◎正当な理由による書き込みの削除について: 生島英之 とみられる方へ:【理想のヒモ生活】 渡辺恒彦 総合スレ その9 YouTube動画>1本 ->画像>66枚
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次スレは
>>980 を踏んだ人が宣言して立ててください。
無理な場合は代理を指名してください。
・次スレ作成時
>>1 の文頭1〜3行目に
「!extend:checked:vvvvv:1000:512」をコピペして貼り付け
・書籍版のネタバレ解禁は公式発売日の24時(翌日0時)から。
ここは、渡辺恒彦について語るスレです。
小説家になろうで連載されているネット小説、出版書籍、
などを自由に語ってください。
書籍版との比較などもこちらでどうぞ。
※前スレ
【理想のヒモ生活】 渡辺恒彦 総合スレ その8
http://2chb.net/r/bookall/1562499492/ VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvv:1000:512:: EXT was configured
No, Jesus dug down deep Knowing what he had to do When faced with his own death Jesus knew that he had to Man up He had to man up So he crawled up on that cross And he stuck it out And he manned up Christ, he manned up And taught us all what real manning Up is about And now its up to me And its time to man up Jesus had his time to Now its mine to man up
I'm taking the reins I'm crossing the bear Just like Jesus I'm growing a pair! I've gotta stand up Can't just clam up Its time to Man up! Cause there's a time in your life When you know you've got to Man up! Don't let it pass you by There's just one time to Man up!
Watch me man up like Nobody else I'm gonna man up all Over myself! I've got to get ready Its time to Time to - What did Jesus do When they put nails in his hands? Did he scream like a girl? Or did he take it like a man? When someone had to die To save us from our sins Jesus said "I'll do it!" And he took it on the chin
He manned up He manned up He took a bullet for me and you That's man up Real man up And now its my time to Do it too Time to be a hero And slay the monster Time to battle darkness You're not my father! I'm gonna time to Just watch me go Time to stand up and steal the show Time ta! Mine ta! Time ta! Mine ta! Time ta -
[NABULUNGI] Sal Tlay Ka Siti A place of hope and joy [ELDER CUNNINGHAM] Man up! And if we want to go there We just have to follow that white boy! Time ta! [ELDER PRICE] Heavenly father Why do you let bad things happen? [UGANDANS] Sal Tlay Ka Siti [NABULUNGI] Did you get my text? [ELDER PRICE] More to the point Why do you let bad things happen to me?
[UGANDANS] Sal Tlay Ka Siti! We got your text! [ELDER PRICE] I'm sure you don't think I'm a flake [ELDER CUNNINGHAM] Man up! Because you clearly made a mistake! [ELDERS] Turn it off! I'm going where you need me most Orlando! Orlando! [UGANDANS] Listen to the fat white guy! [ELDER CUNNINGHAM] My time to, time ta Now its my time to Time ta!
But Hasa Diga Eebowai! No time to, not time ta No, now its time to time ta! Huh! I'm in the lead for the Very first time! Time ta! [ELDER PRICE] I'm going where the Sun always shines! Shines ta! [ELDER CUNNINGHAM] I've got to stand up Get my flippin' can up It's time ta Time ta Man up! I'm coming! [NABU.] Sal Tlay Ka Siti! Sal Tlay Ka Siti! [UGAND.] Hay ya ya! Hay ya ya! [ELDER P.] [ELDERS] Turn it off! Hay ya ya! Hay ya ya! Orlando Orlando Turn it off! Sal Tlay Ka Siti! [ELDER C.] Man up! Sal Tlay Ka Siti! It's time ta [GOTSWANA] I have maggots in my scrotum!
前巻が4月で9ヶ月、更に前が7ヶ月かかったから年内に出るか出ないかくらいじゃないの?
コミックがいいペースで出ているから以前ほどの飢餓感はない気も
コミックに書き下ろしがあるだけでも 続きがもう出ないんじゃないかって不安感はだいぶやわらぐから コミカライズ前より落ち着いて待てる
12巻目にしてそういった付録を付け始めるのは不思議だけど さらなるメディア展開への布石なのかな
作者のもうひとつの作品はレーベルのHPで見つけれなかった
キミもまた、偽恋だとしても。 あれも好きだったんだがな
>>25 あれはバレてはいけない人にバレバレだった、と分かっちゃたから緊張感台無しになんだよな
>>26 逆に言えばそれでオチはついてるから
続きが出ないのは残念ではあるけどいくらか諦めがつく部分もある
でも続き読みたかったのは読みたかったのよ
オーバーラップ繋がりでなんとかガーデンってのもあったな。 ヒモほったらかして何をしてんだと
正直あの手の作者リレーもので良かったのを見たことがない ただのファンアイテムよね
イネスさんのフトモモナイフ描写は なんかキャラとして優遇されすぎじゃね? と思ってしまった
フトモモナイフはコミック版オリジナルの描写だよね まあ、コミック版だとイネスだいぶ若返ってる気がするし、 コミック版作者の推しなのかね
書籍版4巻か5巻あたりで 善治郎が内心で欲しがっていたものの中に自動車があったけど 自動車と似た機能をカープァで実現しようとしたら 竜種を使うか人力で動かすかあるいはエンジンから開発する羽目になるだろうな いずれにしても継続的に従事する人を充てないといけない ローテク世界だとしたい事をするめにマンパワーに頼ることになって 結果として人を侍らせることになってしまう そうなったら本来の自動車の魅力である 手軽さや自由度の高さは失われてしまう
逆にいうと科学技術が進んでる現代社会は省力化してるし 道具を使うことで人に頼らずとも 手軽に便利さや快適さなどの贅沢を享受できる もっとも本当の大金持ちの中には沈没した軍艦を探査するとか サッカーチームや野球チームを運営するとか そんなふうに人を巻き込んだ大事業じたいに 幸せを覚える人もいるみたいだけど 善治郎でなくても現代の庶民の多くは 贅沢といば金を出せば手る物品を発想することが多いんじゃないか 逆にローテク世界における贅沢は どれだけのマンパワーを自分の都合で投入できるかに左右される だから「権力の価値」があちらとこちらでは けっこう違うと思う
それは権力じゃなくてただの物の価値の違いなだけだろ 例えば現代では数百円で買える本も活版印刷以前なら手書きで紙に書き写してたからとんでもなく高価だったが それを人工100日かかっているから大勢を侍らせた権力だとでもいうのか?あほくせえ
それを「権力」と呼ぶかどうかの所で抵抗を感じるなら 前スレで「船長を目指す時点で権力だ」と書いた人や 「ネット掲示板で自分の見解を広めようとする人間は権力を欲している」 などという旨を書いた人にも反論してほしかったな… まあ他人の手を使う事を指して 現代の通俗的意味で「権力」と呼ぶことには 俺も少し抵抗がある ただローテク社会では人手の価値や意味そのものが 技術で省力化してる現代社会とは若干異なるとおもう
あれに反論してないから 俺にケチつけるなは流石におかしい 特にスルーが必要な人がいるスレなんでね
>>37 >あれに反論してないから
>俺にケチつけるなは流石におかしい
勝手にニュアンスかえないで
上であほくせえとか言ってる人を非難する気持ちは特にない
前スレで「権力」の意味を恣意的に利用してた人達に対するぼやきだ
だいたいあほくせえ人はあの時スレ見てたかどうかすら分からないんだし
まあ誰であれ喧嘩腰な人に「いい人」で対応する必要あるのかとも思うけどw
そこの一文だけならニュアンス変わるけど 全体を見ればそういうニュアンスなのを 誤魔化してるだけでは?
あと38で言ってる通りだとすると 前スレでイラついたのか知らんけど その怒りを他人にぶつけましたって言ってる事になるが大丈夫か?
え… 他人の手を使う事を指して 現代の通俗的意味で「権力」と呼ぶことには 俺も少し抵抗がある って書いて部分的には同意までしてるんだが… わりと変なケチのつけ方をしてきた人に対してよ… 皮肉は余計だったとしても これ以上いい人での対応は俺には難しい… このスレで他人の書き込みに対して 正面から相手するのはやめといた方が良さそうだな 作品の内容にちょっと突っ込んだ話をしようとしても そういう中傷合戦に巻き込まれるのを覚悟すべきか
内容に突っ込んだじゃなくて 日頃思ってる権力についての云々をダラダラ語ってだけに見える
ワッチョイ変わるからいつもの人が元気なだけだろうに
(もうなんか俺の書き込みなんて適当に無視しといてほしいと思うくらいだけど… さすがにピンときてる人が一人も居ないとは思わないので一応書いとくと) アウラやファビオは「ご褒美で釣れない善治郎は御し難い」みたいな話をしてたね ラファエロなんかは少々深読みしすぎて(?)善治郎を化物とまで評している 善治郎は日本在住時代の価値観が染み付いていて カープァの常識とズレてて欲がない(と見られている)事が あの世界での特異性になってるのは言うまでもないだろうし 主人公たりえてる要素のひとつだとも思う そんな両世界出身者達の価値観のすれ違いに関する話が 作品と関係ないと思えるのは逆に意味が解らないです (あくまで俺の感覚なのでまあスルーしてくれ)
たとえばハイテク社会では扇風機やエアコンがあるので
でっかいウチワで人に扇いでもらったりする必要はない
でもローテク社会では扇ぎ手を雇わないといけなかったりする
その場合ちょっと大袈裟にいえば人ひとりを使役する
『いわゆる権力』が必要になる訳だね
ちょっと涼をとろうとしただけでも
ふたつの世界ではそれだけの違いが出る
家電が無く人力に頼っているあの世界で育った貴族達は
「人を使役できる事の意味」をこっちの人の
何倍も重視していて当然じゃないだろうか
…というのが昨日からしていた話をちょっと詳しくしてみたものなんだけど
ちょっとは分かり易くなってるかな…?
日本在住時代の善治郎だったら 「ポテチ食べたい」と思えばコンビニにでも行って買ってくればよかった 他に何か準備しなくても金さえ払えば手に入るし 特定の人物を雇ったりする必要もない そういう世界で善治郎は育った しかし転移後は侍女にレシピを渡して研究させないといけない (そこまでしてもまがい物しか手に入らないんだけどw) 本人にとってはささやかな要望であろう菓子程度の事でも それをカープァ王国という場所で叶えるためには 多少なりとも『いわゆる権力』を使わざるをえない状態になってる 基本的に人を煩わせるのを嫌う善治郎ですら カープァに来てからは(強いていうと) 「ローテク社会ほどマンパワーを必要とする」 という法則に抗しきれていないと言える
まあそうはいっても 善治郎も暮らしててそういうことに気付かない筈ないだろうし (20代中盤までに染み付いた感覚がすっかり変わるとは思えんが) カープァの常識に少しずつ染まっていく可能性はあるとは思う モノ作りなんかを通して自然に 人を活用して事業を成す醍醐味に目覚める線もあるだろうし (すでにピンときてた人には丁寧過ぎてクドかっただろうけど) まあカープァの貴族と善治郎の齟齬のそもそもの理由についてとか 一見先進的と思える善治郎の感覚は ローテク世界においてはむしろ無理があるんじゃないかとか とりあえず俺の愚考はそんなところだね
長文続けて頭おかしいと思われてるだろうけどさ でもあの調子じゃ内容に関する話がほとんどできないよ 短文で大結論を書くと「断定するな」とか言われるしさ ちょっとずつ話を振っていこうにも 小結論に至る前に主旨と関係ないケチがついて メチャクチャになるもん あとどうせ過疎り気味なんだから いいでしょという甘えは正直ある
瞬間移動って一日二回までじゃなかった? アウラなら無理すれば三回もいいのか?
MPの問題で善治郎は2回、アウラ3回 カルロスが覚えれば一日4回いけるんじゃね?
だからさぁ、根本的に勘違いしているのは現代とは労力の価値が違うってことなんだよ 現代なら人を一か月雇うのに社会保険費年金諸々込みで40〜50万は必要だし、メイドなり執事なりで雇えるのは上流階級のみだけど 中近世では毎日飯食わせてたまに小遣い上げるだけで下男下女ってものを抱えることができたんだよ 農家の三男四男とかを口減らし感覚でよその家の下働きをやって食わせてもらうわけ 中流階級ならどこの家でも下男や下女の一人や二人がいたわけ。わかりやすい例でいうと夏目漱石のこころの先生の家とかな それなのに現代の感覚で一人を働かせることを権力の象徴だと勘違いして論じてるからアホなことになる 奴隷のように無給で侍らせて働かせるならともかく、きちんと相応の賃金を払っているわけだからな ようは湯沸かし器や扇風機を買うのと同じ感覚で人の労力を買ってるだけで権力でも何でもない
>>46 >善治郎は日本在住時代の価値観が染み付いていて
>カープァの常識とズレてて欲がない(と見られている)事が
>そんな両世界出身者達の価値観のすれ違いに関する話が
>作品と関係ないと思えるのは逆に意味が解らないです
お前アホだろ
そんな事百も承知だけどな
善治郎が権力に興味がないっていう価値観を持たされたキャラなだけであって
突っ込まれた事はそこの話じゃない。
お前最初に自分自身も権力に興味なくて一般的日本人全般に権力が無いって事を前提みたいに語ってたから突っ込まれたんだよ
最初はまともでも力に飲み込まれて身をもち崩す奴なんてクソ程いるし話のネタにもなりやすいのに
日本人は普通大丈夫(当然自分は絶対大丈夫)みたいな事能天気に言ったから馬鹿にされてんだよ
例えばお前は権力とは違うと思うかもしれないが
後宮にべっぴんなねーちゃんが沢山居てそいつらが誘惑して来て、後継は多く作らないといけないって言い訳まで用意されてるのに
護身してアウラに操捧げ続けれる意志の強い奴なんて「普通」じゃねぇからな
お前の分析はマジで一部分としては多少正しくても脇が甘過ぎてご都合主義のなろう主人公みたいなんだよ
内容に関する話じゃなくて 君がしたいのは持論を聞いて貰いたいだけの一方通行 そこに持っていけないと愚痴を垂れ流す時に 作品の内容をとか、くっつけてここにいようとしてるだけ ここが悪いんじゃなくて 君が使い方を間違えている
なんというか約何名か 「ねじ伏せよう」としすぎじゃない?(笑) 俺ごときを相手にそんなこと考える必要ないと思うけど 「俺の考えとは違うけど言ってることは分かる」とか 「ああそういう見方もあるか」 程度におのおのの感想が読めればいいと思って 俺はここを覗き始めたんだけど なんでそんなねじ伏せようとすんの? しかも的外れなんだけどw 俺自身は人を雇用することをもって即ち権力だとは思ってないし 現代の通俗ではそれを権力と呼ぶのには56と同様に抵抗を持ってる だから『いわゆる権力』という書き方もしてるよね… これ言うとケンカになっちゃうかもしれないけど 正直いって理想のヒモ生活くらいの本を まがりなりにも読んでる人が来てる板だとは 思えないくらいの感じがする
>>59 いわゆる
いはゆる 【所謂】
《連体》世にいわれている。世間でいう。?「―天才というやつだ」
つまり権力だと思ってるってことなんだよなぁ
なろうラノベじゃなくてもうちょっとまともな本読もうか
だいたいそもそも権力とかじゃなくて価値観全般に関する齟齬の話なんてのは この話じゃなくてもありふれてて この話でも権力以外(少なくとも権力と思わない人がいる様な観点www) での齟齬も扱われている それはカープァ善治郎間だけでなく、国家間や 宗教とその宣教師であるヤンとの間においても触れられてるのに 権力だけ取り上げて自説語り出したから突っ込まれたんだよ ナイセイものよろしくドヤ顔で啓蒙しても現実じゃ受け入れられないからね 笑
いやいやいや… まさに現代とカープァは労働の価値が違うんじゃないかって話をしてたのに 「根本的に勘違いしているのは現代とは労力の価値が違うってことなんだよ」 と言われたり 部分的には「百も承知」なのに わざわざ反論の形でマウントとってこられたり 権力とか労働の価値観についてカープァと善治郎の 齟齬にスポットを当てて話をしてたら そんな話はカープァ善治郎間以外にもありふれてる とか馬鹿にされたりさ なんなんだよここはw まあ俺も長文とか連投とか5ch的には 無作法なことをしてる自覚はあるけどさ 人の感想が流れては消えていく事すらも 許されない場所なのかよw
>>62 お前が言ってるのは生活を営む上で人の労力は欠かせないから権力の象徴ということ
俺が言っているのは労力自体の価値の安さであり、労力の利用=権力ではないと言ってるんだが
真逆なのに自分自身で何言ってるかわかってないなお前
自治厨気取りたくないけど、もうちょっと言葉遣いを何とかしてもらえないかな 普段の職場なり学校なりで今書き込んでるような言葉遣いをしてるのか?
ポテチにしてもジャガイモの生産者とか工場生産者とか輸送業とか 見えないだけで結局労働してるけどな 労働状態が見えてるかどうかの違いだけ 労働と権力は別だし、現代でも上司が部下をパシってポテチを買いに行かせるのとやってるレベルは一緒な罠
>63 >お前が言ってるのは生活を営む上で人の労力は欠かせないから権力の象徴ということ ちょっと違う いやだいぶ違う カープァにおいては機能が属人的になってしまいがちだと言っている だからあの世界でそれなりに快適に過ごそうと思ったら 『権力的だ』と思われそうな形に(勝手に)近づいてしまうんじゃないかと 現代の家電やコンビニも自動車もほんとは多くの人に支えられてるけど 消費者から見れば単なる道具やシステムに見える 現代で家電をいくら利用しても『権力に近づいてる』ようには見えないじゃん でもカープァで車や家電の利便性を再現しようと思ったら 話が変わってくるよね 権力がいくらあっても足りないんじゃないかと思うくらいだよ 技術の壁をマンパワーで乗り越えないといけないんだから 俺がしてたのはそういう話だよ
>>66 だからお前が言いたいのは人を使うことを権力だということだろ?変わってねえじゃん
労力の利用=権力ではないと何度も言ってるのに理解できないガイジだな
前時代的発想で労働と権力の切り離しは出来ているものなのだろうか
けん‐りょく【権力】 の解説 他人を強制し服従させる力。特に国家や政府などがもつ、国民に対する強制力。「権力を振るう」「権力者」 権力 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 権力(けんりょく)とは、一般にある主体が相手に望まない行動を強制する能力である[1]。
王が民を徴兵し兵隊として戦わせたら権力の行使だけど 傭兵を金で雇って戦わせたらそれただの金銭の契約 王が民を労役として徴収して働かせたら権力の行使だけど 民を金で雇って働かせたら金銭契約 わかるか?日本人なら正しく日本語を使おうな
>>69 そういう話ができる人がやっと出てきてくれたか…
俺は時代や技術水準(に伴う省力化やシステム化)
とセットで価値観が変わるはずだという話をずっとしてて
現代における「権力」という言葉の定義については
とくに意義を唱えてないのに
なんかこんなことになってます
権力の服従の項目に「暴力、諸価値の配分、政治神話とイデオロギー」が背景にあると解説されてて 普通に金銭契約も権力なんだがな 権力と言うよりも権威だろ
>>72 >俺は時代や技術水準(に伴う省力化やシステム化)
>とセットで価値観が変わるはずだという話をずっとしてて
そう思うなら労力として人を使うこと自体を権力と称してたという出典出せよ
お前の勝手な思考実験で権力の意味は移り変わってたはずだと結論付けられてそこに何も信用性ないんだわ
>>74 いやもう今日クドいくらい長文と連投で板を汚して
模式的な喩え話をいくつも出して持論を展開させてもらったので
それで「言ってることは解るけどそうは思わない」程度に
着地できないんだったらしょうがないです
ご自分で何とかなさってください
>>75 権力論ってのは異世界もの限定の話じゃなくて遥か昔から議論されてたものなんですわ
そこから出典も出せず自分の持論だけで証明した!と思ってるようなら学が知れるというもの
体系的に勉強したことないから自分がいかに頓珍漢な事を言ってるのかすら自覚できないんだよなぁ
二人だけで盛り上がってるのならどっか別の所でやってくれない?
毎週同じ奴ふたりがやりあってるからすぐわかるのはいいけど、迷惑だわ
そうだな専用スレかwikiにまとめて 完成したら教えてくれ 考察自体は嫌いじゃない
俺も大概あつかましい書き込みをしてるから「お前が言うな」と思われるかもしれんが 自分の考えとちょっとでも違うと 「お前アホだろ」とか「ガイジだな」とかいうのが 亡者のように沸いてくる状況はなかなかアレだと思うw 自警団気質の連中が使命感で制圧しにきてんのかとも思ったけど どうも違うな まあ俺みたいに開き直って長文連投するのは極端としても 話を広げられずに萎縮してる人も結構居るんじゃないか あと「おっ理想のヒモ生活のスレあるやんけ」と思って覗きに来たものの 予想外の窮屈さにガッカリして帰る人とかさ
簡単に言うと 普通の人は普通に話せる 君は普通じゃないから 抗体反応みたいなものに疎外される
自分が全然人の指摘をまともに受けれられてないのは認知出来てないのかな
このスレはもうこんなもんだと諦めろ 人間そう変われるもんじゃないしこれに関しちゃ意図的だろう
過去スレあらためて読み返してみたけど やたら否定的なレスして煽る奴がいたんだな 便宜的に使われてる言葉の定義にやたら固執して 「お前は間違っている」と罵倒するスタイル
まあID:cRLw0cEI0の権力の言葉の使い方は間違ってるけどね
>>88 自分は3スレぐらい目にあるの気づいてその頃はまだ平和だったけど
5スレぐらいから変なのが沸いて荒れ始めたな
ファンタジーなのにやたら現実の地球と当てはめて、自分の考え以外は不正解!って固執する人が増えた印象
なぜか地球と同じような歴史を歩んでいて、文化も地球のものと酷似してるし 最近では地球上と同じ名前の国や神や人名まで出てきてるけどね
まあ国や人の名称はともかく 人間が環境に適応して生きていこうと思ったら 似たような進歩の道を辿りそうではあるね 青銅器→鉄器みたいに 加工が安易な材料から手をつけていったりするのと同じように 出来そうな事から実現していった結果同じような社会ができたり まあ考えてみると異世界の人間が地球人と同じ形してる事じたい 異世界もの全般のご都合主義かもしれないね 体が銀色で身長40mの『人間』が住んでる世界が 舞台でもおかしくない訳だし
>>91 >自分の考え以外は不正解!って固執する人が増えた印象
やたらうるさいウ◯コ野郎が一人いるだけだろ
煽りは基本スルーという原則は分かってるんだけど 言ってもいない事を「お前が言ってるのはこうなんだよ」 とかいうふうにねじ曲げられたうえで罵倒された場合 訂正の反論を入れずに済ますのは難しい 「俺が言ってるのはそうじゃないよ」と言わずに放っとくと既成事実化されて オーディエンスにも勘違いされかねないし
言ってもいないと誤魔化せてると思っているのは自分だけの可能性 言葉を弄するやり方が好きな奴はそれにはまりがち とりあえず本編に関係ない話を延々と続けようとする為の屁理屈は終わりにしてくれ
んで何がいいたいの? 権力欲やらが 誰かが主張してるみたいな 権力から派生する力の効果一切と切り離して 純粋に権力という立場に対する欲というのであれば 物語中においてすら、そんなもの持ってるとしたらプジョルぐらいなもんだと思うがね
一巻読み直して気づいたけど指輪交換は結婚式場でやってなかったのね 後からアウラが商人や侍女相手に懇切丁寧に教えてたのを想像するとほっこりする
>>100 惚気ててうぜえ、と思われなかったろうか
めっちゃうろ覚えだけどなんかのパーティーの時 衣装やアクセサリーによって注目を集めてた女貴族も居たから そういう所で指輪つけてたら周りの方から聞いてくれそう
>>101 これは儲かるって目が大判銀貨になってたんじゃないかw
>>99 作中の貴族にいくらてもいるじゃん
というか権力に付随する力を切り離すんじゃなくて、労力の行使は権力由来の力でも何でもないって言ってるんだが
根本的にそこを理解してないから頓珍漢な理論が展開されてたのか
フーコーによる古来からの権力の意味とは ・権力とは、上から下へ行使されるものである ・権力とは自由を奪うものである ・権力は、誰かによって所有されたり、簒奪されたりするものである ・権力は人間性を奪うものである。 ・権力は、禁止、虐待などといったかたちで、「否定的」に働くものである。 ・権力は、それを行使するための機関を持っている(国家、さまざまな制度) ・権力は身体を拘束し、精神をも統制しようとする。 というものであり、扇風機代わりにうちわを仰がせたり、風呂を入れさせる行為を権力とは言わない
>>100 文言は伝えるわけにはいかないから
贈られたって話だけでしょう
>>104 フーコーのいう権力を欲してるのが作中の貴族に幾らでもいる?w
どこがw
>>107 貴族や王族は権力の象徴であり、爵位や領地が報酬として扱われてる時点でそれを欲す人が大勢いるという証明になってるが
善治郎を操り人形にしようと近づいてる貴族がたくさんいるって描写されてるのに分からないとかもしかして別の作品読んでる?
>>108 >
>>107 >貴族や王族は権力の象徴であり、爵位や領地が報酬として扱われてる時点でそれを欲す人が大勢いるという証明になってるが
役職があって昇進が報酬になっているから現代人は皆権力を欲してるのか
>>109 会社における報酬はボーナスやストックオプションで貰うものが大半で
役職自体が報酬になるのは大企業の役員や天下り等の極少数だと思うけど…働いたことある?
忙しくなるから昇進はしたくないって人もいるだろうね。そういう人は権力欲がないといえるが
やっぱりなんか話にならんな… そもそも太るから甘いもの食べるの我慢するっていう奴に 甘いものに対する欲が無いと 見なすみたいな考え自体よくわからないけど 貴族だって単に金回りが良くなるから爵位求めてるだけかもしれんだろ
>>111 タラーイェのように商人の如く金儲けに走るのは貴族の価値観として一般的ではなく忌避されてるって描写されてたけど
ほかにもクリス騎士長が善治郎を商人のようだといった時も不敬ともとれると言われてたし
ごく少数の例を挙げて貴族は権力を欲していない!なんていう時点で話にならんわ
理想のヒモ生活スレなんだからせめてもうちょっと作品読み込んでから出直してきてくれ
不勉強なんでフーコーなんて名前しか知らんが そもそも作者はそういう限定的な定義で権力という言葉を使ってるの?
>>113 まず日本語としての権力の意味が
>>70 なんで
それ以外の意味があるといわれても君日本語が母話者じゃないの?としか思えないんだよね
権力って明治翻訳語とかなの? フーコー以前は日本には権力って言葉なかったん
>>115 authorityの訳語だね
そもそもフーコーが権力という言葉と作ったんじゃなくて古来の権力を解説したのが
>>105 なんだけど
フーコーって亡くなったの1984年なのかー わりと最近だね
>>112 >
>>111 >タラーイェのように商人の如く金儲けに走るのは貴族の価値観として一般的ではなく忌避されてるって描写されてたけど
>ほかにもクリス騎士長が善治郎を商人のようだといった時も不敬ともとれると言われてたし
現代でもどっちかっていうと蔑視だとおもいますよ
>ごく少数の例を挙げて貴族は権力を欲していない!なんていう時点で話にならんわ
君のいうフーコーの見地としての権力にならんでしょって話をしてるんだけど
貴族が領地と爵位を欲しがる所を含めるなら
現代人の地位と名誉求めるのと変わらない
>>98 そういうのがいなくなれば普通の人が普通の話できるんだが
またいるってなると億劫になって書き込まなくなったりするよね
>>118 封建国家における貴族位は領民に対する様々な強権を持つ存在なんだが
独裁的な自治権や裁判権すらあるのに現代の地位や名誉と同列に語る時点で話にならんわ
早く原作の続きが出て、変な議論なんか吹っ飛ばしてくれ
「ワレンティアの人間にとって、善治郎は「気分次第で自分をあっさりを処罰できる権利を持った男」というだけだ。」理想のヒモ生活5巻 p94 これが王直轄領のワレンティアにおける善治郎の権限であり、領内においてはほかの貴族も同等の権利を持っている ガジール辺境伯だって自領内の出来事の裁判なら王族ですら口を挟める権利はない 一種の小さな独裁国家であり、現代でその立場を得たいと望むなら金正恩なるくらいだわ
>>120 まぁなんか話にならんから そろそろ終わるけど
そもそも何を主張したいか良くわからん。
とりあえず現代人には権力欲が無いって論文でも書いてその手の雑誌に投稿したら?ここには書かなくていいと思うよ
>>123 >フーコーのいう権力を欲してるのが作中の貴族に幾らでもいる?w
>どこがw
いや最初からこれに対する反論だったんだけどw
中世の封建制の話なのに君がなぜか現代の価値観を持ち出して、金儲けしたいからだとか言い出した挙句
貴族が領土や爵位を求めるのと現代人が地位や名誉を求めるのを同列に扱ったからそれを否定しただけだがw
現代の一般的な地位や名誉と領土や爵位は明らかに差異があるって言ってるだけで現代人に権力欲がないとは一言も言ってないよ
読解力がないのか理解力がないのか知らんが、もっと論理的に考えるようになってくれ。相手してて頭が痛いわ
>>105 >というものであり、扇風機代わりにうちわを仰がせたり、風呂を入れさせる行為を権力とは言わない
お前の中ではこれを行使させうる状態ってのは強権に内包されないんだろ何を強権っていってんの?
>>125 望まぬもの、例えば領民を無理やり連れだして労力にするなら権力の行使だね
侍女として雇って仕事に従事させてるだけなら権力の行使ではないぞ
それこそ、金で人を雇えば平民だってうちわを仰がせたり風呂には入れるし
金を使わなくてもママにうちわを仰がせたりもできる
つまり権力とは
>>70 のように他者を強制的に服従させる力であって
うちわを仰がせる行為はただの労力であり、権力ではないと最初から言ってるんだが
権力か権威かオーソリティかわからんけど それについて知っても作品を読む際に役に立たなそうなのでどうでもいいです(個人の感想です)
それと そもそも何を主張したいのかが分からんってのは この一連の権力話自体の話なんだけども 善治郎は現地の人と価値感が違う。だから齟齬が生じてもいるし、アウラやフレアなどの強い女性を許容してくれるからそこを評価されてる。そんなの皆知ってるわなぁ
とりあえずなんでもいいから否定して最後に罵倒で〆 それがこのスレの総意です!
>>128 (ワッチョイ 1f02-u6ji)が主張してた労力と権力を混同してたのを反論してただけなんだがw
ちゃんと話の流れ読めばわかるはずだし、理想のヒモ生活について特別なことは何も言ってないぞ?w
(話題逸らそうとしたのに元の流れに戻ってるやん…)
何か具体的な主張がなければ掲示板にレスしてはいけないのか 仮にそうであればまさに(アウアウウー Sa85-Qk3o)自体が他人のレスを否定するものばかりで主張は一切見られないんだがw 話の方向性がしょっちゅう飛んでるし自分の主旨も持ってないから混乱してるだけなのかな
>>131 見えなくしてしまえば最初から存在していないということで
その前に
>>953 >俺もそうだが現代日本人は権力欲なんてないというか
>その醍醐味がよくわからない
だから
>>123 >とりあえず現代人には権力欲が無いって論文でも書いてその手の雑誌に投稿したら?ここには書かなくていいと思うよ
って言ったんだよ。
>>134 前スレの話を今さら持ち出されても意味不明だし、そもそもそれを書いたの俺じゃないんだが
文章的に書いたのは(ワッチョイ 1f02-u6ji)だろ
経済的心配がなくて家事もする必要ないくらい裕福な家庭であれば ヒモ生活も上手くいきそうだがどうなんだろうね 世界を見れば不労所得だけで暮らしてる貴族や王族は普通に居るけど 日本だと「ヨソのお父さんはみんな働いてるのに」とか子供から言われそう…
日本だっていくらでもほぼ不労所得ある奴いるしな そもそも財産ある家のヒモは事件を起こさんだろ
ヒモの定義詳しくないがググると生活費遊興費全てを女性に稼いでもらい養ってもらうことみたいだから 自分に不労所得があってそれを使うならもうヒモには当てはまらなそうだ
善治郎が後宮でひたすらゴロゴロするのはもともと無理があったかもね アウラは最初それでもいいと思ってたみたいだけど 息子は重責を負う人生が宿命づけられている訳だし 「親父ずるい#」って反発を喰らうのは必至w
超ヒモ理論 小説版2巻あたりからすでにタイトル詐欺呼ばわりされてなかったけ
こころなしか 前スレの980以降を埋める時みたいな流れになってきてるw
ヒモ生活は日々の労働に疲れた作者が書き初めたけど思ったより筆が乗って明後日の方向に進んじゃったとか勝手に思っている
ダラダラと過ごす小説にするつもりが、善治郎と同じく真面目さを発揮してしまって「この状況で政治に関与させないわけにはいかないだろう」的な感じか
ダラダラ過ごすヒモ生活が想像出来なくて書くネタ困ったんじゃないですかね
主人公に出鱈目なチート能力を持たせなかったり しがらみが多かったり 作者の真面目さが出てそう
島耕作ばりに主人公に都合のいいことが起きて問題解決してるけどね
そういや『騎士団長島耕作』っていうのもあるらしいなw 異世界転生するなら総合職の人より技術職の方が無双しやすそうだが
そんな小難しいことより フレアのおっぱいやイネスの太ももについて 語って欲しい
やっぱりなろう小説だからか物事を考えるのが苦手だったり、そもそも考えないような人が読者層なんだろうか?
君がなろう読者だからといって他の人まで考えるのが苦手な人とは限らないと思うぞ
すまんな場を和ませようとした冗談や おっぱいや太ももについて 語って欲しいのは本音やけど
ティッシュもトイレットペーパーもない世界は地味に色々大変そうだな 竜皮紙ニーとかあんのかな
だからこそタラーイエをもっと出せと。同じ豊満系でもアウラは筋肉質で固そうなんだよね。
いいんじゃないかな、俺もレスに乳ならアウラだろとか太ももなら女戦士だろとかって考えたからな!
タラーイエは腹黒そうでイヤだわ おっぱいだけ評価するw
ドロレスも家の信用以外にアウラみたいな長身ってのも決め手になったっぽいしね
タラーイエか、腹黒そうと俺も思っていたけどあまりにも商魂丸出しな描写が多くて 腹黒いというより手ごわい商売人って感じが強くなったな
こっからボナルートは無理だよなぁ やっぱweb版に期待するしかないか
てるみくらぶなんてチンケなもんじゃなくて
JTBクラスの大型旅行代理店
店舗もそこらへんにある
飛行機も有る
吉本の親会社が大手マスコミ各社
親会社が政権支持を子会社のタレントに求めてる
だから吉本タレントがニュース扱う番組に湧いてる
東京から消えてくれや
>>45 ロボット化もいろいろあるけど
>>13 の場合は棚がピッキングする人のとこまで来てくれるから歩かなくて良くなる
askulとかだとピッキングも、箱のサイズ調整も箱詰めも
伝票春のも全部機械がやる
人間やることほとんどない
出来上がったダンボールを台車に乗せるくらい
ダウンロード&関連動画>> VIDEO >>308 本人たちは真剣に悪い奴らと戦ってると信じ込んでる
日本人が一番みるヤフーニュースとかでも
トピックはヤフーが独自で付けられる
野党の不祥事は党名をかならずだす
自民党の不祥事のときは党名を伏せてトピックつけてるってのがばれた
みんな自然に自民党支持するように細かい仕掛けがつくられてるから
偏差値50、平均くらいの頭だとそうなっちゃう時代だと思うわ
日本が好きといいつつ 安倍首相が好きなだけ だから南スーダンでアメリカの軍用犬よりしょぼい 救護キットで内戦状態の現地に投げさだれた自衛隊員のことは気にもかけない なのに愛国いってる 国を愛するなら兵士の安全と装備くらい考えてやれよw 日報隠してなにやってんだよ とかなw
>>347 大統領ではないけどエスパー国防長官は
中距離核ミサイルをIをもとに日本に配備なんて話はでてた
今年の8月
日本の核武装もシナリオに入ってる
https://fas.org/blogs/security/2019/08/the-history-of-u-s-decision-making-on-nuclear-weapons-in-japan/ 右も左も関係なしに国内が報道しないから海外からソースもってこないといけないってのも
なさけないわな
日本は2000年くらいが給料のピーク
竹中平蔵が小泉政権に食い込んで
派遣法を改正した。ここらあたりから厚労省の賃金統計の不正が激しくなる
国民の年収はどんどん下がり続けてる
物価上昇を考えた賃金の数値は
2000年100とすると、2017年には88くらい
1割も給料が減ってることになる
昨年は首相と財務相が圧力かけて実質賃金の雑な不正をやった
マスコミももちろんセイギノミカタもとりあげないから
どれくらいずれたかはわからんw
勤労統計なんて言葉使ってごまかしてたけど実質賃金嘘ついた
>>394 頭悪いな
ほら、所得層ごとの統計も有るんだよ。まあ知らないからそんな馬鹿なレスできるんだろうけど
青が平成7年。20年くらい前
黄色が平成27年。最近
ここ20年で100万円から300万円の低所得層が激増した
てかこんな統計データすら知らんで語ってるの?
勉強はやっとくもんだぞ
>>420 アメリカはミサイル開発競争遅れてるからな
日本と共同開発なのはしってる
迎撃ミサイルで核ミサイル落とせるのってほとんどねーの
理論上むりなんよ
だからアメリカとロシアは数千発も核ミサイルもってるわけ
イージス・アショアはスペックダウンされて値上げされた経緯くらい
自分で調べてこいバカ
元々必要ねえよ日本にこんな金食って訳にたたねえもんは
>>429 馬鹿に解説するのにわかりやすい図で比較させてやりゃすむだろ?
図を出したらバカいなくなったろ?
自分のレスもう一度みなおしてみ、ネトウヨと変わらんバカ具合だし?
>>431 安全保障には核兵器が一番
アメリカの言いなりにならないツールとしても便利
ゴミみたいな平気押し売りされることもないし
九条堅持して自衛に徹すりゃいいのよ
恨みもかわねえし
イランでホルムズガー連呼してた馬鹿のおかげで
イランにいったバカが原因つくって大変なことになってるだろw
核兵器ありゃこんな茶番に参加しないって選択肢もでてくる
ないと全部アメリカの言いなり
現状もアメリカ
吉本が国費100億で教育進出
http://agora-web.jp/archives/2040463.html 従業員ゴミのように扱って教育分野にでます
税金でってのもな
安倍首相が吉本出演した数日にこの報道だし
なぜか大手メディアはよしもとに出た話しかテレビで騒がんかったけど
この税金は民放の利益にもなるしそらだまりますわ
>>673 動画の内容みてみ
原稿全然ない
箇条書きでいくつか話す内容しぼった紙くらいと
あとは一次資料
IWJとかは関係ない
まあ内容理解できないにしても比較的わかりやすい
日本語だし
英語読めない底辺でも理解出来る内容だとは思う
活字でないし
>>680 普天間の移設の経緯はなかなかおもしろい
官僚が嘘ついて訴訟になってる
日本の官僚が毎月政治家抜きで米軍幹部と会議してる
自民党政権下でも米国ともめると首相は失脚する
歴代の政権でも捕まってる人達がそこらへん
橋本龍太郎なんかも姉か妹が米兵にレイプされてるだかで
沖縄問題真剣にやったり結構アメリカにたてついたけど
見事に失脚してたろ
>>693 留学経験こっそり消したからな
ただ簡単な日常会話くらいはできるレベルかとw
首相は元々日本語での討論も駄目だから
自分がバカばれないよう閣僚も議員もテレビ出演NGにして
全然テレビで国会議員みなくなったという
選挙前とかにちょっとでるけど
忖度されても生放送で目が動いて意味不明なこというからなw
石破とやりあったときは面白かった
写真のキャプションがこれ
日本人もバカ扱いされとるw
NEW YORK: Japan's new environment minister, Shinjiro Koizumi, pledged on
Sunday to mobilize young people to push
his coal-dependent country
toward a low-carbon future
by making the fight against climate change "sexy" and "fun."
https://www.ndtv.com/world-news/will-make-fight-against-climate-sexy-and-fun-says-japans-new-environment-minister-shinjiro-koizumi-2105518 >>734 橋本龍太郎が政治家としてアメリカとどう対峙してきたかとかも知らん発言だし、
戦後の自民党の歴史わからない発言であるから
理解はそこで止まるんじゃない?
アメリカに楯突いて失脚したポッポの講演会の内容はおもしろい
ぽっぽのイメージが変わる
>>667 戦後どの派閥の流れをくむ総裁が戦後失脚して
罪に問われたかってのは戦後のテーマ。政治史で重要
ちなみに安倍首相はなにやっても絶対起訴されない
こいつは地検特捜部の歴史でもある
環境関連だと石炭火力で日本は長いこと批判の矢面にたたされてる
まあここらへんはテレビでカットなんだろう
去年の記事
石炭火力発電の廃止訴え行進 日本批判の横断幕も
ポーランド南部カトビツェで開かれている第24回国連気
候変動枠組み条約締約国会議(COP24)の会場周辺で8日、
COP24に参加している国際NGOのメンバーや地元市民らが、
二酸化炭素(CO2)を多く排出する石炭火力発電の廃止を訴えて
日本では石炭火力発電所の新規建設が30基ほども計画されているほか、
世界の石炭火力への投融資の上位4位までに日本の三つのメガバンクが入っている
とのNGOの報告もある。
https://www.asahi.com/articles/ASLD8630ZLD8ULBJ003.html >>833 イケメンで能無しという批判は別に問題ない
実際にセックスアピールでうってきたわけだし
身体上の問題とか病気由来の顔の揶揄はアウトだけど
政治家の批判と普通の人をごっちゃにしてるのか
顔で論評とは話が別だから許容範囲だけど
心配しなくても範囲外ならネイティブが意見してくる
ポリコレ棒もってるひとツイッターにいっぱいいるから
でも今回の顔ネタは全然問題ない
>>851 ジャップ連呼してる人間の説得力がない…
自己矛盾に気がつけ、な
権力者に対する容姿の批判は許容される
障碍による容姿の特徴の批判は許容されん
ただ国際会議でセクシー行った時点でもうどうしょもないというか
一般人とかで顔がどうのこうのってのは
パブリックなとこだとアウト
多分これを政治家にあてはめてるんだろうけどあてはまらんよ
知っとこう
>>500 親会社が潰れても
子会社の佐野SAはめっちゃもうかる
売上も全国有数のSA
金貸してる銀行とか企業はどうするかっていったら
親会社のバカ社長は経営から外して
SAをメインに経営を再建してく
ただここで従業員の為に動く切れ者は
田舎の銀行家が勝てる相手じゃない
邪魔なの
あと田舎の企業を荒らし回って恥さらしたってのもあるから
地元経済界にとっても邪魔なの
ということでおひきとり
ムラ社会的なおわりかた
ほんとならマスコミが銀行とか債権者に対しておかしいだろっていうべきなんだが
ジリ貧のマスコミのスポンサーなわけで
>>561 大人の事情は別
ほっといても儲かるSAだから言うこと聴く人間を据え置きたい
田舎の経済界ってのは顔が狭いから
地元の社長に泥塗って全国沙汰にした張本人の元商社マンを
起用するってのはまず難しい
>>626 それでもバカにはわからないわけ
だから解説してやらんといけないわけ
興奮しすぎて隠してたbeがでてるよ
バカにはバカ向けの説明すらできないってのは情けない
beもってそのコミュ障はなんなの
英英辞典 2.はインフォーマル 国際会議で発言するには不適当。不見識 sexy |ˈsɛksi| adjective (sexier, sexiest) 1 sexually attractive or exciting: sexy French underwear. • sexually aroused: neither of them was feeling sexy. 2 informal very exciting or appealing: business magazines might not seem like the sexiest career choice. • informal exciting; appealing: I've climbed most of the really sexy west coast mountains.
>>198 英語にはフォーマルとインフォーマルがあって
国際会議とかフォーマルな場では
フォーマルな表現があたりまえなんよ
下品な言葉は使わんのよ
国際会議のマナーしらないなら
sexyの意味を英英辞典でしらべるべきなんよ
>>209 会議での発言全てが完全にアホの子
博士号とかもってる専門家とかがいるなかで
石炭火力発電で批判され続けてる日本の大臣が
全く問題を理解せず、実務的な内容もわからず
具体的な内容を一切はなさずアホな発言をやりつづけるという
場が国際会議に迷い込んだ子供扱いされてる
>>249 口語だと使われる
辞書にもでてる。informalだけどな
言わんとしてることはわかる
元々アホ大臣は
change fun, cool and even sexy.
てことはcoolって言葉を使ってるから sexyはそのままの意味
>>274 日本は石炭火力で問題おこしてずっと批判されてる
それなのに碌な回答もなく会議にいるわけ
批判の矢面にたたされてるのに
馬鹿な回答した挙げ句アホな引用する自体バカなの
This isn’t the sexy politics of philosophy and ideology.
Across the country, provincial life in Britain is increasingly hungover
with the persistent, nagging fear of decline: of closing pubs, boarded up premises and betting shops
https://blogs.spectator.co.uk/2019/09/labour-needs-to-up-its-game/ これだと文脈的に魅力的なって表現で性的なぶぶんはない
>>333 ではない。
魅力的、とか甘美とか
イケてるって使う場合は性的な意味が拭えなくなる
ぐっと強くなる
この車はセクシーとか。フォルムが性的だったりするわけで
会議では批判されてる日本がなめた表現で
発言する自体超おバカ
というか会議で話す言葉遣いじゃないw
>>369 国際会議とか公式な場所では公式な喋りが必要とされる
マナー
だから英英辞典には単語の意味にインフォーマル、
非公式な表現で辞書にわざわざ注がある
魅力的って表現はインフォーマルな表現で公式の場で使うのはふさわしくないよって注意がついてる
コロンビア大学院を卒業なさった政界のプリンスが使うわけない
>>172 フレアとの初夜の裏で葛藤するアウラ陛下も見たい
善治郎は大掃除の時にエロDVD隠してたけど アウラにオナバレしてないのか
初夜ってどうするんだろうね、フレア 別宅?だと警護どうするんだろうとかそっちも気になる スカジがいるけど、完全には信用しないだろうから一緒に隣の部屋で聞き耳立てるのか?とかさ
今でも後宮にスカジと二人でいるんだから問題ないんじゃないかな
>>208 アウラがウップサーラの人間を、かな
後宮に入るとはいえ無条件では信用できないよなあ、と
とか書いてて思い出したけど、後宮の侍女も今の侍女の中から何人か送り込まれるから、
その中にイネスみたいな護衛できる娘もいるのか
ああそっちかあ それはやっぱりイネスマルグレーテ的な 侍女に目を光らせとくんかなあ
ねちっこい善次郎 vs 耳年増フレア(戦士相当) のベッドバトルか燃えるのか萌えるのか
最初の頃の側室嫌々問題はなんだったんだろう?と10年後の善治郎陛下が仰っております。
最初は悔しい、でも〜だと思うけど慣れたらアウラより攻め攻めな気がする、フレア
>>214 やべー
もうフレア姫が
なんちゃってくっころ姫にしか見えない
>>211 >>213
フレア「部下の猥談が! 「言葉」でなく「心」で理解できた!」
山羊の刑の意味に気付いて ゼンジロウ総受けの妄想が捗るフレア姫
普段から船員の話を聞いて軽く考えていたものの 痛みのあまり3夜目くらいまで半分も入らず降参とか 逆にリアルっぽいかも
最初はどうあがいても痛いからな 2回目は十分期間を開けて 傷が治ったらやればいい オイルとか使って滑りよくして優しくやりゃ 痛みは最小限になるんじゃね?
むしろ体が小さいから 奥まで入れると痛がって、コトが進まないという事件がありそうだwww
軍属系女子が痛みで泣くとかないやろw 割と最初から逆レ気味なイメージだなぁ俺は
https://herobunko.com/news/10787/ > この度2019年9月をもちまして、ヒーロー文庫は7周年を迎えました。
> それを記念して、各電子書店にて『ヒーロー文庫7周年記念フェア』を実施いたします。
> 絶賛アニメ放映中の『異世界チート魔術師』、人気急上昇中の『薬屋のひとりごと』、
> ロングセラーの『理想のヒモ生活』、『異世界迷宮でハーレムを』など人気の31シリーズの
> 1巻が100円(税込)、2巻が50%オフの価格にて販売となります!
> ぜひこの機会にお試しください。
コミック7巻表紙、下ネタ姫が左の群竜達にエロい事されそうだw
あの世界にも バイブというか張形ぐらいあるやろ 破らないよう練習とか…どうなんやろ
>>212 実際後宮で生活空間が重なることってそうないだろうし、善治郎が嫌がってるような問題は起こらない気がするんだよな
本来なら政敵同士の娘が隣部屋とかもありえなくはないはずだし
>>225 根本的に問題が起きない構造しているからなあw
女性は二人共、相手を排除して善治郎の愛を独占しようとは基本的には思ってないし、
内心はともかくきちんと折り合いをつけて家庭内に不和をもちこむことはない
少なくとも次代の後継者に関しては後継者争いは発生しない
基本的に善治郎が側室を迎えるのは嫌だと主張し、厳格な身辺調査と利害調整のあとで
奥に不和を持ち込まない女性を選んで入れている限り大丈夫
善治郎が、あの女性を後宮に入れたい、と積極的に望んだ瞬間に一瞬で崩れかねない
微妙なバランスなので、非常に矛盾をはらんだものではあるのだがw
My mummy says I'm a miracle. My daddy says I'm his special little guy. I am a princess, And I am a prince. Mum says I'm an angel sent down from the sky. My daddy says I'm his special little soldier. No one is as handsome, strong as me. It's true he indulges my tendency to bulge, But I'm his little soldier! Hop, 2-4-3! [Chorus:] My mummy says I'm a miracle. One look at my face, and it's plain to see. Ever since the day doc chopped the umbilical cord, It's been clear there's no peer for a miracle like me! My daddy says I'm his special little soldier. No one is as bold or tough as me. Has my daddy told you, One day when I'm older, I can be a soldier, And shoot you in the face? One can hardly move for beauty and brilliance these days. It seems that there are millions of these one-in-a-millions these days. Special-ness seems de rigueur. Above average is average - go figure. Is it is some modern miracle of calculus, That such frequent miracles don't render each one un-miraculous?
