舛添元都知事「かつてのように右(保守)と左(リベラル)のイデオロギー対立をもって政界地図を描ける時代は終焉を迎えている。
日本は自民一強時代を迎え、それに対峙するはずのリベラル代表格の立民は、何ら対立軸を見出せていない」
舛添元都知事「硬直化した政界に、変化をもたらす新たな争点があるとすれば、上と下の対立軸。
世界中で格差拡大による不満が募り、既得権を突き崩そうとする動きが盛んだが、
日本でそうした不満の受け皿となりつつあるのが、山本氏率いるれいわに他ならない」
舛添元都知事「重度障害者の政治家を実現させたれいわの姿勢は、優生思想を押し進めたナチスとは、対局的。
これまで政治に関与できなかった人間を永田町に送り込んだ功績は、高く評価されるべき」
舛添元都知事「れいわの主張は富裕層を除く、多くの国民にとってありがたいもの」
「れいわ新選組はナチス的ポピュリズムか」の声に舛添氏回答
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190904-00000017-pseven-soci 新興政党ながら先の参院選で2議席獲得した「れいわ新選組」。旧態依然とした永田町に吹き込む新風を期待する声が高まっている。
さて、大前提の話をします。冷戦終了から30年近く経ちました。
かつてのように右(保守)と左(リベラル)のイデオロギー対立をもって政界地図を描ける時代は終焉を迎えています。
日本は自民一強時代を迎え、それに対峙するはずのリベラル代表格の立憲民主党は、何ら対立軸を見出せていない。
硬直化した政界に、変化をもたらす切り口(新たな争点)があるとすれば、上と下の対立軸です。
一部の富裕層とそれ以外の大多数との格差は広がり、「分断」時代が到来しています。
下層に位置する国民にしてみれば、政治は安定しているのに、なぜ私たちに富は配分されないのか、との不満が募ることでしょう。
世界中でこうした声が噴出しており、既得権を突き崩そうとする動きが盛んです。
日本でそうした不満の受け皿となりつつあるのが、山本氏率いるれいわに他なりません。
このたび躍進したれいわの主張をざっと並べてみましょう。
最低賃金1500円、奨学金返済免除、消費税廃止・所得税や法人税の累進課税、財政出動、野宿者支援…。
こうした主張に通底するメッセージは明確です。
「国民を飢えさせない」
これは、ヒトラーの「労働者むけ政策」を彷彿させます。
ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)や他国の侵略といった側面ばかり注目されるナチスですが、
党の綱領には、小企業の保護や貧困家庭の教育費国庫負担など、労働者に訴える内容が多く盛り込まれています。
つまりは、ナチスは下(労働者)からのポピュリズムの風にのった政党なのです。
ナチスを熱狂的に支持したのは、既得権益にあずかれない大衆(危機的階層)でした。
彼らはエリートを嫌い、むしろ「マージナルマン」(外れ者)が中央に成り上がる様に喝采を送りました。
ここにれいわとナチスのもう一つの共通項があります。
党首の山本氏は、芸能界から国会議員になるも、しばらく「無所属のはぐれカラス」でした。
突飛な国会質問、天皇に直訴の手紙など、エリート政治家には真似できない手法で注目を集めてきました。
永田町の政治家たちは、山本氏のことをバカにしていたことでしょう。
参院選に出たれいわの候補者たちも、これまで周縁にいた人たちが多い。
ヒトラーも学歴だけでいえば、小学校しか出ておらず、ましてやドイツ人ですらありません。オーストリア人です。
そんなアウトサイダーの彼が成り上がっていく際には、神出鬼没の街頭演説や共産党への攻撃的な選挙妨害など、
「やけっぱち」とでも言いたくなるような手法をとりました。
当初は、エリート政治家たちからピエロのように扱われていたこの男が、
第一世界大戦後の経済恐慌というドイツの苦境に際して、爆発的に支持を拡大していったのはご存知の通りです。
翻って日本でも、いまリーマン級のショックが起これば、何が起こっても不思議ではありません。
もちろん大きな違いはあって、重度障害者の政治家を実現させたれいわの姿勢は、優生思想を押し進めたナチスとは、対局的です。
これまで政治に関与できなかった人間を永田町に送り込んだ功績は、高く評価されるべきでしょう。
ポピュリズム政党という側面だけで、両者を同一視するつもりはありません
れいわの主張は富裕層を除く、多くの国民にとってありがたいものです