膀胱に溜まった尿を排出させる際に必要なのが、神経伝達や筋肉の動きです。膀胱に尿が溜まったという情報が、神経を通して大脳に伝えられると、
大脳から神経を通して膀胱へ「排尿せよ」という指令が出ます。その指令を受けて膀胱の出口の筋肉がゆるみ、排尿されるのです。
その一連の神経伝達がうまく行われないことや、筋肉の収縮がうまくできない場合に、排尿障害が起こってしまうのです。
ほかに、尿道が閉塞するなど物理的に狭くなったことで尿が通れなくなり(通過障害)、排尿できなくなっている場合もあります。
考えられる病気
排尿障害を引き起こす代表的な病気は、神経因性膀胱(しんけいいんせいぼうこう)と前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)があります。
神経因性膀胱(しんけいいんせいぼうこう)
神経因性膀胱は、排尿をコントロールする神経が正常に働かなくなることで、排尿障害(尿失禁など)、蓄尿障害(過活動膀胱など)が起こる病気です。
原因として、脊髄障害が考えられます。脊髄障害は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などです。
前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)
前立腺肥大症は、通過障害の代表的なものです。前立腺は男性の膀胱の足側に位置しており、尿道を取り囲んでいる器官です。前立腺が肥大すると
尿道を圧迫してしまい、尿道が狭くなることで尿の通過障害を引き起こします。頻繁に尿意を感じたり、尿の勢いが低下したり、残尿を感じたりします。
そのほか、前立腺がん、前立腺炎(細菌による前立腺の炎症)、尿道狭窄(外傷や尿道カテーテルによる炎症の後遺症として現れる)、膀胱や尿道内の
腫瘍や結石などがあげられます。
尿が出にくくなる原因には、加齢により腎臓や膀胱の機能が低下する場合も多いですが、なんらかの病気が原因であっても、早期の治療で改善する
ケースも多くあります。今までの尿の出方との異変に気づいたら、早めに主治医や専門医へ相談することが大切です。
https://www.skincare-univ.com/article/013248/