My mummy says I'm a precious barrelina. She has never seen a prettier barrelina. She says if I'm keen, I have to cut down on the cream, But I'm a barrelina, SO GIVE ME MORE CAKE! Take another picture of our angel in that costume that I made. The role of tree has never been portrayed with such convincing sway. That's right, honey, look at mummy! Don't put honey on your brother. Smile for mummy; smile for mother! I think she blinked. Well, take another! Have you seen his school report? He got a 'C' on his report! What?! We'll have to change his school. That teacher's clearly falling short. She's just delightful. So precarious and insightful. Might she be a little brighter than the norm? I know to boast it's frightful form! (Take another!) My mummy says I'm a miracle. (She looks lovely in this light.) One look at my face, and it's plain to see. (Honey... Honey...) Ever since the day doc chopped the umbilical cord, (Don't put honey on your brother.) It's been clear there's no peer for a miracle like me! My mummy says I'm a miracle. That I'm as tiny and as shiny as a mirror ball. You can be all cynical, but it's a truth empirical. There's never been a miracle, a miracle, a miracle as me! [Interlude] Every life I bring into this world restores my faith in humankind. Each new-born life, a canvas yet unpainted... This still unbroken skin... This uncorrupted mind...
[Bridge:] Every life is unbelievably unlikely. The chances of existence, almost infinitely small. The most common thing in life is life, And yet every single life bearing new life is a miracle! Miracle! [Interlude] Oh, my undercarriage doesn't feel quite normal. My skin looks just revolting in this foul fluorescent light, And this gown is nothing like the semi-formal, semi-Spanish gown I should be wearing in the semi-finals tonight. I should be dancing the tarantella - Cui buon fare Italiano. [Italian: With good Italian manner] Not dressed in hospital cotton, With a smarting front bottom, And this horrible - (Miracle!) Smelly little - (Miracle!) Weakly little bowl of fat! (What the hell was that?) Would someone give this thing a bottle? Or swap it for a later model! Why do bad things always happen to good people? Fine, upstanding citizens like you and me? Why, when we've done nothing wrong, Should this disaster come along? This horrible, weird-looking, Hairy little stinky feet... With no sign of a winky-dink at all! Miracle! Miracle! She's a miracle! A Miracle! Every life's a miracle! The most beautiful miracle I have ever seen! I can't find his frank & beans! [Repeat Bridge] [Repeat Chorus] My mummy says I'm a lousy little worm. My daddy says I'm a bore. My mummy says I'm a jumped-up little germ, That kids like me should be against the law. My daddy says I should learn to shut my pie hole. No one likes a smart-mouthed girl like me. Mum says I'm a good case for population control. Dad says I should watch more TV.
Jack and Jill went up the hill to fetch a pail of water. So they say, their subsequent fall was inevitable. They never stood a chance; they were written that way - Innocent victims of their story. Like Romeo and Juliet, 'Twas written in the stars before they even met That love and fate (and a touch of stupidity) Would rob them of their hope of living happily. The endings are often a little bit gory. I wonder why they didn't just change their story. We're told we have to do what we're told, but surely Sometimes you have to be a little bit naughty. [Chorus:] Just because you find that life's not fair, it Doesn't mean that you just have to grin and bear it. If you always take it on the chin and wear it, Nothing will change. Even if you're little you can do a lot, you Mustn't let a little thing like 'little' stop you. If you sit around and let them get on top, you Might as well be saying you think that it's OK, And that's not right. Cinderella, in the cellar, Didn't have to do much as far as I could tell. Her Godmother was two thirds fairy. Suddenly her lot was a lot less scary. But what if you haven't got a fairy to fix it? Sometimes you have to make a little bit of mischief.
And if it's not right, you have to put it right. In the slip of a bolt, there's a tiny revolt. The seeds of a war in the creak of a floorboard. A storm can begin with the flap of a wing. The tiniest mite packs the mightiest sting. Every day starts with the tick of a clock. All escapes start with the click of a lock. If you're stuck in your story and want to get out, You don't have to cry; you don't have to shout. 'Cause if you're little, you can do a lot, you Mustn't let a little thing like 'little' stop you. If you sit around and let them get on top, you Won't change a thing. Just because you find that life's not fair, it Doesn't mean that you just have to grin and bear it. If you always take it on the chin and wear it, You might as well be saying you think that it's OK. And that's not right. And if it's not right, you have to put it right. But nobody else is gonna put it right for me. Nobody but me is gonna change my story. Sometimes you have to be a little bit naughty.
Boy 1: My mummy says I'm a miracle. Boy 2: My daddy says I'm his special little guy. Girl 1: I am a princess, Boy 1: And I am a prince. Girl 1, Boy 2, Boy 1: Mum says I'm an angel. (x3) All Other Students: So you think you're able To survive this mess by being A prince or a princess, you will soon see, There's no escaping tragedy. And even If you put in heaps of effort, You're just wasting energy, 'Cause your life as you know it is ancient history. I have suffered in this jail. I've been trapped inside this cage for ages, This living hell, But if I try I can remember, Back before my life had ended, Before my happy days were over, Before I first heard the pealing of the bell... Like you I was curious, So innocent I asked a thousand questions, But, unless you want to suffer, Listen up and I will teach you a thing or two. You, listen here, my dear, You'll be punished so severely if you step out of line, And if you cry it will be double, you should stay out of trouble, And remember to be extremely careful.
Boy 1: Why? All: Why? Man: Why? Why?! Did you hear what he said? All: Just you wait for phys. ed.! Boy 2: What's phys. ed.? Man: Physical education! Girl1: My mummy says I'm a miracle. Boy 1: My daddy said I would be the teacher's pet. Girl 2: School is really fun, according to my mum. Boy 2: Dad says I would learn the alphabet. Man: The alphabet? You'd better learn to listen, kid! All: So you think you're A-ble [able] To survive this mess by B-ing [being] A prince or a princess, you will soon C [see], There's no escaping trage-D [tragedy]. And E-ven [even] If you put in heaps of F-ort [effort], You're just wasting ener-G [energy], 'Cause your life as you know it is H-ent [ancient] history.
あんまり反応するのは良くないと分かってるが… 俺普段小説の発売日とコミックでネタになりそうな 内容のときしかこのスレに来ないなら分からんのだが なんでこのスレにこんなのが湧いてるんだ… 思っている以上にファン層が広いのかな
以前はまだしもGIRONをしてたのと同じヤツなんだろーかね 逆恨み?
そういうのってなんか技術的な問題で混線(?)してるのかと思ってたわ
900番台の書き込みに200番台のレス表示がついてる事もあるし
でもワッチョイ見ると誤爆みたいな転載に関しては意図的みたいだな
レス表示の件に関してはよくわからん
内容から言って明らかに荒らしだわ 論破されたのが余程悔しかったと見える まあこの話はもうやめよう
このレスの具体的に僭称している大名が誰なのか言ってくれれば今すぐにでもやめるんだがな 素直に知ったかぶりでレスしましたって言えばいいのに人格否定で逃げちゃったからなぁ 179この名無しがすごい! (ワッチョイ 0f01-Qd6x)2019/07/24(水) 14:51:54.28ID:CXmmlRnE0 いやいやいやw そうでないとはっきりしてる人もあれば その血筋への婚姻や養子にしたもの 自称血筋だらけでしょあの時代は
たぶんそれ俺だな こんなことになるとは ごめんなさいもうしません
荒らしの相手をするのも馬鹿馬鹿しいし
>>179 本人でもないが、やめる気があるというならあえて相手してやろう
ググればすぐに出てきたしな
http://www2.harimaya.com/sengoku/buke_kf.html どうせ読みもしないだろうから名前だけ抜粋しておくと、詳しく触れられてるものだけでも北条豊臣徳川
毛利浅井長宗我部松永斎藤も名前が挙がってる
そもそも全員が天皇の子孫(自称)なら血筋で優劣は決められないし
>>178 は全くの的外れだな
178 この名無しがすごい! (ワッチョイ 3f9f-k+pP)[sage] 2019/07/24(水) 14:17:19.63 ID:RZI1Z/wp0
相互扶助的な協定かは知らんが統治者になれるかどうかは血筋で決まるのは世界中どこでもやってたことだからな
成り上がり上等の戦国時代だって大名は全員大和王朝の源氏平氏の末裔だし
〜してくれれば荒らしやめるって荒らしが言い出した時点でなあ
>>246 ドヤ顔でソース持ってきた割にソースがググってきたどこのサイトとも知れぬもので草生えるわ
詳しく触れられてるとかいって名前上げてるけどそれらは当時地頭や土豪だったってだけではっきりとした家系図が残っている武家ばかりなんだが
特に名門京極氏の直系である浅井氏や大江氏の直系の毛利氏を挙げてる時点でよく読まずに名前見ただけで書き込んだアホだとわかる
大体北条早雲は近年の研究で伊勢氏の末裔であるとはっきり分かっているのに
戦国時代の創作の立身出世を真に受けてる時点でサイトの信憑性が疑わしいし
>そもそも全員が天皇の子孫(自称)なら血筋で優劣は決められないし
とか言ってる時点で氏を全く理解してないで適当ほざいてるアホ丸出しなんだよなぁ
源氏平氏の祖から600〜700年経ってるんだから主な支配階層全員に血は行き渡ってるし
サイトで挙げられた実際の祖もすべて源氏平氏の末裔だよ
つまり源氏平氏の末裔の中からより高位の家系を自称しただけで
祖はれっきとした大和王朝の源氏平氏なのは明白なんだが
適当にググったサイトをソースに使うなんて大学の論文では即アウトなんだけど
アカデミックな教育を受けたことのない人なのかな?
まーゲームの嫁論争も アンチが叩いて信者が反応するから この人たちにとっては大切なことなんだろ ここでやる意味は分からんが
>>246 某国と同じで絶対に負けを認めないで嘘並べたてるからやめとけ
しょうもない人なんだ
>>256 「安芸毛利一族」 河合正治著 吉川弘文館
「大内義興 西国の「覇者」の誕生」 藤井崇著 中世武士選書
とりあえず手持ち資料だけど毛利氏と浅井氏の家系図はここに乗ってるね
それで嘘だと断定できるソースは何?w
その家系図が正しいという証拠は? そこまで自分で調べてないだろw
書籍にのってたら正しいのなら 南京で300万殺してレイプしまくったなんても正しいとなる ただの読み物をソースにすんのは馬鹿だろ
その著者の人も掲示板でコピペ荒らしする人に名前挙げられたくないだろうしな
>>259 南京大虐殺で300万人殺したなんて書いてある本があるの?すごいね
具体的にどこの出版社から出た本なの?
いや、別に書籍だからって無条件に信じるのは愚かだと思うよ?
でも否定するならするでそれ以上に信憑性のある資料を出してもらわないと困るんだわ
まともな大学通ってたなら他者の意見を乗せる場合には必ず引用文献を明記しろって口を酸っぱく言われるはずなんだけどなぁ
「安芸毛利一族」を書いた河合正治さんて広島大学の教授なんだよね 毛利家研究の第一人者が書いた家系図を疑わしいというなんてさぞかし名のある研究者なんだろうなぁ
>>261 どちらにせよ家系図はなんの証拠にもならない
当主の都合で書くもんだからな
お前はそれを証拠として使えると思い他人を攻撃する馬鹿だ
低脳すぎて話にもならんよ
>>262 その一時資料の信憑性があの話題については完全に無意味なんだよね
君は関係ない話を持ち込んですり替えてるだけ
どうせ理解する知能ないから君に言うのは無駄だけどね
さあまた涙流しながら荒らし続けな
イネスさん何歳なんだろうか 未亡人属性まであるし イネスさんの太ももと スカートひらっにエロスを感じた人 怒らないから手を挙げなさいノシ
>>263 そんな信憑性のないものを大学教授様が本として出版していいの?
というか家系図は当主の都合で自由に書き換えられるものなんて初めて聞いたけど
いや普通に考えてそんな適当に書いてしまったら当時の資料と整合が付かなくなると思うけど
朝廷の宮仕え名簿や年貢の計帳なんかも残ってるのに適当な名前を書いてしまったら矛盾しない?
すごい新説だと思うから学会で発表したほうがいいと思うよ。できるならだけどw
>>264 それで毛利氏や浅井氏が源氏平氏以外の末裔だというソースはあるの?
聞いてるのは最初からそれなんだけど、ずっと話をそらしてばっかだね君w
>>259 それで南京で300万人も殺されてレイプされまくったっていう本を教えてくれよ
アメリカの南北戦争の三倍の死者が出てるんだけど、南京だけでそれだけ死ぬなんてトンデモ本だなぁ
そんな本を出版した会社もすごく気になるから書名を知りたいんだけど教えてくれない?
>>266 大学教授はこのスレでお前が馬鹿を晒すために本を書いてるわけじゃない
その本の中で必要があって添えたであろうものを
別の事に利用出来るわけがないだろ
繰り返すけどアホだな
まあなにを言おうと 荒らし行為を何ヶ月も行ったという事実が 君の敗北を証明しているんだけどな 負けた奴しか荒らしなんかしない
もうなんのハナシだよ
>>265 エロというよりカッコイイかなー
Wikipediaにイネス書いてないんだな
>アマンダ
>侍女長。既婚ですでに子供も独り立ちしている年代であるが、
>漫画版では20代後半程度の姿に描かれている
とかはあるのにw
>>269 いや意味が分からないんだけどw
資料をどう利用しようがそれは人の勝手だし
法律的にも引用は未許諾でも可能なんだがw
著者の用意した資料を他の意図に利用できないなんて初めて聞いたんでビックリだわ
どこの学校でたか教えてくれる?そんなアホなこと教えた所がどこか気になるなぁ
>>270 論破されて個人攻撃に逃げちゃったw
ダサすぎワロタァ!w
まともな大学で学んだ人は掲示板で荒らし行為をしないし 掲示板でマウンティングするために学術書を出すのは恥ずかしい行為だとわかっているだろうね さすがにアマンダさん声がセイバーとは書かれてないかw
>>274 いや間違ったレスがあるのを学術書を提示して証明しただけだよ?
知ったかぶりを披露して論破されたからマウントとられたと勘違いしちゃったのかな?w
ほら全く理解出来てない 利用する権利なんて一切言ってないんだけどなあ もう意志疎通不可能すぎて駄目ね
>>276 いやお前が利用できるわけないって言ってるじゃん
じゃあ利用できない根拠を教えてくれよ
まじでアホすぎて恥晒しまくってるなw
>その本の中で必要があって添えたであろうものを
>別の事に利用出来るわけがないだろ
話の流れも文脈も無視というか 前からそうだけど 流れや繋がりというもの自体が理解出来ないんだろうな 日常会話もままならないタイプ
>>278 権利っていう言い方が悪かったら利用できない根拠を教えてくれよw
本当に話しそらしてばっかりでブザマだなw
>その本の中で必要があって添えたであろうものを
>別の事に利用出来るわけがないだろ
>>279 じゃあ話の流れ的に
南京で300万人殺されたという書籍の名前
家系図がすべてデタラメという根拠とその資料
毛利氏や浅井氏が源氏平氏以外の末裔という資料
を無視しないですべて答えてくれるかな?
都合の悪いことスルーして煽ることしかできないアホと思われちゃうよ?w
>>280 いやそもそも権利なんて一言も言ってねえわ
どこから権利なんて言葉が出てきたんだよ文盲w
272でお前が語ってるのは利用する権利の事だけじゃねえか どこまでアホなのか
後宮侍女の責任者組で漫画で 見た目いかにもおばちゃんなのは 料理担当のヴァネッサ様だけかしら 漫画のアマンダ侍女長は何歳なのかしらね あの世界なら30代で孫いても普通だろうし 若々しい20代後半と若々しい30代後半とは シンプルめな線でだと特に 描き分けも見分けもしづらかろうと思うと 年齢の数値上の設定はそのままの可能性
>>283 だからなんで利用できない根拠を教えてくれよw
あと
南京で300万人殺されたという書籍の名前
家系図がすべてデタラメという根拠とその資料
毛利氏や浅井氏が源氏平氏以外の末裔という資料
これもちゃんと逃げないで答えてね
>>283 やっぱり荒らし行為をしていたことを明らかにするような人は相手するだけ無駄だったってことやね
259は例え話なのにその本の名前出せとか 拘ってる時点で池沼なのまる分かりですよ
>>287 いやわざわざ例え話を使う意味も分からないし
書籍が正しいと南京で300万人殺されたのが正しいとなるんだから
南京300万人虐殺が記載された書籍があることになるけど
文盲といかアスペかな?
>書籍にのってたら正しいのなら
>南京で300万殺してレイプしまくったなんても正しいとなる
くそ共が俺のレスを流しやがって 絶対に許さない お前らなんざイネスの太ももで1万回抜いて テクノブレイクで逝ってしまえ
結局論破されるたびに話をズラして最後には人格攻撃したあとトンズラのパターンか 無理やり捻りだした話題が低俗なシモネタしかないしこんなスレ存在する意味ないな
荒らしやってたこと言ったらその後何言っても負け確なのに 何でそんな馬鹿なこと言ったんだろうな
この流れなら多少いい加減なこと書いても許されるやろ 教会の神話で語られる勇者は実は異世界から召喚された魔力を持たない人間、魔道具で武装し時空魔法で死んでも生き返る不死身の戦士だった!とか適当言ってみる
理想のヒモ生活とある意味で関係が深いグループの
リーダーが結婚するらしいね
スカジって本国ではどういう扱いなんだろうね 称号もらうくらい凄いけど男性優位の習慣から居心地は悪いんかな その辺のとこでゼンジロウがスカジをフォローして、 フレアが軽く嫉妬するくらい、一時的でいいから仲良くならないかなぁって妄想してる
スカジは善治郎のことそれなりに評価してるとは思うけど恋愛面は自分より弱い人は対象外っぽいからなぁ
自分より強いはちょっと違うか一、人前の戦士として認めてないと駄目な感じ?
スカジはフレアに一生尽くす感じがして自分の恋愛は考えてなさそう
■かけ放題あり 楽天・・・月2980円 OCN・・・月2450円 ■かけ放題なし(楽天の組み合わせプランな) 楽天・・・1600円(3.1GB/月) ←ベーシックプラン1250円もあるがそれなら0simで月額0円のがマシ OCN・・・1600円(110MB/日) ←月33GB ■最低利用期間 楽天・・・3年 ←ここ重要 OCN・・・半年 ←良心的 ■端末(Huawei P30 liteの場合) 楽天・・・29800円 ←ボッタクリ OCN・・・9800円 ←メルカリで2500円で売れる ■家族割り(2回線目) 楽天・・・基本料3ヶ月0円のみ ←最初だけ安くしてその後一生高い料金払わせる詐欺商法 OCN・・・音声SIM1100円で追加可能(データSIMは400円) と言うわけで 全てにおいてOCNの圧勝と言う結果に終わりました
「うん。考えておくよ。でも、アウラは、今は寝ようね。ミシェル 医師もそう言っていたでしょ」 汗で湿った頭髪を撫でられた女王は、素直に夫の言葉に首肯する。 「ん、分かった。そなたももう、行っても良いぞ」 アウラの言葉に、善治郎は首を横に振る。 「いや、もう少しここにいるよ」 そう言って、薄い上掛けの端から除かせているアウラの手を取り、 ソッと握る。 「……そうか」 アウラはされるがままに、その手を夫に預ける。 「…………」 「…………」 結局、善治郎が寝室から出て来たのは、アウラが完全に寝入った ずっと後のことだった。
夜の酒場に歓声と、酒の入った木のジョッキをぶつけ合う音が響 き渡る。 酒場の灯りは、四隅にある油皿の火だけなのだが、この場の空気 はその薄明かりを『明るい』と錯覚させるほどのものがある。 今夜は王子誕生を祝う祭りの夜だ。実際に生まれたのは一月前だ が、医術が未発達なこの世界では、王族といえども子供が無事に育 つ保証はない。そのため、慣習として生誕祭は、実際の誕生日より 一カ月後に行うようになっている。 そして、今夜はその一ヶ月後。王都は不夜城と化す。 もっとも、この場にいる酔客たちの場合、王子の誕生を祝ってい るのも間違いはないのだろうが、大半はもっと単純に、『ただ酒』 と『ただ飯』に浮かれているというのが実体である。 そう、この夜を彩る光熱費と飲食費は、原則全て王室持ちだ。 篝火用の薪と油を手配し、飲食店には事前に銀貨を贈与し、火事 や喧嘩が起こらないよう、巡回の兵士を手配する。 戦災復興中の王室に取っては、決して軽くない負担だが、こうし た人気取りを軽んじるわけにはいかない。 それに、こうした大盤振 る舞いには、副次的な効果として、王都の経済が一時的に活性化す ることも期待できる。 いかに王室が『ただ酒』『ただ飯』を振る舞うとは言っても、そ れは安い果実酒と、大鍋で纏めて作られた、安いスープに限られる。 それらの酒や飯でも、酔っぱらうことは出来るし、腹も膨れるが、 酒が回って気が大きくなれば、多少自腹を切ってでも、もっと美味 522 い酒や美味い飯についつい手を伸ばしてしまう者も出てくる。 結果、各飲食店は王家からの振る舞い金を除外しても、大幅な黒 字を記録することとなる。
「それにしても、ここ最近はめでたい事が続くな。戦争は勝ったし、 アウラ陛下はご成婚された。そして、一年後には王子誕生とは、で きすぎだぜ」 店内の椅子に足を広げて腰を下ろしていた三十前後のがっちりと した筋肉質な男は、大きな声でそう言って、カラになったジョッキ を勢いよくテーブルに下ろした。木製のジョッキが木製のテーブル にぶつかり、カツンと心地よい音を立てる。 「なに、それまでは長年戦続きで、大変だったんだ。溜まっていた 『良いこと』がまとめて来たんだろうよ」 そう答えたのは、向かいに座る男である。正面に座る男と比べる と幾分細身だが、よく見るとその身体は労働で鍛えられた、引き締 まったモノである事が分かる。恐らく二人とも、王都で働く肉体労 働者なのだろう。 細身の男は、大きな木の匙で熱々のスープをすくい、口へと運ぶ。 スープの具は調理用バナナのぶつ切りや安物の葉野菜に、申し訳 程度廃竜の肉(年老いて労働力とならなくなった走竜や鈍竜の肉) が入っている程度だが、 塩とスパイスで強く味が付けられているた め、熱いうちに食べれば十分に美味い。 塩、スパイス、そして黒砂糖。いずれも、カープァ王国では、特 別高値の付く代物ではない。 暑い最中、スパイスの利いたスープを啜って汗をかき、汗を掻い 523 た分水を飲む。カープァ王国では一般的な酷暑の乗り越え方である。 「まあ、確かにな。あのしんどい戦争の後だ。少しは、良いことが 続いても罰は当たらねぇか」 がたいの良い男は、細身の男の言葉にそう同意を示した。二人と も年の頃は三十代の中盤くらい。よく見るとどちらも、服のはしか ら除かせる腕や胸元には、刀傷や矢傷らしきものがうっすらと浮か んでいる。先の大戦では、兵士として戦場の泥を舐めた経験がある のだろう。
そう考えれば、この男達の言葉に、実感が籠もっているのも当然 だ。 「そういうことだな。だが、せっかくの振る舞い酒と振る舞い飯な ら、昼間からいただきたかったモノだな。半日分、損した気分だ。 まあ、こうして夜闇の中での飯も風情はあるけどよ」 そう言って木のスープ皿に匙を戻した細身の男に、がたいの酔い 男が吹き出すように笑い返す。 「はっ! 『風情』とか抜かす面からよ、お前が。まあ、言いたい ことは分かるが、子供ってのは授かり物だ。時期を選んで生まれて きてはくれねぇよ」 通常、王子誕生の祝祭は丸一日行われるものなのだが、生憎今は 一年でももっとも暑い時期だ。最高気温四十五度を超える酷暑は、 生命活動を脅かす。 そんな体温より十度以上高い気温の中、街を挙げて飲んで騒げば 失神者と死者が続出することになる。酷暑が続くこの時期の日中は、 524 出来るだけ屋内でじっとして体力の消耗をさけ、どうしても外を出 歩く必要があるときは、白いフード付き外套で身体を一切直射日光 にさらさないようにしなければならない。 外套は主に、厚手の綿織物が用いられる。麻のような通気性の良 い生地が涼しく感じられるのは、気温が体温より低い次元までだ。 どれだけ風が服を吹き抜けても、吹き抜ける風が体温より高いので あれば、風が吹けば吹くだけ暑くなるだけだ。 そう言う意味では、この酒場で歓声を上げている男達が皆、袖無 しのシャツと薄手のズボン姿でいられるというのは、やはり夜は『 涼しい』ということなのだろう。 とはいえ、それは昼間の殺人的な酷暑と比べた場合の相対的な評 価であり、夜も暑いことは間違いない。 暑いスープを食べ終えた細身の男は、服の襟元をバサバサとやっ ていたが、その程度で涼しくなるほど、熱帯夜はかわいげのあるモ ノではない。 「これは、たまらんな。おい、水をまくぞ。いいか?」 たまりかねた細身の男は、椅子の上で身体をひねると、後ろの壁 に立てかけてあった木のひしゃくを手に取り、酒場中に響き渡る大 声でそう言う。 「おう、まけまけ!」 「そうだ、流石に暑い!」 「誰も反対する奴はいねえよ!」
男の声を受け、酒場で騒いでいた酔客達は、一斉に了承の意を伝 えてきた。 「よし、来た」 店内の客達の同意を得た男は、椅子から立ち上がると長柄の大き なひしゃくを手に持ち、酒場の隅に設置されている、細長い木製の 水槽へと歩み寄る。 店内に水を湛えた水槽を設置して置くのは、この辺りで客商売を やっている店舗ならば、まずどこでもやっているサービスだ。 こうして店内に水を湛えているだけで多少は室温が下がるし、今 男がやろうとしているように、その水を店内の床に打てば、その気 化熱で随分と涼が取れる。 無論、一時的に店内の石畳のへこみに水たまりが生まれ、客の靴 やズボンの裾に飛沫は掛かったりもするだろうが、そんなことを気 にするような繊細な人間は、ここにはない。 真夜中でも三十五度を超える高温の前には、その程度の水などあ っという間に乾いてしまう。 それどころか、客の一人が男に言う。 「ああ、まどろっこしいな。いっそ、降らせろ!」 降らせろ。 ようは、ちまちま足元にまいていないで、もっと豪快に自分たち の頭上に水をぶちまけろ、と言っているのだ。 床に水をまいて涼を取るくらいならばともかく、店内で直接頭か 526 ら水をぶちまけるようなマネは、カープァ王国でも少々品のない行 為だ。しかし、ここは場末の酒場。その乱暴な提案は、拍手喝采を 持って受け入れられる。 「そうだ、ぶちまけろ!」 「このままじゃ暑くてかなわん!」 「まてまて、料理に蓋をするまで待て!」 手際よくテーブルの上のスープ皿や薄焼きパンの入れ物に蓋をす る辺り、どうやらこうして水を『降らせる』のは、日常化している ようだ。 その証拠に、カウンターの奥で大鍋を見張っている店主も、その褐 色の顔に皺を寄せて苦笑いを浮かべるだけで、制止しようとするそ ぶりも見せない。 それどころか、 「油皿にはかからないように気をつけてくれよ」 と言う言葉で、許可を与える。 その言葉を受け、男は「分かった」と大笑し、ひしゃくの先を四 角いすいそうに差し込んだ。そして、 「いいな、行くぞっ、せーのっ!」 右手一本で、弧を描くように水の入ったひしゃくを振りまわし、 夜の酒場に雨を降らせる。
空中を飛び散る水滴が、四隅に立てかけられている油皿の炎に照 らされ、キラキラと輝く。 「うおっ、冷てっ!」 「ひゃあ、生き返るわ」 「けちけちすんな、もっとだ、もっと!」 酔客達が口々に勝手な事を言う。 「ああ、うるせえな、ちょっと待ってろ」 男はひしゃくですくった水を、自分の頭にかけて自らも涼を取る と、続いて矢継ぎ早に何度も何度も、ひしゃくを振りまわし、店内 に水を降らす。 「ふー、気持ちいい! 女王陛下、万歳!」 「おう、カルロス殿下万歳!」 「カープァ王国万歳!」 水浴びで気持ちよくなった酔客達は、また景気よく万歳の声を上 げる。 「あとついでに、ええと、あれ? 何て言った? ……ああ、とに かく、アウラ陛下の婿さんも万歳だ!」 どうやら、女王アウラの婿である『善治郎』の知名度は、酒で思 528 考力の濁った場末の庶民達には、その名前がとっさに思い出せない くらい、極めて低いものでしかないようだった。
夜が明ければ、朝がくる。 炎と酒で彩られた祭りの夜も、朝日と共に終わりを告げる。 灼熱の太陽が地平線から顔を出せば、そこからはいつもの日常だ。 特に今は、一年の中でも一番暑い時期。 朝日が登って辺りが明る くなっているのに、まだ気温は本格的に上昇していないこの時間帯 は、貴重である。 白々と夜が明けてきた王都の町並みでは、人々が早速活発に動き 出している。 この時期は、熱射病を避けるため、昼のもっとも気温が上がる頃 合いは、屋内で昼寝をして体力の消耗を避ける習慣がある。そのた め、朝、夕のうちに出来るだけの事をやっておかないと、時間が足 りなくなる。 慌ただしくも、活発に動き始める王都の朝。そんな王都のど真ん 中に位置するのに、唯一その喧噪と無縁の後宮の一室で、善治郎は 今日も何時もと変わらないゆったりとした朝を迎えていた。 529 異国情緒漂うクラシックな家具と、日本製の多量生産品の電化製 品が混在する、一見するとまとまりのない一室で、善治郎は大きく 伸びをする。 窓を閉ざす木戸の隙間から差し込む朝日だけが光源の室内は、も う朝だというのに、薄暗いを通り越して暗い。 「ふう……くぅ……!」 灰色のTシャツと、ツータックの白い麻のズボンという部屋着姿 の善治郎は、両腕を上に伸ばし、グルグルと頭を回しながら、リビ ングルームの窓を開け放つ。 精密な彫刻の施された窓を開けば、入って来るのは朝日とは思え ないくらいの強い陽光と、蒸し暑い外気だ。 「うわっ!?」 差し込む強い光と流れ込む攻撃的な熱気に、窓を開けた善治郎は 思わず顔を背ける。暗闇に慣れた目に、眩しい朝日が目に沁みるが、 それ以上に強烈なのがその熱気だ。 「すごいな、これ。暑いとか気持ち悪いとか言う前に、生命の危機 を感じる」 暑すぎるその空気は、まるで酸素濃度が低いかのように、思い切 り深呼吸をしてもなお「息苦しい」と感じてしまう
「失礼します。この位置でよろしいでしょうか?」 この一年ですっかり手慣れた侍女が、冷蔵庫の金だらいから大き な氷を取りだし、善治郎達が座るソファーの横にそえる。 後ろで回 る扇風機がちょうど良い角度でソファーに座る善治郎に冷風を届け てくれる。 向かいのソファーに座るアウラには、その余波しか届いてないが、 今はそれでよい。アウラの胸には、生後一ヶ月の赤子が抱かれてい るのだ。 赤子の柔肌に、直接冷風を吹き付けるのは、あまり良くな い。 「うむ。ご苦労だったな。下がって良い」 「はい、失礼します」 視線を胸に抱いた赤子に落としたままそう言う女王の言葉を受け、 氷と扇風機を設置した二人の侍女は、ペコリと小さく頭を下げた後、 退室していった。 535 バタンと音を立てて、ドアが閉まったリビングルームには、一組 の男女と一人の赤子だけが残される。 我が子を抱く母と、その母を見守る夫。世間一般ではありふれた 構図だが、善治郎達の場合はそうではない。 「普段ならもう朝議が始まってる時間だと思うけど、今日はどうし たの?」 侍女が退室したリビングルームで、善治郎は対面に座る妻にそう 問いかける。 カープァ王国でも特に暑さが厳しいこの時期は、王宮でも身の安 全の為、昼に長時間の休息を取る。その遅れを少しでも取り戻すた め、今時分の朝議は早めに始まるのだ。 善治郎の言うとおり、今はすでに、アウラがこうしてゆっくりし ていられる時間ではない。 だが、アウラは両腕で抱く我が子をゆらしながら、 「ああ、今日の朝議の議題はガジール辺境伯の議題だからな。肝心 のガジール辺境伯の到着が遅れているので、朝議の開始が延びたの だ」 そう、嬉しそうに言葉を返す。 「あ、そうなんだ。それは良かった。って言って良いのかな?」
スカジは単体での戦闘力がかなり高いのもあって典型的な自分より弱い男はダメ、 ってタイプだろうと思っている
スカジが登場した巻は丁度プジョルが群竜退治で活躍していた時でもあったから この2人が結ばれて霊長類最強の子どもができる未来を妄想していたわ
描写的には何らかのフラグが立ったように見えるシーンだね
漫画版のプジョルの軽く人間超えた槍投てきは笑ったけどあれからこう繋がるのはおもしろいね
>>222 もう1時間切ってしまったが、1巻100円、2巻50%OFF、本日9月30日中ですよ
その後も十八階層で戦った。 ベスタも問題はなさそうか。 何度か攻撃は喰らったが、弱音を吐くこともなかった。 「よし。少し早いが今日はこのくらいにしておくか。買い物もあるしな」 「買い物ですか?」 ロクサーヌが食いついてくる。 ベスタのものを買うのだが。 ロクサーヌなら自分のものじゃなくても大丈夫か。 ベスタにメイド服とエプロンを買わなければいけない。 大柄なのでメイド服が似合うかどうかは分からないが、エプロンはありだろう。 それに寝間着も買う必要がある。 「まずは帝都の服屋だな」 「ベスタのネグリジェが必要ですね」 ロクサーヌも選ぶ気満々だ。 文句を言われるよりはいい。 「私のですか?」 「ベスタのものをいろいろ作る」 「ありがとうございます」 ベスタが頭を下げた。 「今日は初日だからいろいろ大変な面もあっただろうが、これからも頼むな」 「はい。迷宮の魔物はものすごく手ごわいかと思っていましたが、このくらいなら問題ありません。大丈夫だと思います」
「ここだ」 「ええっと。すごく立派なお店なのですが」 「大丈夫だ」 「よろしいのでしょうか」 ついてくるだけだろう。 中に入った。 入り口を見上げていたベスタも続いてやってくる。 「いつもありがとうございます。ようこそお越しくださいました」 いつもの男性店員が女性店員二人を引き連れて近づいてきた。 「この間頼んだエプロンをまた作ってもらうことはできるか」 「はい。もちろんでございます」 「今度は彼女の分を頼む」 ベスタの肩に手を乗せる。 俺の顔くらいの高さにあるが。 オーダーメイドだから作るのは問題ないだろう。 「ありがとうございます。では採寸いたしますので」 「こちらへ」 男性店員が目配せすると、女性店員がベスタの前に立った。 体を半分折っていかにも慇懃な姿勢だ。 手で方向を示してベスタを導く。
ベスタを送り出した。 というか、採寸って何をするのだろう。 別室に行くところを見ると、服まで脱がせるのだろうか。 服を脱がせてメジャーを身体に巻きつける、と。 大きな双球のサイズも測らなければならない。 どうやって測るのか。 興味津々だ。 「昔作ってもらった侍女服も彼女の分を頼む」 とはいえ覗くわけにもいかないので、商談を進める。 「かしこまりました。使用する布は前回と一緒のものでよろしいでしょうか」 「そうだな」 「エプロンは五日、侍女の衣装は十日ほどかかります」 「分かった」 十日後いっぺんに取りに来ればいいか。 と一瞬思ったが、別々に受け取るのもいいだろう。 一度に両方を着せることはないのだから。 「後はこれですね。さっきの彼女に合う大きさのものもありますでしょうか」 ロクサーヌたちはサテン地のキャミソールのところに行っていた。 「こちらは既製品ですので、サイズの方はここまでになってしまいます」 「これですか。一応ちゃんと着れそうですね」 「肩幅などは十分だと思います」
女性店員が答える。 セリーのも小さいやつはなかったしな。 サイズはそんなにないのだろう。 「そうですね」 「ただし裾が少々短いかもしれません」 「うーん。どうしましょうか」 「これ以上のサイズとなると、別注で作ることになりますが」 裾が短いのか。 それはそれでありだ。 ロクサーヌが悩んでいると、ベスタが戻ってきた。 ロクサーヌがベスタの身体にキャミソールを当てる。 キャミソールの裾がベスタの膝あたりに。 いい位置じゃないか。 「やはり短いですか」 「さすがに短いでしょう」 「みじかい、です」 「そうですね」 「とりあえず買ってみて、どうしても困るようなら作ればいいだろう」 話がまとまりそうなのであわてて口を挟んだ。 いやいや。 十分な長さですって。 「そうですか? もし着れないと無駄な出費になってしまいますが」 「大丈夫だ」
女性店員が答える。 セリーのも小さいやつはなかったしな。 サイズはそんなにないのだろう。 「そうですね」 「ただし裾が少々短いかもしれません」 「うーん。どうしましょうか」 「これ以上のサイズとなると、別注で作ることになりますが」 裾が短いのか。 それはそれでありだ。 ロクサーヌが悩んでいると、ベスタが戻ってきた。 ロクサーヌがベスタの身体にキャミソールを当てる。 キャミソールの裾がベスタの膝あたりに。 いい位置じゃないか。 「やはり短いですか」 「さすがに短いでしょう」 「みじかい、です」 「そうですね」 「とりあえず買ってみて、どうしても困るようなら作ればいいだろう」 話がまとまりそうなのであわてて口を挟んだ。 いやいや。 十分な長さですって。
「そうですか? もし着れないと無駄な出費になってしまいますが」 「大丈夫だ」 少なくとも着れないということはない。 この世界にミニスカの女子高生はいない。 ミニスカのお姉さんもいないし、ミニスカのお姉様もいない。 チャンスを逃してなるものか。 「こちらのサイズは現在白か黒しかございませんが」 いいじゃないか、黒。 妖艶な感じが大柄なベスタにぴったりだ。 なんとか作らせて注文を得ようという女性店員の思惑などに踊らされてなるものか。 「ベスタは黒でいいですか?」 「よろしいのですか?」 「大丈夫です」 白はセリーが着ている。 ロクサーヌが中心となって、黒のキャミソールを選んだ。 選んだものをロクサーヌが持ってくる。 「では、これももらえるか。あと、兎の毛皮も引き取ってくれ」 アイテムボックスから兎の毛皮を取り出し、カウンターに置いた。 「あ。お客様は帝国騎士団のかたではなかったのですね」
男性店員がつぶやく。 俺のことをどっかの騎士団員だと思っていたようだ。 思わぬところから素性が発覚してしまった。 タイミング的に兎の毛皮か。 騎士団員は店で兎の毛皮を売ってはいけないのだろうか。 いや。今までも兎の毛皮は売り払ってきた。 他の何かか。 尋ねるのもどうかと思うので、精算を済ませて店を出る。 やぶへびになっても困るし。 「店員はご主人様のことを帝国騎士団員だと思っていたようですね」 店を出るとロクサーヌが自慢げに話しかけてきた。 「なんでだろうな」 「ご主人様を見れば当然のことです。あの店員には見所があります」 ロクサーヌは誰かに騙されないかと心配になるな。 素晴らしいご主人様に是非こちらの壷を。 「普通の探索者は荒くれ者がほとんどです。きちんとしたマナーを守ることができるのを見れば、帝国騎士団員だと判断してもおかしくないでしょう」 まあセリーがいうのならそうなんだろう。 現代日本人として普通なら、行儀はしっかりしているということか。 そういうものかもしれない。
続いては防具屋に向かった。 クーラタルの商人ギルドにワープしてから、歩いて移動する。 「プレートメイルだっけ?」 「はい。そうです」 防具屋に入ると、ベスタに確認してプレートメイルを探した。 鋼鉄のプレートメイル。 これか。 フルアーマーじゃなくて、肩から腰にかけてを囲む金属の筒だ。 腰の部分には、甲冑によくあるスカートみたいなひらひらがついている。 別々ではなく一体型となっていた。 装備すると出来の悪いロボットみたいな感じになるんじゃないだろうか。 どうやって着るのかと思ったら、横からぱっくりと二つに割れるようになっている。 どう見ても重そうだ。 実際に手で引き上げてみる。 持てないほどではないが、重い。 これを着て迷宮を歩き回るのか。 「お。こっちの方が、ひらひらがよさそうだな」 「草摺ですね。あまり違いがあるようには見えませんが」
セリーが教えてくれた。 草摺というのか。 違いがあるとは、俺も思えない。 空きのスキルスロットが三つあるだけで。 「重いけど、ベスタは着れそうか?」 「そうですね。大丈夫だと思います」 ベスタが鋼鉄のプレートメイルを引き上げる。 おかしいな。 ベスタが持つと軽そうに見える。 竜人族が持つと補正がかかるのかもしれない。 「鎧はそれでいいか?」 「はい。十分です。ありがとうございます」 他の売り場にも移動した。 プレートメイルにあわせて鋼鉄のガントレットと鋼鉄のデミグリーヴも選ぶ。 金属製の籠手と靴だ。 鋼鉄のデミグリーヴは膝の高さくらいまである脛当がついている。 空きのスキルスロットがついているものの中から、ベスタに選ばせた。 頭装備だけやめておく。 フルフェイスのものをつけさせたら完全に騎士になってしまうしな。 頑丈の硬革帽子がもったいない。
外交的にも報告に説得力のある「戦士」の見立てとして 南大陸の戦士侮り難しの印象付けられたのはプラスだろうな ゼンジロウが南代表だと舐められるというほどではなくても 多少なりとも印象が引っ張られる脳筋はおるだろうし
――やばい、死ぬ。 俺がそう思ったのは、目の前に迫る巨大な魔物の真っ赤な口がぱかりと開いて俺に向かって突進してきたのを確認した、その時だった。 大陸の端っこに位置する辺境国家、ヤーラン王国の端っこにある小さな都市マルト。 その近くにある低位迷宮《水月の迷宮》で、しょぼい魔物を狩りながら日銭を稼いでいた俺こと、銅級下位冒険者、レント・ファイナは、その日もまた、 いつもと同じように迷宮の浅い層で、ひたすら、骨人スケルトンやらゴブリンやらを狩って、素材やら小さな魔石やらを収集していた。 それが毎日の日課で、今日もいつもと同様に夕方ごろになったら街に戻り、冒険者組合に素材を納めて数日暮らせる程度の賃金をもらう。 そのつもりだった。 それなのに、だ。 そいつは唐突に出現したのだ。 毎日歩いている迷宮だから、俺はまず、この迷宮の中で迷うことは無かったのだが、その日はなぜか、いつも歩いている通路に、普段とは異なる通路があることを発見してしまった。 これが、運が悪かった。 そう、悪かったのだ。 本来なら、そんなものは無視すべきだ。 冒険者は、冒険をする者のことを言うが、それは何の計画性もなく無謀に突き進む者のことではない、とされている。 しかし現実には、何も考えずに突っ込む人間の方が多く、俺もまた、その例に漏れない愚か者だった。 なにせ、かなり昔に発見され、探索されつくした、と言われていた迷宮である《水月の迷宮》に、新たな通路や部屋が見つかったとなれば、これは大発見である。 もしかしたら高位魔導具や魔武具の類もあるかもしれないし、またそうでなくとも、ある程度探索してマッピングしておけば一稼ぎすることもできるだろう。 そんな、ありがちな馬鹿な考えを持って、俺はその通路に足を踏み入れてしまったのだ。
結果として、しばらく歩いていったところにあった広場のような空間で、巨大な魔物と相対することになった。 それは、俺の見間違いでなければ、龍であった。 龍、それは魔物の最高位であり、一般的には白金プラチナ級のさらに上、神銀ミスリル級の冒険者が数人でかかっても敵わないと言われる化け物だ。 その見た目は様々で、一般的な竜を巨大化させたようなタイプもいれば、細長い蛇のような形態のもの、また蛙を巨大化させたようなものもいるらしい。 らしい、というのはそれと遭遇した者は、よほど運が良くなければ生き残ることなどできず また滅多に人前に姿を現すことがないので、遭遇することそれ自体が珍しいため、はっきりとそれと分かって確認できたものが歴史上、数えるほどしかいないからだ。 その強さは、世界に四体しかいないと言われる魔王に匹敵し、またその存在は生き物よりもむしろ神に近いとまで言われる化け物である。 つまり、俺のような万年銅級冒険者がかかっていったところで、小指一本すら使われずに敗北するのが確定している相手であるということだ。 そんなものが目の前に現れて、驚かないわけがない。 また、まともに戦おうとも思う訳がなかった。 だから、俺は即座に逃げよう、逃げなければ死ぬ、と考えて足を動かそうとした。 ――けれど。 相手は流石に化け物だった、というべきか。 俺は逃げようとしたところで気づいた。 気づいてしまった。
――足が、動かない。 いや、体中、どこを動かそうとしても動かないのだ。 どういうことだ、と一般人なら思うだろう。 しかし、俺にはこの現象に覚えがあった。 あまりにも実力差がある者同士が対峙すると、このような状態になる、と学んだことがあるからだ。 強大な魔力が威圧によって、体の自由が全く利かなくなる。 そのようなことが、ごくまれにだがあるのだ、と。 これは、まさにそれだった。 俺は龍の圧力に耐え切れず、完全に身動きが取れない状態になっていたのだ。 それを理解したとき、心の底から、勘弁してくれ、と思ったが、そんなことを考えたところでどうにもならない。 そのときの俺にできたのは、ただただ、目の前にいる魔物を見つめながら、どうか俺のことを食わないでくださいと心の中でお願いすることだけだった。 しかし、現実は甘くはなかった。 その龍は、俺を確認するとその口を大きく開き、そしてそのままの勢いで向かってきたのだ。 ――あぁ、食べる気だな。 命の危機に瀕していながら、俺はのんきにそんなことも考えた。 やばい、死ぬ、とも考えたのだが、どちらにしろ、この状況はもはや、俺にはどうにもできない。 なにせ、身動きがとれないのだ。
十五のとき、冒険者になって、十年。 いつの日にか白金プラチナ級を越え、数えるほどしかいない神銀ミスリル級まで上り詰めることを夢見ながら冒険者を続けてきた。 しょぼい依頼で日銭を稼ぎながら、それでも夢を見ることは今でもやめておらず、毎日依頼が終わった後は、訓練を続けてきたのだ。 それなのに、こんなところで終わるのか。 あっけないものだな。 酷く悔しい気持ちと、ここで終われるのかという解放されたような気持ちの両方が俺の心に満ちてきて―― そして、俺の体は、龍の口の中に収まったのだった。 ◆◇◆◇◆ それからしばらくして、奇妙なことに、俺は目覚めた・・・・。 そう、目覚めた・・・・のだ。 龍に食われ、間違いなく死んだと認識したのにも関わらず、俺は目覚めた。 そして、気づいた。 ――いやいやいや。これは、ありえないだろう? 俺は目が覚めた直後、状況を確認して、心の底からそう思った。 何があり得ないか。 それは、俺の体の話だ。
手を見てみる。 すると、そこに、かつてあったはずの肉がない。 皮膚がない。 そこにあるのは、白くて細い骸骨のみ。 それだけなのだ。 そしてそれは俺の手だけに限らず、体全体がそうだった。 足は、肉も皮膚もない骨。 ふとももも、同様。 二の腕も、おんなじ。 顔は……顔は分からないが、たぶんこの調子だときっと同じなのだろう。 つまり、俺、銅級下位冒険者、レント・ファイナは、いつの間にか冒険者から、骨人スケルトンへとクラスチェンジしていた、ということだ。 ――ありえない、よな? ◆◇◆◇◆ それにしても、これからどうしたらいんだろう。 俺がまず、一番最初に考えるべきはそれだった。
とりあえず、龍に食われたのは間違いないとして、それでもこうして生きているだけ、僥倖だろう。 いや、生きてるのか? 骨人スケルトンと言えば、不死系の魔物の一種だが、すでに死んでいると言われている魔物だ。 教会の司教とか、神官なんかの浄化系魔術で消滅させるのが最も簡単だと言われる、非常に弱い魔物である。 浄化魔術で消滅させられるのは、骨人スケルトンが神の摂理に反した邪悪な魔物であるから、とされていて その神の摂理とは、“死んだものはこの世に存在してはならない”というものである。 その摂理に反抗して現世に残っているから、浄化魔術で消滅させられる、というのが一応の理屈らしい。 これが正しいのかどうかは別に神官でも司教でもない俺には分からないが 一応、この理屈の中では骨人スケルトンは死んだもの、とされているということが俺にとっては重要な事実だろう。 俺は、死んでいるのだ。 死んでいる状態で、この世に存在している、ということだ。 これは、非常に、まずい。 というのも、先ほども言ったが、死んでいるのにこの世に存在している、というのは神の摂理に反しているらしいからだ。 このまま街に戻ってしまうと、いくら喋って俺はレント・ファイナだと主張しても、とりあえず浄化、ということになってしまうだろう。 それでは俺の存在は完全に消滅してしまう。 それは、絶対に嫌だった。 骨骨の状態とは言え、俺はまだ、生きている。 たとえ骨人スケルトンだとしても、死んでいるのだと定義される存在なのだとしても、俺の意識の上では、俺は生きているのだ。
だから、みすみす殺されに街に戻ることは出来ない。 しかし、ではどうするのか。 それが問題だった。 ずっとここに住み続けるのか。 しかし、ここは迷宮である。 魔物を討伐するために冒険者がやってくるし、いくら辺境の迷宮とは言え、俺よりも強い奴もそれなりに入るのだ。 彷徨っていたら普通に退治されてしまう。 どうすれば……。 と、考え込んだところで、そういえば、と思うことがあった。 俺は、今、魔物なのである。 魔物というのには不思議な性質があって、年や経験を経た魔物は、徐々に上位の存在へと進化していく、というのがあった。 俺が果たして魔物なのかどうか、それははっきりとは分からないが、とにかく見た目上は、魔物の骨人スケルトンと全く同じなのだ。 となると、俺にも出来るんじゃないか? 存在進化。 と、ふと思ってしまった。
魔物の研究書は職業柄、それなりに読んだりしてきたが、その中で、骨人スケルトンは存在進化すると、屍食鬼グールになる、と言う記述を読んだことがある。 もちろん、屍食鬼グールも不死系の魔物、いわゆるアンデッドモンスターであるわけだが、骨人スケルトンよりは人間に近い容姿をしている。 肉もついていて、まぁ、ローブとかマスクとかで隠せば、なんとか人間と強弁できなくもないんじゃないかな、と思う。 そうすれば、街にも行けるし、色々と知り合いに説明できる機会を得ることも出来るかもしれない。 かなり荒唐無稽な思い付きであることは分かっているが、しかし、今の俺に出来ることはそれくらいしかなかった。 だから、俺は、よし、と思った。 とりあえず、存在進化を目指そう、と。 この迷宮で、屍食鬼グールになろう、と。
>>328 そこそこ技術の進んだ社会になりつつあるから、逆に話のできる人間の方が
印象が良いんじゃないの
プジョルみたいな脳筋が最初に行く方が馬鹿にされる気がする、文官には
北大陸が民主主義なら カーパァは独裁でいくしかないな 良い独裁をすりゃ民主主義なんぞ屁でもないパワーが有る 良い政治をする中国みたいなもんだ
『ズヴォタ・ヴォルノシチ貴族制共和国』でググってみたら驚いた モデルになった国というか制度が思いっきり実在したんだな
異世界ものでは「現実社会に広まっているおとぎ話やモンスターのイメージは 実は過去に地球と異世界を行き来した人間によって伝えられたものでした」 みたいな理由付けで解決できる(実際にしてる)パターンがよくあるけど (時間差があるとはいえ)もろに実在した国や制度の名前が 両方に存在するのはちょっと奇妙な気もする おとぎ話のケースと逆パターンで 地球の慣わしがあちらに渡ったんだと考える事もできるけど その場合は国の形を変える程の事をしてしまった善治郎の先輩が ヒモ世界に居たことになる
>>314 おお漫画版オリジナルなんかな
いい感じ
言霊翻訳「言葉は分かりやすいようにしてるだけで、実物と同じとは限らんで」 北欧っぽければ北欧っぽい名前で自動翻訳されてるだけでしょ
>>345 読者向けに固有名詞ごと精霊さんが翻訳してくれている説を唱えたい
言霊便利だよなあ 主人公の祖先が言霊ない地球に来て相当苦労したんだろな
容姿で鬼扱いだったかもしれんけど、魔道具かなにかで役に立つことやって溶けこんだのかな
明治初期だろうから、ヨーロッパのいい家のご令嬢が植民地人と恋仲になって 母国にいられずに駆け落ちしてきたなどと思われていたのかも
>>345 単にオリジナルで国を考えるのが面倒だから実在の国をモデルにしただけ
ヒモ世界の言霊、地名、家名などの固有名詞は発音したまんまだったはず ゼンジロウが字を覚えるために『税収書』の入力してる場面でそう説明されてる
共和国とかは言霊の翻訳なんだろうし 異世界の人物がひょいっと来てもその異世界人の知識に合わせた 翻訳ができるから言霊は地球で働いてはいなくても カープァ王国なんかがある世界にとどまらない存在なのかもね
あまりふかく考えちゃいけないと思ってその辺は思考停止させてるなw 言語によって語順も変わるし、言霊さんは実質未来を知る能力があってそこから 逆算して言語を変換しているんだと思うことにした
この手の設定は上から目線で矛盾してるとか 得意気に言いだす人が一番つまらないちょっと頭の残念な人って 相場は決まってるからねw 野暮なこと言いなさんなって話よね
ポーランドといえば独ソ戦とかの印象しかなくて 昔どうだったかなんて全然知らなかった wikipediaを斜め読みしてたら 「君臨すれども統治せず」と言った人の名前がヤン 昔の国王の名前がヤン その肖像画を描いた人の名前もヤンだったりして笑った
>>356 それは矛盾を指摘されて反論できなくなったから頭おかしい人だと認定して耳を塞いでるだけでは...?
