にとって初耳で、まったく信じがたいだろう。しかしすべてがまぎれもない真実であり、
今日のあらゆるスポーツは、とんでもない深刻な脅威にさらされていると断言する。
それは日本にとっても決して他人事ではないのだ。
私は調査報道を行うジャーナリストで、国際的に数々の賞を受賞する機会にも恵まれた。
自著『黒いワールドカップ』を執筆するために5年以上にわたって八百長について調査を行い、
スポーツ界の220人以上にインタビューを敢行した。
選手、審判、コーチ、スポーツ機関の関係者、警察、検察、ブックメーカー、プロのギャンブラー、
そして最も重要である八百長フィクサー(八百長の段取りすべてを取り仕切る人物)たちにも接触した。
私は世界各地の八百長フィクサーから、彼らの手口について話を聞いた。
アジアのあるフィクサー集団は、2006年のW杯ドイツ大会で八百長を仕組むためにコーチ陣や選手と接触して
行われた「打ち合わせ」に私を同席させてくれた。私は、ひそかに録音機器を持ち込んで、やり取りの証拠を残した。