>>1 第二章 黒人リズム感とは
踊れる曲と踊れない曲の差は、体幹部でビートを刻んで踊れるか踊れないかの差である。ビートが速過ぎて単調な音楽では、手足でしかビートを刻めない。
日本人はダウンビートの民族であり、黒人はアフタービートの民族である。
黒人リズム感とは、黒人特有の体型や骨格、柔軟性、重心の高さなどの先天的要素(黒人フィーリング)と、アフタービート主体の動きという後天的要素(ノリのリズム)の組み合わせによって生みだされる感覚である。
第三章 リズム理論
後天的に獲得される「ノリのリズム」を「パルスリズム」と名付ける。
パルスリズムを体得するには、音楽のビート→大脳の知覚→身体の動きという図式が前提となる。音楽のビートを聞くことが第一に必要である。
黒人たちは体幹部を動かし続けることによって正確なビートを保持し、保持したビートを軸に複雑なリズムを作りだしている。
この体幹部の連動運動を「インターロック(Interlock-Movement)」と呼ぶことにする。インターロックでは、首・胸・腰が中心となる。「そのリズムの起点は首にある。首から発した動きが波のように胸と腰に連動していき、結果として大きな動きのノリのリズムを形成する」
ダンスでは、「タメ」て打つことで、リズムの「ノリ」を作り出す。タメをコントロールできるようになることが、リズムを作り出すことに直結している。
動きに「シナリ」を加えるには、脱力がポイントとなる。「腕を長く感じるように、重く感じるように動かすトレーニングが必要」である。
「黒人ダンスは脱力、つまりリラクゼーション(Relaxation)をベースとする」のである。