反論できなくなってコピペ荒らしに走って 誰からも負け犬と認識されてしまった人は確かにいた
考えてみれば口パクが終わるタイミングで全部のニュアンスを伝え切って 逆に時間が余りもしない言霊の同時通訳じたいかなりの超常現象だよな… 作者は生真面目な人らしくそのへんも割と丁寧に説明してるね 魔術語は短い音に多くの情報が含まれすぎていて 聞いてる人が不快になる程だとか 精霊さんがそこまで有能となると 固有名詞をいい感じに翻訳するくらい やってくれそうな気もする
>>359 やっぱり反論できなくなったから相手を人格攻撃して議論から逃げた負け犬じゃんw
皆が呆れて相手する価値なしと正当な議論の作法で無視したら コピペ荒らしでさらに皆から惨めだなと無視されただけかと
>>363 人格攻撃が正当な議論の作法で草生える
ならコピペ連投も正当な議論の作法だなw
>>366 (オッペケ Srbb-aWhQ)さんワッチョイが変わる前に
作者が意図しない引用はできないという根拠
南京で300万人殺されたという書籍の名前
家系図がすべてデタラメという根拠とその資料
毛利氏や浅井氏が源氏平氏以外の末裔という資料
これを教えてくれよw
>>367 君はまともに話が通じないことを
みんなが理解した時点で終わり
一生吠えてな
地名由来の「トロナ鉱石(天然重曹)」が翻訳されてるとかあるし あの世界の精霊さんはかなりファジーな処理をしてるよ 大多数の人の潜在意識をベースに翻訳する「複数の人間が同じ認識を持つ音」の翻訳ともあるから 固有名詞だからといって固定は出来ないんだよね
地名由来でもそれが固有名詞になってたらその意味で翻訳されるだろ 瀬戸物と言ったら瀬戸の物ではなく陶器で翻訳されるのと同じ
登場人物間だけじゃなくて 俺達との間にもわかりやすくするための翻訳が働いていると考えたほうが良さそうよ
>>370 瀬戸物=陶磁器の総称=一般名詞
瀬戸物=瀬戸焼=固有名詞
瀬戸=狭い海峡=一般名詞
瀬戸=地名(しかも全国にある)=固有名詞
陶器と磁器と陶磁器の違い何かも突っ込み所だけどな
それと、作中にも書かれたけど固有名詞は翻訳されないよ
ワッチョイとID消してるガイジが何言っても説得力ないね
他人にケチをつけるために5chに課金してるんかねえ おお怖い
善治郎が「マラソンの距離」とか表現したら相手には40kmちょっとって通じるのかな
通じるわけないじゃん それならサッカーの試合時間と言ったら90分だし東京ドームの10個分といったら500,000uに翻訳されるだろ 頭悪そう
そこを意訳されると会話に齟齬が生じるから無さそうだけど 40kmと伝えたいと思うと翻訳する可能性はあるのかも知れない ゼンジロウが現地の単位を使うシーンってあるっけ?
ストライクゾーンについての話なんかはさすがに通じてないけど
なんとなくの気持ちは伝わってるみたいなので
言霊妖精さんはかなり有能っぽい
侍女に渡すレシピみたいに文字に起こす場合は
既に触れられてる単位の違いが善治郎を苦しめてるはずだけど
口述の時に単位が翻訳されるかどうかはたしかに気になる
(画像は別作品)
言霊についてだと人間以外で適用される可能性が気になるかな、群竜は駄目だったけどイルカとか鯨類はいけるかもと思うのだが
山羊はニコライに恨み骨髄なのか親身に世話してくれるから好意的なのかw
魔力は最低限必要なんじゃない?違ったっけ? 言霊は魔力不要?
動物は魔力あるんじゃない? 時間遡行使うときに魔力の無い小さい虫や小魚くらいしか使えないって言い方的に
>>385 ああ、そういえば蘇生との絡みでそんな話あったな
動物と言葉が通じたら面白そうだけど 赤ん坊が「おっぱい欲しい」という意志を込めて 「あー」と言っても通じない事から考えると ちょっとムリっぽいかな イルカや鯨がどのくらいしっかりした言語体系を 持っているかにも依るだろうけど
ちょっと調べた感じだと割と高度な情報伝達手段はあるみたいだけど人間の言語とは方向性とゆうかジャンル違い?言霊が適用されるか判断しにくい
>>380 異世界に行く時は定規とか分銅持って行かなきゃいけないのか
大変だな
>>391 卵一個とかいう場合も大変だぞまあ、実際に一度作って味を調整してから
作った内容をレシピに起こすのが正しいやり方だろうな
計量単位も素材の大きさも味も地球と同じはずがないんだから
何種類かレシピができれば、それと対比しながらレシピの翻訳も可能だとは思うけど
レシピの場合には、重さか体積の比率を伝えればいいんじゃないかな 砂糖は酒と同量とか小麦粉と水は重量比で1:1という様に
7巻のおまけ小説は誰なんだろ?タイミング的にはスカジかな
漫画版のアウラ陛下かわええな 小説6巻あたりで善治郎の不満をカラダで解消してるような記述もあったけど ますます睡眠時間が減るやろこれ
個人的にアウラのイラストは漫画の方が好き フレアは小説の方が好きなんだけどね
漫画版は小説版5巻が終わったところなのか この後は将軍様の結婚式か フレア姫がゼンジロウにぐいぐいモーションかけていくのね
あとがきで作者にそう書かれちゃしょうがないなw 漫画7巻よかった!カープァ王国の民をあわよくば連れ去ろうと提案したときの フレア王女の笑顔こわすぎw 襲撃の鐘がなったときの主人公の素早い指示にフレアはやっぱりなって顔で スカジも「・・・・・・」ってふきだし入れて認識を改めているのがわかるのは漫画ならでは けっこう原作をよりわかりやすくしているシーンがあって あとがきで書いてるように原作者がプロット組み直しているようだ イネスが主人公は「良くも悪くも無難に波風立てずまとめる能力はある」的なこと言ったり 消臭石灰では猟師に原作よりも主人公の知識は大したもんだと持ち上げさせたり まあ会食でスカジがあからさまに主人公を軽侮するのは分かりやすいが スカジ無能感がちょっと出たがw 原作ではわりと一方的だった記憶がある群竜のボスとスカジの戦闘も 肋骨もっていかれてそれなりに苦戦しつつ プジョルのつけた傷で見えない目の死角を利用して倒し 強者の存在を感じるというのもいい感じだった 次のフレア肉食編で漫画家さんが好きなエピソードがあるから 気合い入れて描きたい的なことを言っていたがどこだろうな
そう言えば漫画読んで思ったけどフレアがゼンジロウの人柄考えて今回は保守的に立ち回るとか言ってたけど 後々保守とは真逆の博打打つんだよなこの姫様って笑ってしまった
もし、実写映画化するとしたら配役は誰がいい? アウラ役は胸パッドOKとする
外国人俳優は全然知らないんで見当がつかないけど プジョル将軍は大塚明夫 フランチェスコ王子は石田彰 あたりが吹き替えを担当しそう
語るだけ無駄な話題やな コミック出たばかりなんだからそっちで話せばいいのに
>>406 プロポーズは確かに(笑)
保守的というのは貿易で王家独占でなく他の諸家ともが望ましいが
それで王家を刺激しすぎたら元も子もないからあまり大胆にはいかない位の意味なんだろうが
>>407 実写より先にアニメ見たいなあ
ゲームオブスローンズなんかは実写とCGで見事に竜も出せてたが あれ一時間の一本撮るのに5億とか10億の世界らしいからなあ
各種図解に会食でのフレアの反応とかイネスの脚ナイフとか 漫画のペースで読んだ時の絵的な分かりやすさを大事にしてる感ある
普通にフレアがポーカーフェイスでゼンジロウから情報をドンドン得ているのがわかる描写だと思うが
原作では見えない部分の情報を増やしているんだから それをわかりやすくなっていると言うことにそんな問題はないと思うが 誰にも共感して貰えない感想を抱く人もいるだろう
>>417 説明不足すぎると思うよ
原作読んだから分かるだけでヤギの話題で急に毛織物の話になる理由に説明ないし
漫画版で原作では見えない部分の情報なんて皆無なんだよなぁ
ヒモは地の文での説明が多いから小説以外の媒体はちょっと不利だな、初めの方は善治郎とアウラ二人だけの会話で進んでビジュアル映えしにくいし
>>420 むしろなんで説明が必要なのか、と思ったが
山羊の生地って日本じゃたしかにマイナーか?
ゴートレザーは日本じゃ見ないと思うぞ? かなりマイナーじゃね? みんな牛革か豚革だもん
>>424 南大陸では哺乳類がいなくて毛織物が高価でそれ目的に繁殖させるんだろうと言うフレアの予想が抜けてるから
だからその後の乳製品が欲しいと言った善治郎の考えの異質さの印象も薄れている
違和感ないし漫画よく描けてたと思う さわっちゃいけない類いのでは
大型哺乳類の家畜がいない>南大陸では乳製品を食する文化がない なのにゼンジロウは乳製品が欲しいと言った これで十分ゼンジロウが南大陸の人間としては異質だってのは判ると思うが
前にも理想のヒモ生活の漫画版はSSRとか言ってた人いるけどそいつかな
俯瞰絵のパースが下手くそすぎるし
人物の書き分けが全然できてないけど
これで尻尾切れるとかモンハンかな?
この漫画で満足できる人は違和感を感じないんだろうね
>>429 南大陸では飲まない乳を飲むってそのまんま書いてるしそりゃ異質だって誰でも分かるよ
でも表現技法としてそのまんま文章として読ませるのと
食料目的で連れてきた山羊を望まれた時に南大陸人の風習から毛織物目的だと思ったら予想外に乳だったじゃ印象がかなり違うでしょ
作者がコミカライズ用に見直したプロットで描かれているし 漫画用に小説のような細かい説明省略してスムーズにしたのが正解と思ったな
暑苦しいカープァで 毛織物の需要はあんまりなさそうだけど 絨毯とかには使うだろうな
俺はマンガから入ったけど普通に理解できたよ 文句つけてる方がおかしい >この漫画で満足できる人は違和感を感じないんだろうね そんなに絵に自信があるなら自分で描いて投稿すれば?
>>432 表現技法が異なる以上、なんでも原作の通りにすれば原作通り面白くなるってもんじゃないしね
>>434 そりゃ原作読んでないなら大幅カットされてても違和感ないんだろうなw
ほならね理論は第三者が言っても全く説得力ないしむしろ絵が下手なことを肯定だけなのに気付けておられない?
顔の表情の書き分けや視線で表現できてない時点で漫画独特の表現が出来てるとは言えないんだよなぁ 鬼頭莫宏の漫画読めばそのへんの表現のうまさ分かると思うけど
漫画版を否定してることは事実だけをそれを否定してる人がいる時点で否定が生きがいの人多すぎない?
>>438 3人以上かも。皆すぐ分かるが
漫画でスカジが胸甲捨てて鎧下1枚で戦っていたがこれに上がる筋肉好きとかいるんだろうかw
まあスカジも美人だし大丈夫なんじゃないか だめならゼンジロウに責任取らせれば良いしな
スカジはフレアのおつきの人で一生終えるんでは?あと生まれた子供のばあやとして頑張ってほしい。
すげーなそんな批評ができるほど真剣なんだな 俺語彙が少ないからコナミ感4段階だ 理想の社畜は面白かった(粉蜜柑) すごい(コナミ) 面白かった(コナミ) まあ、ふつう?(コナミ) 途中で読むのやめた(コナミ)
語彙が少ないからって 自作の単語作ってしまうのはただの病気だぞ 人とコミュニケーションとりたいなら 同じ言葉を使うようにしたほうがいい
このスレってガチの人が多くて怖いな 素直に感想言っただけで攻撃されるんか
>>445 創作してるんじゃなくて自分の感想を4段階に例えてるだけだろ
こういうのをアスペって言うんだろうなぁ
まあ7巻も良かったわ、面白かった! でいいと思うけどね 言葉の定義争いは暇なときにお願いします^^
イネスのナイフチラはそんな隙もないキャラと思ってたから 連載のときには少し違和感もったけど 単行本で読んで分かり易くそうなの匂わすにはあれでいっかと
>>446 ガチの人が言うにはそういうのは『抗体反応』らしいよ
正常な抗体反応というよりアレルギー症状のように見えるけどね
ナイフちらみせとかは、マンガだからこそ出来る表現で良いよね 地の文章で書いちゃうと、あからさますぎと感じるだろうし 絵柄の好みとかは仕方ない あとは作画にかけられる労力も無限じゃないよなと個人的には思う あと毛織物は羊のイメージだけど一応山羊も羊毛っていったときに含まれるんだね 山羊って乳もとれるし強い生物だから船に積めるんだろうと勝手に思っていたけど
>>422 今までアニメ化されてない理由の一つかもね
漫画はまだマシだけど映像作品でモノローグや
ナレーションが続きすぎるとつらい
ちなみに頭文字Dのアニメなんかはナレを全削除して
説明部分は登場人物の会話に置き換えてあった
それ自体は好判断だったけどキャラクターが突然
「このバトルで初めて繰り出すフェイントモーションからの
このアグレッシブなドリフトは、オレが勝負を決めに行くという
意思表示だぜ!」などと言い出す珍場面も生まれた
もしアニメ化したらタイトルの「ヒモ」が何かに置き換わる予感
コミック読んでここにたどり着いたのだが、原作はさぞかしめんどくさいんだろうな
なんかの作品で既に差し替えられたんじゃなかったっけヒモ
>>416 なろうでよくある料理人が転生という設定でないと食の改革なんて無理だわ
自分もしがない会社員だが、異世界どころかネット情報も食材も揃った現世だとしても身動き取れない
>>458 あーじゃあ放送コードひっかかるのかな
ヒモに代わるキャッチーな言葉なんてなかなかないよなあ
アニメ化タイトルからつまづいていたんかw
ヒモが出てくるアニメってサンレッドぐらいしか思いつかないけど、どうだったっけ?あれ
ヒモから変えるなら理想の後宮とか大奥生活とかぐらいしか思いつかんな
Eテレでこんなの放送してたぞw 「あなたも今日から“ヒモ”生活」
漫画版の未来代償の魔道具のビジュアルおかしくね? 太さを無視していい程度の細い枠で囲ってるけどさ 正八面体に球を内接させる場合ってのは二種類ある a.正八面体の各辺の中点に内接 b.正八面体の各面の中心に内接 今回は枠のみで面の部分に実態はないのでaになるが ちょっと考えればわかるけどこれだと球は 八面体が形作る三角形の面より外側にはみでる 護りにならない もっと太い枠で八面体を作り 球はあたかも面に内接してるように見えるけど 実際は太い辺の内側に内接してるって形に作るのが常道じゃない?
あれだとビー玉の保護出来ないよねぇ、自分はフランチェスコ殿下が気合い入れて作ったのに見た目ショボいのが気になったかな
ヒモになりたいというより仕事から離れたいというのが最初の動機だったんだから、理想のぐうたら生活とかでいいだろう
フレアが フレアの価値観(や文化的背景)を元に予想するカープァの価値観(や文化的背景)の体系と 善治郎の持っている価値観(や文化的背景)との間に ギャップがあると気が付いたっていう 構造さえ保たれていたら 羊がどうのとか乳製品がどうのとかは割と本質的にどうでもいいと思いますがね 一応ナイセイに関わるから乳製品のくだりはサイドストーリーとしては重要かもしれないけど構造的には可換なものであって それが伝わるから充分だよね 小説レベルにまで細かい設定がマンガでも読者に伝わってるかとかどうでもいい
気付きながらもおくびにも出さないが外交官としては大切なんだろうけど 漫画でそれやるには内面の声書いちゃうか 後で気付いてましたとの種あかしが必要になるんだろうね
>>470 それがどうでもいいと思うっちゃうレベルの人はそれで満足するんだね
わざわざフレア側の反応のために1コマ毎回割いていて明らかにコマの無駄遣いだし
その分を説明に割いていればもっと分かりやすい話を作れたと思うけど
>>472 マンガ読むの辞めたら?誰もキミに読んで欲しいと思って無いと思うよ
>>473 わざわざ主語をでかくしないと自分の考えに説得力を持たせられないなんて可哀そうだね
まあだからあの程度のコミカライズで満足しちゃうんだろうけど
たらいの完成を待つ間、探索を進め、ベイルの迷宮でようやく四階層のボス部屋に到着した。 ロクサーヌがいると便利だが、探索は進めにくい。 魔物の出た方向が分かっても反対側なら来た道を戻ることになる。 隠し扉の向こう側のにおいは察知しにくいということなので、下手をすると同じところを行ったり来たりになってしまう。 探索を進めるか、狩を優先するか。 ベイルの迷宮と、人のいない早朝に入るようにしたクーラタルの迷宮とでもまた異なる。 クーラタルの迷宮は地図があるから、攻略する必要はない。 かといって同じ場所を何度うろついても魔結晶も宝箱も見つかるはずはないから、ある程度は動かなければならない。 ベイルの迷宮で四階層のボス部屋に到着したのは、少し時間が経って探索の進め方に慣れたころだ。 四階層のボスはハチノスLv4。ミノと同じような牛の魔物である。 正面はロクサーヌにまかせて、後ろからデュランダルで殴るだけの。 と思っていたら、蹴りが飛んできてびびったのは内緒だ。 お返しとばかりにめったやたらと斬りかかる。 右から袈裟がけ、左から袈裟がけ、右下から左上へと逆袈裟に斬り上げた。 真後ろへの攻撃手段も持った恐ろしい敵を打ち破り、五階層に移動する。 まずロクサーヌが見つけたのはミノLv5だ。 デュランダルを一振りするが倒れない。 さすがのデュランダルも一撃で屠れるのは四階層までのようだ。 知力をアップするジョブが中心で英雄以外には腕力上昇の効果を持ったジョブをつけていないし、しょうがないだろう。 二振りで倒す。
たらいの完成を待つ間、探索を進め、ベイルの迷宮でようやく四階層のボス部屋に到着した。 ロクサーヌがいると便利だが、探索は進めにくい。 魔物の出た方向が分かっても反対側なら来た道を戻ることになる。 隠し扉の向こう側のにおいは察知しにくいということなので、下手をすると同じところを行ったり来たりになってしまう。 探索を進めるか、狩を優先するか。 ベイルの迷宮と、人のいない早朝に入るようにしたクーラタルの迷宮とでもまた異なる。 クーラタルの迷宮は地図があるから、攻略する必要はない。 かといって同じ場所を何度うろついても魔結晶も宝箱も見つかるはずはないから、ある程度は動かなければならない。 ベイルの迷宮で四階層のボス部屋に到着したのは、少し時間が経って探索の進め方に慣れたころだ。 四階層のボスはハチノスLv4。ミノと同じような牛の魔物である。 正面はロクサーヌにまかせて、後ろからデュランダルで殴るだけの。 と思っていたら、蹴りが飛んできてびびったのは内緒だ。 お返しとばかりにめったやたらと斬りかかる。 右から袈裟がけ、左から袈裟がけ、右下から左上へと逆袈裟に斬り上げた。 真後ろへの攻撃手段も持った恐ろしい敵を打ち破り、五階層に移動する。 まずロクサーヌが見つけたのはミノLv5だ。 デュランダルを一振りするが倒れない。 さすがのデュランダルも一撃で屠れるのは四階層までのようだ。 知力をアップするジョブが中心で英雄以外には腕力上昇の効果を持ったジョブをつけていないし、しょうがないだろう。 二振りで倒す。
デュランダルをしまって、次にロクサーヌが見つけたのがチープシープだった。 クーラタルの迷宮では四階層に出てくるこの魔物が、ベイルの迷宮だと五階層から出てくるらしい。 羊といっても結構凶暴そうで、不敵な面構えをしている。 ツノまである。 ファイヤーボールを放つが、懸念したとおり三発では倒せなかった。 これもまあしょうがない。 ロクサーヌが対応している間に横に動き、斜めからファイヤーボールを撃ってしとめる。 三匹出てきたときが大変だ。 一応、ロクサーヌにそう言えば三匹の団体を避けることはできるが、においで数まで完璧に分かるわけではないので、完全に回避することは無理らしい。 逃げてばかりでいざというときに対応できなくても困るので、積極的に狙っていく。 基本的にはたくさん倒した方が稼げるのだし。 とはいえ、狙っているとなかなか出ないもので、団体でも二匹だったり、三匹いても一匹はコボルトLv5だったりということが続いた。 コボルトLv5は魔法二発で沈む。 ロクサーヌは宣言どおり、魔物二匹をまったく相手にしなかった。 ミノの攻撃もチープシープの攻撃もかすりもしない。 優雅に、軽々と、ほんの紙一重のところでかわしていく。 「ロクサーヌの動きはすごすぎて、手本として参考にすべきなのか、まねなんかできっこないから参考にすべきではないのか、よく分からんな」 「私程度の動きなら、ご主人様にもできると思います」
自己認識もおかしいしな。 ロクサーヌの意見は参考にならないだろう。 ようやく出会った三匹の団体は、チープシープ一匹、ミノ一匹、グリーンキャタピラー一匹の組み合わせだった。 「ロクサーヌ、頼む」 まずファイヤーストームを三発お見舞いする。 三発めを放った直後、ミノが追いついてきた。 続いてチープシープとグリーンキャタピラーもやってくる。 ロクサーヌがミノにシミターを入れ、振られたツノを軽く避けた。 かわしながら、さらに一撃。 俺も、左に来たチープシープのツノをワンドで受ける。 「来ます」 ロクサーヌの警告が飛んだ。 横にチラリと視線をやると、グリーンキャタピラーの胸下にオレンジ色の魔法陣ができていた。 糸を吐くつもりだ。 かまうことはない。 俺は動じずに四発めのファイヤーストームを念じた。 グリーンキャタピラーが倒れれば、糸も消える。 ロクサーヌが飛び退くのと、グリーンキャタピラーが糸を吐くのと、俺が念じた四発めのファイヤーストームが発動するのがほぼ同時だった。 火の粉が舞う中、白い糸が大きく広がり、周囲を覆いながら伸びる。 糸が俺に少しかかった。 ときを同じくして魔物三匹も倒れる。 魔物が煙となり、糸も空気に溶けるように消え去った。 「ふう。グリーンキャタピラーはこれがあるから厄介だな」 息を一つはく。かまえていたワンドを下ろした。 「そうですね。今回は二人を狙える位置に巧く回りこまれてしまいました」 ロクサーヌは一メートルくらい後ろに下がっている。 糸はかからなかったようだ。 あれをかわすのか。
「糸を吐かれても避けられるか?」 「どうでしょうか。今回は途中で魔物が倒れて糸が消えたので。消えなければさらに移動するつもりではいましたが」 一メートルも飛び退いているのに、さらに動けるとか。 「さすがだな。まあ、糸を吐かれるのと同時に四発めの魔法を撃てるのなら、五階層はなんとかなるか」 「はい。三匹出てきてもご主人様が一匹相手にしてくださるのなら、私も楽に戦えます」 二匹を相手にしている時点で楽もないもんだ。 とはいえ、魔物三匹でもなんとかなる。 五階層でも戦えそうだ。 ベイルの迷宮は五階層でも無事戦えたので、クーラタルの迷宮も五階層に移動することにする。 翌朝、四階層の攻略地図を持って、ボス部屋まで進んだ。 ビープシープ Lv4 これがクーラタルの迷宮四階層のボスらしい。 メェメェうるさいだけの普通の羊だ。 凶暴そうな顔つきには慣れた。 ツノがある正面はロクサーヌにまかせる。 攻撃を警戒しながら横に回り、背後からデュランダルで斬りつけた。 ビープシープの足元にオレンジ色の魔法陣ができる。 もう一度デュランダルで叩き、中断させた。 「ビープシープは何のスキルを持っている」 「分かりません」 ロクサーヌに訊くが、知らないらしい。 グリーンキャタピラーみたいに糸を吐くわけではないだろう。 糸ならばファイヤーウォールで防ぐ手もあるが、どんなスキルか分からないのでは防ぎようもない。 詠唱中断のスキルがついているデュランダルで斬りつけるしかない。 もう一度デュランダルで攻撃したところで、今度は羊が前脚をかがめた。 これは後脚で蹴りが来る。 ビープシープが後ろを蹴ったところで、大きく飛び退いた。 馬鹿め。 後ろ足で蹴られるのはハチノスで経験済みだ。 ちゃんと見ていれば対応できる。 グリーンキャタピラーの吐く糸から飛び退いたロクサーヌのように、一メートル以上は後ろに下がった。 追撃がこないかビープシープの様子をしっかりうかがう。 羊の足元にオレンジ色の魔法陣が浮かんだ。 やばい。 デュランダルを振り上げ、あわてて駆け寄る。 馬鹿は俺だった。
ビープシープは最初からスキル発動の時間を稼ぐのが目的だったのだ。 こちらが大きく飛び退くよう、わざと力をためるところを見せたのだろう。 ものの見事に引っかかってしまった。 デュランダルを振り下ろすが間に合わない。 今から念じたのではオーバーホエルミングも間に合わないだろう。 メェメェ啼いていた羊が、ビー、と警告音を発した。 ……。 …………。 ………………。 ぐおっ。 いきなり、ビープシープに突き飛ばされた。 二歩、三歩とよろけ、なんとか踏ん張る。 何が起こった? ロクサーヌも攻撃されたらしい。 おなかを押さえている。 瞬間移動? あるいは無差別同時攻撃? 「どうなった」 次のビープシープの頭突きは、なんとかデュランダルで受けた。 ツノがあるのにあんな攻撃を繰り返されてはたまらない。 最初の攻撃は皮の鎧にクリーンヒットしたらしい。 それがかえってよかったのだろう。 当たりどころが悪ければ突き破られていた可能性もある。 「分かりません。私は突然攻撃を受けました」 デュランダルで羊の攻撃をいなし、隙を作る。 ビープシープの攻撃の合間に、ロクサーヌの方を見て手当てと念じた。 俺はデュランダルで回復できるが、ロクサーヌはそうはいかない。 レベルも低いので、ロクサーヌの回復が優先だろう。 「俺も突然攻撃を受けた」 「ご主人様はずっと動きませんでした」 「動かなかった?」 「はい。眠ったように」
なるほど。 ビープシープのスキルは敵を眠らせるか気絶させる技なのだろう。 あの警告音とともに意識を失ってしまったのだ。 攻撃を入れられて、ようやく意識が戻る。 だから、突然攻撃されたように感じると。 「敵を眠らせるスキルか」 「確かに。そのようです」 あのスキルが出ると、最低でも一撃は必ず攻撃を喰らってしまう。 そんなスキルを何度も出させるわけにはいかない。 俺はいつでもデュランダルで攻撃できるよう、魔物に張りついた。 ロクサーヌがどのくらいのダメージを負ったのか、俺には分からない。 そもそも、どれだけのダメージを喰らい、どの程度回復したのか、自分でさえ大体の感覚でしか分からない。 とりあえず三回も手当てをしておけばいいだろうか。 前後が入れ替わってしまったので横に回ろうとする。 羊もツノをこちらに向けたままついてきた。 俺の方がくみしやすいとばれてしまったか。 振られたツノを剣で受け、弾きざまに一撃入れる。 そこにまたツノが振られた。 あわてて腕を引き、攻撃をかわす。 ビープシープが小さくかがみ、半歩下がったところに突進してきた。 大きくのけぞって、なんとかそらす。 さっきから後手後手に回っているような。 その間ロクサーヌも攻撃しているが、シミターでは大きなダメージは与えられないだろう。 羊が小さくかがんだ。 後ろに蹴りを飛ばす。 ロクサーヌは真横に静かに動き、伸ばしてきた脚に攻撃を加えた。 敵の攻撃を避ける見本のような動きだ。 まったく体の軸を動かさず、ゆったりと平行移動している。 ぎりぎりのところでかわしているので、敵を射程外に逃すこともない。 大きく飛び退いて隙を作ってしまった俺とは対照的だ。 今の俺も、前に突進してくるかと警戒して攻撃できなかったというのに。 魔物がけん制するように小さく振ったツノを弾き、ようやく一撃入れる。 ビープシープの頭が右に動いた。勢いをつけて振られる。 今の攻撃は読めた。 のけぞってツノをかわし、隙となった首元にデュランダルを叩きつける。 柔らかな首をデュランダルが切り裂いた。 ようやく魔物が倒れる。 アイテムを残し、煙となって消えた。
「ようやく倒れたか。身体は大丈夫か」 「はい。何度か回復していただいたので、もう平気です。ありがとうございます」 「少しでもダメージが残っていると思ったら、言え。体力の回復は第一に優先させるべきだ」 「分かりました。そうさせていただきます」 デュランダルを出したまま、五階層に移動する。 ロクサーヌの先導で奥に進んだ。 五階層は四階層よりも人が少ないが、それでも結構いるらしい。 コラーゲンコーラル Lv5 クーラタル迷宮五階層の魔物は、このコラーゲンコーラルのようだ。 丸っこい岩石型の魔物である。 下から一本足が生えており、ホッピングしながら迫ってきた。 デュランダルで斬りつける。 コラーゲンというので硬くないかと思ったが、表面はしっかりと硬かった。 見た目どおりの岩石か。 いや、岩石ではなくて、珊瑚コーラルなのか。 一撃では倒れなかったので、もう一振りして倒す。 コーラルゼラチン 煙が消えてアイテムが残った。 残るアイテムの方は、しっかりコラーゲンらしい。 「ゼリーでも作るのか」 「ゼリー?」 「いや。なんでもない」 拾い上げて渡してきたロクサーヌに訊くが、違うようだ。 「コーラルゼラチンは接着剤です。お湯に溶かすと粘着力が出ます。絨毯を壁に貼るときにも使えます」 なにやら便利なアイテムらしい。 コラーゲンコーラルLv5も現状魔法三発では倒せなかった。 ゴロゴロと転がりこそしなかったが、近寄ると飛びかかってくる。 ロクサーヌが半身になってかわした。 かわされて着地したところに、四発めのファイヤーボールをぶち当てる。 「飛びかかるのか」 「そのようですね。飛び上がるタイミングが分からないので、一瞬ヒヤリとしました」 その割には華麗に避けていた。 ジャンプする前に脚を曲げて力をためる動物と違って、コラーゲンコーラルの足は曲がらない。 予備動作が分かりにくいのだろう。
「まあ慣れるしかないか」 「そうですね。よく見れば大丈夫だと思います」 俺なら大丈夫な気はしない。 コラーゲンコーラルの表面はでこぼこしている。 あれに当たったらちょっと痛いのではないだろうか。 それでもツノのあるチープシープよりは怖くないので、三匹の団体のときには積極的に俺が受け持った。 体当たり攻撃なので、俺でもなんとかワンドでいなせる。 避けるのではなくワンドで魔物の体当たりを受け流すので、コラーゲンコーラルが飛び上がってから反応しても十分に間に合う。 基本的には一対一だし。 二匹を相手にしても余裕でかわし続ける狼人のことは気にしないことにしよう。 気にしたら負けかなと思っている。 そのロクサーヌの先導で進みながら、ときには袋小路にも寄ってみた。 こうして移動していかないと、魔結晶や宝箱が見つからない。 隠し扉が開き、その向こうに小部屋が現れる。 中に入った。 いつもの小部屋だが、真ん中が微妙に盛り上がっているような。 「ご主人様、宝箱です」 「宝箱? これが?」 「はい、そうです」 これが宝箱か。 宝箱というよりも、床がせり上がったただのこぶだ。 そのこぶに、ロクサーヌがためらわずシミターを突き入れた。 罠とかないんだろうか。 「大丈夫なのか」 「擬態ミミックだったとしても、倒すより他にありません」 力強い返事をありがとう。 せめてデュランダルを出しているときにしてほしかった。 シミターで床が切り裂かれる。 新聞紙のように大きくめくれた。 皮のグローブ 腕装備
クーラタルの迷宮五階層では、魔結晶も見つけた。 偶然に。 コラーゲンコーラル Lv5 コラーゲンコーラル Lv5 魔結晶 チープシープ Lv5 魔物が現れたときに鑑定をしたら、その中に入っていた。 一瞬四匹出てきたのかと思ってあせった。 まずは魔物にファイヤーストーム三発を喰らわせる。 コラーゲンコーラルの体当たり攻撃をワンドでいなし、四発めを放ってけりをつけた。 「戻ったところ、すぐ近くにいます」 「いや。あそこに魔結晶がある」 来た道を戻ろうとするロクサーヌを抑えた。 前に進む。魔物を見つけた辺り。 岩肌のような洞窟のくぼみに隠れるように、黒魔結晶が半分埋まっていた。 「暗くて距離があったのに見つけるなんて、ご主人様、さすがです」 「たまたま魔物を見つけた辺りにあったからな」 「それでも、黒い魔結晶は光らないので見つけにくいのです」 なるほど。黒魔結晶は光らないのか。 これまでも見逃していた可能性はある。 そうそういつもいつも鑑定ばかりするわけにはいかないが、これからは折に触れて何もないところでも鑑定していくようにしよう。 「他は光るのか」 「はい。ぼんやりとですが」 最後は白魔結晶になるのだし、光るのだろう。 光る方が見つけやすいには違いない。 「黒魔結晶だと、売らずに取っておいて魔力をためるしかないか」 「えっと。魔結晶は融合できます」 ロクサーヌが黒魔結晶を取って、渡してきた。 「融合?」 「はい。二つの魔結晶を押しつけると、簡単に一つになります」 「そうなのか。融合で魔力が失われることはないな」 「大丈夫です」 予備の魔結晶も何個かは持っておきたいが、試しに使ってみてもかまわないだろう。 所詮は十ナールだし。
俺はリュックサックから緑魔結晶を取り出した。 右手の手のひらの上に置き、見つけた黒魔結晶を左手に持って重ねる。 さしたる抵抗もなく、黒魔結晶が緑魔結晶の中に沈んだ。 手で押すとぐんぐん入っていく。 なんか気持ちいい。 硬くもなく、軟らかくて反応がないのでもない絶妙の抵抗感。 ダンボールに入っているプチプチを手でつぶしていく感じに似ている。 ちょっとくせになる。 「で、こうなるのか」 入りきると緑魔結晶が一つ残った。 見つけたのは黒魔結晶だから十匹分未満の魔力しかなかったはずだ。 一万匹分以上の魔力がある緑魔結晶の色を変えさせるほどの魔力はなかったのだろう。 結局、たらいができるまでにベイルの迷宮五階層の探索も終えた。 ベイルの迷宮五階層のボスはすでに一度戦っているビープシープだ。 その階層に現れる魔物とボスの組み合わせは、どの迷宮でも同じらしい。 ビープシープにスキルを出させるわけにはいかない。 ぴったりと張りつき、詠唱中断の効果を持つデュランダルで常につけ狙う。 蹴ってきたときにも飛び退かずに剣で受けるようにしたので、隙は作らせなかった。 スキルさえ封じれば、後は正面をロクサーヌにまかせて、ひたすら背中から斬りつけるだけだ。 クーラタルの迷宮の方は、珊瑚魔物には前後の区別がないらしく、ちょっと苦労した。 それでも二人いれば攻撃してくる回数は半分になる。 デュランダルを振り回してなんとか勝利した。 「薬をお返ししますね」 ロクサーヌがリュックサックを下ろす。 何が起こるか分からないので、ボス戦の前にロクサーヌに薬を渡していた。 前回のボス戦から得た教訓だ。 俺が眠らされている間にロクサーヌが毒でも受けたら、大変なことになる。 普通の攻撃に追加効果があるだけなら、ロクサーヌの場合何事もなく避けるだろうが。 「六階層の魔物を見るまでは持っていた方がいいんじゃないか」 「大丈夫です。クーラタルの迷宮の六階層に出てくるのはミノのはずです」 ベイルの迷宮の六階層の魔物も、クーラタルでは二階層の魔物だったナイーブオリーブだ。 すでに戦ったことのある魔物ならば比較的安心である。 Lv6の魔物も魔法四発で倒すことができたので、六階層での狩も問題ないだろう。 デュランダルや薬をしまい、六階層へと移動した。 木製品屋からの使いは、約束どおり五日で来た。 すぐに受け取れるというと、一旦引き返し、荷馬車を引いて戻ってくる。 「でか」 そのまま外で待っていたので、荷馬車が遠くに見えたときに思わず口に出してしまった。 大きい。 荷台の上に円形の巨大なたらいが縦に置かれている。 荷台の高さが一メートル、たらいの大きさが二メートルとして、合計で三メートルもあるのだろうか。 馭者の頭の上からたらいが半分くらい突き出ていた。
同じくらいの高さの家具もあるだろうから、実際は極端にでかいわけでもないのだろうが、所詮はたらいかと思うと異様に迫力がある。 荷馬車が近づき、受け取ってみてもやはり大きい。 本当に二メートルくらいある。 人の高さより少し大きいという俺の注文どおりに作ってくれたようだ。 「こちらが注文の品になります」 「板も厚くて、丈夫そうだな」 板はかなり分厚いものが使われている。 底の板の厚みも相当あるようだ。 「これくらいはないとすぐに壊れてしまいます」 運んできた使いの人はそう言い残して帰っていった。 これくらいないと壊れるって。 どれだけ水が入るのだろう。 考えてみよう。 一リットルは千シーシーだ。 一シーシーは一立方センチだから、一センチ×一センチ×一センチ。 百センチ×十センチ×一センチで千シーシー、一リットルになる。 一メートルは百センチなので一メートル×十センチ×一センチで一リットル、一メートル×一メートル×一センチは十リットルである。 面積が縦横一メートルで深さ一センチの容器には水が十リットル入る。 あれ? 思ったよりだいぶ多いな。 たらいの面積は、半径×半径×円周率だから、直径が二メートルの半径一メートルとして、三.一四平方メートル。 深さは五十センチとして、三.一四平方メートル×五十センチ×十リットルは、千五百七十リットル? 落ち着こう。 落ち着け。 計算間違いは……ない。 再度計算してみたが、間違いはなかった。 このたらいには水が千五百七十リットルも入るのか。 水一リットルは一キログラムだから、千五百七十キログラム。 約一.五トンということになる。 ものすごい水量だ。 トンなんていう重さが日常生活に出てくるとは思わなかった。 それは板も厚くなるわ。 「と、とりあえず二階に運ぼうか」 「はい、ご主人様」 ロクサーヌと二人でたらいを二階に上げる。 いや。もうたらいではなく湯船でいいだろう。 重さも結構あるようだが、転がすことができるので無理なく運べた。 階段も二人で押せば問題ない。 排水口のある二階の部屋に入れる。 中に入れた後、ロクサーヌと二人して注意深くゆっくりと寝かせた。 部屋は八畳間くらいの広さがあるので、湯船を置いても余裕がある。 「さすがは邸宅だな」 「えっと。これは何なのでしょう?」 「聞いて驚け見て笑え。これを湯船として利用する」
ロクサーヌに宣言した。 入って極楽、水を作るのが地獄だ。 ウォーターウォール一回で十リットルの水が作れるとして、満杯にするには百五十七回も魔法を念じなければならない。 百五十七回か。 しかも水を作るだけで。 頭が痛い。 「湯船というのは、お風呂に使うものですか」 「そうだ。風呂に入る。早速これから準備したい」 「かしこまりました」 どれだけ時間がかかるか分かったものではない。 準備は早めにしておくべきだろう。 まずは湯船を軽く水洗いし、ウォーターウォールで水がめに水をためた。 たまったら、水がめにファイヤーボールをぶち込んで水を温める。 ファイヤーボール一発だとぬるま湯程度、二発で熱湯になる。 準備の間にお湯が冷めることも考え、二発撃ち込んでから湯船に移した。 最後に熱すぎたら水で薄めればいいだろう。 陶器の水がめと違ってたらいは木だから、湯船に水をためてからファイヤーボールを撃つのはやめた方がいい。 燃え移ったら大変だ。 湯船にお湯をためながら、魔力を消費すると迷宮に飛んで充填する。 大変だ。 「これでは風呂に入るのは一週間に一度くらいだな」 「イッシュウカンですか?」 「……十日に一回か二回だ」 何回めかに迷宮にワープしたとき、思わず愚痴が出てしまった。 この世界には週という概念はない。 ロクサーヌから見れば、俺はときおりわけの分からない言葉を話す変人だろう。 大変な変人である。 途中からは、風呂場の温度が上がってもっと大変になってしまった。 サウナ状態だ。 ロクサーヌは外に待たせ、俺だけが入って作業する。 少しいるだけで汗びっしょりだ。 「はい」 外に出ると、ロクサーヌが手ぬぐいを渡してくれた。 汗を拭き、さらに迷宮と往復する。 こうまでしてロクサーヌと風呂に入りたいのか、俺は。 大変な変態だ。 最後は意地になって風呂に湯をためた。 やけくそだ。 それはもうためてやりましたですよ。 準備を始めてからおそらく二時間以上はかかっている。 水がめに予備の水を用意し、外に出た。 「今日のところはこのくらいにしといてやる。完成だ」 たらいには九割がたお湯がたまっている。 風呂場の中は白い蒸気が充満していた。
「おつかれさまでした」 「時間もあるし、一度迷宮に行き、夕食を取ってから風呂に入ろう」 ロクサーヌから手ぬぐいを受け取り、汗を拭く。 手を入れたらまだかなり熱かったので、数時間は大丈夫だろう。 「えっと。私もよろしいのですか」 「もちろん、そのつもりだが?」 ロクサーヌは風呂嫌いなんだろうか。 嫌だと思っても入ってもらいたい。 命令してでも入ってもらう所存である。 「風呂に入るのは王侯貴族だけです。それに、途中から外で待つように言われましたので」 「外で待ってもらったのは中が蒸し暑いからだ。二人とも汗まみれになることはない」 「そうだったのですか。何かご主人様にとって特別なことがあるのかと思っていました」 そんなことを思っていたのか。 手ぬぐいを返しながら、イヌミミをなでた。 「まあ特別は特別だな。ロクサーヌと一緒に入るから」 「え。……あ、あの」 「一緒に入ってくれるよな」 「は、はい。ありがとうございます」 よかった。 一緒に入ってくれるようだ。 最後の最後で断られたりしたら、何のために苦労したのかまるっきり分からなくなるところだった。 その日の作業をすべて終えてから、風呂場に入る。 お湯はまだ少し熱かった。 たらいの上に直接ウォーターウォールを作り出し、水で薄める。 温度の調整も一苦労だ。 魔法だと微調整するのは難しい。 右手を湯船に突っ込み、かき回した。 こんなもんだろうか。 お湯を作るのにかかる時間も大体把握したし、次からは半分くらいのお湯は水がめにファイヤーボール一発でいい。 少しは楽になるだろう。本当に少しだが。 レベルが上がったらもうちょっとは楽になるのだろうか。 湯船には、夕食の前にレモンを浮かべている。 正確にレモンと同じかどうか分からないが、レモンで翻訳されたのでレモンだろう。 菖蒲湯では代わりにどんな草を入れたらいいか分からない。 変に生ぐさいにおいがしても大変だ。 柚子湯ならば、何かの柑橘類で代用可能ではないだろうか。 レモンなら香りはいい。 食用だから変な成分が溶け出すということもないはずだ。 ロクサーヌが部屋についている穴にカンテラをセットした。 体にお湯を浴びて軽く洗い流す。 ロクサーヌの身体も洗い流してから、二人して風呂に入った。 温かなお湯が全身を包み込んだ。 のびのびと手足を広げる。 湯船が大きいだけに、温泉気分だ。
檜ではないので芳醇な木の香りこそないが、それでも素晴らしい。 たらいのふちに手ぬぐいを敷き、その上に頭を乗せて寝転がった。 ロクサーヌも横に寝転がる。 腕を伸ばし、抱き寄せた。 気持ちいい。 細くしなやかな身体が隣に来る。 浮力のおかげか軽々と抱き寄せることができた。 足を絡めて、しがみつく。 お湯の中、ロクサーヌの肌はなめらかだ。 しっとりかつさらさらしていて、非常に気持ちがいい。 「うーん。最高だ」 「はい。とてもいい気分です」 ちょっと意味が違うような気がしたが、ロクサーヌも喜んでいるようなのでどうでもいいだろう。 俺の膝の辺りを、さわさわと何かがこすった。 妙に心地よい。 何だろうと思い、手を伸ばす。 尻尾だ。 ロクサーヌの尻尾が、風呂の中で水草のように広がっていた。 腕ですくうと、柔らかい筆で刷いたかのように、手をなでる。 お湯の中、どこまでも軽く、繊細に、腕をさすった。 これは意外な発見だ。 「ロクサーヌの尻尾が気持ちいい」 「そうですか? ありがとうございます」 手を伸ばし、何度も尻尾をゆする。 お湯の中で優しく揺らめいた。 そよ風が通り過ぎるように尻尾がなびく。 ロクサーヌの尻尾は風呂こそよけれ。 ロクサーヌと一緒に風呂に入るのは、思った以上に素晴らしい。 準備が大変なので毎日は無理だが、十日に一度、いや、一週間に一度、いや、五日に一度は入りたい。 三日に一度でもいいくらいだ。
体をずらし、頭ごと湯船につかった。 髪の毛一本一本の間にお湯がしみこんでくる。 お湯の中で髪の毛をかきむしった。 今までの汚れを全部落とすように何度も手ですいてから、頭を上げる。 「気持ちいい。ロクサーヌもやってみな」 「はい」 ロクサーヌが頭部をお湯につけた。 俺も腕を伸ばし、お湯の中でロクサーヌの髪の毛をすく。 イヌミミももみ洗った。 髪の毛にはさすがに尻尾のようなさわさわ感はない。 それでも、お湯の中でしっとりと指に絡みついてくる。 ロクサーヌは優に一分近くお湯に沈んでいた。 やがて上半身を持ち上げ、水を払う。 水から上がったとき、巨大な山がぶるんぶるん震えていたのを俺が凝視していたのは内緒だ。 やはり風呂はいい。 風呂は最高だ。
武器商人 Lv1 効果 体力小上昇 知力微上昇 精神微上昇 スキル 武器鑑定 カルク アイテムボックス操作 防具商人 Lv1 効果 体力小上昇 知力微上昇 精神微上昇 スキル 防具鑑定 カルク アイテムボックス操作 料理人 Lv1 効果 器用小上昇 体力微上昇 敏捷微上昇 スキル レア食材ドロップ率アップ アイテムボックス操作 ジョブが増えた。 武器商人と防具商人と料理人だ。 正直なところ、効果とスキルはどれもこれも微妙ではある。 俺には鑑定があるから、武器商人と防具商人には有効な使い道がない。 せめて効果が知力小上昇だったらよかったのに。 派生ジョブがあったりしたら厄介なことこの上ない。 料理人のスキル、レア食材ドロップ率アップは使えるかもしれない。 コボルトに効いてコボルトソルトばかり落とされても嫌だが。 あれはレアドロップではないから大丈夫なのか。 料理人といっても、料理を作るのに役立つようなスキルはないらしい。 あくまでも迷宮探索用ということだろう。 役に立つとしたら、アイテムボックスに食材を保管できることくらいか。 アイテムボックスの大きさは、三職とも三十種類×三十個。 つまり、探索者Lv30になったので出てきたジョブだと考えていい。 ジョブをつけたらアイテムボックスの大きさがいきなり六十種類×三十個になったので、最初はちょっとびっくりした。 Lv1でこの大きさなので、レベルにかかわらず固定だろう。 ジョブの出現条件は、それにプラス、武器や防具を売買すること、料理を作ることかもしれない。
加賀道夫 男 17歳 探索者Lv30 英雄Lv27 魔法使いLv29 僧侶Lv26 料理人Lv1 装備 ワンド 皮の帽子 皮の鎧 皮のグローブ 皮の靴 ロクサーヌ ♀ 16歳 獣戦士Lv14 装備 シミター 木の盾 皮の帽子 皮のジャケット 皮のグローブ サンダルブーツ ものは試しと料理人をつけてみる。 しかし、せっかくつけたのに、六階層の敵はレア食材を残さなかった。 ギルドで買い取ってもらえるオリーブオイルが食材扱いかどうか分からないが、少なくともレアではないだろう。 ミノとかも残さない。 使えない牛だ。 せいぜい探索を進めることにする。 お湯を張るのが面倒だということが分かったので、風呂に入るのは何か特別なことがあったときにしようと決めていた。 次の階層に進んだときこそが、それにふさわしいだろう。 おかげで張り切って探索が進んだのか、たまたまボス部屋が近くにあったのか、ベイルの迷宮六階層の探索は比較的早く終了した。 自分が面倒だから風呂を沸かすのは特別なときだけにしようと考えたのに、それを早く達成するためにがんばってしまうのは本末転倒という気がする。 ままならない。 現れる魔物とボスの組み合わせはどの迷宮でも同じなので、六階層のボスはともに撃破経験がある。 問題なくクリアした。 エスケープゴート Lv7 エスケープゴート Lv7 ベイルの迷宮七階層の魔物は、このエスケープゴートのようだ。 二匹現れたので一発めのファイヤーストームを念じる。 「エスケープゴートは逃げると聞いたことがあります。魔法は使わず、ご主人様の剣で倒した方がいいかもしれません」 魔法が発動したところで、ロクサーヌが忠告してくれた。 もう遅いって。 名前のとおりエスケープする山羊なのか。 しかし、エスケープゴートは逃げ出すことなく向かってくる。 ロクサーヌが前に出て、対峙した。 俺はその間にデュランダルを用意する。 エスケープゴートは、チープシープほど凶暴そうではないが、いかつい顔つきの山羊だ。 少なくとも可愛くはない。 頭のツノはチープシープよりも大きい。緩やかな曲線を描いて上を向いており、まがまがしい。 左に回り込んで、山羊にデュランダルをお見舞いした。 胴を斬りつけたが倒れない。 Lv7ともなると、魔法一発プラスデュランダル一撃でも倒れないようだ。 エスケープゴートが頭を低くかまえた。 動きを警戒していると、思ったとおり突進してくる。 身を翻して山羊の突進を避けた。 これくらいは余裕で避けられる。
