電話の歴史
伝声管と糸電話
音声通信には、ひとつには、管を用いて物理的に音声通信を実現する伝声管(voice pipe)があった。(これがいつごろ発明され使われるようになったか、どこまで遡れるか、歴史がはっきりしないところがあるが、少なくとも)フランシス・ベーコンが1672年刊行の自著で提案したことが知られている。
1782年にはフランスのDom Gautheyが行政などの分野で伝声管を使うことを科学アカデミーで提案した。これはベンジャミン・フランクリンにも支持され、パノプティコンに導入され、その後、軍事利用などにも広がって行った。19世紀、20世紀では広く用いられ、現在でも船舶内での音声通信ではしばしば使われている。
糸電話は、もともとは使うのは糸とは限らずワイヤーを用いたものもあり、(現在では、まるで玩具扱いされているが)かつては大真面目に音声通信の手段として実験・検討されていた時代があり、
たとえばロバート・フック(イギリスの自然哲学者・博物学者でアイザック・ニュートンの仲間でライバル)によって1664〜1685年に実験が行われ、ワイヤーを用いた方法も行われていた。19世紀後半には、(電話と並んで)この原理を用いた装置が、大人が使用するまともな製品として販売されていた。