しまった。 エスケープゴートは逃げるのだった。 あわててデュランダルを振るが、もう届かない。 追いかけて間に合うはずもないので、魔法にかけるしかない。 ファイヤーストームと念じた。 火の粉が舞い、二発めの魔法が作動する。 まだ見える位置で逃げているエスケープゴートにも襲いかかった。 魔物が火にまみれ、倒れる。 よかった。 デュランダルと魔法ですでに相当のダメージを与えていたらしい。 ロクサーヌが相手をしている残りの一匹はまだ逃げ出さない。 横からデュランダルを叩き込んだ。 魔物が倒れ、煙となって消える。 こっちは一撃でしとめた。 エスケープゴートLv7は魔法二発とデュランダル一撃で倒せるようだ。 逃げ出されるのは厄介だ。 次にロクサーヌが見つけたのはチープシープLv7だった。 一匹なのでファイヤーボールで迎え撃つ。 一発、二発、三発。ロクサーヌが正面に陣取って羊の攻撃を避けるのを見守りながら、横に回って四発、五発。 倒すのに五発かかってしまった。 「恐れていたように、ついにLv7からは魔法五発か」 「七階層からはそのようですね」 簡単に言ってくれる。 倒すのに時間がかかるということは、それだけ長い間魔物と対峙しなければならないということだ。 長時間戦えば、敵の攻撃を喰らう回数も増える。 ロクサーヌならばかわせばいいと言うだろうが、俺はそういうわけにはいかない。 七階層は、様子を見つつ、ゆっくりと攻略するのがよいだろう。 一匹で出たエスケープゴートを魔法で迎撃してみた。 三発めが当たったところできびすを返して逃げられる。 おそらく、ランダムで逃げ出すのではなく、ある一定のダメージを受けると逃げるのだろう。 現状、魔法二発はセーフ、三発めはアウトということか。 体力はチープシープLv7と似たようなものだろうから、多分倒すのに魔法が五発必要だ。 三発めを当てた時点でほとんど剣が届く位置に近づいていたから、逃げ切られるまでに二発当てられる。 はずだったが、五弾めのファイヤーボールを避けられた。 背中を向けて逃走しているのに。 三発めで逃げ出されたのでは厄介か。 ストーム系の魔法を使えば大丈夫だが。 「面倒な魔物だな」 「あまり戦わないようにしますか」 「そうだな。欲をいえばそうなるが、あまり考えないことにしよう。その他の条件が同じときだけ、別の魔物優先で」
魔法二発を撃った後、デュランダルを出して処理することもできる。 MPや効率との兼ね合いになるが、特別に避けることはないだろう。 前衛のロクサーヌには余分な負担がかかるが、しょうがない。 厄介とはいっても、エスケープゴートは逃げるだけだ。 ベイルの迷宮七階層はなんとか戦えるか。 クーラタルの迷宮も七階層に移動した。 クーラタルの迷宮七階層の魔物は、懐かしいスローラビットLv7だ。 スローラビットとは最初の村の裏手にある森で戦った。 あそこにスローラビットがいたのは、森のどこかに迷宮がいて、その迷宮の一階層の魔物がスローラビットである、ということを意味しているらしい。 入り口はなかったので、まだ五十階層の大きさに達していない幼い迷宮だ。 スローラビットは、動きも遅いし、武器もなく体当たり攻撃だけだし、非常に戦いやすい。 クーラタルの迷宮七階層もなんとかなるか。 魔物はこちらを見つけると飛び跳ねて近づいてきた。 別に久しぶりの再会に喜んでなついてきたわけではない。 迷宮内ではどの魔物もアクティブに人を襲うようだ。 ファイヤーボール五発で丸焼けにする。 スローラビットLv7も五発か。 スローラビットはレア食材である兎の肉を残す。 ジョブ料理人の本領を発揮するときがきた。 と思ったが、最初に残したのは兎の毛皮だった。 「兎の毛皮か。あの村の商人のところへでも売りに行くか」 「兎の毛皮なら、帝都にある高級服屋で買い取ってくれると思います」 ロクサーヌが兎の毛皮を拾い、渡してくる。 「そうなのか?」 「はい。この間ご主人様が見たとおっしゃっておられたようなお店で大丈夫でしょう」 「なんで兎の毛皮だけは買い取ってくれるんだろう」 低階層の魔物が残すアイテムは、多くの人が自分で手に入れられる。珍しいものではないし、ギルドに行けば在庫がいっぱいある。 だから、特別に買取依頼が出るようなことはまずない、と聞いた。 それなのに何故兎の毛皮は買い取ってくれるのか。 「兎の毛皮で作ったコートは防寒具として優れ、とりわけ貴族女性の間で大変な人気があるそうです。コートを作るには大量の兎の毛皮が必要なため、兎の毛皮だけはどうしても足りないのです」 「なるほど」 「高級服を作る工房や店は最新流行のコートを作り出そうと常に競い合っています。小さな兎の毛皮をたくさん縫い合わせるので、加工の手間賃を多く取れて利益が大きいとも聞きました」 こちらの世界でも女性のファッション競争は苛烈らしい。 ノーファー運動とかもないのだろう。 「ロクサーヌも兎の毛皮のコートとかほしい?」 「私は別に。狼人族は寒さに強い種族です。それに、奴隷が着るようなものでもありませんし」 「寒さに強いんだ」 「はい」 つまり薄着でよいと。 ロクサーヌには薄着が似合う。 肌の露出が多い服、胸の曲線が分かる服が最高に似合うと思いますです。 朝食に兎の肉をソテーしたものを食べた後、帝都へ赴いた。 高級ブティックに行く。
ちなみに、あまった兎の肉はクーラタルの肉屋で買い取ってくれた。 スローラビットを四十匹近く狩ったのに、出た兎の肉は四個だ。 料理人のスキル、レア食材ドロップ率アップといっても、そう極端に上がるものではないらしい。 「いらっしゃいませ」 帝都のブティックに俺とロクサーヌが入っていくと、店員が頭を下げた。 完全に顔を下に向けており、非常に慇懃な感じだ。 さすがは高級店か。 「兎の毛皮の買取を頼めるか」 「こちらへどうぞ」 キャッシャーのいる場所に先導される。 店に入って左奥の壁だ。 「いらっしゃいませ」 「こちらのお客様に兎の毛皮の買取をお願いします」 店員の女性がキャッシャーの男性に話しかけ、引継ぎを行った。 「それでは、兎の毛皮をお乗せください」 「頼む」 キャッシャーの人が出したトレーに兎の毛皮を置く。 全部載せると、トレーが引っ込められた。 「全部で三十四枚になります。よろしいですか」 キャッシャーが一つ一つ検品してから告げる。 うなずくと、一度奥に入り、トレーを持って再度出てきた。 トレーには銀貨が八枚と銅貨が大量に入っている。 兎の毛皮一枚二十ナールの三十四枚に三割アップで八百八十四ナール。 銅貨は八十四枚あるはずだ。 めんどくさいので数えずに受け取る。 この高級店でごまかしてくるようなことはないだろう。 「確かに受け取った」 「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております」 キャッシャーの男性が最敬礼をした。 客ではないのに丁寧な態度だ。 荒々しい仕事をしている探索者や冒険者がこのような店の上客になることが多くあるとも思えない。 兎の毛皮のコートは貴族女性に人気があると言っていたし、帝都にあるこれだけの高級店だと、客層もそういう女性が多いのではないだろうか。 やや場違いな感じもあるが、歓待されていい気分で店を出ようとする。 横に服が並んでいるのが目に入った。 つややかな光沢のある綺麗な服。おそらく女性服だろう。 そこに細い肩紐がついているのが見える。 キャミソールだ。 手にとって広げてみると、結構な長さがあり、下の裾が開いてワンピースになっていた。 キャミソールドレスだ。
SSRかどうかは知らんけど
ヒモの漫画は悪くない方だとおもう
上は のんびり農家か デフォルメっつーか独特な絵だが じわじわきてキライじゃない
>>498 いい漫画家に当たったと思うし実際7巻まで順調に出てるからね
上に出てた物理さんですら6巻まで出版されてるんだし巻数は関係ないよ
コピペ荒らしで敗北宣言してる人だけが必死で叩いてるから その時点でお察し
内密さんこと異世界ハーレムのコミカライズが大当たりなのは間違いないけど、原作が絶賛エターナル中なのが何とも言えない
惨敗してコピペ荒らしに走るのは確かに健常者にはできない
7巻まで出てるからいい漫画家という謎の基準に 物理さんですら6巻まで出てるから巻数は関係ないよと突っ込まれた途端 いきなり別の人の話題を持ち出してそいつだけが叩いているから!なんて喚かれても困る まるで言葉に詰まった子供が暴れて敗北宣言してるようにしか見えないんだよね
実際の所作品の知名度や連載誌を考慮したら今より良い絵師を付けられたか疑問だな、そうゆう意味でなら当たりと言っても問題なかろう
メイドさんや民族衣装が出てくる漫画といえば森薫大先生
物理さんはある意味で彼岸島なんかと似たジャンルだろうし 読者はそういう楽しみ方をすべきなんだろうけど そのことに原作者が満足してるのかはちょっと気になる
漫画いやならほんと頭の中で自分の好みの要旨で想像してればいいと思う
ただの基地嵐にどうこう言っても無駄 事件起こさないか心配
あれだけ長いこと暴れてて スッップで他人のふり出来ると思ってるのが本当に幼児
都合が悪くなったら根拠なく相手を敵だと認定して暴れるのってまさに糖質の典型症状じゃんw 青葉みたいに犯罪起こさないように気を付けろよ
なんていうかソシャゲの話だけど人権SSR以外はSSRにあらずな人ってすごいエアプ感がある
あーあ、壊れちゃって同じことしか繰り返さなくなっちゃったよ
>>519 反応が早ければ事実なの?w
俺の
>>518 は反応するまでに40分かかってるけど
君の
>>503 は16分、
>>506 は3分、
>>509 は2分というとんでもない反応の早さだね
これは事実だと証明されたのかな?
あ、
>>506 は9分だったw
どっちにしろ糖質を発症しているということを事実だと認識してるからそんなに反応が早いんだよね
そして言葉に詰まった子供が暴れて敗北宣言してると言われたら2分で即レスw
まさに語るに落ちるとはこの事かな
>>522 また2分で反応するなんてすごいですねぇ!
>>519 の理屈でいうと事実だから即反応したんですねわかります
あまりに早すぎて訂正レス書き込んでる間に割り込まれちゃったよw
おっとまた話を逸らし始めたw
そりゃレスした後に新しいレスがあったから連投の形になるのも当たり前だよね
30秒で連続でレス投稿するより2分で相手のレスに反応する方がすごいと思うけどw
数十秒毎に更新してないととても出せにい数字だけどコンスタントに出してるし5chに張り付いてるんだよね。すごいなぁ
ところで
>>519 の理屈で言えば (アウアウカー Sa55-/N8u)は糖質病患者で子供が暴れて敗北宣言してるという事になるんだけど
否定しないと言うことは事実ってことでいいんだよね?w
犯罪しそうで不安もまともじゃないも明らかに コピペ荒らしに対して言われていることだから 別のやつのことにしようとしても無理があるよな スッップがコピペ荒らしと同一視されてるのは 否定、反論ないなら認めたってことだねっていう 荒らしの論理(どんなに内容めちゃくちゃでも反論なければ俺の勝ち) を共通して使ってるから
反応が早ければ事実という (アウアウカー Sa55-/N8u)の言ったトンデモ理論はスルーするあたり (アウアウカー Sa55-/N8u)の別回線かな?w たったそれだけで荒らしだーって言われても、自分で言った言葉で自分を絞めてるだけなのに まさに自分に都合が悪いから無視してるようにしか見えないよ? しかもそれが自分のレスが発端ならなおさら...ね?
>>531 それだけで認定してるから糖質って言われるんだよw
ちなみに君のワッチョイは(オッペケ Srbd-2RUv)と2RUvが被ってるから同一人物の可能性が高いけど
これくらいの根拠があってから認定してほしいなぁw
別に隠してもいないし 自演的行為もしてないがな まあ都合よく記憶がリセットされる人だとよくわかっていい 君が積み上げているものをいくら否定しても周囲はそう思わないしな
都合よく記憶がリセット云々もよくわからないなぁ 結局その荒らしとやらの共通点は反応がないなら認めたって理論を使ってるだけ? それで断定するなんてなおさら糖質みたいだね
作品とは関係無いことで燃えあがっている人達は置いといて 何か丁度いい話題は無いものか?とりあえずスカジVS巨大群竜のラストでの槍を蹴って飛ばす所は格好よかったと思う
火を纏わせるだけで途中の木もろとも消し飛ばすなんて明らかに改悪だけどね それができるなら見えないところに隠れて最初から撃てよという話になるし
現状、WUGちゃんは先輩でずっと格上だもんね今となっては「理想の」という看板に偽りあり
あのシーンよく絵にできたなと思ったわ 難しいんじゃないかなと思っていたから
善治郎がサッカー部作るとしたら エースストライカー候補だなスカジ
ドロレスに竜族呼ばわりされる位の スタミナのフェーはサイドバックとかかな
イネスはスイーパー(物理)だな 職務的な意味でも、裏稼業的な意味でも
ちょっと古くなるがゼンジロウは明神かな 際立つものはないがいないと困るタイプ
トルシエ・アウラ「我々は10人の善治郎と1人のクレイジーがいれば勝てる」
もしも善治郎が北欧神話やあるいは欧州の歴史に詳しかったら スカジと聞いて「まんまじゃないか」と驚いたり ズウォタ・ヴォルノシチと聞いて不審に思ったりするはずで あの世界についても色々勘ぐらざるをえないけど それよりもっと前にラファエロマルケスという名前を聞いて サッカーファンの善治郎がとくに反応しなかったという時点で やはりネーミングに深い意味は無いと考えるべきだったのか
サッカー選手は知らんけど、そんな疑問持つくらいならまず異世界なのに地球の西洋風の名前を持ってることに疑問を持ってるわ ヤージニャヴァルキヤとかアッサラーヤナとかジーヴァカ・コマーラバッチャみたいな日本人が聞きなれない名前のはずだからな 人名は読者が覚えやすい名前で日本人じゃないとわかるように手軽な欧米風の名前を付けただけ 北大陸のネーミングはモデルの国のイメージしやすいようにそのまま使ったんだろう
名前だけでいうとアウラよりも子供の乳母たちのほうが名前的に偉そう カッサンドラとかエスメラルダなどどこかの悲劇のヒロインみたい
南大陸だって地名でポトシ銀山とかまんまのものがあったりするし
逆にこの世界では少々異質に聞こえそうな 善吉は現地の人らにどんな印象与えてるんだろね
>>544 サッカーのスイーパーってきょうび聞かねぇな
って思ったらもう守備専門を置くとかもったいない、
センターバックにやらせて守備も攻撃も両方できるのがいいってカンジか
攻守コンプリート!
覚えやすいように地球によくある名前がついてるのは賛成なんだけど 特定のひとつしか思い浮かばないような 固有名詞が出てくると微妙に脳内処理に困る 善治郎がその名前に引っかかりを覚えずスルーしているということは 善治郎がもと居た地球にはそれが存在しなかったか あるいは我々の地球とは少し違う星だと考える必要も出てくるので
そこまで考えないなあ トーキョーとかヤマトなんて地名がでてきたらさすがにひっかかるが
名前でそんなに気にかかるんだったらその前に異世界人なのになぜ交配可能なのかとか バナナやライオンや馬がいるのはなぜなのかもっと気になるところがいくらでもあると思うけどな
異世界モノで地名気にしたら負けかなって思っている 東に必ず刀と黒髪容姿の人がいるし
その島にエロ漫画が無くてもエロマンガ島って名前は付きますし
そういえば日本や中華に相当する地域はまだあるか分からないのだったな
コミックをざっと見たんだけど、えっちまでしてるのに乳首券なしですか
本当に聞いたこともないような名前にしたかったらランダム生成くらいしないと
完全にチラ裏だし「気にしたら負けの一覧表」みたいなもんだが もろ地球の固有名詞(ポトシ銀山など)が出てくる事をどう解釈するか 例をテキトーに挙げてみた 1.とくに意味は無い 2.じつは意味がある A.設定の開示等はないが謎を残したまま終わる B.のちに明かされる世界設定が用意してある c.過去に地球とヒモ世界で交流があり名称も伝わった d.ヒモの星は並行世界の地球 e.別の星だが同一の創造主や管理者等が存在する …etc. E.善治郎がその名称を知らなかっただけ f.善治郎が知らないだけで地球にソレは存在する (→もし善治郎がソレを知っていれば驚いていた) g.作中の地球にもソレは存在せず善治郎以外の地球人も知らない ≃1.とくに意味は無い H.言霊精霊が固有名詞もいい感じに地球にちなんで訳してくれている i.『スカジ』などはヒモ世界とは別の名称が充てられている ≃f.善治郎は知らないが精霊はソレを知っていて作中の地球にも存在する (→もし善治郎がソレを知っていれば驚いていた) J.『スカジ』も『ボニーヤ子爵』も現地語のまま ≃B.名称の共通性にまつわる設定が存在する 1.とくに意味は無い K.じつは全て善治郎の見ていた夢だった ≃1.とくに意味は無いが各名称は善治郎の知っている言葉である ≃B.このJ自体が『のちに明かされる世界設定』の一種といえる *じつは俺もそれほど気になってる訳じゃなくてただの暇つぶしです
>タイガーとは「虎」のことか って「虎」に相当する別の単語だしほんとに地球のトラといっしょかどうかもわからんのかな じれったいがー
「ほぼ等しい」を表す記号(#8771;)が機種依存文字か何かだったみたいだ
見苦しくて申し訳ない
≒は似て非なる関係だと言いたい時にも使われる事があるから
べつの記号にしようと思ったんだが
そういう時は≠を使うことの方が多いから≒で良かったか…
それにしても
>>564 読み直したら間違いが多すぎた
eとEがあったりKとすべきところをJと書いてたり
板を汚してごめんなさい
北欧神話のスカジって語原はゲルマン語族の英語のSCARのと同じ「傷付けるもの」 スカジの向こうの名前が「傷を付ける魔女」的な意味合いならこっちに分かりやすいようにスカジで訳されるでしょ 殆どの神話の名前は分かりやすい語原付きで、日本でも「木花之佐久夜毘売」とか神様に分かりやすいそのままの名前を付けてる 山や谷や川もだいたいがその地域の語原を使ってるから 「由緒有る名前は最適化で翻訳されやすい」に一票
固有名詞は基本そのままってあった気がするけど ネイティブな発音がカタカナ発音に変換とかその逆はありそう
名前なんて大体語源となる言葉はあるし、それが全部翻訳されてたら固有名詞が翻訳されないことと矛盾するが 例えばボニージャ子爵がいるけど、おそらくスペイン人の名前ののbonillaで、その語源は良いとか善を意味するbuenoが来てるけど音は変わっていない 表意文字の連なりである日本人の名前も翻訳されるはずだから善治郎は善き治める男とか善吉は善きめでたいことみたいな翻訳されてるはずだが
タイガーを虎だと教えてくれる一方で 「じれったいがー」が「焦れっ虎」などと翻訳してしまわない 言霊システムは相当優秀だとおもう アームストロング船長やニコール・キッドマンなんかも 変に翻訳されずに助かりそう
卓球選手の「丁寧」を日本人が「ていねい」と言って紹介したら
言霊はどう処理するんだろう
相手にはディンニンって伝えるのかな
マイケルとミシェルとミカエルみたいな言い換えは ゼンキチはできなそうだから
チャールズ、シャルル、カール、カルロ、カルロスか 確かに
話題からはちょっとずれるけど今後王族が全員善治郎の子孫になるってことは、これからは王族は善治郎由来の名前を貰うのが伝統になったりするかも?
文化間が異なる婚姻で両方の名前を付けるって伝統だから付けたのに 子孫にまで日本名をつける意味が分からない
ビルボ公爵家が善治郎の家風として続いて行くのなら我こそは本家(善治郎)直系としてミドルネーム入れていく可能性はあると思う アウラ系はカルロスの一代限りなんじゃないかな
入り婿なんだから善治郎が王族本家の直系になるのはありえないでしょ そもそもカープァではミドルネーム自体使われてないみたいだし 孫の代にまで善治郎の名前を付けることになったらそれこそ善治郎の権力の象徴になってしまうからアウラがストップするはずだし わざわざ子孫に日本名をつける合理性はない
引き継ぐわけじゃなく、都度ミドルネームをつけていたらミドルネームが無限に増えそう
>>583 王族本家の直系じゃなくて善治郎家直系って意味のミドルネーム残しって意味だからね
プジョルが善治郎様の家は残さんのですかってファティマ進めて来てたでしょ
ここからの分家初期は全部善治郎の血が入ってるんだから、どこか分家トップなのかっていう争いは貴族の思惑もあって絶対あるはずだろうし
>>585 新宮党の二の舞になる可能性あるし現段階でぽこじゃか分家作らんでしょ
女王と王配で権力の二分化なんてアウラが一番危惧してる事態そのものじゃん
名前だって日本語は善治郎しか知らないから第三者が勝手につけるのは不可能で
そもそも南大陸にミドルネームの文化がないから直系アピールする場合ビルボでいい
血統的には善治郎より血の濃い貴族もいるから 善治郎の娘がそっちの貴族と結婚したら入らんだろう。
対外的に使われることはなさそうだけど、せいぜいビルボ(当主とか)に残すくらいじゃないかね
ゼンジロウの家や分家にはカープァがつかないで問題ないのでは 現実的問題として分家の創立は急務 アウラの方針にも分家を作ると出ていて ポコジャカなる言葉が曖昧なのでいくつのつもりで言ってるかはわからんが 誰も5家作るとか話に出してはいないし 2.3は作るつもりなのは明白だから ズレすぎてるな
南大陸ではミドルネームないし傍流王族でも王国名名乗ってるからカープァがなくなることはないだろ イザベッラや主流じゃない王族に嫁いだマルガリータがジルベールやシャロワを名字に名乗ってるんだから 分家作ったからといった新しい名字になるわけじゃないし、王族名なのりつつワレンティア侯爵やビルボ公爵のように爵位がつく形になるだけで 分家=善治郎の名前がつくのはズレてるんだよなぁ
シャミ子のプリキュア屋あくしろルン!
>>334 SAOクッソつまんないんだよなぁ
キリトむかつくから廃人になってざまあみろだけど
下手にストーリーついてるから視聴に脳に負担がかかるゾ
里菜リルもろくに出さないしこのコンテンツはダメみたいですね…
>>798 このでかいのもかちゃんだったのか…
えっなにこのばかでかいお乳は…(呆れ)
>>977 しょうがねぇなぁ
濃厚なルー・銀皿・キャベツが特徴の金沢カレー、食いたきゃ食わせてやるよ(震え声)
>>38 >>44 >>55 >>59 (ポッチャマ弁当)緑がないんだよね(申し訳程度のキャベツ)
テレ東で森口博子がガンダムソング歌うらしいからそれ見ゾ
>>137 >>138 共鳴性最強意味不明投稿
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二十九階層でボス戦を繰り返した。 元々戦えていた上にルティナの加入で純粋に戦力がアップしているのだから、戦闘に懸念はない。 危なげなく狩っていく。 この分ならまだまだいくつか上の階層へ行っても大丈夫そうだ。 ボス戦そのものは、ミリアが一匹めとボスまでを石化するのは確定で、三匹めを、俺が倒すのが先かミリアが自力で石化させるのが先かの競争、という感じの進行か。 最後の一匹には、状態異常耐性ダウンはかけない。 かけてしまえばミリアがあっさりと三タテを喰らわせることは確実だ。 状態異常耐性ダウンをかける一匹めなど、石化は異様に早い。 うまくいけば最初の一振りで石化とか。 石化にならなくても麻痺してしまうことも多く、麻痺してしまえば魔物からの攻撃を気にすることなく剣を振り回せばいいので、石化は時間の問題となる。 俺の雷魔法で麻痺することもある。 「ミリアのおかげで戦闘が楽に進みます。もう少し早く動き出してもいいかと思います」 石化の恩恵を最も受けるのはセリーだ。 経験値獲得のためにデュランダルは出さないようにしているから、詠唱中断のスキルがついている武器はセリーの槍しかない。 魔物が魔法やスキルを使ってこようとした場合、セリーが止めなければいけない。 注意を払う魔物が三匹から素早く二匹に減るのは歓迎だろう。 「では、それでやってみてくれ」 セリーの提言を受け、戦い方も少しいじった。 いずれにしても最後が俺とミリアとの競争になるのは変わらない。 今回は俺の魔法で倒す。 ルティナが魔法を二回使ったので、そのサポートもあったとはいえ。 「やった、です」
その次はミリアが三タテだ。 ルティナのサポートがないとこれか。 ええい。 よろしい。ならば競争だ。 と思ったら、そこからミリアの快進撃が。 俺が三タテを喰らってしまった。 「そろそろ日の昇るころですね」 などと勝手にゲームを設定していたら、時間も早くすぎたようだ。 ロクサーヌにタイムオーバーを告げられる。 残念だがここまでのようだ。 今朝のところは勝ちを譲っておくしかないだろう。 迷宮から出た後は、朝食を取り、商人ギルドへ赴く。 ギルドでは芋虫のモンスターカードを買っただけで、すぐ家に帰った。 金銭的には、もっとあれこれ頼んでもいいのだが。 迷宮での稼ぎは大きくなってきているので、装備品だろうがモンスターカードだろうがばんばん買いあさっても問題はない。 心配なのは、相場が崩れることだ。 出品されるモンスターカードを片っ端から落札していけば、いつかはそうなるだろう。 かく乱要因になれば誰かから恨みを買う。 仲買人を介しているとはいえ、不要な軋轢は避けたい。 俺たちの成長スピードと装備品の強化速度が合わなくなるが、仕方がないだろう。 こればかりは一朝一夕で解決できる問題ではない。 普通のパーティーはもっとゆっくりと強くなっていくのだろうし、長い目で見ていこう。
持ち帰った芋虫のモンスターカードはセリーに融合してもらう。 セリーはあっさりと身代わりのミサンガを作り出した。 「できました」 「よし。無事成功だな。ありがとう」 「確実に成功させるという話は本当だったのですか……」 ルティナも感じ入っている。 セリーのいいアピールになっただろう。 別にそんなことをしなくてもルティナがセリーを軽んずることはないだろうが。 身代わりのミサンガは大切にアイテムボックスへ収め、迷宮に戻った。 ミリアとの競争再開だ。 ここからは少し本気を出させてもらおう。 ボス部屋に入ると、煙が三箇所に集まる。 そのタイミングでオーバードライブと念じた。 煙がしっかりとした形に整い、魔物の姿を示す。 ボスタウルスと、今回はモロクタウルスが二匹だ。 アクアストームとサンダーストームを念じた。 ややあって、魔法が発動する。 発動までには結構な間があった。 オーバードライブ中だが魔法の発動まで早くはならないようだ。 俺の動きは早くなっても、発動は別らしい。 念じることは素早くできたから、いくぶんか早くなっているだろうが。 動きが早くなっているので、かえって発動までが間延びして感じる。
その間、ミリアがゆっくりと近づいていっているモロクタウルスに状態異常耐性ダウンをかけた。 試しに魔法も念じてみたが、こちらは発動しないようだ。 最初に念じた魔法が発動して少したったころ、オーバードライブの効果が切れる。 魔物やパーティーメンバーの動きが速くなった。 オーバードライブ一回につき魔法二発は無理か。 オーバードライブの効果が切れると、雷光が急速に収まり、霧が晴れていく。 晴れたところで、またオーバードライブと念じた。 次の魔法を放つ。 戦闘中とはいえ俺だけが突出して動いてもしょうがないので、発動までじっと待った。 オーバードライブが切れて魔法が使えるようになったら、またオーバードライブをかけ、次の魔法を。 「やった、です」 ボスまであっさりと石化されてしまったが、オーバードライブを繰り返した。 石化したモロクタウルスが煙になる。 同時に、石化していない魔物も倒れた。 今回は俺の先着だ。
やはりオーバードライブは使える。 オーバードライブ中の攻撃は威力が上乗せされると感じたが、魔法でもそうなるようだ。 魔法の攻撃力もしっかり上乗せされている。 現象としては、戦闘時間が短くなった。 今までの半分だ。 つまりオーバードライブで威力が約二倍になるのだろう。 「……戦闘時間がいきなりかなり短くなったようですが」 「ルティナも少しは慣れてきただろう。これからはこれでいこう」 ボスにアクアボールを撃ち込みながら、セリーの突っ込みにも応じておく。 まだまだ魔法を使える余裕があるから、オーバードライブは常時使用しても大丈夫だ。 オーバードライブ一回につき魔法を二発放ち、その威力が二倍になるのだから、オーバードライブ一回で魔法二発分のMPを節約できることになる。 オーバードライブ一回の消費MPは、魔法二発のMPより少ないか、仮に多いとしても体感できるほどの違いはない。 少なくともガンマ線バーストやメテオクラッシュの比ではない。 オーバードライブを常時使用してもMPが問題になることはないだろう。
問題があるとすれば、寿命か。 オーバードライブは寿命を削るとか、そういう副作用がありそうな気がする。 副作用としてはなかったとしても、俺は体感長く生きることになるから、その分客観的な寿命は短くなるのではないだろうか。 細胞は老化していくだろうし、一生の間に心臓が脈動できる回数には上限があるという。 オーバードライブ中に鼓動が遅くなったりはしていないと思う。 それでどのくらい寿命が短くなるか。 戦闘時間の半分でオーバードライブを使ったとして、迷宮に入っている時間のうち戦闘時間の占める割合は多くても二十五パーセントくら 、一日八時間迷宮に入ったとするとオーバードライブのパーセンテージはさらにその三分の一、全体では五パーセントに満たない時間だろう。 俺が今後六十年間迷宮に入り続けるとして、オーバードライブを使っている時間は三年以下ということになる。 その分だけ寿命が減るとして、短くなるのは三年だ。 そのくらいなら、まあしょうがないのではないだろうか。 オーバードライブで寿命が短くなると決まったわけでもなし。 短くはならないかもしれない。 仮に現在の寿命が七十七まであるとして、七十七歳まで生きるのも七十四歳まで生きるのもそんなに違わないような気がする。 七十三歳になったとき後悔するかもしれないが。 そのときはそのときだ。 「どこまで強くなられるのでしょうか。まだ何か隠していそうです」 「今のところはあまりないな」
なんかズレてるなと思ったらいつもの人でしたか はいはい
などと勝手にゲームを設定していたら、時間も早くすぎたようだ。 ロクサーヌにタイムオーバーを告げられる。 残念だがここまでのようだ。 今朝のところは勝ちを譲っておくしかないだろう。 迷宮から出た後は、朝食を取り、商人ギルドへ赴く。 ギルドでは芋虫のモンスターカードを買っただけで、すぐ家に帰った。 金銭的には、もっとあれこれ頼んでもいいのだが。 迷宮での稼ぎは大きくなってきているので、装備品だろうがモンスターカードだろうがばんばん買いあさっても問題はない。 心配なのは、相場が崩れることだ。 出品されるモンスターカードを片っ端から落札していけば、いつかはそうなるだろう。 かく乱要因になれば誰かから恨みを買う。 仲買人を介しているとはいえ、不要な軋轢は避けたい。 俺たちの成長スピードと装備品の強化速度が合わなくなるが、仕方がないだろう。 こればかりは一朝一夕で解決できる問題ではない。 普通のパーティーはもっとゆっくりと強くなっていくのだろうし、長い目で見ていこう。 持ち帰った芋虫のモンスターカードはセリーに融合してもらう。 セリーはあっさりと身代わりのミサンガを作り出した。 「できました」 「よし。無事成功だな。ありがとう」 「確実に成功させるという話は本当だったのですか……」 ルティナも感じ入っている。 セリーのいいアピールになっただろう。 別にそんなことをしなくてもルティナがセリーを軽んずることはないだろうが。 身代わりのミサンガは大切にアイテムボックスへ収め、迷宮に戻った。 ミリアとの競争再開だ。 ここからは少し本気を出させてもらおう。 ボス部屋に入ると、煙が三箇所に集まる。 そのタイミングでオーバードライブと念じた。 煙がしっかりとした形に整い、魔物の姿を示す。 ボスタウルスと、今回はモロクタウルスが二匹だ。 アクアストームとサンダーストームを念じた。 ややあって、魔法が発動する。 発動までには結構な間があった。 オーバードライブ中だが魔法の発動まで早くはならないようだ。 俺の動きは早くなっても、発動は別らしい。 念じることは素早くできたから、いくぶんか早くなっているだろうが。 動きが早くなっているので、かえって発動までが間延びして感じる。 その間、ミリアがゆっくりと近づいていっているモロクタウルスに状態異常耐性ダウンをかけた。 試しに魔法も念じてみたが、こちらは発動しないようだ。 最初に念じた魔法が発動して少したったころ、オーバードライブの効果が切れる。 魔物やパーティーメンバーの動きが速くなった。 オーバードライブ一回につき魔法二発は無理か。 オーバードライブの効果が切れると、雷光が急速に収まり、霧が晴れていく。 晴れたところで、またオーバードライブと念じた。 次の魔法を放つ。
同時に、石化していない魔物も倒れた。 今回は俺の先着だ。 やはりオーバードライブは使える。 オーバードライブ中の攻撃は威力が上乗せされると感じたが、魔法でもそうなるようだ。 魔法の攻撃力もしっかり上乗せされている。 現象としては、戦闘時間が短くなった。 今までの半分だ。 つまりオーバードライブで威力が約二倍になるのだろう。 「……戦闘時間がいきなりかなり短くなったようですが」 「ルティナも少しは慣れてきただろう。これからはこれでいこう」 ボスにアクアボールを撃ち込みながら、セリーの突っ込みにも応じておく。 まだまだ魔法を使える余裕があるから、オーバードライブは常時使用しても大丈夫だ。 オーバードライブ一回につき魔法を二発放ち、その威力が二倍になるのだから、オーバードライブ一回で魔法二発分のMPを節約できることになる。 オーバードライブ一回の消費MPは、魔法二発のMPより少ないか、仮に多いとしても体感できるほどの違いはない。 少なくともガンマ線バーストやメテオクラッシュの比ではない。 オーバードライブを常時使用してもMPが問題になることはないだろう。 問題があるとすれば、寿命か。 オーバードライブは寿命を削るとか、そういう副作用がありそうな気がする。 副作用としてはなかったとしても、俺は体感長く生きることになるから、その分客観的な寿命は短くなるのではないだろうか。 細胞は老化していくだろうし、一生の間に心臓が脈動できる回数には上限があるという。 オーバードライブ中に鼓動が遅くなったりはしていないと思う。 それでどのくらい寿命が短くなるか。 戦闘時間の半分でオーバードライブを使ったとして、迷宮に入っている時間のうち戦闘時間の占める割合は多くても二十五パーセントくらい、一日八時間迷宮に入ったとするとオーバードライブ のパーセンテージはさらにその三分の一、全体では五パーセントに満たない時間だろう。
俺が今後六十年間迷宮に入り続けるとして、オーバードライブを使っている時間は三年以下ということになる。 その分だけ寿命が減るとして、短くなるのは三年だ。 そのくらいなら、まあしょうがないのではないだろうか。 オーバードライブで寿命が短くなると決まったわけでもなし。 短くはならないかもしれない。 仮に現在の寿命が七十七まであるとして、七十七歳まで生きるのも七十四歳まで生きるのもそんなに違わないような気がする。 七十三歳になったとき後悔するかもしれないが。 そのときはそのときだ。 「どこまで強くなられるのでしょうか。まだ何か隠していそうです」 「今のところはあまりないな」 セリーにはそう答えておいた。 ジョブに英雄と魔法使いをつければ、もう少し戦闘時間は短くなるだろうが。 魔法使いの魔法もオーバードライブが乗って威力が二倍になるだろうから、結構な違いになるかもしれない。 「さすがご主人様です。この分だとすぐにももっと上の階層へ行けそうです」 「上の階層ですか。いえ、わたくしもついていけるはずです。それよりも、わたくしのために手加減してくれていたようで、申し訳ありません」 ルティナが謝ってくる。 「あー、いや。別にそこまでではない。気にするな」 ルティナが慣れてきたからこのやり方にするというのは、慣れるまでこのやり方にしなかったということだ。 勘違いさせたかもしれない。 ボス部屋を出て、また戦闘を繰り返す。
オーバードライブが使えることが分かったので、ボス部屋への移動途中で出会う魔物に対しても同様の戦い方でいくようにした。 戦闘時間が短くなって、かなりいい感じだ。 命の危険どころか攻撃を浴びる可能性が大きく減って、半分ピクニック気分で迷宮を歩ける。 魔物と直接対峙する前衛陣は、そこまで気楽ではないだろうが。 短くなったといっても魔物と接触する前に倒せるほどではないし、かといってあわてて魔物のところに駆けつけてもすぐにこともなく終わってしまう。 少々ストレスの溜まりそうな状況だ。 まあ危険があるよりはいいだろう。 それよりも問題点は、石化しにくくなったことか。 戦闘時間が短くなったので、そのこと自体はしょうがない。 三匹以上魔物がいるときにミリアが全部を石化させるような時間はなくなった。 全部の魔物が石化すればデュランダルを出してゆっくりMPを回復できるのだが、それができない。 オーバードライブを使ってもMP消費に大きな違いがあるのではないが、MP回復には難が残った。 現状では、ボスが確実に石化したまま残るので、ボスをデュランダルで倒して周回分のMPを補給している。 ボスは経験値的に大きいだろうから毎回全部デュランダルを出すのはもったいないし、今のようにボス戦メインの戦いをしなくなったときにどうなるかという懸念はある。 いや。そのときはそのときか。 ボス戦メインでなくなるということは、戦闘時間も延びて厳しくなってきたということだろうし。 戦闘時間が延びれば石化は増える。 あるいは、普通の雑魚戦でも状態異常耐性ダウンを使って、ときどきは全部石化させるように誘導してもいい。
戦闘時間が短くなったのでボス戦で三匹めを俺が先に倒すかミリアが先に石化させるかの競争はなくなったかといえば、なくなっていない。 やはり最後はその競争になっている。 思うに、オーバードライブは状態異常耐性ダウンにも効果が乗るのではないだろうか。 耐性ダウンなので威力が増すのではなく、下げ幅が増える方向で。 状態異常耐性ダウンをかける一匹めなどは、ミリアが文字通り一振りか二振りで石化させるようになっていた。 ボスが石化するのも早い。 状態異常耐性ダウンの効果が上がっているのでなければありえない確率だ。 俺の雷魔法で麻痺することも増えたし、間違いないだろう。 ちなみに、雷魔法の麻痺確率はオーバードライブで増えていないと思う。 威力は上がっているのでそこまでは贅沢か。 三匹めは状態異常耐性ダウンをかけないので、ミリアとの競争はトータルではやや俺の方が有利だ。 今回も、石化したサイクロプスに続き、石化していないモロクタウルスが俺の水魔法で倒れる。 俺の勝ちだ。 モロクタウルスが煙となって消え、アイテムが残った。 あ。 三角バラだ。 ボスタウルスはまだザブトンを残さないが、料理人をつけた効果がここで出た。 今夜の夕食は魚ではなく焼肉に決定だ。 「ここまで楽に戦えるのでしたら、今日明日と二日間も様子を見る必要はないのではないでしょうか。すぐに上の階層へ行っても大丈夫だと思います。わたくしのことなら心配には及びません。戦ってみせます」 ルティナが進言してくる。 確かに、状況的にはそのとおりなんだろう。 ただ、調子に乗ってほいほい上がっていくのも怖い。 ここでロクサーヌに相談などしたら、上に行くと主張するに決まっているし。 「うーん。どうしようか」 回答保留のまま、ボスをデュランダルで始末した。 ボスが倒れ、煙になる。 煙が消え、肉が残った。
あら。 ザブトンだ。 三角バラに続いて、ザブトンが残った。 今回のボス戦はついている。 「ご主人様と私たちなら上の階層に行って何の問題もないと思います」 そんなことよりロクサーヌよ、ちょいと聞いてくれよ。 まあ俺のようなド素人は、ザブトンでも食ってなさいってこった。 「お。これはザブトンが残ったな」 「あ。すごいです」 話をそらす。 ザブトンは、鑑定がなくてもアイテムボックスにロースと一緒には入らないからそれで分かる。 「上の階層か。さすがに今からでは調子に乗りすぎだろうが、今日一日この階層で戦ってみて明日からならいいだろう。それでどうだ」 「はい。それでいいと思います。さすがご主人様です」 「……やはり、食い道楽」 ルティナがつぶやいた。 あちゃ。そりゃそうだ。 今、上に行こうと言ったら、ザブトンが出るまで粘っていたみたいじゃないですか、やだー。
迷宮での戦闘を終える。 今日の仕事はここまでだ。 この後は買い物をして家に帰り、家に帰って夕食をすませたらさらにその後は……分かるな。 ぐひひひ。 ちなみに帝都の服屋にはまだ行かない。 行けばロクサーヌたちも手ぶらで帰すわけにはいかないし、連日はやめておいた方がいい。 帝都の服屋だから買うのはネグリジェのキャミソールでいいが。 ルティナの寝間着は、伯爵のところから着てきた服で間に合っているみたいだ。 しばらくはいいだろう。 それに、ルティナはまだまだ味わい始めたばかり。 変化をつけるのは味に飽きてからでいい。 ルティナは俺から逃げられはしない。 楽しみは追々でいい。 ゆっくり、じっくり味わえばいいだろう。 時間はたっぷりとある。 「ザブトンも出たことだし、今日の夕食はシンプルに肉を焼こう」 五人を前に宣言した。 ザブトン、ロース、三角バラの食べ比べだ。 もうルティナに食い道楽と思われてもいい。 どうせルティナは俺からは逃げられない。 俺という触手に捕まっている。 飛騨山中に篭ること十余年、あみ出したるこの技。 もがけばもがくほど身体に食い込んでいくわ。
この世界には醤油もウスターソースもないし俺では複雑なソースは作れないが、塩とコショウは魔物がドロップするため自由に使える。 シンプルにステーキでいいだろう。 「はい。楽しみです」 「結構量はあると思うので、後は野菜スープでも作ってくれ」 「分かりました」 スープだけ頼んで、買い物に出かける。 パンに野菜、卵を購入して家に帰った。 夏の暑さは峠を越えたと思う。 多分一番暑い時期は過ぎたのではないか。 「今日は肉ばかりだし、明日の夕食には白身でも揚げよう」 だからといって急に涼しくなるわけもないが、油で揚げる料理を再開してもいいころあいだ。 「おお。はい、です」 「ミリアとベスタはこの卵でマヨネーズを作ってくれ」 「まよねーず、です」 「はい。できると思います」 ミリアとベスタに卵とオリーブオイルを渡した。 一人でマヨネーズを作るのは大変だが、二人がかりなら大丈夫だろう。 「まよ、まよね、ですか?」 「マヨネーズという調味料ですね。まったりとした美味しいソースです」 「わたくしは聞いたことはありませんが、そういうソースがあるのですか」 「ねっとりとしていますがそこまでしつこくなく、豊かな味わいで魚や野菜を引き立たせます」 セリーとルティナが会話している。 マヨネーズはブラヒム語に変換されない。 似たような調味料はないのだろう。
似たような調味料はないのだろう。 「それは楽しみです。食い道楽というのも悪くないかもしれません」 いいところに気がついた。 ルティナよ、そのとおりだ。 「肉も焼いといてくれ」 「分かりました」 ザブトン、ロース、三角バラを出してロクサーヌとセリーに託す。 「俺は風呂を入れてくる。ルティナも一緒に来てくれるか」 「はい。わたくしも手伝います」 「頼む」 ルティナと二人で風呂場に向かった。 「本当に毎日お入れになるのですね」 「夏の間は汗もかくしな」 ルティナに手伝ってもらえるようになって楽になったし、夏が終わっても風呂は毎日入れていい。 どのみち風呂を入れなかったとしても五人の身体は毎日俺が磨き上げるが。 「大きな湯船に寝転がるのも気持ちいいものですね。まさに栄華の極みです。わたくしにふさわしい。わたくしもお風呂が大好きになりました。ありがとうございます」 ルティナは風呂も好きになってくれたらしい。 いい傾向だ。 好きになった理由はともかく。 「気に入ってくれて、なによりだ」 「ミチオ様と一緒なのが少し恥ずかしいですが、侍女と一緒に入ると思えば」
俺は侍女扱いか。 もっと素直になれ。 そんなことを言っても下の口は喜んでおるわ。 ルティナと一緒に風呂を入れる。 オーバードライブは使わない。 戦闘と違って時間が問題になることはないし、ゆっくり入れればいいだろう。 威力が二倍になっても水の量が二倍になるとは限らないし。 バーンウォールの火力は上がるだろうが。 ゆっくり入れたおかげか、ルティナは今日は最後まで手伝った。 MPも増えているのだろう。 「よし。ここまでにするか」 「はい。何故か、今日はわたくしも最後まで手伝えました」 「気分が悪くなったりはしていないな」 「大丈夫です。昨日よりも風呂を入れるのが早かったのでしょうか。ミチオ様は戦闘時間も短縮させましたし」 ルティナは少し不思議がっている。 最後まで手伝えたのは、魔法使いのレベルアップのおかげだと思う。 俺の勇者のレベルアップも効いているはずだ。 「魔法を使うのに慣れたのだろう」 「確かにそれはあるでしょう。さすがはわたくし。いえ、しかし」 素直に喜んでおけばいいものを。 それ以上は突っ込むことなく、キッチンに行った。 「まよねーず、です」 「よし。じゃあ明日まで置いておこう」 キッチンに戻ると、ミリアがマヨネーズを渡してくる。 ベスタと二人できっちり作ったようだ。 「こちらの方も進んでいます」 肉はロクサーヌが焼いていた。 うまそうな匂いが漂ってくる。
「あー。これがザブトンか」 焼く前の肉を見ると、種類によって結構色が違った。 色が違うというか、サシが入っている。 アイテムとしての見た目はロースとザブトンとであまり違いはないが、切り口を見るとはっきり違う。 白く、綺麗なサシが入っているのがザブトンだろう。 「ザブトンだとお分かりになるのですか?」 「まあここまで違うとな」 「白くてちょっと気持ち悪いですよね」 「いやいや。そこが美味しいところだから」 ロクサーヌはサシを知らないらしい。 知らなければ気味が悪いのだろうか。 綺麗な霜降りだと思うけどね。 「そうなのですか?」 「へえ。そういうものなんですか」 セリーですら知らなかったようだ。 大丈夫だろうか。 この世界だとサシが入っている方が味が落ちるとか? ザブトンの方がレアドロップなのだからそれはないか。 「ザブトンは領民からの献上品で何度かいただいたことがあります。確かに美味しい食材でした」 ルティナもうまいと言うのだからうまいだろう。 献上品というのは、どうか知らないが。 収奪品の間違いでは。 「ロクサーヌ、肉汁をもらえるか」 「はい」 「ベスタはこの野菜をみじん切りにしてくれ。ルティナは、氷を砕くのを頼む」
キッチンでは、俺はソースを作った。 普段なら牛肉は塩コショウで焼くだけで十分だが、今回はザブトン、ロース、三角バラの食べ比べなので量が多い。 シンプルに焼いただけでは物足りない部分も出てくるだろう。 焼いて出た肉汁にワインときざんだ野菜を入れて煮込めば、簡単なソースの出来上がりだ。 ドミグラスソースのようなものは作り方も知らないし無理だが、味の目先を変えるくらいならこれで十分だろう。 別皿に用意して、好みでかければいい。 デザートを作れなかったので、氷も出してせめて飲み物を冷やしておく。 肉を焼くだけなので、夕食はすぐに完成した。 時間をかけると先に焼いたものが冷めてしまう。 本当は鉄板でも用意して焼きながら食べるのがいいのだろうが。 ただ、俺が焼いてロクサーヌたちに食べさせるのも変な気がする。 誰かが焼いて他のみんなが食うというのもかわいそうだし。 まあてんぷらは俺が揚げたから、駄目ということもないか。 食卓に運んで肉を食べる。 肉はどれも旨かった。 「ロースでも十分に美味しいですね」 ただし、食べ比べとしては微妙か。 ロクサーヌの言うとおり、ロースでも十分うまいから。 単に肉をいろいろたくさん食べた、という感じになってしまった。 ロースと比べると、ザブトンは柔らかく、一段上の味だ。 三角バラは、柔らかくはないが濃厚な肉の味がする。 かといってロースが不味いわけでもなく。 ロースはロースで十分いける。 「確かに味が違うのは分かりますが、どれも美味しいです」 セリーも同意見のようだ。 「おいしい、です」 「こんなにいろいろたくさん食べれるのはすごいと思います」 「ソースをかけると食感が変わりますね。しゃきしゃきとした野菜の歯ごたえが素晴らしいです。わたくしはこのソースがすごいと思います。こういうのは食べたことがありません」 ルティナは、ソースを気に入ってくれたらしい。 気に入ったならばお礼が必要だ。 もちろんお礼はお風呂でたっぷりと。 「よし。では片づけたら風呂に入るか」 風呂場に行き、順番にもみしだいた。 ルティナのお礼も、思う存分いただく。 二日めということもあり、昨日より遠慮なくいただいた。 ルティナの胸は、白くてもちもちしている感じがたまらなくいい。
大きさは、もちろんベスタが一番でもみ応えもすごいが。 いや。大きさの比較はタブーだ。 誰かの目が光ってにらみつけてきたような気がする。 「次はご主人様の体を洗わせていただきますね」 ここはロクサーヌの提案に甘えておこう。 五人に体を洗ってもらった。 ロクサーヌやミリアが泡立てた石鹸のついた胸をこすりつけてくる。 ベスタの大きな肉塊がマッサージするように背中をこすり上げた。 これはたまらん。 比較しないからセリーも来なさい。 ルティナも、昨日よりやや積極的に洗ってくれた。 いい傾向だ。 なめらかなもちもちの肌で洗われる。 心も体も洗われた。 その後、湯船でゆったりと至福のひと時を過ごす。 湯船はいい塩梅に狭い。 俺にとって至福のときだ。 ルティナにとっては雌伏のときかもしれないが、気持ちよさそうに寝転がっていたし、問題ないだろう。 「風呂から上がったら、今日は着替える前に全員でキッチンに行く」 「分かりました」 宣言して風呂から上がり、キッチンに移動した。 俺は男らしく体を拭いただけで全裸。 ロクサーヌたちは体を拭いたタオル代わりの布を巻いている。 そのくらいはまあしょうがないだろう。
「ではこれより、我が一族に伝わる伝統の作法を教える」 「一族の伝統ですか。ありがとうございます」 ロクサーヌに礼を言われるほどのものではないが。 「まずは足の間隔をやや広めに開けてしっかりと立つ。片手でカップを持ち、持っていない方の手は腰に当てる。ひじは必ず横に伸ばすこと。ひじを上げて カップを口に持っていき、顔を斜め上に向けてそのまま一気に飲み干すべし。これが、風呂上りに飲み物を飲むときの作法である」 口で説明した後、実際に氷で冷やした酪を飲んだ。 酪はボスタウルスのドロップなので今日一日で結構手に入れている。 あまり飲むようなことはしないと言っていたが、うちでならいいだろう。 食い道楽なのだ。 さっぱりとした酸味のある濃厚なミルクが喉を降りていく。 酪はヨーグルトとバターミルクの中間にあるような飲み物か。 牛乳より濃厚だがべったりはしておらず、コクがあってうまい。 しかも、風呂上りに冷たい飲み物は格別だ。 これが酪か。 お風呂で火照った熱い肉体に冷たい酪がしみこんだ。 「私たちもよろしいのでしょうか」 「当然だ。いってみろ」 酪は、ドロップアイテムのオリーブオイルと同様、透明な薄い膜に入っている。 刺激を与えると簡単に一部が破けて、カップに注げる。 ロクサーヌたちもカップに用意し、酪を飲んだ。 仁王立ちになって腰に手を当てている姿が素晴らしい。 胸を誇らしげに突き出している。 布を巻いているのが残念だ。 正面からもみしだきたい。 「はー。冷たくて美味しいです」 はー、ではなく、カァーなら百点だったぞ、ロクサーヌ。 この飲み方はもう少し親父臭さがほしい。 「冷たいのど越しが最高です。一気に飲めてしまいますね」 セリーももっと胸を張れ。 「つめたい、です」 「確かに、すごいと思います」
「今日はまず三十階層を突破する。地図は持ったな?」 「はい」 今日も元気に朝から迷宮に入る。 迷宮へは皆勤賞だ。 サボるのも怖いんだよな。 一流のピアニストは一日ピアノを弾かないと下手になるという。 迷宮へ入るのも、一日休めば腕が鈍るのではないだろうか。 技術が落ちたときどうなるか。 迷宮では、下手をすれば命の危険がある。 一日くらいで急激に弱くなることはないだろうし、現状では余裕を持って戦えているのだから多少勘が鈍ったくらいですぐピンチにはならないかもしれない。 客観的に判断すれば確かにそうである。 そのはずではあるのだが、休むのはやはり怖い。 自分の命を賭け金にしているのだ。 リスクがでかい。 下の階層から入りなおせばいいとしても、判断力が鈍っていて、違和感なく普段どおり戦えていると錯覚する可能性もあるわけだし。 ゆっくり時間をかけて上がりなおすのは、ロスが大きすぎる。 それにこの世界では休んだからといってたいした娯楽があるのでもない。 俺は色魔があるからいいとして、相手をするロクサーヌたちも一日中では大変だろう。 娯楽といえばその程度だ。 それなら、サボらずに毎日迷宮に入り続けるのがいい。 多少神経は使っていると思うが、気疲れするほどでもない。 そして迷宮に入った後は毎日きっちり楽しむ。 毎日発散すれば翌日に心労が残ることもない。 それで十分だ。 ロクサーヌの案内で迷宮を進む。 なかなかいい感じだろう。 三十階層のボスは、ハートハーブだった。
ハート型に曲がった茎を持つ草の魔物だ。 曲がった茎はちょっと心臓を連想させる。 心臓のように急所、かどうかは分からなかったが。 ミリアがすぐに石化させてしまったし。 ミリアは続けて三匹めも石化させる。 競争は今日も持続のようだ。 というか、上の階層に進めば戦闘時間が長くなるのだから、ミリアがどんどんと有利になる。 俺には勝ち目のない競争だ。 もっとも、上の階層では石化の通用しない魔物が出てくる可能性もある。 ミリアの石化をレジストするような相手に俺たちがかなうかどうかはともかく。 是非ミリアには連勝街道のばく進をお願いしたい。 「やった、です」 石化した魔物をゆっくりと片づけていると、ミリアが叫んだ。 全部石化したので残った魔物はいないはずだが。 「なんだ?」 「魔結晶のようです」 ボス部屋の隅へ駆け出したミリアに代わってロクサーヌが教えてくれる。 魚貯金こと魔結晶か。 ボスを相手に連戦するようになって、魔結晶を拾うことは増えた。 ボス部屋なら戦う場所はほぼ一定だし、連戦していれば他のパーティーに持っていかれることも少ないのだろう。 ミリアならまず間違いなく拾えるし。 拾えるといっても黒魔結晶なので、すごいお宝ではない。 結晶化促進にボーナスポイントも振ってないから、魔結晶の成長も早くはない。 別にお金に困っているわけではないから問題はないだろう。 白金貨一枚も手元にある。 今持っている黄魔結晶も、そのうち白魔結晶まで成長して白金貨になるはずだ。 最後に残ったボスを単体魔法で始末し、ミリアから黒魔結晶を受け取る。 煙となって消えたハートハーブは緑豆を残した。 これがハートハーブのドロップアイテムか。
何の変哲もない緑色の種だ。 草の魔物だから種を残すことは不思議ではない。 とはいえ鞘には入っておらず、豆一粒である。 緑豆だからモヤシでもできるのかもしれないが、アイテムなのでそれも怪しい。 博徒をはずし、薬草採取士をつける。 薬草採取士は昨日Lv15まで育てた。 今のところ片手間であっさり育てられるのは薬草採取士ではLv15までだろうか。 その上は少し時間がかかる。 といっても、Lv20まではたいしたことはないと思うが。 それ以上のレベルがいるなら、少し本腰を入れて育成する必要があるだろう。 ハーフハーブがドロップする麻黄から生薬を生成するのに薬草採取士のレベルがいくつか必要らしかった。 思うに、薬草採取士Lv5ではないだろうか。 普通に考えてそのボスであるハートハーブのドロップから生成するにはもっと高いレベルが必要だ。 最低でもLv10かLv15が必要だろう。 Lv15あれば大丈夫だろうか。 失敗する可能性もある。 失敗したとき恥をかかないように、何食わぬ顔で生薬生成しなければならない。 緑豆はロクサーヌが拾ってくれた。 なんでもない顔をして手のひらで受け取る。 すぐに生薬生成と念じた。 緑豆が手のひらを転がる。 薬の原料アイテムなら、これで生薬に変わるはずだ。 緑豆が手のひらの中央に落ち着いた。 そして丸薬に、ならない……だと……。
「よかったです。さすがに万金丹は作れないようです」 「万金丹ですか?」 「はい。あれは五年や十年の修行では作れるようにならないそうです。知り合いの薬草採取士が薬草採取士になって二十何年目でようやく作れるようになったと喜んでいました」 「どういうことでしょう。誰か薬草採取士のかたがいらっしゃるのでしょうか?」 セリーと会話してルティナが首をかしげている。 ルティナには分からないようだ。 というか、セリーには分かるのね。 分からないようにやったはずなのに。 おかしい。 何故ばれたのか。 顔色にでも出たか。 いや。単に俺のやりそうなことだったからか。 見抜かれている。 ここはごまかすしかない。 ルティナが分からないのは、まだルティナの前で生薬生成をしたことがないからだろう。 さっきの失敗を除いて。 麻黄は生薬生成せずにすべてアイテムボックスに入れているから、ルティナは俺が薬草採取士のスキルを使えることを知らない。 「あー。今はちょっと使えないんだ。後でな」 セリーに向かって告げた。 隣のルティナにもバッチリ聞こえるように。 生薬生成はしていない。 していないんだよ。 「そうなのですか」 セリーがうなずいた。 やけに素直だな。 その素直さに免じて、先ほど主人である俺の謀略を疑った発言は大目に見てやろう。 疑ったのではなく見抜いたんだけど。
「うむ」 「何か重要な実験をされているのでしょうか?」 あら。 まずい方向に。 重要どころか実験すらしてないです。 「あー。いや。あーまあたいしたことでは」 「そうですか」 「ミチオ様が万金丹を作成されるのですか?」 「あーいや。あーどうだろうな」 「どういうことでしょう?」 ルティナの質問に乗じてごまかしたかったが、こっちの質問もやばい。 万金丹というのが、おそらく緑豆から生薬生成で作られる薬剤なのだろう。 作るのに結構なレベルが必要のようだ。 薬草採取士Lv15では作成できない。 つまり今の俺では作れない。 ルティナの質問に是と答えるわけにはいかない。 作れなかったら後でばれる。 ピンポイントの質問じゃなく、薬草採取士のスキルが使えるか、なら肯定できたのに。 今日はこのまま薬草採取士をつけてレベルアップさせていくつもりだ。 昨日と違って料理人がいらないから、それくらいは大丈夫だろう。 うまくいけば万金丹を作れるようになるかもしれない。 あるいは、遊び人のスキルに生薬生成を設定するという手もある。 探索者のアイテムボックスを遊び人のスキルに設定すると、アイテムボックスの容量は遊び人のレベルに従った。 生薬生成がレベルによって機能拡張するなら、薬草採取士よりもレベルの高い遊び人のスキルに設定してやればいいのだ。 そんなめんどくさいことをせずとも麻黄から万能丸なら作れる。 こんなことならめんどくさがらずにルティナの前でやっておけばよかった。 いまさら遅いが。 ここはさっさと次の階層に行くべきだろう。 「それより三十一階層へ行くか」 「ええっと。クーラタルの迷宮三十一階層の魔物は、ノンレムゴーレムです。弱点となる魔法属性はありません。魔法使いにとって厄介な相手です。岩でできた魔物のため、土属性に耐性があり、と
る攻撃手段は単純に腕で殴ってくることのようです。かなり強力らしいので注意が必要です」 セリーが説明してくれる。 さすがに次の階層に移動するとなれば、詮索や突っ込みは後回しだ。 「ノンレムゴーレムか。ロクサーヌは戦ったことがあるんだっけ?」 「はい。攻撃は強力らしいですが、モーションも大きいため、よそ見でもしていなければまず当たることはありません」 ロクサーヌがノンレムゴーレムで狩をしていたという話は前に聞いた。 だからといってくみしやすい相手かどうかは話半分に聞いた方がいい。 ロクサーヌだし。 その他の魔物よりは動きが分かりやすいと期待しよう。 「弱点属性がないのは残念だが、俺は雷魔法もあるし、一緒に出てくる魔物に合わせればいいだろう」 「そうですね」 使用する魔法についてルティナと確認した。 遊び人のスキルは雷魔法のままがいいのか。 ちなみに三十階層では、ハーフハーブの弱点は火属性だが、その他に出てきやすいモロクタウルスもサイクロプスもシザーリザードも火属性に耐性
魔法は活躍する場面が少ない。 遊び人のスキルには雷魔法をセットしている。 「少し数は多いようですが、こっちへ行けばすぐにいます」 「ものは試しだ。なにはともあれ戦ってみよう」 「はい」 三十一階層に上がると、ロクサーヌがすぐに魔物の位置を探し出してくれた。 ロクサーヌの先導で移動する。 魔物が現れるとすぐにオーバードライブを念じた。 オーバードライブのゆっくりした時間の流れの中で、魔物を観察する。 魔物は五匹。 少し多いというかこの階層での最大値だが、それはいい。 ノンレムゴーレムが四匹にモロクタウルスが一匹だ。 サンダーストームを二回念じ、ノンレムゴーレムを注視した。 ノンレムゴーレムは黄褐色の角ばった魔物である。 両腕と両足がついて二足歩行をするらしい。 体は多分岩でできているのだろう。 俺たちのことを認めると、ゆっくりと近づいてくる。 いや。ゆっくりなのはオーバードライブ中だからか。 オーバードライブが切れると、モロクタウルスと速度は変わらなかった。 動けるところを見ると、別に寝ているわけではないようだ。 顔のようなものはあり、目と鼻と口はある。 線だけど。 眠って目をつむっているから目が線なのか、人形だから目が線なのか。 サンダーストームが発動して雷が当たっても素早く動き出したりはしなかったから、やはり寝ているわけではない。 逆に三匹も動きが止まってしまった。
麻痺だ。 残ったノンレムゴーレム一匹とモロクタウルスが前衛陣に接近する。 ノンレムゴーレムがゆっくりと腕を後ろに引いた。 そしてぎりぎりまで引き絞ってから、正面にパンチを突き出す。 ロクサーヌの言ったとおり確かにモーションは大きいようだ。 これならそうそう当たることはないかもしれない。 二匹以上を相手にするときには注意も分散するから、気をつけなければならないが。 パンチそのものは、スピードの乗った素早い攻撃だ。 ロクサーヌが軽く体をひねっただけでこれを苦もなくかわした。 代わりに催眠のレイピアを叩き込む。 ノンレムゴーレムの頭がガクリと下がった。 睡眠だ。 普段のノンレムゴーレムは寝ているわけではなく、こっちが睡眠状態のようだ。 ノンレム睡眠になっているのかは知らない。 レム睡眠かもしれない。 そもそも、岩でできた人形にそんなものがあるのだろうか。 眠っているときには目をつぶっていても眼球が動くことがあるらしい。 眼球が動くのがレム睡眠、眼球が動かないのがノンレム睡眠だ。 レム睡眠かノンレム睡眠かはラピッド・アイ・ムーブメントの有無で決まる。 線が引かれただけの目に眼球もくそもないだろう。 睡眠状態のときにはうつむいているので目は確認できなかった。 雷魔法で叩き起こせば、目は線だ。 眠っているかどうかはともかく、ノンレムゴーレムはほどなく片づいた。 強さとしては、特筆するような点はない。 三十一階層の魔物なりの強さというところだろうか。 弱点がないのは厄介だが、その分雷魔法を使うので石化が出やすいだろう。 MP回復が楽になる。 今回は少し足りなかったが。 ノンレムゴーレムは、煙となって消えると岩を残した。 これがドロップアイテムらしい。 そこまででかくはないが、バレーボールくらいはありそうな普通の岩だ。 鎧も入るくらいだし、アイテムボックスに入れるのに問題はない。 「岩か」 「比較的楽に砕け、砕いてセメントや遮蔽セメントと一緒に使うと建材として一級のものになるそうです」
セリーの方に目を向けると、すぐに教えてくれる。 砕いた岩とセメントで作る建材。 それはただのコンクリートではないだろうか。 わざわざアイテムの岩を使う必要があるのか。 かえって高くつく。 アイテムのセメントと岩がそろって、合せ技で一本なのかもしれないが。 「セリー姉様、そのくらいのことミチオ様なら知らないはずがないと思いますが」 ルティナがセリーに声をかけた。 この世界では誰でも知っている事柄のようだ。 もちろん俺は知らなかったが何か。 まずい。 ここでセリーを悪者にするわけにはいかない。 かといって知らなかったと正直に告白してもルティナに馬鹿にされる。 「いや。これは俺の方から頼んでいることなんだ。俺は知らないことも多いから、何でも教えてくれと」 「そうなのですか?」 「そうなんだ」 なんとか割り込む。 セリーは、すべて分かっていますという表情をして、無言で引き下がった。 << 前へ次へ >>目次
「ミチオ様、わたくしが魔法を使うのは二回ずつでよろしいでしょうか」 何回か三十階層のボス戦をこなすと、ルティナが聞いてくる。 答えにくい質問を。 今現在、ルティナは戦闘の役に立っていない。 三十階層ではルティナが何度魔法を放っても俺の魔法使用回数が減ることはなかった。 ぶっちゃけ、戦闘に関してルティナはいらない子なのだ。 ルティナが使う魔法の数をもっと増やせればいいのだが、詠唱が必要なルティナが何度も魔法を使えるほど戦闘時間は長くないし、戦闘時間がかかるボスはどうせミリアが石化させてしまうからルティナが魔法を放つメリットは大きくない。 それに、たとえルティナの魔法四発か五発で俺の魔法を一回減らせるとしても、それはルティナの魔法の威力が俺の魔法の四分の一、五分の一以下だと言っているに等しいわけで、あまり回数を使わせるのもはばかられる。 だからといってルティナに対しおまえは役に立っていないというのはもっとはばかられるわけで、この件はうやむやにしていた。 それを聞いてくるか。 まあそうだろうけども。 二十九階層のボス戦から三十階層のボス戦に戦闘の重心が移ったのだから、確認は必要だ。 オーバードライブを使う前、二十九階層ではルティナが魔法を二発撃つことで俺の魔法の使用回数を一回減らせていた。 だからルティナには魔法を二回使わせている。 使うときには二回か、MPがなければ零回だ。 その後、オーバードライブを使うようになって俺の魔法の威力は約二倍になった。 現状ではルティナの魔法の威力が俺の魔法の威力の四分の一以下なのは疑いない。 魔法使いと魔道士の違い、レベル差や装備品、ことにひもろぎのイアリングの効果もあるから、そのくらいの違いはあるのだろう。 ただし、オーバードライブにはいいこともある。 オーバードライブを使うようになって魔法一発めと二発めの間隔は短くなった。 サンダーストームを二回使った場合、もはやはた目には完璧に雷魔法を一回使ったように見えるだろう。 一回使ったか二回使ったかはセリーにも分からないはずだ。 魔法の使用回数が減ったかどうかは俺の自主申告で決まる。
「そうだな。二回で頼む」 しょうがない。 うやむやにごまかした。 正直に話してボス戦のみで多数使ってもらうという手もあるが、それだとその他の戦いではいらない子だということが分かってしまうし。 上の階層へ行けば、いろいろと変化も出てくるだろう。 厳密にいえば、ルティナの魔法によって俺の魔法の使用回数が減るかどうかは、必ずしも直接は魔法の威力と関係ないはずだ。 仮に三十二階層の魔物が俺の魔法八・一発で倒せるとするなら、ルティナの魔法によって俺の魔法〇・一発分のダメージを与えると、俺は魔法九発ではなく八発で魔物を倒すことができることになる。 そうなることに期待しよう。 ルティナの魔法の使用回数を調整するのはそのときからでいい。 そこまでは先送りでいい。 問題の先送りというのは案外正しい解決策でもあるのだ。 今日のところは波風を立てずにボス戦を繰り返した。 「そろそろ日が昇るころですね」 早朝の狩を続けていると、ロクサーヌが教えてくれる。 薬草採取士はどうなったか。 確認すると、Lv20にまで上がっていた。 おお。 見事だ。 さっきまで薬草採取士Lv19だったが、ぎりぎりでレベルが上がったらしい。 「じゃあ、ここまでにしておくか」 最後のボス戦を終え、戦闘を切り上げる。 ハーフハーブのドロップアイテムを生薬生成するのに多分Lv5が必要だった。 そのボスのドロップの生薬生成に薬草採取士Lv15では成功していない。 次に可能性があるのはLv20だろう。 倒したばかりのボスが残したアイテムを受け取る。 試してみればいい。 生薬生成と念じた。 緑豆が手のひらの上を転がり、中央に鎮座まします。
止まった緑豆は……ぴくりとも動かなかった。 変化する兆しも見せない。 薬草採取士Lv20ではまだ足りないようだ。 大丈夫。 大丈夫だ。 まだあわてるような時間じゃない。 俺には遊び人のジョブがある。 緑豆は、なんでもないような顔でアイテムボックスに放り込んだ。 なんでもない。 何もしていないんだよ。 「えっと。朝食の後は三十一階層のボス戦でしょうか?」 なんでもないという顔をしていたはずなのに、ロクサーヌが尋ねてきた。 今後どうするか考えていると思ったのだろう。 そっか。 そっちも考えないといけないのか。 「うーん。まあここで考えてもしょうがない。食事のときにでも話そう。とりあえず買い物に行くか」 その場は買い物に行くと言ってごまかす。 冒険者ギルドにワープした。 移動した後最初にいじるのは、遊び人のスキルだ。 遊び人のスキルに薬草採取士の生薬生成をセットする。 遊び人のスキル設定は、そう頻繁には行えない。 今の時間だと、これから買い物をして朝食を作って食べて後片づけをして、次に迷宮に入るとき元に戻すのにぎりぎりくらいか。 商人ギルドへでも行く用事があったら余裕だったのに。 こういうときには何もないんだよな。 かといって夕方迷宮を出てからだと、風呂を入れるため遊び人のスキルは中級水魔法をセットするので、生薬生成はセットできない。 結構使いにくい遊び人のスキル。 まあ遊び人だしな。 勤勉に働くようにはできていないのだろう。 となると今を逃せば生薬生成を設定するのは寝る前になってしまう。
本当は、こうなると分かっていたら昨夜寝る前にセットできたらよかったんだよな。 今日はハーフハーブのボスと戦うと分かっていたのに、そこに気づかなかった。 違うか。 緑豆を得るためにはボスを倒さないといけない。 ボス戦を行うときには遊び人のスキルは雷魔法だ。 やっぱ駄目だ。 「ハートハーブごときでは全然手応えもありませんので、すぐに三十一階層のボス戦に移るのがいいと思います」 朝食に入ると、すぐにロクサーヌが進言してきた。 そっちも問題か。 俺としては別に上の階層に進むかどうかを考えていたわけでもなく、普通に三十階層のボス戦を繰り返すつもりだったのだが。 いまさらそんなことは考えていないというわけにもいかない。 「うーん。どうしよっか」 「私も三十一階層に移った方がいいと思います」 ありゃ。 ロクサーヌはともかくセリーまで。 セリーがそういうなら考えるべきか。 「セリーもなのか」 「現状、三十階層ではぬるすぎるでしょう。早く上の階層に行った方がいいです。あまりやわな戦いに慣れてしまっても困ります。ルティナも加入したばかりですし」 なるほど。 俺は階層を上がることの危険ばかりを考えていたが、逆に生ぬるい戦いに慣れてしまう危険もあるのか。 さすがはセリーのいうことだ。 説得力がある。 「石化する、です」 「上の階層へ行っても大丈夫だと思います」 「わたくしも上へ進むのがよいと考えます」 全員上へ行けという意見らしい。 まあオーバードライブで戦闘時間もごっそり短縮されたから、長居してもしょうがないという考えは分かる。 ここは上に行くべきなのか。 「では三十一階層のボス戦に進んでみるか」 「はい。それがよろしいでしょう。さすがご主人様です」 ロクサーヌの勧める方にほいほいついていったら、いつか酷い目にあいそうだが。 まあ今回は他の四人も上に行けという考えだ。 従っておいてもいいだろう。
というか、他の四人も全員ロクサーヌに毒されてないか? セリーはともかく、ミリアやベスタは何も考えてなさそうだし。 「ハートハーブは食材を残さないので、ミチオ様にも戦い続ける意味はあまりないでしょう」 ルティナはルティナはこんなことを言っているし。 いったい俺のことをどう思っているのかと問い詰めたい。 問い詰めたいが、きょとんとして食い道楽では、と返されたら困る。 「食事が終わったらな」 「はい」 ロクサーヌは嬉しそうだ。 危ないので周囲に変な影響は与えないようにしてほしい。 「奴隷商のところへは行かれないのでしょうか」 ルティナが訊いてきた。 あ。そうか。 公爵から奴隷商人のところへ連れて行けと言われたのだった。 朝食の後迷宮に行くなら、いつ奴隷商人のところへ行くのかということだろう。 「あー。そういえばそれもあるんだったな」 「はい。早めにしていただけると、わたくしとしても助かります」 「そうなのか?」 早い方がいいのだろうか。 普通は後回しにしたいような。 忘れていた俺が言うことじゃないが。 「万が一ということもありますので」 万が一奴隷から解放されるなら、それはいいことなのでは。 いや。所有者が死んだとき奴隷も遺言いかんによって追い腹を切らされるのだ。 そっち方面だろう。 奴隷なのに所有者の表示がないと殉死と判断されるのかもしれない。 なにそれ。 怖すぎる。 「あー。悪かった」 「いえ。あの。分かっていただければ」 ここは謝るべきだろう。 公爵も教えといてくれればいいものを。 「ルティナの所有者の設定をまだしてなかったんだ」 ロクサーヌたちにも説明した。 いずれ分かってしまうし。 潔く認めるべきだ。 「所有者の設定をしていないと誰かが書き換えてしまう可能性もありますからね」 セリーが教えてくれる。 あら。 追い腹じゃないのか。
「そうなんだ」 「はい。奴隷になるときには本人の承諾が必要ですが、奴隷になった後、誰が主人になるかは選ぶことができません。最初に所有者を設定すれば、以後所有者の変更には前の主人の承認が必要となります。最初の所有者の設定は早めにやってあげるべきです」 誰が所有者か最初に設定しておかないと、他の人が勝手に主人に設定できるということか。 万が一とはそういうことか。 「あ、あくまで万が一のためです」 ルティナは万が一のときの用心として俺の奴隷になっておきたいと。 いい傾向だ。 まあもう抱かれちゃったしね。 「分かった。左腕を出せ」 そこまで言うのならやっておくべきだ。 ルティナに左手を出させると、いぶかしがりながらも伸ばしてきた。 奴隷商人のジョブをつけ、インテリジェンスカードをオープンさせる。 「え?」 インテリジェンスカードが出てきたことで、ルティナはさらに驚いていた。 奴隷商人のインテリジェンスカード操作では、所有者の設定、変更ができるようだ。 もっとも、誰でもいいというわけではなくて、近くでインテリジェンスカードを出している人を所有者に設定できるらしい。 俺も自分のインテリジェンスカードを出してルティナの所有者に設定する。 「ほー。できるんだな」 操作する人とセットする所有者が同じでもいけるようだ。 そりゃそうか。 奴隷商人が奴隷を購入したとき、その奴隷の最初の所有者に自分を設定しなければならない。 でなければせっかく買ったのに他人の奴隷にさせられてしまうかもしれない。 「ええっと。おできになるのですか?」 「インテリジェンスカードを見てみろ。ちゃんとできてないか」
ルティナにインテリジェンスカードを確認させる。 できているはずだ。 「は、はい。できています」 「じゃ成功だ。よかった」 「あの。ミチオ様のインテリジェンスカードを見せていただいてもよろしいですか」 ルティナは、俺のインテリジェンスカードの閲覧まで要求してきた。 まだ信用できないのだろうか。 「ほら」 と左腕をルティナの前に伸ばしてから、後悔する。 ファーストジョブを遊び人にしていた。 英雄も魔法使いも探索者もはずしているので、現状遊び人のレベルが一番高いのだ。 ファーストジョブのレベルはボーナスポイントに直結する。 そしてファーストジョブが、インテリジェンスカードにジョブとして表示される。 ルティナに俺のジョブが遊び人だと分かってしまう。 まあなんとかごまかしようはある。 あるはずだ。 まだあわてるような時間では。 どうしようか。 「お、お若いのですね」 驚くのはそっちか。 人間がエルフを見ても年齢はよく分からない。 その逆に、エルフのルティナが人間族の俺を見ても年齢はよく分からないのだろう。 「そうか?」 「この年齢で三十階層のボスを楽々突破とか。考えられません」 「ご主人様ですから」
ロクサーヌが胸を張ることなんだろうか。 「ええっと。それとミチオ様のジョブですが」 やっぱ気づいたか。 そうなるよな。 「この機会だから、みんなにも俺の秘密の一部を話しておこう」 「秘密ですか?」 セリーが食いついてきた。 「今現在、俺のジョブは遊び人になっている。実は遊び人のスキルには他のジョブのスキルを設定することができるんだ」 「他のジョブですか」 「奴隷商人のスキルをつければさっきみたいにインテリジェンスカードで所有者の設定ができるし、 冒険者のスキルをつければフィールドウォークができるし、探索者のジョブをつければダンジョンウォークができるし、魔法使いのスキルをつければ魔法を使える。つまりはそういうことだ」 セリーやみんなに遊び人のことを説明する。 説明は、間違ってはいない。 万が一このことが洩れても、遊び人に関する話は事実だ。 俺の真実についての接近がそれだけ難しくなる。 敵の目を欺くための兵器をデコイという。 飛行場に置く張りぼての飛行機とか、パラシュート部隊が降下時に一緒にばら撒く人形とか、レーダーをごまかすチャフとか。 遊び人のことは、洩れなければ洩れないで問題ないし、洩れたとしてもそのときには囮 デコイ として機能するはずだ。
「そうだったのですか。さすがはご主人様です」 俺のジョブが遊び人であると明かすと、ロクサーヌが胸を張った。 「遊び人ですか。なるほど。それが能力の一部ですか」 セリーは遊び人が俺の能力の一部に過ぎないと正確に理解しているようだ。 魔法を二発放てるのは、遊び人の能力ではないしな。 「すごい、です」 「さすがだと思います」 「食い道楽の遊び人ですか」 そうじゃねえよ。 ルティナには突っ込みたかったが、スルーした。 「薬草採取士のスキルをセットすれば、生薬生成もできる。こんな風にな」 アイテムボックスから麻黄を取り出して、万能丸を生成する。 ルティナに見せつけた。 「本当です」 調子に乗って緑豆も取り出す。 生薬生成と念じると、緑豆は……微動だにしなかった。 だ、駄目なのか。 「緑豆からの生薬生成はできないみたいだ。セリーの言ったとおり大変なんだろう」 遊び人でも緑豆を生薬生成することはできなかった。 まだまだレベルが足りないのか。 ひょっとしてLv50が必要なのか。 あるいは遊び人では駄目で、薬草採取士でないといけないのか。 遊び人と薬草採取士を両方つけているから、ではないと思う。 ファーストジョブの遊び人の生薬生成が優先されるはずだし。 オーバードライブに乗せればできるだろうか。 試しに、薬草採取士をはずしてみる。
オーバードライブと念じてから、生薬生成を行った。 駄目だ。 薬は生成されない。 緑豆は緑豆のままだった。 「かなり難しいらしいので、しょうがありません」 セリーの言葉がやけに嬉しそうに聞こえる。 くそっ。 せっかくいろいろやってみたのに。 生薬生成もしていないように今まで振舞ってきたが、全部無駄だった。 気を取りなおして、朝食の後はクーラタルの三十一階層に入る。 遊び人のスキルは、なんとか間に合った。 雷魔法に戻している。 そのために朝食をゆっくり食べていたので、落ち込んだと勘違いされたかもしれない。 「ノンレムゴーレムのボスはなんだ?」 「クーラタルの迷宮三十一階層のボスは、レムゴーレムになります。弱点となる魔法属性はありません。ノンレムゴーレム同様土属性に耐性のある岩人形ですが、体の一部が金属でできており、 ノンレムゴーレムより攻撃力や耐久性が上がっています」 待機部屋でセリーに教えてもらう。 レムゴーレムはボスだけにノンレムゴーレムの強化版というところだろう。 というか、レムに意味があんのかね。 「レムゴーレムか」 「ボス部屋に出てくるとき、ノンレムゴーレムやレムゴーレムは眠っていることがあるそうです。レムゴーレムが寝ているときにはボスを後回しにする作戦も有効だそうです」 意味あった。 睡眠していることもあるのか。 さすがはレムゴーレムだ。 レム睡眠かどうかは知らないが。
「全体攻撃魔法を使うから後回しはめんどくさくなるだけだろう。おそらくそこまでの敵でもないだろうし、寝ていようがいまいが一気に片づける。ロクサーヌ、頼むぞ」 「おまかせください」 ロクサーヌから頼もしい返事がきた。 ボスの正面はロクサーヌが受け持つ。 眠っていようが起きていようがロクサーヌにとってたいした差はないだろう。 違うか。 結局ボスを倒すときには攻撃して起こすのだから、ロクサーヌの負担は増えない。 ボスが眠っている間はロクサーヌが他の魔物を相手取るとすれば、むしろ負担は減ることになる。 ミリアがスタンバイしている状態でスタートしたら石化が少しは早くなるかもしれないから、ボスが眠っていて楽ができるとしたらそれくらいか。 まあそんなことはどうでもいい。 初めてのボスであるレムゴーレム戦に向けて気を引き締める。 しかし、ボス部屋の扉はなかなか開かなかった。 「前のパーティーは時間がかかっているようですね。おそらくパーティーメンバーに魔法使いがいないのでしょう。レムゴーレムは、魔法使いのいないパーティーでも比較的楽に倒せる最後のボスになります」 セリーが解説してくれる。 「寝ているからか」 「はい。眠っていない魔物から集中攻撃して倒すそうです。もちろん場合によっては出てきた魔物全部が寝ていないこともあるので、 三匹を相手にできる実力は必要です。ただ、ボス部屋なら時間をかけても他の魔物の乱入がないので、安全に戦えます」 ボスを倒すほどの実力があるならもっと上の階層に行けるだろうが、魔法使いのいないパーティーが実力相応の階層でちまちま戦っていたのでは、複数の団体が現れたとき一気に形勢逆転となる。 そんな危険を冒すなら、レムゴーレムを相手にしていた方がいいということか。
「なるほどね」 時間も悪かった。 すでに日は昇ってほとんどの人が活動している時間だ。 朝食をゆっくり取ったことがあだになった。 しばし待つ。 扉が開くまでに次のパーティーまでやってきた。 鑑定したところ魔法使いがいなかったので、こいつらも時間かかるだろう。 扉が開いたので中に飛び込む。 せめて前のパーティーが全滅していないかと思ったが、装備品は残されていなかった。 時間はかかっても倒せるだけの実力は持っていたようだ。 煙が集まり、魔物が姿を現す。 眠っているかどうかなど確認せず、雷魔法を叩き込んだ。 雷魔法とミリアの石化で戦うのだし、一匹ずつ相手にすることはない。 全体攻撃魔法でまとめて処理する。 現れたのはノンレムゴーレムが二匹とレムゴーレムだ。 すぐに雷で叩き起こしたので寝ていたかどうかは分からなかった。 レムゴーレムは、ノンレムゴーレムより一回り大きそうだが、見た目にあまり違いはない。 いわれてみれば少し大きいかな、という程度だ。 鑑定がなければ両者の違いをどうやって見分けるのか。 やはり、レムゴーレムは眠っているときにまぶたがぴくぴくと動くのだろうか。 「やった、です」 まあ石化してしまえば眼球だって動くはずもなし。 ボス部屋での戦いはミリアの三タテで幕を閉じた。 後は魔法とデュランダルで片づけるだけの作業だ。
まあ石化してしまえば眼球だって動くはずもなし。 ボス部屋での戦いはミリアの三タテで幕を閉じた。 後は魔法とデュランダルで片づけるだけの作業だ。 三十二階層へ入るのは初めてなので少しMPも回復しておく。 ノンレムゴーレムを魔法で消した後、ボスだけはデュランダルで倒した。 レムゴーレムが煙と化す。 「あら。岩か」 レムゴーレムのドロップは岩だった。 ノンレムゴーレムと一緒なのか。 使えない。 「レムゴーレムは、岩とダマスカス鋼を残します。今回は残念でした」 セリーが拾いながら教えてくれた。 ダマスカス鋼を残すこともあるのか。 確かに全部ノンレムゴーレムと一緒ってことはないわな。 「ダマスカス鋼か。残ったらセリーが鍛冶できるか?」 「ダマスカス鋼を加工する前に、硬革と鉄鋼と竜革の経験が必要です」 「結構先は遠いな」 「ええっと。まだまだです」 ダマスカス鋼が今すぐ必要ということはないか。 「ひょっとして、ダマスカス鋼を求めてレムゴーレムのボスと戦う人が多い、ということは?」 「落とす確率がいいわけでもないので、特別に稼げるということはないでしょう。ダマスカス鋼の加工ができる鍛冶師なら、もっと上の階層で戦えると思いますし」 そっちもないのか。 ボスのレムゴーレム戦に人が集まるのは、単純に魔法使いなしでも戦いやすいということが理由らしい。 さらにいえば、魔法使いがいないので戦闘時間が延びてますます混雑すると。 今待機部屋にいるパーティーにも魔法使いはいなかった。 俺たちの前に戦っていたパーティーも、おそらくはここに戻ってまたボス戦を繰り返すのだろう。 これからの時間はここのボス部屋がすくことはないか。 ダマスカス鋼が必要になったら、早朝にでも来るしかない。 「三十二階層の魔物は何だ?」 「クーラタルの迷宮三十二階層の魔物は、ロックバードです。体が岩石でできた鳥で、その岩をこちらに飛ばしてくることもあります。弱点属性はありません。土属性の魔法も使い、土属性には耐性があります」 弱点属性なしか。 またしても雷魔法に頼ることになりそうだ。 まあどの属性を使うかいちいち考えなくていいというメリットはある。 「強そうだな」 「ドライブドラゴンほどではありませんが、弱点属性がないので三十三階層までに出てくる魔物の中では強敵とされています」
そういえば三十三階層のドライブドラゴンも弱点属性はないから、遊び人のスキルはまだまだ雷魔法だ。 「それなら、今日のところはずっとロックバードを相手にするという手はあるかな。このボス部屋は混むだろうし」 セリーに同意を求める。 セリーに話しかけたのに、セリーは何も言わずにロクサーヌを見た。 やはりロクサーヌの承諾を得なければいけないのか。 俺もロクサーヌの方を向く。 「ロックバードを倒して、三十二階層のボス戦ですね」 ロクサーヌを見ると、うなずかれた。 おまえは何を言っているんだ。 「いや、ボス部屋へ行くのは明日だ。あまり急激に進むのはよくない。ロックバードに慣れる必要もある。俺はおまえたちの誰一人として失いたくないのだ」 ここは少々卑怯な手を使って切り抜けよう。 真っ先にやられるとしたら俺のような気もするが。 「そこまで私たちのことを考えてくださるのですか」 ロクサーヌは陥落と。 「それでしたら三十二階層でいいでしょう」 「三十二、です」 「それでいいと思います」 「わたくしなら大丈夫ですが、それでもいいでしょう」 全員の了承も得た。 このメンバーの中で誰かがやられるとしたら、俺かルティナになるだろう。 ロクサーヌやベスタがやられるところは想像できない。 ミリアは、可能性としては考えられるが、硬直のエストックを持っているから石化した魔物の影にでもうまく隠れるはずだ。 となれば、最初にやられるのは後衛の三人。 セリーはルティナよりレベルが高いから、俺とルティナのどっちかということになる。 パーティーメンバーの中から死者が出るような状況を考えるに、俺の回復魔法が間に合っているうちは倒されることはないはずだ。 一撃死でもない限り。 俺の回復魔法が間に合わなくなる状況で一番考えられるのはMPの枯渇だから
そのとき俺はデュランダルを出して前線に立っている可能性が高い。 後衛のルティナより前衛の俺の方が危ないだろう。 やはりメンバーの中で真っ先にくたばるのは俺か。 気を引き締めなおして三十二階層へ赴いた。 「では、ロクサーヌ。最初は少なめのところで」 「はい。こちらですね」 ロクサーヌの先導で進む。 出会ったのはロックバード二匹だった。 ロックバードは、結構大きな鳥だ。 ハクチョウくらいはあるのではないだろうか。 ハクチョウといっても直接見たことはあまりないから、自信はないが。 よく見かけるハトやカラスなんかよりは大きい。 茶褐色をしているから、名前のとおり岩でできているのだろう。 セリーの情報に間違いはない。 頻繁に羽ばたいてはいないが、翼を広げて空中に位置している。 滑空している感じか。 サンダーストームの二連打を浴びると、二匹とも墜落した。 麻痺すると飛べなくなるのは、鳥の魔物でも一緒か。 まあ当然か。 あるいは当然ではないのか。 何が常識なのかよく分からない。 少なくともそのまま下に落ちたところを見ると滑空ではなかった。 いずれにしても麻痺している隙に倒したい。 前衛陣が襲いかかる。 セリーとルティナも加わった。 ルティナは、相手が少ないので魔法は使わず、杖で殴っている。
結局、ロックバード二匹を動き出す前に始末した。 一匹はミリアが石化させている。 今回は運がよかったこともあるが、そこまでの難敵でもないようだ。 ロックバードが煙となって消えた。 残ったのは、羽だ。 鑑定すると羽毛と出る。 これがロックバードのドロップアイテムらしい。 「はい、です」 「羽毛か。何に使うんだ」 「インクをつければ、パピルスに文字が書けます」 ミリアとベスタから羽毛を受け取り尋ねると、セリーが教えてくれた。 そのままペンとして使うらしい。 「羽根ペンか」 「後、軸を取り去って布に詰め、掛け布団として使うこともできます」 「羽毛布団か」 「高価なアイテムを使う上に軸を取り除く手間隙がかかるので、羽毛を使った布団は相当な高級品です。軸を取り除かず潰したり、他のものを混ぜて入れたりする粗悪品も多いと聞きます」 「悪徳商法か」 悪質な業者というのはどこの世界にもいるようだ。 こっちではクーリングオフもないだろうし。
前回のあらすじ:ロックバードを倒して羽毛を手に入れた ロックバードが残した羽毛をアイテムボックスに入れた。 羽毛布団か。 作れるのなら作ってはみたいな。 柔らかそうだ。 そのふかふかさわさわぱふぱふの羽毛布団で寝る。 隣にロクサーヌやベスタをはべらせて。 布団の柔らかさと、ロクサーヌの肌のなめらかさと背中から尻尾にかけての毛の繊細さと、ベスタの肌の涼しさと。 最高だ。 最上だ。 眠ってなどいられぬ。 ただし、羽毛は小さい。 布団を作るのに百や二百では足りないだろう。 いったいいくつ必要なのか。 一時間にがんばって五十個集められるとして、一日十時間狩をして五百。 羽毛布団を作るのに五千個必要と考えれば、十日間三十二階層に居続けなければいけない。 うむ。それもまたよしか。 ここのところは一日に一階層ずつ上がっていくという荒行を繰り返している。 いつか壁にぶち当たるはずだ。 限界が来たとき、運が悪いと迷宮では死ぬ可能性がある。 ここらで十日程度ゆっくりするのもいいのではないだろうか。 あるいは、羽毛布団じゃなくて羽毛枕にするか。 しかし羽毛枕は好き嫌いが分かれそうな気もする。 俺が使うとなるとロクサーヌたちには強制ということになるし。 細長い枕を作れば六人全員で使える。
何か作るならせっかく得たアイテムの羽毛を売るのは馬鹿らしい。 早めに決める必要がある。 ギルドで買うのも馬鹿らしいから、自分たちで狩をするのがいい。 よし、決めた。 狩をして、羽毛布団を作ればいいだろう。 十日ほど一休みだ。 それくらいはどってこともない。 「次は、向こうですね」 「ロクサーヌ、なるべくロックバードの多いところに案内してもらえるか」 次の相手を見繕うロクサーヌに指示を出す。 「ロックバードですか?」 「せっかくだから、羽毛布団を作ってみようと思う」 「羽毛布団ですか。分かりました」 ロクサーヌの承認を得た。 これで安心だ。 「布地を買っていただければ、みんなで作ります。キルト加工が大変ですが、できるでしょう」 セリーも賛成のようだ。 なにやら大変っぽいが、作ってくれるらしい。 これで十日間ほどゆっくりのんびりだ。 「じゃあそれでいいな」 「はい」 「まあその分上の階層へ進むのが少し遅くなるが」 「いいえ。毎日少しずつ三十二階層で戦っていけば、問題はないと思います」 がーん。 俺の短慮はセリーによって打ち砕かれた。 そうか。
これで今までと同じように一日に一階層ずつ上がっていったら、戦えるかどうか確認する時間が短くなるのではないだろうか。 失敗した。 羽毛布団なんか提案しなければよかった。 まあ羽毛布団自体はほしいからいいか。 気落ちしてロックバードを狩っていく。 魔物を倒していくと、ルティナが魔法を使ったとき、一回しか撃たなかったのに俺の魔法が一回減った。 俺が次の二連打を放つ前に、ロックバードが倒れる。 「さっきより早くなったようです」 セリーがきっちり指摘してきた。 「では、三十二階層では使う魔法は一回でいいですね」 ルティナも嬉しそうだ。 おそらく、ロックバードLv32はオーバードライブに乗せた俺の雷魔法十発でわずかに残るくらいのHPがあるのだろう。 通常なら俺の雷魔法が十一回必要だか、ルティナが魔法を一回使って削れば十発で倒れると。 俺は魔法を二連打で使っているから、偶数回に減れば見た目で分かる。 外からは、六回撃っていたように見えたものが五回で倒れることになる。 ルティナも、自分が撃った魔法の力がはっきり形になって現れれば満足に違いない。 役に立っていると俺が言ったところで、実際に戦闘時間が短くならなければうそかもしれないし。 というか実際うそだったわけで。 「そうだな。ここではそれで頼む」 三十二階層で、ルティナの魔法一発と俺の雷魔法でどんどんと羽毛を溜めていった。 いや、魔物を倒していった。 同じことだが。
る。 自分の影響がはっきり形に表れるとやる気も違ってくるのだろう。 休んだのは魔物が二匹だったときだけだ。 ロクサーヌが魔物の多いところへ連れて行ってくれるので、二匹ということはあまりない。 つまり、さっきから魔法は使いっぱなしだ。 MPは大丈夫なんだろうか。 やぶ蛇になるのでほってあるが。 「魔物の群れ一つに魔法一回だと、結構撃てるものです。魔法使いは休み休み戦うものだと聞いておりましたが。なりたての場合などは特に」 気づいてしまったようだ。 ここは駄目元でもフォローするしかない。 「ル、ルティナが優秀なのかもしれん」 「そうですわね。わたくしですもの」 ちょろかった。 ロクサーヌとセリーはなにやらもの言いたげな目をしていたが、視線で黙らせる。 気合だ。 念を込めた俺の目線は二人を止めることもできるらしい。 俺にも風格が出てきたのだろう。 これぞ主人の威厳というやつに違いない。 両手を合わせてお願いのポーズをしていたのがよかったのかもしれないが。 若干二名については、気づいてもいないようだ。 まあルティナも魔法使いLv29まで育ってきているしな。 MPは問題ないだろう。 結局のところ、ルティナは昼休みまで魔法を使い続けた。 レベルも二つ上がって魔法使いLv31になっている。 もはや初心者とはとてもいえない。 徐々にレベルアップもしにくくなってきている。
ロクサーヌたちの例では、Lv30を超えるとレベルが上がりにくくなった。 これからは急激なレベルアップは見込めないだろう。 戦っている階層が上がってきて得られる経験値は増えているはずだが、パーティーメンバーが増えたのでそれだけ分散されているだろうし。 「今日は三十二階層のボス部屋には行かないんですよね」 昼過ぎにいったん家に帰って休息すると、ロクサーヌが紙切れをひらひらさせながら聞いてきた。 持っているのはクーラタル三十一階層の地図だろう。 片づけに行ったとき、ついでに三十二階層の地図を持ってくるかどうかの確認だ。 「今日はこのまま羽毛を集めよう」 「分かりました」 おお。 分かってくれた。 ロクサーヌなら、よろしい、ならばボス戦だ、と言ってくるかもと心配したのに。 こんなにうれしいことはない。 「元々ボス戦でやってきたのですし、ルティナのおかげで三十一階層でも三十二階層でも戦闘時間が変わらないのですから、事実上、ボス戦を行ってもほとんど何の問題もないと思いますが」 それなのに何故セリーが分かってくれないのか。 これは困る。 なんかセリーに言われるとボス戦にいった方がいいような気がしてくるから不思議だ。 「わたくしが役に立つのであればボス戦を行うのもいいでしょう」 「ルティナが役立っているからこそ、その間に羽毛を集めたい。それに、ボス戦はミリア頼みだしな」 「やる、です」 「問題ないと思います」 余計なことを言ったのでミリアとベスタまでが向こう側に。 味方がロクサーヌだけとは。 上に行けば石化が効きにくくなるかもしれない。 あるいは石化が効かない魔物がいるかもしれない。 慎重に進めていった方がいいはずだ。 「三十二階層のボス戦は明日な」
だいたい、三十二階層で戦っているのは三十一階層のボス部屋が混んでいる代替なのだから、今日は三十二階層のボス戦はやらなくていいのだ。 午後も引き続き羽毛を集めた。 「そろそろ夕方近いですね」 「そうか」 ロクサーヌの指示で、本日の営業を終了する。 「まだ少し早いですが、帝都に連れて行ってもらえますか。布団用の布地を購入します」 「やっぱりそういうものは帝都か」 「ご主人様が使われるのですから、いい布地にすべきです」 そういうものなんだろうか。 俺としてはどうでもいいが。 「まあ丈夫なもので頼む」 「美しく染色された絹の布地などがよいと思います」 「そうですね。いいものがあればいいのですが」 「絹、です」 いい布地にするのはセリーやミリアも賛成のようだ。 「綺麗な柄のなんかは布団カバーで使えばいいと思うが」 「布団カバー、ですか?」 セリーが尋ねてきた。 こっちでは布団カバーは使わないのだろうか。 ちなみに、今のところ我が家ではタオルケット代わりの毛布しか使っていない。 「布で袋を作って、布団の上からもう一重かぶせるんだ」 「なるほど。それなら気分によって好きな色を選べますね」 「よごれてもカバーだけ洗えばいいわけですか。カバーだけなら毎日洗えますし」 洗濯担当のロクサーヌが言ってくるが、毎日は大変だと思うぞ。 「さすがに毎日は大変だろうけどな」 「そうですか? そこまで大きなものにもならないと思いますが」 「結構な大きさになると思うぞ」 ロクサーヌとは認識の齟齬があるようだ。 「ご主人様が使う布団なので、ご主人様の体の大きさに合わせれば」 「いやいや。布団は全員の体の上に掛けられるくらいのサイズで」 俺だけが使うから小さいのでいいと思っていたのか。 「えっと。私たちもよろしいのですか」 「いやまあ全員で寝るのだし」 「ありがとうございます」 ちゃんと一緒に寝てくれるようだ。
「私も柔らかな高級品だという話しか聞いたことがないので、楽しみです」 セリーを見ても、うなずいてくれた。 「おふとん、です」 「冬に暖かそうだと思います」 「一つの布団に寝るのは、仕方ありませんわ」 みんなも大丈夫そうだ。 ベスタは変温動物の竜人族だから、冬はつらいだろう。 暖かい羽毛布団があれば安心だ。 「大きいものとなると、羽毛を集めるのも大変ですか」 セリーが考え込む。 毎日少しずつ集めればいいと言ったのは、俺用の小さいサイズだと思ったからか。 大きい布団なら時間がかかる。 やはりここは十日ほどのんびりと。 「寒くなるまでにはまだ日もあるので大丈夫だと思います」 今度はベスタがまっとうな意見を。 羽毛布団は暖かいだけが目的ではないと言いたい。 「ご主人様用のでないならば、わざわざ帝都まで行くこともないですか。布団カバーを別に作ればいいのですし」 ロクサーヌも意見の変更を考えるが、そこまでしなくていい。 そんなことを言われると意地でも帝都で買いたくなるだろう。 これは単に俺の性格がひねくれているだけか。 悪かったな。 「そう言わずに帝都まで行けばいい」 帝都の冒険者ギルドにワープした。 布団カバー用の生地も必要なら、一度に手に入れればいいだろう。 羽毛を集めるのにまだ日数はかかるとしても。 一緒に買えば三割引の特典もある。 「確か店はこっちだったでしょうか」 「そっちで大丈夫だと思います」 冒険者ギルドの外でロクサーヌとベスタが確認する。 二人は店を知っているのか。 休日のとき二人一緒に帝都を散策させたことがあったから、そのときにでも見つけたのだろう。 二人に連れられて行ったのは、布地が大量に置いてある店だった。 服屋とかではなくて、布地だけが展示されている。 あるいはオーダーメイド専門店かもしれない。 「アントナー商会ですか」 店に入るときにルティナがつぶやいた。 ルティナも知っている店だったらしい。
「知っているのか、ルティナ」 「帝都のどこにあるかまでは知りませんでしたが、布地では有名なお店です」 「場所は知らないのに知っていたのか」 名前が有名ということだろうか。 「用があるときは呼び寄せていましたので」 そういうことね。 貴族様は外商専門か。 生地のことなんかはまったく分からないので、ロクサーヌたちが選んだものを渡されたままに購入する。 もちろん、時間はたっぷりと。 布団用と布団カバー用らしい。 結構な量なので、大きさも考えているのだろう。 家に帰ると、ロクサーヌとベスタが布団を作り始めた。 といっても縫って袋にするだけだろう。 俺はその間に風呂を入れる。 風呂を入れ終わると、売らずにとっておいた羽毛を全部出した。 「じゃあ軸を取り除いて、羽毛を布団に入れるか。みんなも頼む」 夕食担当のセリーとミリアを除いて、ベスタ、ルティナと三人で羽毛布団を作る。 ロクサーヌも布団を縫い終えたらキッチンに行ってしまった。 羽毛は、手で強くしごくと割と簡単に軸からはずれた。 軸をはずした羽毛はふわふわのさわさわになる。 これならそう面倒なことはない。 ただし、数は多い。 これを毎日やっていかなければならない。 しばらくは大変だ。
「ちょっと帝国解放会のロッジに立ち寄るぞ」 「分かりました」 セリーに断り、商人ギルドからワープした。 別に連れて行っても問題はない。 長い時間一人で資料室にいたこともあるのだし。 一度家に帰って、セリーを置いてまだ出るのも面倒だ。 ワープだからほぼ一瞬だとはいえ。 話を聞くだけならそんなに長居することもないだろう。 「ミチオ様、セリー様、ようこそいらっしゃいました」 ロビーに着くなり、セバスチャンが上半身を直角に折り曲げて出迎えた。 これが毎回驚かされるよな。 俺たちが来るのを分かってたんじゃないだろうか。 そんなはずはないが。 この前来たばかりの俺はまだしも、セリーの名前なんてよく覚えているものだ。 大体、誰が来たか確認する時間さえそんなになかっただろう。 セリーは俺の後から出てきたはずだし。 「お、おう。この間のや、やつだが」 「はい」 びっくりしすぎて変な声が出てしまった。 おまけに変な声にあせり、どもってしまう失態付き。 そんな俺を落ち着かせるように、セバスチャンがゆっくりと静かに声を出す。 なんか人間としての出来が違うと感じてしまう。 「もらった装備品に融合を行ったところ、成功した。商人三人の前でやったので間違いはない。証言もしてくれると思う」 「それはおめでとうございます」
「これだ」 アイテムボックスから駿馬のエナメルハイヒールブーツを取り出した。 「お預かりしても?」 セバスチャンが微妙なことを尋ねてくる。 預けていいのだろうか。 持ち逃げする気とか。 まあそれはないか。 ないだろう。 ないと思う。 ないといいな。 それでも、預けていいものかどうか。 逆にいえば、断ってもいいものだろうか。 断って悪い印象を持たれても困る。 預り証でももらえればいいのだろうが、防具鑑定が必要だからまた面倒そうだし。 詐欺に騙されるときはこんな感じなんだろうか。 ノーと言える日本人を目指したい。 「……いいだろう」 言えなかったよ。 つい、セバスチャンの要求にうなずいてしまった。 まあ皇帝に再献上するなら結局渡すしかないよな。 それに考えてみれば俺には決闘が使える。 セバスチャンが詐欺を働くようなら叩き切ればいい。 そうなる事態を考慮に入れれば、セバスチャンもそうそう詐欺は働かないだろう。
渡しても問題ないはずだ。 と思っておこう。 誰か強力な助っ人がいるのかもしれないが。 セバスチャンは物腰が柔らかく、マナーも完璧だ。 相当上位の家の出身か、もしくはその係累だろう。 強い代理人へのツテはあると考えたほうがいい。 さらにいえばセバスチャンは帝国解放会のロッジの職員だ。 誰か帝国解放会会員の中に仲のよい人がいるかもしれない。 帝国解放会は迷宮の討伐を目指す人の集まりだから、俺より強い人がゴロゴロいる。 そちらをあてにすることもありうる。 助っ人に詐欺被害を訴えたとして、中立を選んでくれるかどうか。 当然セバスチャンは否定するだろうから、仲がよければ向こうの肩を持ちそうだ。 セバスチャンだって俺が決闘に訴えてくることくらいは当然想定するだろう。 それでも詐欺を働いてくるなら、対策はできていると判断すべきだ。 しかし、闇討ちという手もある。 何も強力な助っ人を相手にする必要はない。 決闘の代理人にはなっても、四六時中護衛につくことはできないだろう。 騙されたときはそちらを選ぶべきだな。 駿馬のエナメルハイヒールブーツをセバスチャンに渡した。 考えてみたらこれ、俺が詐欺を働くこともできるんじゃないか。 セバスチャンはどうするのか。 俺がニセモノを渡すことだってありえないわけじゃない。 結局、防具商人を呼んで防具鑑定だろうか。 商人を呼んだら、俺のことが信用できないのかと嫌味のひとつも言ってやろう。 俺だけが詐欺の心配をするのは不公平だ。 まあ言わないけど。 「ありがとうございます。確かに、お預かりしました」 「おう」
あら。 防具商人はなしか。 「こちらの品を受け取りましたことは、私セバスチャンと、あちらにいるマテウスがいつでも証言いたします。ありがとうございました」 しかも保険をかけてきやがった。 こっちが詐欺を働こうものなら向こうは二人で証言する。 向こうが詐欺を働くつもりなら、当然すでに連携しているのだろう。 たまたま居あわせた、というやつだ。 俺のほうが一方的に不利になった。 まあ、闇討ちする相手が二人になるだけか。 「いいだろう。では、また来る」 「装備品を見ては行かれないのですか。特に目新しい商品は入荷しておりませんが」 「大丈夫だ」 装備品を見たら空きスロットがいっぱいのエナメルのハイヒールブーツがあるわけじゃないですか。 ほしくなるじゃないですか。 なければないで腹も立つし。 だから、ここは見ないのが正解だ。 「早ければ明日。さすがに今日の明日では確約できませんが、遅くとも明後日にはなんらかの返答をお返しできるかと思います。本日はありがとうございました」 セバスチャンに追い出されるように、ロッジを後にする。 セリーを連れて、家に帰った。 「渡してしまったが、大丈夫だろうか?」 帰ってからセリーの意見も聞いてみる。 「何か問題が?」 「黙って持ち去るとか」 「別に強くもなさそうでしたが」 やっぱりそういう判断なのね。 持ち逃げされたら決闘で解決しろと。 弱くて勝てそうなら問題はないと。
「おぼっちゃま? どうかなさいましたかおぼっちゃま」 「……え?」 誰かに袖を引っ張られた。 うたたねの直前のように、一瞬意識が飛びかけたような感覚のあと、まわりの景色が目に入ってきた。 「え?」 さっきの「え?」とは違った意味の「え?」だ。 なんで……俺はここにいるんだ? まわりを見た。 どこかのお屋敷の大広間って感じだ。 いろんな人がいて、パーティーをしているみたい。 俺は何故かそこにいた、さっきまで仕事終わりの晩酌をしていたはずなのに……って。 「えええええ!?」 三回目の「え」は、前の二回よりも盛大に声が出てしまった。 自分の体をみる、手の平を開いてじっと見る。 俺……子供になってる? 顔をべたべた触る。 顔にしわがない、というかヒゲがまったくない! どんなに丁寧に剃っても残るあのジョリジョリ感が一切しない。 というか肌が瑞々しい! すべすべだ。 さっきまで仕事終わりの晩酌をしていたはずなのに、気がついたら子供になってた。 自分で言ってても意味が分からない、頭がどうにかなりそうだった。 「どうした、リアムよ」 遠くから渋い男の声が聞こえた。 瞬間、宴のざわざわが少しトーンダウンした。 何事かと思っていると、そばの女の人――なんとメイドが俺に耳打ちして。 「お坊ちゃま、旦那様がお呼びです」 「え?」
メイドが目配せしてくれる視線を追っていくと、宴会場になっているこの場所の一番偉い人が座るところに、一人のお貴族様がいた。 貴族は多分お酒のせいで頬が赤くなってて、まだ上機嫌なのが分かる目で俺を見つめている。 「あ、えっと……おめでとうございます?」 なんだか分からなくて、それでもめでたい席なのは分かったから、とりあえずそんな言葉を言ってみた。 すると、お貴族様は満足げに、 「うむ、今日はお前も楽しんでいけ」 といった。 とりあえずは凌ぎきった。 俺はほっとして、目立たないようにした。 そうして、まわりを見回して、聞き耳を立てて、情報をかき集める。 三十分くらいそれに徹した結果、いくつか分かってきた。 まず、俺の――何故か俺がはいってるこの子供の名前はリアム・ハミルトンという。 伯爵家ハミルトン家の五男だ。 そして、この宴会は、ハミルトンの当主――さっき俺に話しかけてきたお貴族様が、五人続いた男の子の後、初めて娘が生まれたから開いた宴会だ。 宴会はハミルトンの当主と正妻、そして娘を産んだ側室、さらには息子の五人で開かれている。 そこまではわかった。 分からないのは……なぜ俺がリアム・ハミルトンになっているのかということだ。
夜が明けても、俺はリアムのままだった。 夢とか幻とかそういうのかもしれないから昨夜の宴会が終わったらさっさと寝たが、起きても十二歳の少年、リアムのままだった。 ベッドの上でまたしてもべたべた自分の顔を触る。 ちょっとだけ心許ない。 ヒゲというのは男の証だ。 (元が)童顔の俺にとって、仕事をするときヒゲのありなしで任せてもらえる仕事にかなりの差がでる。 いい仕事――美味しい仕事。 責任が求められる仕事は、ヒゲをちゃんとしないともらえないことが多い。 そういう生活を長く送ってきたから、ヒゲの無い状態はかなり不安だ。 「おはようございます、リアムお坊ちゃま」 ドアが開いて、メイドが入ってきた。 二十歳くらいの若いメイドだ。 「お、おはよう」 「本日はどちらになさいますか」 メイドは押してきたワゴンを俺に見せた。 ワゴンの上には服が三着載っている。 「どちらって……選べるのか?」 「はい」 なんでそんな事を聞くの? って顔をするメイド。 その日着る服を選べるなんて……本当に貴族だな……。
元に戻る気配がやっぱりなくて、俺はもっと現状を把握するために、それとなくメイドから現状の色々を聞き出した。 まず、昨日のパーティーだ。 貴族というのは、三代目までその位を継承できる。 三代受け継ぐまでに何か国に対する功績を挙げられれば継承延長が出来るが、ずっとそれがなければ四代目からは平民だ。 今の当主、リアム 俺 の父親チャールズ・ハミルトンはその三代目だ。 自分の代で功績を立てなければ次からは平民だ。 そして、功績の中で一番簡単なのは、皇帝の妃に娘が選ばれる事。 それを狙っていたチャールズは立て続けに五人も男の子が産まれてしまい、ようやくの事で側室に娘が生まれたから、昨日はああして盛大にパーティーを開いたということみたいだ。 かくして、チャールズの頭の中には長男と娘の二人だけになった。 ☆ 「まあ、それでも俺達は貴族だからな」 リアムの兄、四男ブルーノが皮肉っぽく笑った。 俺の一つ上、十三歳という年齢を考えれば、微笑ましい感じのニヒルな笑い方だ。 この年頃の男の子はこんな感じで意味不明なかっこつけ方をするもんだ。 そんなブルーノと一緒にいるのは、街の私塾。 朝着替えて、朝ご飯を食べた後、ブルーノと一緒にこの私塾にやってきた。 既にメイドからある程度の知識を引き出した俺が、「妹についてどう思う」と聞いたらさっきの台詞が返ってきた。 「こうして、私塾に通えるし、その後は自由気ままな毎日だ」 「自由気ままなのか」 「はっ、ありがたくて涙が出そうになるがな。私塾に通うのも不自由ない生活をさせるのも貴族の体面のため。ハミルトンはこれでも『最古の貴族』だからな」 「最古の貴族?」 「重ねた代の数が長いだけだが、その分体面は重んじるのさ」 「なるほど」
またちょっとだけ、現状が分かってきた。 最古の貴族か……それなら延長に繋がるかもしれない、娘が生まれた昨日のあの宴会もうなずける。 皇帝や皇子が身分の低い女を見初めて、その後一族がお妃様に乗っかって成り上がる――というのは物語や演劇では定番だ。 庶民だった 、、、 俺でもよく知っている話。 いろいろ分かってきた。 分かってきた……けど。 本当に……なんで俺こうなってるんだ? 元の俺はどうなってる、いつ戻れるんだ? もしこのまま戻れなかったら……? 「ほっほっほ」 気の抜ける笑い声と共に、一人の老人が部屋に入ってきた。 いかにも好々爺って感じの、口が悪い人がいえばぼけかけてるみたいな。 そんな感じの老人だ。 「お二人ともいらっしゃってますな。では本日の授業を始めますぞ」 「適当でいいぞジジイ。努力したってしょうがねえんだ」 ブルーノがまたニヒルな感じで、全て悟りきった風な感じで言った。 「そうですか?」 「ああ、貴族の四男に産まれたんだ、この先割り切って人生を楽しめればいいのさ」 「……」 割り切って、人生を楽しむ。 俺も、そうした方がいいのかな。
「魔法?」 身が入らない授業が終わった後、俺の質問に怪訝そうな顔をするブルーノ。 「うん、魔法を学びたいんだ」 「お前変わってんな」 呆れるブルーノだが、俺がこんなことを言い出したのはもちろん理由がある。 魔法は、私塾以上の「知識」だ。 そしてその知識は「武器」で、ほとんどが皇族や貴族に独占されている。 平民だった俺は、魔法という存在をしっているし、お貴族様が使ったところも見た事があるけど、どうやって使うのかも、そもそもどうやって覚えるのかも分からない。 ブルーノの「割り切って楽しむ」と聞いて、俺は真っ先に、だったら魔法を覚えたいと思った。 「ダメなのか?」 「んなことはねえよ。屋敷に書庫があっただろ?」 「うん」 本当は知らないけど、頷いておいた。 書庫の存在は「リアム」なら知っていて当然だし、後で遠回しにメイドの誰かに場所を聞けばいい。 「そこに魔導書があるから、勝手に読めば。まっ、魔法の才能なんて百人に一人くらいしかないから、無駄な努力だと思うがね」 ブルーノは最後まで、ニヒルで達観したキャラのまま、私塾から立ち去った。 書庫の事を聞いたおれは、一直線に屋敷に戻っていく。 初めての街、色々と気になるものもあったが、今はまず魔法。 そう思って、脇目も振らずに屋敷に戻った。
屋敷の中にもどると、メイドが俺を出迎えた。 「お帰りなさいませ、リアム坊ちゃま」 「書庫はどこだ?」 「えっと……」 ご存じないのですか? みたいな顔で見られた。 「いいから、つれてって」 ブルーノに「自由に見れる」みたいな事をいわれて、興奮したせいなのかもしれない。 遠回しに聞くこととか出来なくて、ストレートに「書庫はどこ」って聞いてしまった。 メイドは不思議がりつつも、そこは一応「お坊ちゃま」、五男とはいえ貴族のご子息。 彼女はおずおずと、俺を案内した。 つれてこられた荘厳なドアの部屋。 そのドアを開き、中に入る。 開けた瞬間、奇妙な匂いがした。 「なんだ、この匂いは」 「本のにおいですね、本が多くて閉め切った部屋だとこうなります」 「そうか」 庶民の俺には無縁だった「本の部屋」、初めての匂いの正体が分かった後、俺は中に入った。 本棚にしまわれている本の背表紙を見る。 そして探す、自分の目的の本を。 すると、「初級火炎魔法」というタイトルの本を見つけた。
俺はそれを手に取って、開く。 最初のページから読んでいく。 最初はまわりくどい前置きだった。 火炎の魔法とはなんぞやから始まって、温度を上げるのは魔法のなかでも簡単な方だから、百人に一人は使える才能があるといっている。 逆に氷の魔法(火炎魔法の本なのに)は、温度を下げるのは難しいから、千人に一人の才能だって書かれていた。 その辺の事をまるっと読み飛ばして、俺は実践する方法を書いたページをめくった。 最初は、立てた指先にロウソクのような炎をともすところからだ。 それをするための集中の仕方、呼吸の仕方、体の動かし方……などなど。 それが書かれていた。 俺は一つ一つ、実践していった。 書かれた通りに目を閉じて集中して、今までしたことのないような呼吸の仕方をする。 そして書かれた通り――力を指先に込める! 「――っ! 出た、魔法だ!」 「すごい、おめでとうございます」 俺をここまで案内してきたメイドが拍手した。 自分が立てた人差し指の先で揺らめく、ロウソクのような小さな火。 そして本棚を見る、他にも色々と魔法の本――魔導書があった。 今でも何が起きたのか、まるで分からないが。 魔法を覚えた、この先も覚えられる。 訳がわからないまま始まった貴族人生だけど、俺は大いにワクワクしだすのだった。
「あ、あのぉ……」 書斎の中。 リアム 俺 の父親、チャールズ・ハミルトンが立派な執務机で何か書き物をしている。 俺が部屋に入ってきてからも、一度も顔を上げることなく、ずっと何かを書き続けている。 「リアムか、なんだ」 チャールズは顔を上げないまま聞いてきた。 「その、魔導書のことなんですけど」 「魔導書? 何かあったのか?」 「いや、書庫にある魔導書って持ち出してもいいんですか、と」 昨日この体に乗り移ったばかりの俺。 いきなり貴族になって、作法とかまるでわからないまま、敬語もどう使っていいのかわからないまま、たどたどしくチャールズに聞いた。 「魔導書の持ち出し? 読みたいのか」 「はい」 「勝手にしろ」 「あっ、はい。ありがとうございます」 「他になにかあるのか?」 「いえ、それだけです」 「だったら下がれ、私は忙しい」 「わ、わかりました」 俺は身を翻して、書斎から立ち去ろうとする。 最後に振り向いてチャールズをみるが、向こうはずっと何かを書いていて、こっちを見ない。 廊下に出た、ドアを後ろ手で閉めた。 入室して、話して、退出した。 その間、チャールズは一度も顔を上げることはなかった。
拒絶さえもされない。 ただただ無関心。 「ブルーノの気持ちが少し分かるな」 思春期でグレて、将来に希望無しといって学ぶ事をやめた四男にちょっとだけ共感を覚えた。 ☆ 許可を得た俺は、書庫から魔導書を持ち出して、屋敷の庭に出た。 この地の領主でもあるハミルトン家は、屋敷といってもちょっとした「お城」みたいな広さだ。 庭に続く裏にある林など、ちょっとした村が一つ丸々収まってしまう位には広い。 何せ、建物から出る前に、近くにいたメイドを捕まえて「どこまでハミルトン家の物?」って聞いたら。 「見えている所全てでございます」 というものすごい答えが返ってきた。 お貴族様ってやっぱりすごいんだな。 ちなみにこのまま代替わりして、平民になってしまうと、領地どころかこの屋敷さえも国に召し上げられるらしい。 そりゃあ必死にもなるな、と思った。 そんなだだっ広い、ハミルトン家所有の林に入って、ほどよく開けたところで、地べたに腰を下ろして、「初級火炎魔法」の魔導書を開いた。 両手で魔導書を開いたまま、書かれてる事を実践する。 集中して、呼吸の仕方を実践して、強くイメージする。 三分くらい集中してやり続けていると、目の前の約一メートルくらいのところに、薄く長く伸ばされた「炎」が現れた。
炎の刃、初級火炎魔法の一つだ。 魔導書が「魔導書」たるゆえんは、それが「ガイドブック」になっているという点だ。 魔導書を持ったままだと、覚えていない魔法を使うことが出来る、魔導書がサポートしてその魔法を使えるようになる。 ただし使えるまでが長いし、魔導書を持っていない時は使えない。 実際、試しに魔導書を手放してみると、作り出した炎の刃がたちまち消えてなくなった。 「毎日こなせば、徐々に発動間隔が短くなる、最終的には本書無しでも発動できるように身につく、か」 開いた魔導書のページを読みあげる。 要するに赤ん坊のよちよち歩きの時に与える歩行器みたいなもんか。 魔導書を持ったまま魔法を練習し続けると、最終的には魔導書無しでも使える様になる。 憧れの魔法は意外と簡単だし、お貴族様達がそれを大事に財産としてしまっておく理由も分かる。 俺は、魔導書で炎の刃――フレイムカッターの練習を続けた。 他にやることはなかった。 この体に乗り移る前までなら、毎日仕事に行かなきゃならないところだが、リアムになってからはそうする必要はない。 むしろ五男とはいえ貴族だ。 あくせくと働くのはみっともない行為だと見なされる。 働く必要がなくなった俺は、魔法の練習だけを続けた。 憧れの魔法の練習が出来るのは嬉しいから、毎日毎日魔法の練習を続けた。 魔導書を持った発動の時間が日に日に短くなっていく。 それがはっきりと体感できて、練習にも身が入る。 来る日も来る日も、俺は魔法の練習を続けた。
「いたいた、こんなところで遊んでたのか」 「ん? ブルーノ兄さん」 この日、林でいつものように練習をしていたら、ブルーノがやってきた。 リアムになってから早一ヶ月、ハミルトン家の事はかなり分かってきたし、慣れてもきた。 俺は何の違和感もなく、グレかけの四男ブルーノを兄と呼んだ。 そのブルーノは「はっ」って顔で、大股で近づいてくる。 「魔法の練習をしてるんだってな」 「うん、父上に魔導書の使用許可はもらってるよ」 「そんなの知ってる、当たり前だろ。あいつは今、サラをどうにかして妃か次の皇后にする事しか頭にない、俺達のことなんてどうだっていいのさ」 「あはは……」 ブルーノのいうとおりだった。 俺が魔導書の許可をもらいにいった時もそうで、この一ヶ月ずっとそうだった。 まともに目を合わせたことは無く、会話をしてもチャールズはいつも別の事をしている。 「で、どこまで覚えたんだよ。やって見ろよ」 「うん、そうだね……」 俺は魔導書を地面に置いた。 ちなみに魔導書は特殊なマテリアルコーディングってのをされてて、よほどの魔力による攻撃でもなければ傷はつかないし汚れもしない。 魔導書を置いた俺は、目を閉じて集中し、目の前に炎の刃――フレイムカッターを作り出した。 「こんな感じかな」 「……え?」 「どうしたの兄さん」 「ま、魔導書無しで……魔法を使える?」 「へ?」 「ば、ばかな。魔法を完全に覚える、魔導書なしで使えるようになるには普通一年はかかるはず……わずか一ヶ月で覚えたというのか……?」 ブルーノは、思いっきり驚いていた。
ところでコミックに小説がなかったのは、絶賛新巻執筆中と考えていいのかな? 年内は無理なんだっけ?もだワンちゃんあるかな
>>678 12月ワンチャンあるかもくらいじゃねーかな
「どうやったらそんな短い期間で覚えられた!」 「どうやったらって……」 ブルーノの剣幕に気圧された。 自分が何かまずいことでもしてしまったんじゃないか、みたいな気分になって、俺はこれまでやってきた事を思い返した。 「普通に、毎日魔導書通りにやっただけだけど」 「すると……その魔導書がすごいのか? いやあり得る、うちは『最古の貴族』、書庫にとんでもねえ代物が眠ってたとしてもおかしくねえ」 ブルーノは下あごを摘まんで、ぶつぶつと何かをつぶやいていた。 何となく邪魔するのも気が引けるから、しばらくじっと見守っていたら。 「おいリアム、それを貸せ」 「う、うん。わかった」 またまた剣幕におされて、俺は『初級火炎魔法』の魔導書を渡した。 ブルーノはそれを開いて、俺がここ一ヶ月ずっと見ていたページを見つめ、同じことを始める。 彼が魔法の練習を始めるのなら、ここは邪魔しないでどっかに行ってよう――。 「なあ、リアム」 「え?」 立ち去ろうとした俺を、ブルーノが呼び止めた。 びっくりして振り向く。 すると、ブルーノは魔導書を見つめたままだが、いかにも面倒臭そう、って顔をしているのが見えた。 そんな顔をしながら、話しかけてくる。 「お前、そんなに頑張ってよ、当主にでもなりてえのか?」
一緒? チャールズ……父上と? なにが一緒なんだろうか。 「まさかしらないのか? オヤジがあんなにしゃかりきになってる理由を」 「理由……あるのか?」 「ほら、貴族ってある程度年いったら家督を譲るのが常識だろ?」 「そうなんだ」 それは知らなかった。 俺の考えてることを、ブルーノは正確に読み取った。 「やっぱり知らなかったのか。まあ、のんびり屋のお前らしい。貴族の家督ってよ、死んだ後に移すとごたつくんだよ。そうなるよりかは、生きてて権力を持ってるうちに譲った方が、その後の混乱を治められるんだよ」 「へえ」 その発想はなかった。 お貴族様ってのも大変なんだな。 「それをやった方がもめねえですむ。まあそれで、俺達も気ままに過ごせるんだがよ」 「なるほど」 「だがよ、そこで問題が一つ出てくる。うちはオヤジが譲った瞬間、四代目になって貴族返上、庶民転落だ」 「……あっ」 「家督を譲った後も、仕事丸投げして、権力をもったまま楽しむのが当たり前だから、このままじゃそれが出来ねえから、オヤジは必死なんだよ」
なるほど……。 確かに、よく考えたら、自分の次の代が平民になるからといって、そこまで必死になるのもおかしい話だ。 父上のそれは鬼気迫っている、まるで自分の事のように。 なるほど、そういう理由があるからだったのか――。 「ああもう面倒くせえ!」 「え?」 いきなりブルーノがかんしゃくを起こした。 何事かと思っていると、彼は魔導書を俺に投げつけた。 「こんなめんどいことやってられるか! じゃあな!」 そう言って、大股で立ち去った。 「……」 俺は苦笑いした。 練習を始めてから、まだ十分も経ってないだろうに。 まあでも、魔導書が俺の手元に戻ってきたんだ。 これでまた、練習できる。 ☆ 数日後、俺は書庫に向かった。 前に持ち出した『初級火炎魔法』の魔法は全部覚えた、今度は『初級氷結魔法』の魔導書を持ち出した。
持ち出した魔導書を、林まで行くのを待ちきれずに、早速練習を始める。 火炎魔法は百人に一人の割合でつかえる、でも氷結魔法は、温度を上げるよりも下げる方が難しいから、千人に一人らしい。 その説明は普通に納得出来た。 魔法を使わないで火をおこすのは簡単だが、氷を作るのは無理だ。 そんなの、季節を待つ以外方法はない。 だから難しくて、魔法でも出来る人間は少ないのは納得だ。 だからこそ、ワクワクした。 憧れの魔法、しかも難しい氷結魔法。 それが出来たらどんなに楽しいだろうか。 俺は廊下を歩きながら、魔導書で氷結魔法の練習をした。 火炎魔法のときもそうだが、いくつかは魔導書にそのまま魔法を使うのがある。 魔導書を補助につかうから、直接かけた方が、魔導書もサポートしやすいらしい。 魔導書のマテリアルコーディングも、そのためにあるらしい。 だから俺はやってみたが――。 「うわっ!」 上手く行かなくて、魔導書が燃えた。 氷結魔法を使おうとしたのに、火炎魔法のファイヤボールを魔導書にかけてしまった。
「父上!」 俺はますます慌てた。 声の方を向いた。 すると父上が執事に何かを話しながら、こっちにむかってくる。 多分どっかに行く途中だろう。 なぜなら、父上の目は相変わらずこっちを向いていない。 「廊下で火を使うな……それは魔導書か?」 「はい」 「初級氷結魔法……うん? 今のは火ではなかったか?」 「はい、すみません。氷結は難しくて、火炎魔法が出てしまいました」 「そうか……なんだと?」 そのまま立ち去りかけた父上、立ち止まってこっちをむいた。 初めて――視線が交わされる。 「お前……魔法を勉強していたのか?」 「……はい」 どう答えていいのか迷って、俺はとりあえず頷いた。 魔導書を使う許可をもらいに行ったはずなのに……覚えてないのか。 父上はしばらく俺を見つめた。 「魔導書がなくても使えるということは、火炎魔法はマスターしたんだな? いつから勉強していた」 「一ヶ月前です」 「一ヶ月前だと!?」
「……氷結魔法はもう覚えたのか?」 父上は真剣な顔で俺をしばらく見つめたあと、それを聞いてきた。 「いいえ、今日から始めるところです」 「ふむ。私の前でやってみせろ」 父上はそう言って、身を翻して歩き出した。 ポカーンとしていると、そばにいた執事がついて行くように目配せした。 慌てて後をついていくと、暖炉のある広めの居間につれてこられた。 父上は途中で連れて来たメイドに椅子を引かせてそこに座った。 「さあ、やってみろ」 「う、うん」 ちょっと戸惑ったが、よく考えたらやることはかわらない。 火炎魔法の時で大分分かった、どのみち最初の内は魔導書頼みで、大した事は出来ない。 だから俺は割り切って、入門的な事から始めた。 魔導書を開いて、書かれていることを実行する。
ちょっとびっくりしたのが、火炎魔法に対する氷結魔法――ということでやることは正反対だって想像していたけど、それは全くの見当外れだ。 火炎は力を込めるのなら、氷結は力をぬいて――っていうのがやる前の予想だ。 だが実際は違って、氷結魔法も思いっきり力を込める事を要求された。 呼吸法、力のこめかた、それが体の中を流れるイメージ。 全部、魔導書に書かれたとおり丁寧に実行した。 どれだけ時間がたっただろうか、俺が持っている魔導書がうっすらと、表面が凍りついた。 「出来た……」 「なんと! 本当だ……凍っている」 椅子から立ち上がって、俺のそばにやってきて、魔導書に触れて確認する。 魔導書がひんやり、そしてパリパリに凍っているのを確認して、驚く父上。 「これは……なんという……」 「おめでとうございます」 ずっと父上の横についていた執事が頭をさげていった。 魔法を成功した俺にじゃなくて、父上に向かって「おめでとう」と言った。 なんでそっちなんだ? 「うむ! 天は私に味方した!」 父上は頷き、直後に見た事もないような、上機嫌な顔になった。 こんなに機嫌が良いのははじめて見る。 あの宴の時でさえここまでではなかった。
「リアムよ」 「は、はい」 「魔法は好きか?」 「え? あっ、はい。好きです」 「よし、ならばもっと魔導書を集めてやろう。欲しいと思った魔導書があれば遠慮無く私にいえ」 「え、う、うん」 何をそんなに上機嫌になっているのか分からないけど、憧れの魔法を覚える魔導書を集めてくるっていうのなら――ありがたくそれをもらおう。 「さあ、もっとやって見せろ」 「うん」 俺は再び、魔導書の魔法の練習に集中しようとしたが。 コンコンとドアがノックされた。 執事が向かって行き、ドアを開けて、ノックした相手が何かを話したのを耳を傾けた。 一通り聞いたあと、ドアを閉めて戻ってくる。 そして、父上の耳元で。 「旦那様、例の男が……」 「なに? 私の領地に逃げ込んだというのか?」 「おそらくは、ということのようです」 「むぅ……」
さっきまでの上機嫌とうってかわって、父上は苦虫をかみつぶしたような顔になってしまった。 そして何もいわないまま、俺を置いて、執事を連れて部屋からでた。 何だったんだろう。 ☆ 次の日、俺は初級氷結魔法の魔導書を持って、いつものように林にやってきた。 父上が「なんでも魔導書を集めてやる」と言ってはくれたものの、魔法はそんなに簡単なモノじゃない。 一つ一つ、地道に毎日繰り返して、身につけていく物だと、この一ヶ月の貴族生活で理解した。 だから俺はまず、初級氷結魔法を、初級火炎魔法と同じように、すべて身につけようとした。 そう思って、いつもの場所に向かった――のだが。 「……だれ?」 そこに先客がいた。 林の奥の、少し開けたところに一人の男がいた。 男は木を背にして、ぐったりとしたようすで地べたに座っている。 俺が声をあげると、向こうも顔をあげてこっちを見た。 「その格好……ハミルトンの息子、か」 「え? ああ、うん。リアム・ハミルトンっていう」
何となく名乗ってみた。 「ドジッたな、俺も。灯台もと暗しって思ってたんだが、まさか初日にここに来るとは」 「……?」 「まあ、これも運命。さあ、好きにしろ」 「えっと……何を」 「……俺を捕まえにきたんじゃないのか?」 「なんで?」 「……」 男はしばらく俺をじっと見つめた。 観察するような目だ。 心の奥底まで見透かされそうな感じがして、ちょっと居心地が悪かった。 そうやってしばらく見つめられていたが、やがて男は「ふっ」と口角をつり上げるように笑って。 「俺も神経が尖り過ぎてたな、本当に動きを掴まれてたら、こんな子供を差し向けてくるはずがない」 と、言った。 訳が分からないが、とりあえずは誤解? みたいなのが解けたみたいだ。 「へえ、魔法を勉強してるのか」 男は俺が持っている魔導書に気が付いた。
「それを見せてもらえるかな」 「え? ああうん」 俺は魔導書を渡した。 渡してから、まずいかもしれないと思った。 ブルーノとか父上とちがって、この男は他人だ。 そして魔導書は貴族にとっては財産。 それを渡してよかったのか? と、貴族になってまだ一ヶ月しかたってないから、渡した後に思い出した。 「え? 何が?」 「最後にこれを使ったのは君か?」 「うん」 「なら、この残存魔力は君のものだ。ふむ、これほどの才能はなかなかみないぞ」 男は地べたに座ったまま、魔導書と俺を交互に見比べる。 「あの……そろそろ返してもらえませんか」 「ああ、悪い悪い」 男はそういって、普通に魔導書を返してくれた。 俺の考えすぎか。 ちょっと邪推してしまったせいで、俺が勝手に気まずさを感じた。 それをごまかすために、魔導書で魔法の練習を始めた。 初級の氷結魔法、それを魔導書通りにやる。 しばらくの間、黙ってそれを見ていた男だったが。
「もっと、効率のいいやり方を知りたくないか?」 「効率のいいやり方?」 「そう。ああ、なにも変な話をするわけじゃない。初級の魔法だろ? なら繰り返して身につくって段階だろ。それは変わらない」 「はあ……」 「俺が言ってるのは――こういうことだ」 男はそう言って、座ったまま右手を伸ばした。 手の平を「パー」の形にして、俺に突き出す。 そして、五本の指それぞれに、違う魔法をつかった。 人差し指は炎、中指は氷、薬指は電気を纏っていて、小指にはつむじ風が渦巻いている。 そして親指は、熱した鉄の棒のように光っていた。 「こんな風に、同時に魔法を使うって話だ。その魔導書は俺も知ってる。アイスニードル、フローズン、コールドネイル――まあ色々あるだろ?」 「で、お前いま、それを順にやろうとしてるだろ? そうじゃなくて、全部をまとめてやれば、その分の時間が短縮できるって話だ」 「で、出来るのですか?」 「ほれ」 男は自分が突き出した右手を強調した。
「た、たしかに出来ている……どうすればできるんですか」 「おっ? いいねいいね、君、貴族にありがちな無駄なプライドが染みついてないね。普通の貴族のおぼっちゃんならここでプライドに邪魔されてお願いとかできないもんだ」 「えっと……」 俺は苦笑いした。 だって、貴族じゃないから。 一ヶ月前に何故かこの体に乗り移っただけで、俺はもともと貴族じゃない。 そういうプライドはよく分からない。 「まずは確認だ。地面に図形を描いてみろ。右手で円、左手で四角。同時にだ」 「はあ……」 何の確認なんだろう、と思いつつも、俺は言われた通りそれをやった。 二本の人差し指を突き出して、それぞれ円と四角を描く。 「おっ、上手い。練習したことがあるのか?」 「ううん、普通にやっただけ」 「なら、相性が抜群って事だ。それが出来るなら小手先のテクニックはいらない。覚えてる魔法を左手と右手で、それぞれ違うものを使ってみろ。俺がやって見せた後だ、その残滓で今なら出来るだろう」 俺は言われたとおりに、右手にフレイムカッター、左手にファイヤーボールを使った。 それはあっさり出来てしまった。
そろそろWEB版の更新も欲しいな。 え〜っと、WEB版だと将軍様は未婚で、ゼンジロウは瞬間移動覚えてララ公爵領に行くとろこだったか
漫画にSSつけるのって取り分的に漫画家か出版社が減るからやめたんかな 少しは売上減ったほうがいいのかも?
漫画にSSつけたら印税かかるという発想は斬新だね 逆にラノベの巻末にコミカライズ担当が絵や感想を寄稿することあるけどアレにも印税かかってるのか?w
ということはあれは作者がただでやってると思っているわけなんだ 斬新ねえw
基本的に原作者が出版社に頼まれてサービスで書くものなんだけどw 漫画家もコミックの表紙やコミックス作業の修正や追加ページに原稿料発生しないし
ショップ特典もサービスだよな、それそのものには印税はない 斬新だったけど、無知を晒しただけだったな
ふむ無知を晒したようだね 申し訳ない だが何故わかるのだろうか 作者ごとに契約は違ってもおかしくないのに 断言できる根拠はあるんだろか
理想のヒモ生活は例外だ!と思うのなら自分で出版社か作者に直接聞けばいいじゃない 個人的にはここまで恥晒してるのにまだ書き込みを続ける厚顔さはすごいと思うけど
無知は恥と強くは思わないからね しかもソースは示せないとなると それすら怪しいわけで みんなの中で常識のように思われているのは理解したって話
>>707 ちょっとググる努力もしない人は、無知を晒しても恥だと思わないんだなぁって思いましたまる
https://togetter.com/li/942094 無知を恥だと思わないから調べる手間も惜しむだけかと 無知だけならともかく、ドヤ顔で知ったかぶりするのはかなり恥ずかしい事だと思うけどな
>>708 ありがとうリンク先で否定されてたの見つけたよ
よしちょも @yoshichomo
@nyorozo はじめまして。出版社の経理をしているものです。わたしの勤めている出版社では、描き下ろしに原稿料が出ます。
ちなみに書店販促用のイラスト等にも出ます。会社によってそれぞれなのだと思いますが、原稿料を出す出版社もあるという自社主張でした。突然のコメント失礼致しました。
>>709 そうだねどや顔で知ったかぶりするのは恥ずかしい事だ
>>710 残念、用意されたソースじゃなくてもうちょっと調べれば原稿料出るところが数少ない例外だと分かったのにね
少年エースは角川系列だから違うだろうね
https://www.cyzo.com/2018/09/post_175878_entry.html >>712 自分が用意したソースが自分を否定してたのに気が付かなかったのはいいの?w
まあそれはいいが
その記事は出版社も変わりつつあるって内容で
一年前の記事だし
今まで書き下ろしが載っていたのに
載らなくなった理由はという
俺の発言が正しい可能性が高まっただけにしか見えないが
前から言ってるけど君は資料をまともに取り扱えないね
ついでに言うがサイゾーの記事でマウント取るのは恥ずかしい人だぞw
>>713 別に誰も全部の出版社が書き下ろしに原稿料払うとは言ってないと思うけどもw
漫画家の発言として信頼できるからソースを提示しただけだし、一般的に原稿料が出ないとされてるのは事実
たった一年で業界全体が変わって角川でも原稿料払うことになってそれをケチるために書き下ろしやめたとか妄想でしかないけどw
大企業の角川が変わったのならネットにいくらでも原稿料出るようになったって発言が見つかるだろうし
サイゾーより信頼できるソースを持ってこれるよね?
自分はソース出さないのに他人のソースにはケチつける 非常に楽チンだなぁ
印税と原稿料は別物なんだが 序盤の喧嘩がそもそも噛み合ってなくて両者恥を晒してると言うのがね
>>715 あれ、契約で違うんじゃないの?と言った俺の704の発言を補強するソースを探してくれたんじゃないの?
びっくりw
やはりコピペ荒らしのスッップの時点で透明あぼーん一択だね
>>719 契約で違う=理想のヒモ生活は書き下ろし特典にも原稿料や印税払うって意味じゃないけど
一般的にコミックスの書下ろしには原稿料はでないから出るところは数少ない例外であり
理想のヒモ生活がそれだという証拠にはならないよね
なんというか自分の都合のいい情報しか見れない馬鹿なんだなぁと
>>721 そもそもヒモ生活はそれだ!なんて俺は一言も言ってないよ
例外はあるんじゃないの?
契約で違ったりさ
と言ってるだけでね
根本的にズレてますよあなた
>>720 今回はドコグロの人も言ってたから
そうなんだこのご時世にもまだ
なんて思ってたら次から次へと例外が掲示されて
?
ってなってます
>>722 7巻の理想のヒモ生活で書き下ろしが乗らなかったのは出版社が金をケチったからだ!なんて主張してるのに頭おかしいのかな?
699 名前:この名無しがすごい! (オッペケ Srcb-FpGY)[sage] 投稿日:2019/10/15(火) 13:38:58.99 ID:XtyANPIUr [1/11]
漫画にSSつけるのって取り分的に漫画家か出版社が減るからやめたんかな
少しは売上減ったほうがいいのかも?
701 名前:この名無しがすごい! (オッペケ Srcb-FpGY)[sage] 投稿日:2019/10/15(火) 16:44:46.00 ID:XtyANPIUr [2/11]
ということはあれは作者がただでやってると思っているわけなんだ
斬新ねえw
さっきから意見が支離滅裂なんだけどそういう病気の人なんだろうかね
>>723 一概には言えない、以上の話ではないよねえ
出版社がお金使いたくないから巻末小説乗らなかったって根拠のない妄想する奴は相手にするだけ無駄 否定されたら論点ずらしまでしてムキになってるし病気の人だよ
例のスッップが勢いよく日頃のオッペケへの鬱憤を晴らしてやるーって 書き込みまくったら 墓穴を掘りまくってしまって 泣きながら病気の人病気の人って繰り返してるのほんと失笑
まわりから総ツッコミされて12レスも喚き散らしてる自分は滑稽じゃないのね 人生気楽そうで羨ましいわ
スップはドコモのiPhoneという意味で日本に同じスップが何千万っているんだけど ワッチョイが同じだけで同一人物だと思うのは恥ずかしいからやめたほうがいいよ
これは5ちゃん公式がまぎらわしいが スップとスッップは違う。スッップと一緒にしたらスップの人がかわいそうだ
docomoの契約台数が約7900万台中LTE契約台数が約6000万台 その中でiPhoneの契約者数は2000万台以下 iOS13の過渡期でiOS11を使うiPhone7世代 かなりマイノリティだから特定は楽な気が
そいつに確定しない案件を振っても無限に否定するから無駄 同じ異臭がするワッチョイいっぱいあるねくらいで十分
最低でも数百万人いるのにマイノリティという馬鹿初めて見たぞ ワッチョイ消しだから馬鹿なのは当然か
>>735 https://developer.apple.com/support/app-store/ iOS12 90%
iOS11 7%
iOS11を使うdocomoユーザーって時点でもう140万未満の割合
二年縛りや買い取りでの回転率で、二年を越える方がマイノリティだから
残念ながら100万よりも数値が低いぞ
70万も居たら御の字レベル
クッソどうでもいいことでマウント取ろうとして恥晒すいつもの馬鹿ざまぁwww
クソどうでもいいとこにマウントとろうと絡んで返り討ちにあういつもの馬鹿はお前だろうよ
>>738 699 この名無しがすごい! (オッペケ Srcb-FpGY)[sage] 2019/10/15(火) 13:38:58.99 ID:XtyANPIUr
漫画にSSつけるのって取り分的に漫画家か出版社が減るからやめたんかな
少しは売上減ったほうがいいのかも?
701 この名無しがすごい! (オッペケ Srcb-FpGY)[sage] 2019/10/15(火) 16:44:46.00 ID:XtyANPIUr
ということはあれは作者がただでやってると思っているわけなんだ
斬新ねえw
707 この名無しがすごい! (オッペケ Srcb-FpGY)[sage] 2019/10/15(火) 17:45:25.02 ID:XtyANPIUr
無知は恥と強くは思わないからね
しかもソースは示せないとなると
それすら怪しいわけで
みんなの中で常識のように思われているのは理解したって話
>>739 見事に返り討ちしたよね
まさかドヤ顔で出したソースで自滅するとはほんと滑稽
>>740 あれで返り討ちにしたと認識してるとかやっぱ病気の人じゃん
書き下ろしに原稿料払わないのが一般的であると証明されているのに
(オッペケ Srcb-FpGY)=(ワッチョイ 9701-FpGY)の7巻で特典が付かなかったのは出版社が金をケチったせいだ!っていう根拠のない妄想が否定されただけw
最低限、それで話を通したかったら今では書き下ろしに原稿料払うのが一般的であるというソースくらい欲しいなぁ
ところでこのソースについてケチつけてないけどダンマリなの?
729 この名無しがすごい! (ドコグロ MM9b-EnDg)[sage] 2019/10/15(火) 22:12:07.67 ID:afjbd6jwM
http://www.manga-gai.net/mangakasoudan/sodansitu/2008_11_18_2.html 俺はかもって話をしただけで そのあとに契約ごとに違うかもよと言っている 例外があり可能性があることだけを示せただけで話は終わってるからね それ以上を俺はする必要がないし意味もない こうして下さいお願いします負けたままは嫌ですって土下座して懇願されてもな
コミック最新刊おまけ小説なくても思ったより問題なかった 連載追ってないから漫画自体が目当てだったからか
>>742 極少数の例外があるだけでヤングエースはそれではないのは明白であり
一般的に原稿料が出ないことを知らなかった (オッペケ Srcb-FpGY)=(ワッチョイ 9701-FpGY)の負けだよ
そもそも原稿料が出たところで出版社が金をケチる為にSS載せなかったって考え自体が突拍子も無い妄想なんだがw
ああ、無知を恥だと思わない病人だから負けだと思わないのかw
ワッチョイの書き方も人によって全角半角色々だがコピペ荒らしは ()まで含めて書いてて分身も皆同じ書き方なので見分けやすい
単にコピペしただけでは? まさか手打ちしてるとでも思ってるのか
コピペもカタカナの所だけかアルファベットまでが()までかで個人差が出るからね
細かなディテールのいくつかが被るのが偶然でも 全体が同じ印象なら 事実はどうであれ同一人物と思われるのは道理であるよなぁ 現実がどうなのかと 印象はまた別の話だしね
2日ぶりの書き込みがそれじゃ 召喚儀式やってるのと変わらんな ちょうど暴れる週末に
延々とスレと関係ない話題を続ける時点でオッペケも同レベル以下の荒らしだよ
四公家のシュラちゃんにそろそろツンデレキャラとして参戦して欲しい。
部族の誇りを大事にしている二家は善治郎の新型魔道具の考案に 相当喜んだだろうからその反応は読みたい
林の中で俺は自分の幻影と向き合っていた。 幻影が拳を突き出す。 俺達は頷きあう。 幻影の手から五発、、の魔法が放たれた。 初級無属性魔法・マジックミサイル。 魔法の中で一番簡単なものだと言われている。 魔力を放出して、目標に向かって撃つ。 それだけの魔法だ。 故に、何かしらの魔法を使える人間であれば、二分の一の確率で使う事ができるといわれている。 そのマジックミサイルを、幻影は五発同時に撃ってきた。 俺も拳を突き出して、 「マジックミサイル!」 同じように、五発のマジックミサイルで迎撃した。 先に撃たれたマジックミサイルを、後発のこっちが狙って、迎撃する。 そういう鍛錬だ。 精霊を召喚して行使する召喚魔法を「自動」だととらえるのなら、普通の魔法は「手動」だ。 精霊に命じるのは便利だが、結局の所、別の人格に命じてやらせるということは、意思の疎通もそうだが、細かいところで完全に自分がやりたいことではないということになる。
その点通常の魔法は、コントロールする力さえあれば、精霊に任せる以上の細かい操作や調整が出来る。 というのは、ここしばらく精霊に色々させた結果分かったことだ。 その細かい操作を覚えるのは、マジックミサイルが一番だと考えた。 マジックミサイルは「魔力を放出するだけ」の魔法だ。 細かい操作は自分でやらないといけない。 だから俺は幻影にマジックミサイルを撃ってもらって、それを迎撃する鍛錬をしている。 ちなみに、限界の七発じゃなくて五発なのは、幻影――契約召喚:リアムで魔法の枠を一つ使っちゃってるからで、七発は撃てない。 そして素数でしか撃てないから、六はダメで、飛んで五まで下がってしまう。 幻影とのマジックミサイルを撃ち合いを続ける中、俺は考えた。 召喚魔法は「維持して」使うもの、つまり常に一枠使う。 そして素数の関係上、一体召喚しても二枠食ってしまう。 もう一人、だれか召喚出来るようにしたいな、と思った。 考えごとしながら撃ち合っていると、ふと、幻影が俺に目配せしてきた。 合図だ。 俺は召喚をといて、幻影を消した。 直後、バキッ、と地面の小枝を踏み抜いた音がした。 振り向くと――ちょっと驚いた。
アルブレビトが話しかけてくるなんて――この体に乗り移ってからで初めての事だ。 数ヶ月で初めて話しかけられた。 兄弟でも、貴族の長男と五男では、そもそも「身分」と「未来」が違う。 ちなみに次男や三男などは暇で毎日ぶらぶらしてるから、朝起きて遭遇したら挨拶したり世間話したりする。 長男だけが特別なのだ。 「魔法の練習をしていたのか?」 「え? あ、はい」 「なるほど、最近、すごいじゃないか」 「え?」 「お前が結構魔法得意だって、使用人の間で持ちきりだ」 ふと、背中がぞわっとした。 そして気づく。 アルブレビトの口は笑っているが、目にはっきりとした敵意がこもっていることに。 「使用人達はとにかく暇ですから、噂に出来る事には見境がないんですよ」 俺はとにかくすっとぼけることにした。 アルブレビトの敵意、真っ向から受け止めてはいけないと思った。
「そうか。そういえば聞いた事はなかったが、リアム、お前は将来、何になりたい?」 「――っ!」 直感が俺に教えてくれた。 ここは慎重に答えるべきだと。 俺は少し考えた。 相手は長男……次の当主。 多分……俺を疑ってるんだろう。 なら。 「出来れば、早く独立したいですね」 「ほう?」 「独立して――そうですね、腕一本で食べていけるような職業がいいですね」 「物好きだな」 「そういうのが好きなので」 「ふむ」 返事は正解だったみたいだ。 俺が遠回しに「家督で争うつもりはまったくない」と言ったら、アルブレビトの目にこもっていた敵意がかなり薄れた。 「魔法は得意だったな」 「はい」 「なら、ハンターギルドに紹介してやろうか」
ハンターギルド――ギルド。 木炭の一件もあって。 本当にギルドを紹介してもらえるのなら、むしろ受けるべきだなと俺は思った。 ☆ ギルドというのは、いわば同じ技術をもった人たちが集まって出来た寄り合い所帯だ。 ハンターギルドはその名の通り狩人、獣やモンスターを狩る人たちが集まる場所だ。 街に一つだけあるハンターギルドにやってきた俺。 中にはいると、視線が一斉に集まった。 酒場とほとんど同じ構造で、奥にカウンターがあって、至る所にテーブルがある。 テーブルでは見るからにハンターっぽい人たちが座っていて、その人たちが俺を見ている。 「なんだあ? 子供じゃねえか」 「ここは子供が来る場所じゃねえぞ」 「おつかいかい、ぼく」 外野の声をまるっと無視して、奥のカウンターに向かった。 カウンターの向こうに座っている、まんまると太った男に話しかけた。 「ギルドマスターですか?」 「リアム・ハミルトンだな」 俺は頷いた。 「アルブレビト様から話は聞いてる」
俺は頷いた。 「早速だが、試験を受けてもらう」 「試験?」 「アルブレビト様に頼まれたとは言え、ハンターは実力主義の社会だ。実力以上のところに送り込んで死なれたら言い訳のしようが無い」 「なるほど」 「魔法が得意だったな、何かやってみろ。ゆっくり詠唱してもいいぞ」 「詠唱?」 「詠唱も知らないのか」 ギルドマスターは「はっ」と鼻で笑った。 やれやれとんだ子守だ――と言われた様な気がした。 「魔法の発動を補助する呪文みたいなもんだ。人間であれば、例外なく詠唱しない時よりも詠唱した方が強力な魔法が使える」 「なるほど」 それは初耳だ。 もっと聞きたいけど、これ以上教えてくれそうな空気じゃなかった。 面倒臭いから早くしろ、っていう顔をしていた。 「攻撃魔法だけど、どこに撃てばいい」 「俺にうってこい」 「わかった」 仕方ないから、俺はマジックミサイル・五連、、を放った。 五発の魔力弾が飛んでいった。 ギルドマスターがぎょっとした。
ギルドマスターからライセンスをもらった。 ギルドに所属している証で、俺の名前と今のランクが書かれている。 それをしまって、さて次はどうするか、と思っていると。 「ねえ、ハミルトンの人って本当?」 背後から声をかけられた。 振り向くと、活発そうな少女が見えた。 年は十五〜六くらいかな、身長は150センチとそこそこ、高い位置に結ったポニーテールがとても似合う美少女だ。 「えっと、うん。リアム・ハミルトンっていう」 「そっか、あたしはアスナ、アスナ・アクアエイジ。名字格好いいでしょう、こう見えて十代前まではうちも貴族だったんだよ」 「そうなんだ――って、十代前?」 納得しかけて、「あれ?」って思った。 十代前って、言葉通りの意味? いやでも、ものすごく自信たっぷりに言ってるし、自慢してる風にも聞こえるし。 なにか別の意味があるのか? なんて、戸惑っていると。
「あは、ごめんごめん。ちょっとした小ネタだから。覚えやすくていいでしょ」 「あ、ああ。そういうことか」 「ちなみに十代前まで貴族なのは本当だから」 「そうか。よろしく」 なんとなく手を差し出して、アスナと握手した。 明るくて、結構好きなタイプの子だ。 まあ「子」っていっても、俺が十二歳のリアムに乗り移っちゃったから、今は俺が年下になっちゃったけど。 「ねえ、一緒に狩りにいかない?」 「一緒に?」 「そ、協力してさ。狩りって危険だし、パーティー組んだ方が色々安心じゃん?」 「なるほど……分かった」 「そうこなくっちゃ」 アスナはパチン、と笑顔で指を鳴らした。 ☆ 俺はアスナと一緒にギルド、そして街を出た。 街道に沿って、一直線に郊外に向かっていく。 「そういえば」 「なに?」 「依頼とか受けなくてよかったの? それとももう受けていたとか?」
ハンターギルドといえば、依頼をうけて、モンスターや凶暴な野獣を討伐していくってイメージだ。 そういう話を、昔酒場で聞いた事がある。 「依頼を受けてやるのはAランク以上の案件だからね」 「え? どういう事?」 「Aランク以上のは、いるだけで危険だったり、すでに悪さをしてたりっていう相手だから、依頼をうけてピンポイントに倒しに行くのね。でも普通はこんな風に――」 アスナはメモを差し出した、びっしりとモンスターや獣の名前が書かれてある。 「近くにいて、もしかしたらこの先危険になるかもしれないのを、見つけて倒して、それで報告して報酬をもらうんだ。例えばこれ」 「うん?」 メモをのぞき込む、アスナが指しているブスボアって文字がみえた。 「このブスボアってヤツ、渡り鳥みたいな習性で、この辺は通り道なんだ。いるかどうかわからないけど、渡ってくるときは間違いなく危ないからさ」 「なるほど……なんか掃除みたいだ」 「うまい! うん、まさにそれ。リアムって頭の回転はやいね」 「そうかな」 アスナと歩きながら世間話をする。 ここ最近一人で魔法の練習とかばかりやってたから、フレンドリーで、壁をまったく感じさせない美少女との会話はとても楽しい。 「ああっ!?」 「どうしたの?」 「あれ!」
アスナは立ち止まって、前方を指さした。 彼女が指す先を目で追いかけていくと、ちょっと大きめの、一匹のハチが飛んでいるのが見えた。 ミツバチの倍くらいはあるそれだが。 「そのハチ? がどうしたの」 「あれキンバチだよ」 「キンバチ?」 「うん! 金属のかけらを集めて巣に持ち帰る習性があってさ、その巣はちょっとした宝箱なんだ」 「へえ、そういうのがいるんだ」 「ああいっちゃう! どうしよう、キンバチの巣はすごく見つけづらいので有名なんだよな。どうやって追いかけよう」 「それなら任せて」 「え?」 「ペイント」 俺は、人の気配を感じて逃げていくキンバチに魔法をかけた。 すると、キンバチの体から、ピンク色の煙みたいなのが出てきた。 まるで夜の花火のように、キンバチは長い長い、ピンク色の煙を引いていく。 「何かしたの?」 「そうだった」 俺はパチン、と指を鳴らす。 ピンク色の煙は普通は術者にしか見えない、他の者が見えるようにするにはちょっとした工夫がいる。
俺は、アスナにも魔法をかけてやった。 「あっ! ピンクいのが」 「ペイントって言う名前の魔法だ。狩りで追跡の為によく使われるらしい」 「なんかすごいっぽい!」 「基本だよ、狩りの。必須魔法とも言えるけど」 俺はキンバチを見た。 既にキンバチ本体はどこかにいってしまって見えなくなっているが、ピンクの煙がずっと残っている。 アスナと一緒に、その煙をおっていく。 街道から離れて、森の中に入った。 獣道ですらないところを、どんどんピンクの煙だけを目印に追いかけていく。 やがて、何でも無い地面に蜂の巣があった。 「あった! こんなところにあるのかあ、こりゃリアムの魔法がなかったら見つけられなかったね」 「あの巣の中にお宝があるんだよね。ハチはどうするの?」 「えっと、金属で誘き出して、それごとやくのが一番だけど。まずったな、何も持ってきてないや」 「任せて、黄金でいいんだよね」 「むしろそれが一番食いつきいい」 「なら――アイテムボックス」 「な、何それ。それも魔法?」 「うん」 箱の中に手を入れて、一キロ分の砂金を取り出した。 「すごい! 袋を自由自在に出し入れできるってことだね」 「まあそういうことだ」
俺は頷きつつ、砂金を地面にばらまく。 すると、巣の中からあっという間に大勢のハチが飛び出してきた。 ハチは黄金に群がった。 「そもそもだけど」 「なに?」 「巣ごと焼き払えばいいんじゃないのか?」 「それはだめ。キンバチが分泌する体液ってね、金属同士をなんか結合させるから。たまに珍しい金属が出来てたりするから、巣は壊さないで持ってった方が高値がつくの」 「なるほど」 そうこうしている間に、ハチがほぼ総出で砂金に群がったから。 「イフリート!」 炎の精霊を呼び出して、出てきたハチをまとめて焼いた。 「これでよし、かな。どうしたの変な顔をして」 「リアム……あんた一体いくつ魔法を覚えてるの?」 立て続けに魔法を使う俺に、アスナは思いっきり驚いていた。 俺はにこりと微笑みながら、エサに使った砂金を回収してアイテムボックスに入れて、キンバチの巣も回収した。 その巣を街に持ち帰って、鑑定してもらうと。 結構品質がよくて、中身もたっぷりで。
「リアム! 昨日はありがとね!」 ハンターギルドに入った途端、アスナにつかまってお礼を言われた。 昨日とは、キンバチの巣を換金した話だろう。 この一帯では、庶民の生活は主にジャミール銀貨という貨幣が使われる。 貨幣というのは、使われている銀――または金、銅の含有量、そして発行している国の信用度等々で価値が変わる。 ジャミール銀貨は、銀の含有量も鋳造のくっきり度も安定しているから、よく使われている。 その価値、大体100枚で、単純労働者の一ヶ月の収入だ。 ちなみにジャミール金貨というのもあって、銀貨100枚でおおよそ金貨四枚というレートだ。 そこまで高価だと日常的には使いにくいので、商取引とか、国や貴族の間の褒美に使われる。 昨日のキンバチの巣は300枚の値がついた、それを山分けしたから、アスナも俺も庶民の一ヶ月くらいの収入を得たことになる。 「ほっんとうにありがとう!」 「ううん、キンバチを見つけたのはアスナだから。俺こそありがとう」 「へへ……ねえ、今日はどうする? ここに来たって事は、また狩りにいく?」 「そのつもりだ。さっきすれ違ったハンター同士が言ってたけど、西の街道の野犬掃除があるんだって? そっちいってみる?」 「……」 「どうした、鳩が豆鉄砲を食らったよう顔をして」 「うん、びっくりしてるの。あたしてっきり、昨日のキンバチに味をしめて、今日も探しに行こう、とか言い出すって思ってたから」
アスナと一緒に、街を出て西の街道にやってきた。 「なんでも、近いうちにお偉いさんが通るから、この道を綺麗にしなきゃなんだって」 「お偉いさん……もしかしてなんとか伯爵なのかな」 「なんとか伯爵?」 「俺も名前はよく覚えてない。父上の知りあいで、今度奥方を連れて訪ねてくるって小耳に挟んだ」 「なるほどね。ま、そんなのはどうでもいいのよ。重要なのは、ここに出没する野犬を狩って、それをギルドに持っていったら数に応じて報酬がもらえるって事」 「たしかに」 まったくもって、アスナの言うとおりだった。 現場のハンターからすれば、本当に伯爵様が通るのかどうかなんてどうでもいい話。 アスナの言うとおり、狩った獲物を持っていけば換金できる、という事だけが重要なのだ。 「その野犬って、どういうの?」 「普通のちょっとおっきい犬。でもすごく凶暴で、咬まれるとやっかいな病気にかかるのよ」 「なるほど。アスナは狩った事はあるの?」 「うん。こう見えても、これ、得意なんだ」 アスナはそう言って、二本のナイフを持ちだした。 共に逆手に構えた二本のナイフは結構様になった。
「接近戦なんだ」 「弓矢はどうにも苦手なのよねー」 アスナはあっけらかんと笑った。 俺はなるほどと思った。 「それなら――シェル」 初級身体強化魔法、シェル。 それをアスナにかけた。 「なになに? あたしになにかしたの?」 「体を強化する魔法、簡単に言えば防御力があがる。簡単なものだから効果もそれなりだけどね」 「そんなのも使えるんだ!」 「気休め程度だけど、ないよりはましでしょ」 「へえ……ねえ、武器を強化する魔法ってない?」 「あるけど……やめた方がいいよ」 「なんで?」 「武器を魔法で強化すると、攻撃力はあがるけど、その分もろくなって壊れやすいんだ」 「そりゃこまるね」 アスナは納得した。 これは、俺の中身が貴族の五男にのりうつった庶民だからでる発想だ。 庶民のほとんどは、仕事道具をワンセットだけもっていて、それを大事に大事に使っている。 場合によってはその仕事道具を子供に受け継がせて何十年と使い続ける。
一時的に使いやすくなって、その分壊れやすくする魔法は庶民にはむしろマイナスになる。 アスナも庶民で、すぐにそれを納得した。 そんなアスナと街道をすすむ。 すると、野犬の群れと早くも出くわした。 前と後ろと、五匹の中型犬が俺達を取り囲む。 「いきなり囲まれちゃった、まずいね」 「大丈夫――トドメは任せていい?」 「え? どうするの?」 「こうするのさ――ノーム!」 土の下級精霊・ノームを五体同時に召喚した。 ノームは野犬に向かっていった。 見た目がモグラなノームに、野犬は咬みついた。 鋭い牙がノームの体に食い込んだ――瞬間。 ノームの体が膨らんだ。 一瞬にして倍――いや三倍に膨らみ上がった。 咬みついた野犬は、牙が突き刺さったこともあり、一瞬で膨らんだことも相まって。 あごを限界まで開かれて、開くことも閉じることも出来ない状態に陥った。 「アスナ!」 「やるじゃない! 後は任せて!」 最大の武器である口そして牙を封じられた野犬の群れに、アスナは飛びかかっていく。
最大の武器である口そして牙を封じられた野犬の群れに、アスナは飛びかかっていく。 口の中の獲物がいきなり膨らんで、パニックになる野犬たち。 アスナはその野犬の急所にものすごく正確に刃を突き立てていき、あっという間に五匹の野犬を始末した。 俺はパチンと指を鳴らす、ノームの召喚をとく。 「それ良いじゃんリアム、こういう釣りってあったよね」 「それからの発想なんだ」 「そっかー。よし、これを持って帰って換金しよう」 「ううん、このまま行こう――アイテムボックス」 俺はアイテムボックスを出して、野犬の死体を入れた。 ―――――――――――― 海水 5,000,029リットル 純水 5788リットル 純白炭 318キログラム ジャミール銀貨 186枚 砂金 100キロ 野犬の死体5匹 ――――――――――――
「こんなに!?」 ハンターギルドに戻って、アイテムボックスから出した野犬の死体を積み上げると、ギルドマスターが盛大にびっくりして、カウンターの向こうから飛びだしてきた。 野犬の死体を触ったりつっついたり、ひっくり返したりと、本物かどうかを確かめた。 もちろんそれは本物で、ギルドマスターはますます俺達を驚きの目で見た。 「全部で42体――なんだっけ、リアム」 「ああ、42体だ」 記憶に頼るアスナとちがって、俺は直前にアイテムボックスで全部が42体あると確認しているから、断言した。 「すごいな……ここにあるだけで、今日狩られた分の九割になるぞ」 「ふふ。ねえマスター、報酬をちょうだいよ」 「ああ……分かった。1頭あたりジャミール銀貨3枚だ。半分ずつでいいな?」 「ああ、それで頼む」 アスナが答える前に、俺が頷いた。 ギルドマスターが部下に合図した。 その部下は野犬の数を数えようとしたが。 「後で良い。21頭ずつの報酬を二つにして持ってこい」 部下は慌てて奥に駆け込んでいった。 そのやりとりを見ていたアスナがなぜか嬉しそうだった。 「どうした」 「今みたいのって嬉しいじゃない。信用してくれたのと、目の前で数えるのは気分を害するからやめろ、っていう気配り」 「ああ、なるほど」
このリアムの体に乗り移る前でも、商取引でたまに見かけた。 商品も代金も、その場では数えないで取引するの。 確かに、信用してくれたからこういう話になるよな。 アスナが嬉しそうで、微妙に誇らしげなのも分かる。 「すごいなお前達。その力を見込んで、依頼したい事があるんだが」 「ええっ!? 本当に?」 アスナが盛大に驚いた。 嬉しそうなのがより強くなった。 「嬉しそうだな」 「だってそうだよ。ギルドの方から依頼を持ちかけてくるのは珍しいよ。普通は貢献度と力を認めてもらった人にだけだもん」 「なるほど」 言われてみればそうなるよな。 ということはギルドマスターは俺達を認めたってことか――いや。 ギルドマスターは俺を見つめている。 アスナじゃなくて、俺をじっと見つめている。 どうやら、認めたのは俺の力の方のようだ。 「何をすればいいんだ?」 「あの街道に、モンスターが1体いる。それを退治してもらいたい」 「モンスター!?」
アスナが声を上げた。 同時にギルドの中がざわざわした。 「おいおい……あんな子供にモンスター討伐、大丈夫なのか?」 「だったらお前が1日で野犬40頭を狩って来いよ」 「……ちっ」 一部ではまだ疑問視する声もあるが、それに反論――俺の力を認める側に立つ声も増えてきた。 モンスターと獣の違いは、モンスターが体内に魔晶石を持っている点が一番大きい。 それのせいなのか、本能で動く野獣とは違って、モンスターは時には魔法を使ったり、人間のように高度な戦闘術を駆使したりする。 同じような見た目のモンスターと獣でも、モンスターのほうは危険度が5〜10倍は上だと言われている。 「どうだろうか」 「わかった、引き受けよう」 ☆ 次の日、俺はアスナと合流して、再び西の街道にやってきた。 1日空けた理由は二つある。
一つは、西の街道の「お掃除」はお偉いさんが通るためのものだから、昨日すぐにやらなきゃいけないわけじゃない。 もう一つは大事をとって、一晩休んで魔力を回復させるためだ。 俺は常に魔力を使い込んでいる。 一般的に、魔力は使えば使うほどその上限が増えていく。 俺の場合それに加えて、魔法の同時発動上限数も上がっていく。 普通の獣相手なら多少魔力が減ってる状態でもどうにかなるけど、相手はモンスターだ、万全を期したい。 何しろ、死んだらそこでおしまいだからだ。 「うーん、この魔物って、あたしは苦手かも」 アスナは歩きながら、ギルドマスターからもらったメモをながめて難しい顔をしていた。 「カーネバキャタピラー、でっかい芋虫ってしか書かれてないけど」 「人間と同じくらいでっかい芋虫だってさ」 「それはいやだ。芋虫でそうなら、蝶々になったらもっとでっかくなるだろうな」 「あっ、それは大丈夫。普通の生き物じゃなくてモンスターだから、芋虫の見た目だけどそれでもう大人だって」 「なるほど」 モンスターの事はあまり常識で考えない方がいいかもな。 「しょうがない、わりきっちゃう!」 アスナはパチン、と自分の頬を両手で挟むように張った。 気合を入れて、こっちを見る。 「長引くのもヤだから、さっさと見つけて今日中にかたづけちゃお」 「そうだな、だったら」
俺は立ち止まった。 アスナも立ち止まって、不思議そうにこっちを見た。 「実戦で使うのは初めてだからどうなるかだ……エネミーサーチ」 初級の探索魔法、エネミーサーチを使った。 モンスターの場所を一瞬だけ探索する、それだけの魔法だ。 これとペイントを組み合わせて使うのが、初級魔法の定番コンボらしい。 中級以上だと一つで両方の効果が出る魔法もある、いつか覚えたい。 「なに? 何をやったの」 「モンスターを見つける魔法だ」 「そんなのも出来るの!? ねえ、一体どれくらいの魔法を覚えてるわけ?」 「ざっくり100」 「100!?」 アスナはポカーンと口を開けはなってしまう。 信じられない事を聞いたって顔をした。 「100なんてあったらあのハンターギルドで一番強いじゃん……貴族ってみんなそんなにすごいの?」 「どうだろうな」 俺は曖昧に笑って、魔法の方に意識を向けた。 「あれ?」 「どうしたの?」 「モンスターが2体いる」 「なんですって?」
眉をひそめるアスナ。 「どうする?」 「ちょっと待って、ギルドに戻って聞いてくる」 「え? あっちょっと――」 止める暇もなく、アスナは風のように町の方に向かって駆け出していった。 手持ち無沙汰のおれ、もう一度エネミーサーチをかける。 うん、やっぱり2体いる。 距離はちょっぴり離れてる。 しばらく待つと、アスナが戻ってきた。 全力で駆け抜けたのか、肩で息をしている――が。 顔は、ちょっと嬉しそうで、自慢げだった。 「どうだった?」 「把握してなかったって。もし本当に2体いて、両方とも狩ってきたら5倍の報酬払うって」 「2体で5倍か」 ちょっと驚いた。 「見つからないまま、お偉いさんを通しちゃうと大変だって」 「そりゃそうだ」 俺は頷いた。 「すごいよリアム、それ超大発見だよ」 アスナは、ものすごく興奮していた。
「困ったね」 「困ったな」 撤退、、してきた俺とアスナは、街道から大きく離れた荒れ地の中にいた。 辺りは何もなく、遠くには岩山が見える。 俺達は大きな岩の後ろに身を隠していた。 「かったいね、あの芋虫」 「硬かったな。まさか手持ちの魔法が全部効かないとは思わなかった」 「それもそうだけど、あたしはむしろリアムの魔法の数に驚いてるよ」 「え? 100はあるっていっただろ?」 「聞いたけど、冗談だっておもうじゃん、普通」 冗談で言ったつもりはないんだけどな。 それはそうと、ちょっと困った。 モンスター・キャタピラー。 巨大な芋虫は、予想外に硬かった。 ファイヤーボールやアイスニードルなどの魔法はまったく効かなくて、サラマンダーやシルフなどの精霊による攻撃もはじかれた。 ついでにアスナのナイフもはじかれ、まるで金属に叩きつけたかのように刃こぼれしてしまった。 攻撃が全部効かなかったから、被害が出る前にさっさと退却してきた。
ファイヤーボールやアイスニードルなどの魔法はまったく効かなくて、サラマンダーやシルフなどの精霊による攻撃もはじかれた。 ついでにアスナのナイフもはじかれ、まるで金属に叩きつけたかのように刃こぼれしてしまった。 攻撃が全部効かなかったから、被害が出る前にさっさと退却してきた。 「モンスターと戦うの初めてだけど、いやー、ギルドが特別視するの分かるわ」 「そうだな」 「……ねえ、リアム」 「ん?」 アスナの方を見る。 彼女は名案を思いついたような、そんな顔をしていた。 「昨日シェルって魔法をかけてくれたよね」 「ああ……それがどうした」 「防御力を上げる魔法があるんだから、攻撃力をあげる魔法もあるよね。リアムそれを使えたりしないかな」 「それはおすすめしない」 俺は速攻で却下した。 すると、思いついたアスナは唇を尖らせてしまった。
「なんでさ」 俺は手の平をアスナの目の前に出した。 「俺の手を軽く殴ってみて」 「こう?」 パチン、っていい音がした。 「今度は思いっきり殴ってみて」 「うん」 パァーン!! と、さっきよりもかなりいい音がした。 「強く殴ると、アスナの手も痛いだろ?」 「うん」 「攻撃力をあげる事はできるけど、体にも相応の負担がかかっちゃうんだ。棒で何かを殴って自分の腕の骨を折っちゃう人、たまにいるでしょ」 「あー……そっか、そりゃダメだ」 そういう落とし穴がある。 攻撃力を上げると、自分の肉体がその上がった力についていけない、耐えきれない。 それよりも今は力が欲しい! って絶体絶命の場面もあるだろう。 とはいえ、それは今じゃない。
「やっちゃおう」 ☆ 少し離れたところでみていた。 さっきまでいた道で、アスナがキャタピラーから逃げている。 トラとかライオンとか、あのあたりの猛獣を彷彿とさせる巨体で、フォルムがまんま芋虫だ。 それがアスナを追いかけている。 アスナは時々立ち止まって、攻撃して――キャタピラーをおちょくっている。 それで怒ったキャタピラーがアスナを執拗に追いかける。 「頃合いだな」 俺はそうつぶやき、空に向かって7発のファイヤーボールをぶち上げた。 アスナの遙か頭上で火球がぶつかりあって爆ぜる。 綺麗さはまるでないが、即席の花火にはなった。 それを見たアスナが速度をあげた。 元々キャタピラーから一度は逃げ切れた、速度的には全然足りる。 おちょくるのをやめたアスナは、ぐんぐんキャタピラーを引き離した。 距離が充分離れたのを確認して、俺は――
「アイテムボックス」 キャタピラーの上空にアイテムボックスが呼び出された。 逆さに呼び出されたアイテムボックスから、巨大な岩が出てきた。 直径が優に二十メートルはある巨大な岩。アスナと打ち合わせしたときに、近くの岩山に見えたのをアイテムボックスに取り込んだものだ。 それがまっすぐ落下して――キャタピラーをつぶした。 俺は岩に近づく。 アイテムボックスを使って、その岩を再び取り込む。 すると、岩がなくなった巨大なクレーターの底に、ぺしゃんこになったキャタピラーの死体が見えた。 「すっごーい。なに今の! 今のなに!?」 戻ってきたアスナは語彙が大分減っていたが、その分興奮して、きらきらした瞳で俺を見つめていた。 俺はアイテムボックスの事を説明して、巨大な岩を入れて、出した。 それだけだと説明すると、彼女はますます目をきらきらした。
数日後、例のお偉いさんがやってきた。 ハンターギルドから、俺とアスナに、出迎えの要請がきた。 やることは簡単、街の外で並んで、お偉いさんが来た時に拍手で迎える事だけだ。 もちろん普通の住民もそうするが、ギルドに推薦された人は最前列に並ぶ。 腕一本で勝負する各ギルドに所属する人間は、貴族などに見初められることがその後の生活に大きく関わってくる。 だから一番前に、みられるところに立てるのはかなり大きい。 一種のご褒美だ。 俺とアスナは、キャタピラーを二体も倒した功績で、ハンターギルドから推薦された。 そうして、ここに立っている。 ちなみに、父上チャールズと、長兄アルブレビトはホスト――ゲストのお偉いさんを迎え入れる側だ。 父上は俺がそこに並んでいるのをみて複雑そうな顔をしたが、アルブレビトは満面の笑顔で話しかけてきた。 「早速そこに立てるとは、ハンターギルドに推薦した私の目に狂いはなかった。これからも励めよ」 と言って去っていった。
「あれ、リアムのお兄さん? なんかやな感じ」 横で聞いていたアスナが珍しく不機嫌になった。 「どういうこと?」 「マウント取りに来たじゃん、いま。お前はそこ、俺はここ。って」 「……ああ」 なるほど、って思った。 そして色々つながった。 貴族の五男になってからまだ数ヶ月だけだが、それだけでもお家騒動のいろんな話は聞いてきた、だから想像出来た。 長男でアルブレビトには、それ以外の男の兄弟は邪魔なんだ。 男の兄弟は何かあれば自分の跡継ぎの地位を脅かす存在。 だから俺をハンターギルドに推薦したし、俺がハンターとして活躍すればするほど家から、跡継ぎレースから離れることになる。 それがうれしいのか。 まあ、俺も力をつけて独立したがってるから、そこはお互い様か。 程なくして、ぞろぞろと護衛やら使用人やらを引き連れた、馬車の大名行列がやってきた。
程なくして、ぞろぞろと護衛やら使用人やらを引き連れた、馬車の大名行列がやってきた。 沿道に出てきた出向行列の拍手に迎え入れられて、馬車は父上とアルブレビトの前にとまった。 馬車から一人の老人が降りてくる。 父上もアルブレビトも、老人と普通に接しているように見えるが、微妙に下手にでているのがわかる。 よほど偉い人なのかな。 「あっ、こっちみた」 そんなお偉いさんに見初められるかもしれないという期待からか、老人の視線がこっちを向くと、アスナが興奮しだしたのだった。 ☆ 「……なんでここに」 お偉いさんの老人の為に用意させた、街の一等地の屋敷、その応接間。 俺は一人でここに呼び出されて、待っていた。 なんで呼び出されたのか分からないまま座って待っていると、がちゃり、とドアが開いてあの老人が入ってきた。
そして、俺の向かいに座って。 「ジェイムズ・スタンリーだ」 「リアム・ハミルトンです」 「ハミルトン? チャールズの?」 「五男です」 「なるほど……まあ、その事はどうでもよい」 老人――ジェイムズはきっぱりと言い放った。 「それよりも、お前はレイモンドとどんな関係だ」 「レイモンド?」 首をひねる。 そんな名前の人、記憶にないんだが。 「その指輪、レイモンドの持ち物だろう?」 ジェームズは渋い顔で俺の手をさした。 厳密にはマジックペディアを指した。 「殺して、奪ったか」 「違いますよ、これは師匠からもらった物です」 「師匠?」 俺は師匠との出会いを話した。 林の中で邂逅して、魔法を教えてもらって、マジックペディアをもらった。 一連の出来事を、ジェームズに話した。
それを黙って聞いてたジェーズムは、やがて天井を仰いで大笑いした。 「ふははははは、あやつらしい。灯台下暗しといって一番危険なところに潜り込む辺りがいかにもだ。そうか、弟子をとったか」 どうやら信じてもらえたみたいだが……師匠。 あなた……知りあいに「らしい」っていわれるほど、いつもそんな危険な事をしてるんですか。 「さっきの沿道にいたが、あの立ち位置ということはハミルトンとしてではなく、どこかのギルドの推薦だったのかな」 「はい、ハンターギルドです」 「何をやった」 俺は岩を降らせて、キャタピラーを倒した事を話した。 すると―― 「ふははははは、いい、いいぞ。レイモンドめ、魔法に使われない、、、、、いい弟子を取った」 またしても大笑いした。 「よし――サイモン」 ジェームズは声を張り上げてよんだ。 すぐにドアが開いて、一人の男が入ってきた。
さっき一緒に部屋に入ろうとして、ジェームズに止められた男だ。 「そこに立っておれ。リアムよ、お前の一番得意な攻撃魔法をあやつに向かって放ってみろ」 「え?」 「実際に力をみたい」 「……わかりました」 俺は深呼吸して、気を取り直して、サイモンと呼ばれた男と向き合った。 詠唱。 前に知って、それで調べたら、詠唱すると一時的に放出する魔力の上限を上げられるらしい。 そしてその詠唱は、自分の「魂を揺さぶる」ものだから、より自分の心に響く言葉の方がいい。 俺は唱えた。 「アメリア・エミリア・クラウディア――」 三人の女の名前、憧れの歌姫の名前を連呼した。 「――マジックミサイル、十一連射!」 無詠唱の限界が7、詠唱つきで11まで限界を突破した。
11本のマジックミサイルがサイモンに向かっていった。 途中で何かにぶち当たった。 魔法の障壁だ。 マジックミサイルが次々と当って――ぱりーん。 障壁をぶち破って、二発ほどサイモンの体に当った。 「ぐふっ!」 障壁をぶち抜かれたサイモン、よろめいて苦悶の表情を浮かべる。 「ふははは、ヤツの得意な多重魔法か。よい、よいぞお前」 「はあ……ありがとうございます」 「五男で……ギルドに所属しているということは、将来の独立を見据えているのだな」 「はい」 「うむ、ならばまずは騎士の位をやろう」 「え?」 「それで独立するがよい」 「え? え?」 とんとん拍子で話がすすんだ。 翌日にはもう、国からの正式な勅命が降りてきて、俺は正式に騎士という位に叙された。
昨日と同じ部屋で、ジェームズ老人の前に跪いていた。 用意してもらった儀礼剣を腰に差したまま、ほんのちょっと突き出す。 それを、ジェームズが抜き放って、びゅん、びゅん、と軽く空を切る。 騎士の剣力は主の物、主に使われる。 という意味合いを持っているという儀式だ。 ジェームスはそれを軽く振った後、儀礼剣を俺の鞘に戻す。 「もうよいぞ」 そう言われて、俺は立ち上がった。 ふう、と息をはいた。 格式張ってたから、ものすごく緊張した。 「これで、正式に騎士じゃ」 「ありがとうございます」 「騎士の号を授けたが、別段やってもらうことはない」 ジェームズはそういい、ソファーに座った。 そして向かいのソファーをちょんちょんと指して、俺にも座るように指示した。 たったいま騎士に叙されたこともあって、俺は緊張しながら向かいに腰を下ろした。
「いままで通り、好きにするがいい」 「はい」 「自由はふえるであろう。お前の兄からは敵視されなくなるというだけで大きいだろう」 そう話すジェームズ。 やっぱり貴族なだけあって、長男とその下の弟達の関係性をよく知っているんだな。 「もっとも、お前の父は複雑だろうがな」 「え?」 「それほどの力だ。利用して、家のために功績を挙げようと思ったはずだ」 「あっ……」 いわれて、繋がった。 なるほど、父上が複雑そうな顔をしてたのはそういうことなのか。 「まあ、それはその後どうとでもなろう。その力で父親に協力すればいい。チャールズが指揮して、お前が一兵卒――なら功績は『ハミルトン』のものだ」 「はい」 「さて」 それまで真面目な話をしていたジェームズが、ふいに悪戯好きの子供のような表情に変わった。 「レイモンドは実に悪戯好きだった」 「え? は、はあ……」
いきなり何を言い出すのか、と首をかしげる俺。 「いつだったか、落とし穴を掘ったのだが。その落とし穴の縁にも犬の糞をしかけててな。落ちた後、上ろうとしてくる時に二重にやられるわけだ」 「はあ……」 「そういう、二重に何かをしかけるのが好きな男だ」 そこでジェームズは一旦言葉を切って、更にニコニコして俺をみつめながら、いった。 「お前は、レイモンドに何か『してやられた』と思ったことはないか?」 「えっと……あります」 俺は即答した。 そんなに前の話じゃない、つい最近のことだ。 湖の水をぬいたら、師匠が仕込んでた砂金があった。 卒業おめでとうの砂金が百キロも。 その事をジェームズに話した。 「ふっ、断言しよう。その黄金は目くらましだ。本当の卒業祝いはそれの近くにまだある。しかも分からないように仕込まれている」 「!」 「それが真のお宝、本当の卒業祝いだ」
俺はジェームズに別れを告げて、一人で屋敷に戻って、林にやってきた。 まずはアイテムボックスを出して、全部吸い込んで――湖の水を抜いた。 干上がって、底が泥だらけの湖。あっちこっちで魚がピチピチと跳ねている。 俺は考えた。 ジェームズの言葉を。 師匠はなにか「分からない事」を仕込んでいる。 師匠の手紙を取り出した。 『リアムへ お前がこれを読んでいるということは、アイテムボックスの使い方をほぼ完全にマスターしたからだろう。もししてなくても、湖の中にアイテムボックスを沈めて、全部吸い込んだ後、水と生き物を吐き出させてみろ』 『金塊だと入らないから、砂金を湖にばらまいた。100キロはある。アイテムボックスを完全に使いこなせたら、マジックペディアの他の呪文もほぼ使いこなせてるんだろう。この黄金は俺からの卒業プレゼントだ』 『貴族の五男だって聞いた、独立するときの資金にでもするといい』 『追伸。もらうのが申し訳ないと思うんなら、なんで丁度100キロなのかを当てるといい。卒業試験だ』 最初から最後まで読んだ、行間がないか一生懸命に考えた。 「……もしや」 ある可能性を思いついた。 俺は一旦屋敷に戻った。 メイドに「砂金はないか」と聞いた。 メイドは答えられなくて、そこにアルブレビトがとおった。 ちょっとでいいから砂金がいる、というと、アルブレビトはあっさりとメイドを金庫に走らせて、それを持ってこさせた。
階段を降りていくと、すぐに最下層にたどりついた。 深さは通常の家屋の三階分もない。 一番下にはちょっとドアがあって、ドアを開けて中に入ると、シンプルな石造りの台があって、台の上には一冊の魔導書と、手紙があった。 俺はまず手紙を手に取った。 前と同じ、師匠の字だ。 『リアムへ お前がこれをよんでいるということは、完全に俺の裏の意図を読み取ったという事だろう』 書き出しは、前のとあまり変わらなかった。 『そして、マジックペディアにある、もっともレアな魔法、アイテムボックスをも完全に使いこなせたという事だろう。そんなお前に、俺が持っていた最高の魔導書を渡す。最上級魔法に分類される物だ』 台の上をみた。 そこに置かれている魔導書に手を触れた。 これが……最高の魔導書か。 『ちなみに、その魔導書は俺には使えなかった。才能が無いのと、魔力が足りなかったからだ』 「師匠でも……使えなかったのか……」 『お前に使えることを祈っている』 そう締めくくられた師匠の手紙を再び折りたたんで、そっと懐にしまった。 そして、魔導書を手に取って、開く。
「アナザーワールド……どういう魔法なんだろう」 俺は魔導書を読んだ。 まずはやってみよう、とこれまでの魔導書と同じように、まずは練習――実践する方法から読んだ。 やり方を一通り頭にたたき込んで、魔導書を持ったまま魔力を込める。 うんともすんともいわなかった。 新しい魔導書、新しい魔法を始める時によくあることだ。 だが、今は分かる。 間違っていない事がわかる。 魔法を詠唱で使って以来、体の中にある魔力の流れをよりはっきりと感じ取れる様になった。 魔力は使われている、魔法を使うために使われている。 つまりやり方は間違っていない、まだ、発動出来ないだけだ。 そうと分かれば――後はものすごく簡単な話。 今までとまったく同じ話だ。 繰り返しの、練習。 魔法を覚えるにはそれしかない。 今までそれでやってきた、今回も同じこと。
俺は地下室にとどまって、アナザーワールドの魔法の練習を始めた。 魔導書に書かれてある手順にそって、丁寧に丁寧に、一つずつ手順をこなしていく。 新しい魔法を始める時はいつもこうだ。いや、全ての事に通じるかもしれない。 正しい、、、手順を、丁寧にこなす。 慣れてきたりすると自分なりの手順を編み出していくもんだが、今はとにかく、正しい手順だけでやっていく。 気づけば、あっという間に数時間が経った。 その間、一度もアナザーワールドが発動しなかった。 初級、中級、上級――それらを全て飛び越えての、最上級魔法。 簡単にいくとは思ってない、俺は焦らなかった。 次第に、暗くなってきた。 地下室だからという事もあるが、時間経過で日没が近いのだろう。 「ウィスプ」 光の下級精霊、ウィスプを召喚。 こぶし大の光の玉、その両横に小さな翼がついているという、とても愛らしい見た目をした精霊だ。 それを召喚すると、地下室がたちまち、昼間のように明るくなった
アナザーワールドの練習を続ける。 魔法同時発動2だから、特に複雑に考えることなく、ウィスプの維持とアナザーワールドの練習を続けた。 延々と続けた。 とにかく続けた。 体の魔力の流れは感じてるから、くじけないで続けた。 やがて、ウィスプよりも明るい光――太陽の光が射しこんでくる頃。 「やった!」 目の前に、「扉」が現われた。 丸半日かかった、ようやく最初の発動だ。 一般的にみるドアとかとはまったく違う見た目だが、発動した瞬間、それが「扉」だと分かった。 だから俺はそれをくぐって、中に入った。 すると、それまでにいた地下室から、まったく違う場所に来た。 まわりが真っ白い、閉鎖的な空間だ。
縦横ともに2メートル、高さはもう少しある2.5メートルってところか。 部屋のようで、部屋ではない空間。 振り向く。 扉がそこにあった、うっすらと向こう側が、朝日がさしこむ地下室が見える。 俺はアナザーワールドの魔導書を開いた。 後回しにした効果の部分を読んだ。 アナザーワールド。 この世ではない、別の世界に空間を作り出す魔法だ。 空間の広さは術者の練度と魔力に比例する。 一度出すと、術者が入っている限り、消滅する事はない。例え覚えたてでも。 そして術者の許可無く侵入することも出来ない。ただし同じ魔法を使える人間は例外的にアナザーワールドで入れる。 そして、完全に身につければ、中に納めたものは消えることはない。 アイテムボックスと似ている。 アイテムボックスは、無限大の空間を持っているが、生命があるものは入れられない。 たいして、アナザーワールドは空間こそ術者の魔力次第だが、今俺が入っているように、生き物――人間も入れる。
>>752 放浪部族リーヤーフォン侯爵家のナズィームが提案した双燃紙を善治郎さんが受け入れた上で、更に化竜の使い道を提示したんだから、お礼参りくらいはするだろうな
>>797 距離離れている上に主人公はウップサーラだから
直接会うのはないかもだが御礼状位はあるかも
お礼参りと聞いたら報復のほうかいってなるな 本来の意味としたら神社とかにであって人じゃなさそうな
4公の娘は結婚の条件が微妙に噛み合わないのよな、放浪の2公のほうは走竜との生活から離れるのは嫌だろうしタラーイエは商売続けたい、フィクリアは魔力低いのがネックになるかな
むしろ側室になっても自分の活動を続けたいタイプがゼンジロウ向きなのではなかろうか
>>801 血統魔法をゲットして、部族の念願、王族ポジションが手に入るなら、多少の譲歩はなんて事ないんじゃないかな
三日経って、俺は再びジェームズの屋敷に呼び出された。 第一王女殿下がお見えになってる――使者にそう聞かされた俺は気を引き締めて向かったのだが――甘かった。 まず沿道、屋敷に近づくにつれて、野次馬の数が増えていった。 そして屋敷、到着したはいいが、警護が普段の数百倍だ。 正門から屋敷に続く道の両脇が、山ほどの兵によって固められている。 何かの儀式・礼典、そんな感じがした。 「こ、こんなに大事だったのか?」 背中にいやな汗がでた。 かといって引き返す訳にはいかない。 姫様が俺に会いたいという事を聞きつけた父上が、 「決して無礼のないようにな」 って、出かける前にわざわざ念押ししてきたのだ。 俺は意を決して、何回か来て顔見知りになった門番にいって、通してもらった。 ザッ……ザッ……ザッ……。 屋敷に続く道、両脇の兵士が直立不動で並んでいる。
何もしてないしされてないが、その数がもうプレッシャーを与えてきた。 進んでいくと、屋敷の扉の前。 階段を上って屋敷に入る造りなので、すこし高いところに一人の女が立って、こっちを見下ろしていた。 権威。 その二文字が俺の頭の中に浮かび上がってきた。 山ほどの兵に守られた、高い位置にいる――王女。 ゴクリ。 思わず喉がなった。 ☆ 「リアム・ハミルトンと申します」 急なことで、教えてもらった礼法が怪しかったが、どうにか教わった通りの事は出来たはずだ。 屋敷の中の一番豪華な部屋で、俺は第一王女スカーレットと対面している。 ――いや、謁見している。 スカーレットが座っているのはものすごく高価そうな椅子で、玉座っぽく見える。 そのまわりに何人もの兵士が物々しくガードしてて、ジェームズが大臣のように控えている。 劇とかでみる、謁見のシーンにそっくりだ。
「面を上げよ。だれか、其の者に座を」 スカーレットがいうと、メイドが一人、椅子を持ってやってきた。 俺はそれに座った。 スカーレットはキャタピラー、そしてジャイアントフロッグの討伐の話を聞いてきた。 俺はちょっとほっとした。 スカーレットと会って、何を聞かれるのか不安だった。 答えられない質問だったらどうしようかって思ったけど、これなら簡単だ。 俺は、モンスターの討伐を事実通りに話した。 それを静かに、最後まで聞いたスカーレットは。 「面白い。特にジャイアントフロッグ。上級攻撃魔法を使わずに討伐する話は初めて聞く。そなたはどうか」 「寡聞にして存じ上げませんな。あれは上級魔法による短期決戦、一気に殲滅するのが定石」 ジェームズが答える。 上級魔法か……どんなものなんだろうな。 魔法が憧れの俺は、上級攻撃魔法や上級精霊召還はいつか覚えたいと思っている。 「そして、使い魔契約」 スカーレットがいう、俺はびくっとした。 本題が――来た。
権威。 さっきからずっと感じてた権威。 押し寄せてくるプレッシャー。 俺にやらせようとしてこうしてるのか。 だったら、なおさら。 「申し訳ありません、それはできません。仲間を見世物にすることはできません」 と、ジェームズに言ったのと同じことをもう一回繰り返した。 「表裏一致している、か」 「え?」 「ふふ、面白い、ますます面白い。気に入ったぞ」 「え? え?」 楽しそうな表情で笑い出すスカーレット。 今の……楽しい要素、あったか? 「私を二度も楽しませてくれた人間はそうはいない」 「二度……?」 どういう事だ。 「それに報いねばならんな。ジェームズ卿」 「はい」 「予定通り、リアムに男爵位を授ける」 「御意」 「……え? だ、男爵? 俺に?」 「うむ」 「でも、俺何もしてない。功績とか……」
そう、貴族になるには功績がいるはずだ。 父上が必死になって挙げようとしている功績。 俺は何もしていないはずだ。 「私を二度も楽しませた、十分だ」 「た、楽しませただけで?」 「女衒のまねごとよりはよほどいい」 女衒……ああ、父上の事を知っているのか。 王や皇子に妃を献上する、娘を差し出す。 女衒ってのも……言い過ぎでもない気がする。 「ついでだ、これもやろう」 スカーレットは手をすぅとあげた。 するとまたメイドがやってきて、トレイに一冊の本を載せてもってきた。 「これは……?」 「ファミリア――使い魔契約の魔導書だ」 「――っ!?」 「覚えられるなら自分で覚えた方がよいだろう」 「ありがとうございます! ありがとうございます!」 俺は魔導書を受け取って、パッと立ち上がって、何度も何度も頭を下げた。 「……ふはははは、男爵位よりも魔導書か。つくづく面白い少年だ」 それをみたスカーレットは一瞬きょとんとなってから、大笑いした。
使い魔契約魔法・ファミリア。 その魔導書をもらった俺は、早速いつものように屋敷の林にこもって、魔導書で練習をした。 ファミリアを完全に習得するまでは、それで契約しても魔導書から一度手を離しただけで契約が解除される。 これを仮契約というらしい。 他の魔法と同じ、完全に習得して、魔導書無しでも効果が永続するようになってからの契約を本契約という。 俺はファミリアを一生懸命練習した。 もちろん、完全習得まであとわずかになっているアナザーワールドの練習も欠かさない。 それを、延々とやっていると。 「また魔法かよ」 「え? ブルーノ兄さん」 背後から声をかけられたので振り向くと、婿にでたブルーノの姿がいた。 「どうしてここに」 「遊びに来るくらい良いだろ? 貴族同士、交流は必要だ。俺は今、オヤジと同じ貴族だからな」 ブルーノは冗談めかしてそう言った。 なるほど、今のブルーノはハミルトンの四男じゃなくて、別の貴族の家の当主――だから同格ってことか。
「お前の話を聞いたぞ」 「俺の?」 「男爵になったようだな」 「あ、ああ」 「くっくっく……アルブレビト、今頃悔しがってるだろうな」 「え?」 「そうだろ? あれだけ貴族の跡継ぎにこだわってた男だ。今やお前より下なんだからな」 ああ……片方は貴族の息子、片方は貴族。 なるほど。 「まあ、そもそもだ。事実上お前、オヤジよりも立場上だがな」 「え? でも俺男爵……」 俺は男爵になった、父上は伯爵だ。 伯爵は男爵よりも上――貴族の五男に乗り移って数ヶ月程度の俺でもその事は分かる。 「ばーか、そりゃ名目上はそうだろうけどよ」 「名目上?」 「考えてもみろ、お前は自分の家の『初代』だ」 「うん」 「オヤジはこの家の『三代目』だ」 「それで?」 「この国の貴族はな、自力で功績を立てた『初代』と、受け継いだだけのその他大勢にわかれるんだよ。功績立てた人間の方が実際すごいだろ。何かあるときの発言権も大きい」 「あっ……」
朝、ギルドに出かけようとして、屋敷の廊下でアルブレビトと遭遇した。 俺が今から出かけていくのに対して、向こうは今帰ってきたばかりって感じだ。 徹夜明けっぽくて、ちょっとやつれてる感があって、目の下にクマが出来ている。 不思議に思いつつも挨拶しようと身構えたが――アルブレビトは速度をあげて、俺が頭を下げるよりも早く横を通り過ぎていった。 「今にみていろ」 ぎょっとして振り向くと、アルブレビトは立ち止まることなく、そのまま立ち去ってしまった。 ブルーノの言葉を思い出す。 やっぱり……アルブレビトには面白くない状況なんだなあ……。 ☆ 屋敷では何かと角が立つから、俺は街のカフェでアスナとジョディの二人と合流した。 魔法「ファミリア」で契約した、俺の仲間 使い魔 の二人。 そんな二人と向かい合って座っていると。 「おいあれ、すっげえ美人じゃねえか」 「どっちもすごい綺麗だな……この街にあんな美人いたっけ?」 「おまえ、ちょっと声掛けてこいよ」
まわりがざわざわして、アスナとジョディの二人に注目していた。 話しかけてこいとはやしたてる声もあったが、二人が美しすぎて気後れしてる感じで、実際に声をかけてくる人は皆無だ。 そんな中、ジョディが座ったまま、しずしずと会釈程度に俺に頭を下げてきた。 「これからよろしくお願いします、ご主人様」 「ご主人様?」 何の事だ? と首をかしげた俺。 「主従の契約を結んだんですもの。もしかして、他の呼び方の方がよろしかったでしょうか?」 ああ……なるほど。 「そういうのはいい、くすぐったい。普通に名前で呼んでくれ」 「いいのですか?」 「それで頼む」 ジョディはしばらく俺を見つめた。 目をまっすぐと、真意を探るかのように見つめてきた。 やがて――
「わかりましたわ。ではリアムくん、って呼びますわね」 「ああ」 年上って事もあり、ジョディの性格や言葉遣い的な事もあって。 俺は、すんなりと「くん」を受け入れた。 「まあでも、ジョディさんがご主人様って呼ぶの、わかる気がするな」 アスナがそんな事を言い出した。 「そうなのか?」 「うん! 最近なんだかリアム、格好良く見えるし。頼りがいとかあるし、実際すごいし。年下なんだけど、本当にこう、ご主人様、って感じするよね」 「ええ、こう……一緒にいてドキドキするもの」 「ジョディさんはまだ一緒に狩りにいってないのにそれかあ。一緒に仕事したらもっとそうなるよ」 「あらあら、それは楽しみね」 アスナとジョディ、二人は俺への好意を露わにした。 そのせいで、まわりの男から睨まれるおれ。 二人の好意は嬉しいが、今は外だ。 これ以上まわりを刺激しないように、俺は話を変えた。 「順番がめちゃくちゃだけど、これから一緒にパーティーを組む、って事でいいか?」 「もちろんそうだよ。ねっ、ジョディさん」 「はい、ご一緒しますわ」 「そっか。じゃあ改めてよろしく」
俺は手を出して握手を求めた。ジョディはにこやかに握り返してくれた。 本当に順番がめちゃくちゃだが、正式に彼女とパーティーを組むことになった。 「で、これからどうすんの?」 アスナは俺に方針を求めた、ジョディも俺をじっと見つめて、答えを待った。 「こつこつと狩りをしていこう」 「いいの? リアム、もう男爵様だよ? もっとこう、でっかい依頼を受けていったほうがいいんじゃないの?」 「地位をもらったからと言って俺の中身がすぐに変わる訳じゃない。無理をして失敗して、まわりに迷惑をかけたら目も当てられない。今の力で、無理せず出来る事をやっていこう」 「おー……」 「あら……」 俺が示した方針を、アスナとジョディは感動した目で同意をしめした。 ☆ 店を出た後、一旦ギルドによって、狩りの情報を確認してから街を出た。 野犬の掃除がまた続いてた(ジェームズが帰るまでは続くらしい)から、それをやることにした。 なじみになった街道を進んで、見つけた獲物に向かって、ジョディは弓を引いた。 限界までそった弓から放たれた矢は、二十メートル近く先の野犬の胴体を射抜いた。
「アスナちゃん」 「了解!」 ジョディがいうと、アスナは二刀ナイフを構えて、野犬に飛びかかっていった。 野犬は逃げようとするが――胴体に矢が刺さってまともに動けない。 その野犬にアスナは一瞬で距離をつめて、首を切りおとした。 遠目でも分かる、鋭い太刀筋だった。 ファミリアで契約する前よりも、明らかに身体能力が上がっている。 「すごいわ……」 「ん?」 「前よりずっと目がよく見えるわ」 「見えると良いのか?」 「弓兵は目が命ですもの。相手の姿が見えないとそもそも狙えませんわ」 「そりゃそうだ――ちなみにどれくらい見えるんだ?」 「そうですわね……あそこの岩がぎりぎり見えるくらいですわ」 「岩って……」 ジョディが指さした先を見つめた。 目を思いっきり細めた。 それでどうにか、百メートル先くらいに岩っぽいものが見えた。 「あれ……岩なのか」 「ええ」 まっすぐ指さすジョディ。 うーんわからん。 岩っぽい気もするけど、俺の視力じゃ確証がもてない。
岩が見えないから、代わりにジョディをみた。 「……遠くまで見えるといいんだよな?」 「ええ、そうですわ」 「それって、見えれば見えるほど?」 「悪いということはありませんわ」 「なら……ビルドアップ」 俺は覚えてる100数個の魔法の内、初級強化魔法をジョディにかけた。 魔法の光がぼわぁ……とジョディを包み込む。 「あら、あらあら。あらあらあらあら」 魔法がかかったジョディは、ほほに手を添えながらまわりを見回した。 「どうしたのジョディさん」 野犬の首をぶら下げて、戻ってきたアスナがジョディに聞いた。 「より遠くが見えるようになりましたわ」 「遠くが見えるように?」 「例えば、さっき岩の陰に――ウサギさんが子作りしてますわ」 「見えすぎだろ!」 そもそもこっちには岩かどうかもよく見えてないのに。
「なに? どういうことなのリアム」 「実は、彼女の目に強化魔法をかけたんだ」 「強化魔法?」 「前にお前が攻撃力強化できないかって聞いてきただろ?」 「えっと……ああその事ね。たしか攻撃力あげたら逆に体が保たないって」 「そう。でも視力だけの強化ならそういう問題もないだろ」 「なるほどー」 アスナは納得した。 一方で、ジョディはおもむろに弓に矢をつがえて、引き絞って放った。 山なりに飛んでいった矢は――。 「当りましたわ」 「え?」 「アスナちゃん。申し訳ないけど、ちょっと確認してきてもらえるかしら」 「なにを?」 「まっすぐ行けばわかるわ」 「わかった!」 アスナはパピュン! と風のごとく駆け出した。 ものすごい勢いでかけていって、ものすごい勢いで戻ってきた。 「すごかった!」 「なにがだ?」 「あそこの岩、近づくと実は二つの岩がすっごい近くにかさなってるのが分かるんだけど、隙間が拳一個分くらい。その間に矢が挟まってた」 「百メートル先の拳一個分を狙えるのか!?」
俺は驚いた。 「リアムくんのおかげだわ。昔は出来なかったもの」 「わかる。あたしも野犬を普通に斬ろうって思ったら首ごといっちゃったもんね。リアムのおかげだよ」 「ありがとう、リアムくん」 「ありがとう!」 二人が満面の笑顔で俺にお礼を言ってくれた。 うん、悪くない気分だ。 ☆ その後、俺達はコツコツと野犬を狩って、その死体をアイテムボックスに入れて、街に戻ってギルドにもってきた。 報告して、報酬をもらおう……としたんだが、戻ってきたギルドはさっきとはうってかわって、ものすごくざわついていた。 物々しい空気で、みんなが慌てている。 「どうしたんだろ……ね、なにがあったの?」 アスナはそばを駆け抜けようとする一人のハンターを捕まえて、聞いた。 するとそのハンターは焦った顔で。 「やりやがったんだよ、ハミルトンのおぼっちゃんが」 「おぼっちゃん? だれ?」 「長男! あいつ、封印を解いたあげく盛大に失敗こきやがったんだよ!」 「封印……ってあの?」 「あの!」 ハンターはそう言い捨てて、再び駆け出していった。
街の南に一時間くらいの道のりを進んだ先に、深い森がある。 そこに、アスナとジョディ、二人と一緒に駆けつけた。 森はさながら戦場の様だった。 次々と森の中から逃げ出してきたり、担架で運び出されたりする者がいる。 その森の入り口にギルドマスターを見つけた俺は駆け寄った――が。 「あっ」 途中で足が止まった。 地面に置かれている担架の一つに、よく知っている顔を見つけた。 ハミルトン長男・アルブレビト。 今回の事件の発端となった人間だ。 「兄上……」 「リアム……くっ」 それまで担架に寝かされてて、手当てを受けていたアルブレビトが起き上がろうとする。 肘をついて、震えながら、もがきながら起き上がろうとする。 「何をする兄上」 「こんな……ところで。俺は……ぐわっ!」
起き上がろうとしたアルブレビトは、背後から棒で頭を殴られた。 クリーンヒットしたそれは、アルブレビトの意識を刈り取った。 白目を剥いて、ドサッ、と担架に倒れ込む。 やったのは――。 「マスター」 ギルドマスターだった。 彼は呆れた顔で木の棒をポイッと投げ捨てた。 「街まで送ってやれ。おぼっちゃんの無駄な対抗心にこれ以上付き合ってられん」 マスターが言うと、手当てをしていた者も含めて、数人がかりでアルブレビトの担架を担いで、町の方に向かって駆け出した。 それを見送ったマスターは、ふう、と大きなため息をついた後、俺の方を向いて。 「来てくれたか」 「俺にも責任はあるから」 「その責任は問えないさ。無事終わることが出来れば、愚痴の一つも付き合ってくれれば良い」 「……ああ」
そう言ってくれるのは助かる。 「ねえ、どういう状況なの? この中に一体何があるの?」 アスナがギルドマスターに聞く。 いつも明るい彼女も、今回ばかりは顔が強ばっている。 「この森の中には、魔竜ラードーンが封印されている。リアムの先祖、ひいおじいさんが封印したモンスターだ」 「魔竜……ドラゴン?」 ギルドマスターは頷き、アスナはますます顔が強ばった。 「封印の方法は分かっている。人員も用意してる」 ギルドマスターは離れた場所をグイ、と親指でさした。 さした先を見ると、二十人くらいの魔術師っぽいのが待機してる。 「あいつらで再封印することは出来る、が、邪魔が入ってて封印にとりかかれない」 「邪魔って?」 「ラードーンジュニア。魔竜の子供だ」 「魔竜の子供……」 「この惨状は全部そいつらのせいだ。びっくりだろ、魔竜じゃなくて、その子供にもこの有様だ」
俺たちは森に入った。 戦闘している場所は、悲鳴ですぐに分かった。 到着すると……惨状が俺達を出迎えた。 あっちこっちにハンターが倒れている。 炎に焼かれたり、骨がおれたり、体の一部を噛みちぎられてたり。 まともに戦える人間が一人もいない――それほどの惨状。 そして、後ろの巨大な何かを守る、三体のドラゴン。 これも驚きだ、三体とも、中型犬程度のサイズだ。 「やってみる」 アスナはそう言って、ナイフを構えて飛び出した。 ラードーンジュニアの内の一体が、口を大きく開け放った。 口の奥で、炎が渦巻く。 その炎の色が、あらゆる不吉を孕んだような黒色だった。 「よけろアスナ!」 「――っ!」 俺の叫びに反応して、アスナは途中から回避した。 ラードーンジュニアはそれを追いかけて――黒い炎を吐いた。
「くっ!」 アスナは更に加速した――思いっきり逃げた。 どうにか黒い炎を振り切った。 その炎はアスナがよけた先の木を飲み込み、一瞬で黒焦げにした。 「な、なにこれ」 「凄まじい炎だわ」 アスナもジョディも絶句した。 俺は拳を突き出し、魔法を放った。 マジックミサイル・7連。 詠唱無しで放てる最高の数だ。 7発の魔力弾が一斉に飛んでいった。 ラードーンジュニアの一体が口を開いた。 マジックミサイルに向かって咆哮した。 瞬間、マジックミサイルがはじけ飛んだ。
七発のマジックミサイルが、たかが咆哮によってかき消された。 「だめだこれ、かなわないよ」 「ここは逃げましょう、リアムくん」 戻ってきたアスナも含めて、彼女達は一瞬ですっかり逃げ腰になった。 無理もない。 想像を遙かに超える強さだ、目の前のラードーンジュニアは。 それが三体もいる、どう考えても勝ち目はない。 とおもっていたら、三体が一斉に飛びかかってきた! 「来た!」 「ジョディを連れて離れろ!」 「えっ……うん!」 アスナはジョディをかっさらうような感じで、【スピードスター】を発揮して逃げた。 速度だけなら、アスナはラードーンジュニアにも負けていない。 俺はアイテムボックスを呼び出した。 その中からあるものを取り出すとともに――詠唱。 「アメリア・エミリア・クラウディア――でろ! アナザーワールド!」 詠唱した分、どうにか発動出来た。
アナザーワールド。 別世界の空間の扉が俺の前に現われる。 ラードーンジュニアとの間に現われる。 飛びかかってきたラードーンジュニアはそのまま中に飛び込んだ。 「――解除!」 魔導書をアイテムボックスの中に放り込んだ――俺の手からはなした。 また完全に習得していないアナザーワールド。 魔導書がなければ発動しない。 何より、発動する度に中のものが完全消滅する。 術者の俺が中にいないから――消滅した。 「……はあ……まあ」 汗が一気に噴きだした。 今の一瞬で、軽く死んだような気がする。 だけど――。 「ら、ラードーンジュニアが……?」 振り向くと、ギルドマスターが絶句していた。
フィクリヤはエスピリディオンの専属助手とかの立場用意したらほいほい来るかも
放浪の2公からお礼として贈るなら多分走竜か竜弓あたりかな
>>827 善治郎さんにとってお断り物権じゃないですかヤダーw
帰宅した俺は、リビングで父上と対面していた。 書斎ではないのは、今や俺が父上と同格の存在――貴族同士だというのが影響した。 男爵家の当主ともなれば、例え実子でも、主従関係が強調される立ち位置になってしまう書斎は使えない。 家の主人と来客――という形になるリビングをつかった。 その父上は、ものすごく複雑な表情で俺を見つめている。 それもそのはず、ラードーンの一件は父上にとっても苦い想い出であるからだ。 父上が失敗して諦めて、アルブレビトが暴走してやらかして。 それを、別の家 、、、 の人間である俺が解決してしまった。 複雑な想いを抱かないはずがない。 「よくやった……いや、礼をいう」 「はあ……」 「あのままではこの地が大変な事になっていた、アルブレビトの――尻拭いをしてくれて、礼を言う」 最後らへんは小声になっていた。 言いにくそうだが、言わなきゃいけない、って感じを受けた。
なんというか、貴族の「難しさ」を垣間見た気がした。 「気にしないで下さい。放っておけない事態でしたから」 「そうか」 「それで……兄上はどうなるのです?」 「ああ」 父上は頷いた。 こっちは話が簡単だ、といわんばかりにスルッと答えた。 「アルブレビトはしばらく謹慎させる。場合によっては……いや、とにかく謹慎だ」 「そうですか」 俺はそれ以上追求しなかった。 これを聞いたのは、街に戻ってくる途中、ギルドマスターから「最悪廃嫡もあるかもしれない」って聞いたからだ。 だからそれを聞いてみた。 今すぐにというわけではないが、その可能性もある。 貴族の長男の、廃嫡。
アルブレビトのやらかしがそれほど重いものだと改めて思い知った。 アルブレビトの話を挟んだのがよかったのか、父上はすこしだけ表情が楽になって、普通に話してきた。 「チャールズ殿もまだこの街に滞在なさっておる。この話もいずれ『中央』に伝わる。誰かが表彰にくるだろう」 「表彰ですか?」 「魔竜の討伐だ、そうなるだろう」 父上も、そしてアルブレビトも功績のためにって狙ったラードーン討伐だ。 その脅威を取り除いたのだから、表彰される。 俺はなるほど、と頷いたのだった。 ☆ この日の夜、俺は夢を見た。 朝に起きた後もはっきりと覚えているような、不思議な夢。 夢の中で、俺は新しい魔法の練習をしていた。 使っているのは、魔導書ではない。 そして、指輪のマジックペディアでもない。 俺の右手だ。
右手の甲にある、ドラゴンをあしらった紋章。 それを使って、俺は魔法の練習をしていた。 起床してからしばらくたっても、それははっきりと覚えていた。 夢は普通すぐに忘れてしまうものなのに。 ベッドの上で、紋章をしばらくの間じっと見つめ続けた。 そして、おそるおそる、マジックペディアにする感じで、紋章を「使って」みた。 すると、二つの魔法の情報が頭に流れ込んできた。 マジックペディアと同じだ。 これは本物だ、と、俺はベッドから飛び降りて、さっさと着替えて朝飯も食べずに、林に駆け込んだ。 魔法の練習をしている、いつもの林。 いつもの場所にやってきて、魔法を練習した。 まずは二つある内の片方だ。 今までの魔法練習と同じように、魔力の使い方とかその他いろいろを、その通りにやった。 発動はしない、だけどわかる。 やり方はあってる、このまま繰り返していけば良い。
アナザーワールドの時と一緒だ。 そして、アナザーワールドと同等か、もうちょっと難しい感じだ。 つまり時間がかかると言うこと。 最初の発動も、完全にマスターするまでも。 まあ、そんな事は問題じゃない。 時間をかけて、繰り返しやっていけば身につくのなら、今までと何も変わらない。 俺は、その魔法の練習を続けた。 途中で、紋章が俺の手についてるから、魔導書や指輪と違っていつでも持ってる状態だから、マスターは発動時間の長さだけかもしれない、と気づいた。 そんな事を思いながら、とにかく練習を続けた。 昼になって、日がおちて、朝日が昇る。 今まで通り、集中して、のめり込んで練習した。 そして、次の日の昼。 魔法は、発動した。 今まで見た事の無いような、神々しい光の後に、一匹の小さなドラゴンが召喚された。 あの森で戦った、ラードーンジュニア。
下級ドラゴン・ラードーンジュニアの召喚魔法だ。 呼び出したラードーンは、そのサイズもあって、中型犬的な可愛さのまま、俺の前にちょこんと座っている。 戦ったときの強さを思い出す。 ラードーンジュニア召喚、マスターすればすごい戦力になりそうだ。 「神聖魔法……だと?」 「え?」 いきなり人の声がして、びっくりして振り向いた。 そこに、スカーレットがいた。 第一王女スカーレット・シェリー・ジャミール。 何故か彼女がそこにいた。 「王女様……?」 「本当に、神聖魔法なのか?」 「え?」 「今の魔法だ」 「はあ……神聖、魔法?」 何の事か分からなかった、が。 (人間はそのように呼ぶらしい)
「その神聖魔法で魔竜を討伐したのか?」 「いや、そういうわけじゃないけど……」 どう答えるべきか迷った結果、話を逸らすことにした。 「それよりもひめ――王女殿下。ここへはどうして?」 「ハミルトン卿――ああ、そなたも今はハミルトン卿だったな」 スカーレット王女はクスッと笑った。 呼び名に「卿」ってつくのは、王族が貴族を呼ぶときに使われる。 それくらい、中身が平民の俺でも分かる。 演劇でそういうのをよく見る。 今や俺も男爵、父上と同じで「ハミルトン卿」なのだ。 「そなたの父に伝言を頼んだであろう?」 「あ、そういえば来るって」 「うむ」 「えっと……それで、用事は?」 「まずは、勲章だ。魔竜討伐の功績は大きい、かといって領地も持たない少年に男爵以上をすぐに授けるのは老人どもがうるさい。しきたりだとかなんとかな」 「はあ……」 結構、複雑なルールがあるみたいだ。 「というわけで、まずは勲章を授けることにした。私の一存で勲三等鳳凰勲章をやれる」 「勲章、ですか」
「受け取れ。魔竜を討伐したという事実で民を安心させるには、討伐の英雄の存在がセットで必要だ」 「あっ……なるほど」 それは分かる。 貴族の五男――この肉体に乗り移るまでに住んでた近くに一度、モンスターが出たことがあった。 しばらくの間村中それに怯えてたけど、ある日退治されたって噂が流れた。 最初は信じられなかったが、俺でも名前を知っている有名なハンターがやったって聞いて、安心した記憶がある。 うん、スカーレット王女のいうとおりだ。 討伐には、討伐した人の存在が必要だ。 「これも貴族の務め、ですね」 民を安心させるという結構重要な仕事だ。 「そういう風に考えられるのはきらいではないぞ」 「えっと、ありがとう」 なんか今のでも褒められた。 「次に、話を聞きたい。どうやって魔竜を討伐したのだ」 「どうやって?」 「場合によっては英雄譚に仕立てる必要がある」 「あっ……」
それも分かる。 退治した時のエピソードが詳しければ詳しいほど、人々は安心するものだ。 スカーレット王女の言い分はすごくよく分かった。 俺は気を引き締めて、ラードーンの一件の話をした。 森に駆けつけて、三体のラードーンジュニアと対峙する。 ラードーンの子で中型犬サイズの三体に苦しめられて、まわりもほぼ全滅しているなか、とっさにアナザーワールドを使ってラードーンジュニアを倒した。 途中までは、スカーレット王女は真顔で、固唾をのんで俺の説明を聞いた。 しかし、ラードーンが俺に「入った」というのを聞いたあたりから表情が変わっていった。 最後まで話すと、スカーレット王女は最初とは違う意味で顔を強ばらせていた。 「あの魔竜が人間に協力を……? しかも神聖魔法?」 「えっと、はい」 「そんな馬鹿な……いやしかし、今のは間違いなく神聖魔法。となると……常識が間違っていた……?」 信じられない、って顔をするスカーレット王女。 彼女はしばらく深刻な表情で考え込んだ後、その表情のまま俺をみつめて。 「魔竜――いや、その……ラードーン? の力を、完全に制御出来ているのか?」 「制御っていうか……普通にしてるけど……」
予期しないタイミングで話かけてくる事はあるけど、今のところ、俺の中で静かに過ごしているつもりのようだ。 そこは、何となくわかる。 証拠をみせろって言われると困ってしまう、本当になんとなくってレベルだけど。 ラードーンは、俺が追い出さない限り俺の中に居続ける。 そう、感じている。 俺の答えを聞いて、スカーレット王女はまたしばし俺をじっとみつめてから。 「その話、しばらくの間黙っていてくれ」 「黙ってる?」 「誰にも話すな」 「わ、わかった」 スカーレット王女の剣幕におしきられた。 元々誰かに話す気はないから、俺は戸惑いつつも、スカーレット王女の「命令」を受け入れた。 ☆ 次の日、屋敷の玄関ホール。 スカーレット王女の部下が、大きな箱を三つ持ってきた。
長方形で、上がドーム状になっていて、パカッと開くことが出来る。 いわゆる宝箱という感じの箱だ。 それが三つ。 持ってきた人間は、全部を一斉にパカッと開けた。 「き、金貨だわ」 「こんなにたくさん……」 「何百……いいえ、何千枚あるの?」 一緒に出迎えた、屋敷のメイド達がざわついた。 俺も内心、動揺していた。 「これは……?」 金貨を運んできた、スカーレット王女の部下の、その隊長らしき男に聞く。 「殿下からのご下賜である。魔竜討伐を称えてのご褒美である」 「魔竜討伐!?」 「なるほど……」 「そんなに多くの褒美がもらえるすごいことだったの……」 メイド達は、納得するものもいれば、驚く者もいる。 「……ああ」
その日の午後、俺はジェームズに呼び出された。 ジェームズのゲストハウス 屋敷 にやってきた俺は、前と同じ部屋で老人と向き合った。 「本当に神聖魔法を使えるようになったのか」 ジェームズは開口一番、その事をたずねてきた。 俺はまよった。 今、スカーレット王女に口止めされている状態だ。 どこまで話して良いのか……。 「王女殿下は若すぎますな」 「え?」 「あんな多額の金銭を王女殿下からいきなり渡すなど、まわりに邪推してくれといわんばかりのものだ」 「魔竜討伐はそんなにもらえないのか?」 「額もそうだが、殿下が払う義理ではない。特にあの竜は討伐すれば貴族延長 、、 級の功績ということになっている。ならば陛下に報告し、陛下自ら表彰されるのが筋というもの」 「あっ……」 「それを殿下が、王都に帰るよりも前に自分で。貴族をよく知る者は勘ぐらざるをえぬよ」 な、なるほど。 いわれてみれば、父上もアルブレビトもこれを功績にしようとした。 確かに、国王を通さないでいきなりの多額な褒美は勘ぐられても仕方がない。 もう黙ってる理由もないので、俺は答えた。
>>828 今や自分の兵を持っているからナタリオに続いて下賜するとかw
なろうコピペか なろうに通報したほうがいいのか? 俺はめんどくさいからしない
双王国の最高級レベルの走竜なら素晴らしい価値があるのは間違いないのだけど日本の一般人の感覚だとよくわからんな
高級スポーツカーみたいなものでは? でも品種の適応環境の差があるんだっけ、その辺どうなんだろ まぁ誠意にはなるか
竜じゃなくて馬だけどパッと調べてみたが一般だと数十万〜数百万、サラブレッドの最高級だと億超え。 現代でこれだし実用的な価値がある向こうなら桁一つ上くらい想定してもいいかも?
金銭のアレコレって描写あったか? 平民は銀貨○○枚で1年みたいなのとか
シュラ、ナズィームの喜び様とともに タラーイェのまさかあんなものが貴重な商品になりえるなんてという 驚きやらも読みたいのう
でも走竜はカープァのと双王国のとで 適応環境が違ってって話どっかでなかったっけ?
コミックがあっこらへんまで続けば 書き下ろしとかでワンチャン?
>>847 ビー玉買い取りで金貨五十枚ってだしてその例えで
最低クラスの走竜:金貨三枚
戦闘用の訓練を受けた騎士用走竜:金貨十枚
領地を持たない下級貴族の邸宅の販売価格:金貨五十〜百枚の間
(二巻のP113)
>>827 もれなく精霊乙女召喚儀式の復活に貢献してもいい権利が贈呈されるよ!
フィクリヤによってカラクリが明かされエスピリディオンによって研究が進み 善治郎のアイデアで将来ゴーレム的なものに化けるかもしれない精霊乙女
人型だと精霊乙女信仰してる勢力がうるさいから形変える必要があるな 実用面でみても人型は効率良い形態とは言い難いし
それなら動物型にしよう そんでせっかくだし神秘性を高める為にも古代竜をモチーフに…あっ
その日の午後、俺はジェームズに呼び出された。 ジェームズのゲストハウス 屋敷 にやってきた俺は、前と同じ部屋で老人と向き合った。 「本当に神聖魔法を使えるようになったのか」 ジェームズは開口一番、その事をたずねてきた。 俺はまよった。 今、スカーレット王女に口止めされている状態だ。 どこまで話して良いのか……。 「王女殿下は若すぎますな」 「え?」 「あんな多額の金銭を王女殿下からいきなり渡すなど、まわりに邪推してくれといわんばかりのものだ」 「魔竜討伐はそんなにもらえないのか?」 「額もそうだが、殿下が払う義理ではない。特にあの竜は討伐すれば貴族延長 、、 級の功績ということになっている。ならば陛下に報告し、陛下自ら表彰されるのが筋というもの」 「あっ……」 「それを殿下が、王都に帰るよりも前に自分で。貴族をよく知る者は勘ぐらざるをえぬよ」 な、なるほど。 いわれてみれば、父上もアルブレビトもこれを功績にしようとした。 確かに、国王を通さないでいきなりの多額な褒美は勘ぐられても仕方がない。 もう黙ってる理由もないので、俺は答えた。 「はい、いくつか神聖魔法を覚えました」 「見せてもらえるか?」 「わかりました」 俺は手の甲にある紋章を掲げた。 その紋章を魔導書がわりに、魔法をつかう。
詠唱して、魔力を高めて、ラードーンの魔力も含めて。 五分くらいで、発動した。 初級神聖魔法オールクリア。 ラードーンジュニアを召喚したときに、スカーレット王女が驚いたのと同じ光が放たれた。 それを見たジェームズは「ほう……」と感嘆した。 「それはどういう魔法だ?」 「オールクリアっていう。医学的 、、、 に『状態異常』とされるものをすべて消し去る」 「状態異常……石化や毒といったものか」 「うん」 「全部?」 「全部」 「……凄まじいな。神聖魔法が神の御業……といわれるだけのことはある」 そうつぶやき、ますます感嘆するジェームズ。 神の御業を再現した、っていう評価がすごすぎて正直ピンとこない。 「それに……なるほど」 更に俺を見て、なにやら納得している。 「時に、そなたは三竜戦争という話をしっているか?」 「三竜戦争……? いえ」 「かつて三頭の竜が争った。どれも天変地異を起こせるほどの力をもった竜だ」 「はあ」 「その内の一頭が他の二頭を打ち負かして勝利した、神の御業とされる、神聖魔法を用いたのが決め手だったと言い伝わっておる」 「神聖魔法で?」 「そして、その竜は人間と交わり、人間は神聖魔法を使い王国を建国した。それが我が国だ」 「はあ……なるほど」
何となくピンとこなかった。 そういう伝説は昔話として色々聞いたことがある。 「ピンとこぬか」 「あっ、はい」 「まあ、そうだろうな。三頭の竜が戦って、生き残った一頭と人間が交わって建国した……おとぎ話も良いところだ」 「はい」 「ときに、そなたは竜と人間が交わった――と聞いて何を思い浮かぶ」 「そりゃ……王道の、夫婦になって子供を作って、です」 「うむ、普通はそうだ。そして昨日まで、伝説を聞いた人間は100人中100人がそう思っていた」 「はい……昨日まで?」 なにがあったんだ? 「それだよ」 ジェームズは俺の手の甲を指した。 「これ?」 「そなたも、竜と交わった、のではないのか?」 「あ……」 そうか、そういう言い方もできるんだ。 ラードーンは、俺の体の中に入った。 一つになって――合体? した。
それを交わったという言い方も出来る。 そして、交わった結果の俺は、神聖魔法を使えるようになった。(厳密には今から数ヶ月〜一年は練習するけど) つまり……。 「そなたは今、我が国の伝説を再現しているようなものだ」 「な、なるほど」 「そして、その魔竜とされているものが、我が国の建国に携わった建国者――いや最悪祖先と言っていいかもしれない」 「祖先を……魔竜として封印した……?」 ジェームズは小さく頷いた。 予想以上に事が大きくなってしまってる。 「ここからさき、危惧される事は二つ。一つはハミルトン家――そなたの父の方だ、そっちの取り潰し」 「そっか……功績がそもそも功績じゃなかった」 ジェームズは頷く。 「まあそっちは大した話ではない。問題はもうひとつ」 「な、なんだ?」 「竜が怒り、国に復讐を考える事だ」 「あっ……そっか。協力したのに無実の罪で閉じ込めたようなものだから」 「そういうことだ」 ジェームズはそう言って、俺をじっと見つめた。 なんでそんなに見つめられるのかしばらく分からなかった。 数十秒考えた後、分かった。 俺に、ラードーンが怒っているのかどうかと確認しているのだ。 俺は自分の中に意識を向けた。 ラードーンは返事してこなかった、が、感情だけは伝わってきた。
怒っていない――そもそもなんとも思っていない。 俺は、ラードーンの言葉を思い出した。 「『人間の尺度などいちいち気にもせぬ。数百年も経てばまた違う呼び方をされるだろう』」 「うむ?」 「ラードーンが――竜が俺に話した言葉です」 「なるほど」 「それよりも俺の人生に興味をもっているようでした」 「ふむ……」 ジェームズは俺をじっと見つめたあと、ふっ、と笑った。 「つまり、そなたは王国の救世主だ。国は知らない間にそなたによって救われた、というわけだな」 「え?」 そういうことに……なるのか? 「その功績は、今までのどんなものよりも大きいぞ」 ジェームズは笑っていたが。 その目は、すごく本気だった。
「功績……」 「これから大変になるぞ」 そう言って、ジェームズはにやりと笑った。 ☆ ジェームズの屋敷を出た後、俺はギルドに向かった。 アスナとジョディと合流して、今日も一仕事行って来ようと思っている。 ちなみに、ジェームズと話している間も、今この瞬間移動している時も。 俺はラードーンジュニアの召喚を続けていた。 これまでは馬鹿正直に、仕事を始めて、必要になった時から使っていたが、よくよく考えれば発動時間の長いものはあらかじめ始めておいていい。 発動したときに必要なければどっかに空撃ちしてもいいし、こうすることで移動中も魔法の練習になる。 今は召喚のなかで一番戦力になるし、一番時間がかかるラードーンジュニアでそれをやっていた。 そうしながらハンターギルドにやってくると、ガチャリ、と扉が開いた。 「あっ、リアム」 「リアムくん」 中からアスナとジョディが現われた。 「二人そろってどっかに行くのか――」 「こっち来て」
「ではみなさん、話は伝えますから」 アスナは俺の手を引いて歩き出した。 ジョディはその場に一度とどまって、二人をおってでてきた十数人のハンターらしき相手にペコリと頭を下げてから、俺達を追いかけてきた。 ギルドの中で合流する予定だったのが、いきなり連れ出されてギルドから離れていく。 「どうしたんだいきなり。あの人達は?」 「パーティー申請」 「パーティー申請?」 「リアムくんが魔竜を討伐したって聞いて、これからは一緒に、って言ってきた人たちだわ」 「ええ?」 アスナに手を引かれて進みながら、ちらっと振り向く。 扉の辺りで一度ジョディが食い止めたのにもかかわらず、何人かはさらに諦めきれずに追っかけてきそうな雰囲気があった。 その人たちを振り切って、角を曲がって繁華街に入ったところで、アスナは手を放してくれた。 「ふう、ここまで来れば平気かな」 「ふふ、リアムくん、大人気ね」 「はい、これリスト」 アスナはそう言って、四つ折りにした小さなメモを差し出してきた。 受け取って、開く。 人の名前と、得意な戦闘スタイルが書かれていた。 「これは?」 「さっきの人たちのリストだよ」 「さっきの人たち」 「目がもう欲まみれでまともに話ができそうにないから一旦引き離したけど、こういうの、リアムが決める事だからさ」
アスナはけろっと言った。 「このパーティーの主はリアムくんですものね」 「そっか……二人ともありがとう」 「さ、とりあえず今日も仕事仕事」 「ええ、頑張りましょう」 気を取り直して、って感じの二人。 俺は渡されたメモをみる。 二十人近いハンターのリスト。全部、俺のパーティーに入ろうと言ってきてる人たち。 こんなにモテたの……生まれて初めてだ。 ☆ 街道に出没した危険な野獣を何頭も討伐した後、アスナとジョディと別れて、屋敷に戻る。 屋敷に戻ってきて、アスナからもらったメモを眺める。 パーティーの参加の申し込み。 これに応えるべきか――って事で、各人の簡単なプロフィールを眺めていた。 「あっ! お帰りなさいませお坊ちゃま」 玄関ホールに上がると、すぐに一人のメイドが駆け寄ってきた。 「どうした、そんなに慌てて」 「おぼっちゃまにお届け物が殺到してます」 「お届け物?」 「こちらです」
メイドに連れられて、一つの部屋に入った。 部屋の中はサロンの造りになっていて、その中央にあるローテーブルの上に、何かが積み上げられていた。 「あれは?」 「旦那様が、ひとまずここに集めるようにと」 「父上が……? それはいいけど、なんなんだ?」 「お見合いの申し込みでございます」 「お見合い?」 俺は盛大にびっくりした。 ローテーブルに近づき、積み上げられているもの――何かのファイルになっているそれを一つ手に取って、開いてみた。 冒頭に「家」のプロフィールがあって、その後に女の子のプロフィールが続く。 今開いているのはサンチェス公爵家のもので、女の子は次女で名前はアイナという名前だった。 他も開く、これも公爵家で、今度は三女のエリカだった。 次々と開いてみる、ほとんどが公爵とか侯爵の家からのお見合いの申し込みだ。 「なんだってこんな……」 「ちょっと出遅れたか」 「――っ! ブルーノ兄さん!」 いきなり背後から男の人の声がして振り向くと、そこにブルーノの姿があった。 別の貴族の家に婿入りしたブルーノ、それが何故か現われていた。
「どうしたんだ兄さん」 「使いっ走りさ」 ブルーノは積み上げられてるものと同じファイルを取り出して、俺に手渡した。 そのままソファーに座って、メイドに飲み物を持ってこいと命じる。 メイドが慌てて部屋の外にでた。 俺はファイルを開いた。 これも公爵家からのものだった。 「あっちの家の、上の方からの命令でな。お前の兄って事で、届けて、うまく言いくるめてこいって言われた」 「なるほど……」 「おまえ、何した」 「え?」 俺はどきっとした。 「えっと、魔竜を討伐しただけだけど」 「いいや、それだけじゃねえ」 ブルーノは瞬時に否定した。 「俺に命令を下した上の方はな、詳しいことは何も教えてくれなかった」 「え?」 「詳しい事は何も言えないが、お前とはお近づきになりたい。しかも――」 ブルーノは他のお見合いファイルをぱらぱら開く。
「見た所ほとんどが位の高くて、どいつもこいつも有能で鳴らしてる貴族ばっかだ。全員、何かに気づいて集まってきたとしか思えない」 「あっ……」 俺はハッとした。 ジェームズの言葉を思い出した。 『あんな多額の金銭を王女殿下からいきなり渡すなど、まわりに邪推してくれといわんばかりのものだ』 『それを殿下が、王都に帰るよりも前に自分で。貴族をよく知る者は勘ぐらざるをえぬよ』 ブルーノのいう、有能で鳴らした貴族達が早速勘ぐったわけだ。 「ん? おい、何か落としたぞ」 「え?」 ブルーノの視線を追いかける。 俺の足元にメモが落ちていた。 拾い上げる。アスナからもらった、パーティー申し込みのメモだ。 「あぁ……」 この人達はなにも知らない。魔竜討伐をやったってことで、俺に近づいてきた。 貴族達も詳しい事は知らない。スカーレット王女のやったことからより正しい真実を推測して、俺に近づいてきた。 真実を知ってる者も、知らない者もやってきた。 俺のパーティーに入ろうとしたり、妻になろうとしたり。 こんなにモテたのは、生まれて初めてのことだ。
Kindleで安かったんで久しぶりに一巻読み直したが、この頃はアウラが善治郎にすごく気を使ってる。愛情を感じる表現も多いし。 そう思うと最近はだいぶおざなりになってきてる気がする。
>>868 善治郎を我が方と認めて気安くなったせいかもしれないけど
夫を駒のように扱っていると側近に指摘されて気付いたり
善治郎の不満を同衾で解消してるみたいな描写はちょっと引いた
でもまあエロかったのでOKです
生まれながらの王者の気質的にある程度しょうがないんじゃねえかな 男の王だったら当たり前すぎてそんなこと言われてなかったんじゃねえ?
アウラは最近の刊でも主人公の発言から 自分に期待していないこと前提のニュアンス読み取って衝撃受けてたり 主人公にそう思われていないかかなり不安がっているが おそらく主人公自身は全然アウラにそういうネガティブな印象はないというw
アウラは王族だから人に命令することに慣れているだろうし 善治郎は社畜だったから命令されることに慣れてる 凸と凹がフィットしてるんだろうね
ルシンダは可能性あるけど多分正室はプジョルの妹だろうね
>>868 気の休まる成熟した夫婦っぽく感じられて俺は好きだよ
「アナザーワールド」 林の中で、魔法を使う。 現われた別世界に繋がる扉をくぐって、中に入る。 そこには一枚のジャミール銀貨があった。 拾い上げて、見つめる。 インクでつけた印があった。 一分くらい前に、同じようにアナザーワールドを開いて、置いてきたジャミール銀貨そのものだ。 二回のアナザーワールド、中に置いたものが、そのまま残っている。 「やっと、マスターしたか」 俺は嬉しくなった。 ここ数ヶ月、100回近く味わってきた達成感だが、いつ味わってもいいものだ。 それが憧れの魔法をマスターする、という事ならなおさらだ。 俺は銀貨をじっと見つめた。
アナザーワールド、マスターしていない状態では、中に入ってるものは新しくアナザーワールドを使う度に消滅する。 マスターすれば、逆に中においたものがそのままいつまでも残る。 これでようやく、アナザーワールドをもっと活用できる。 俺が思っている通りの使い方が出来そうだ。 マスターした瞬間、縦横共に二十メートルくらいに広がった空間の中を、ぐるっと一周して、空間の広さを把握した。 ☆ 街に出て、大工のところにやってきた。 ハミルトン家の息子だという事で、上客としてもてなされた。 ちなみに俺が男爵に叙されたことは、まだ街に広まりきってない。 普段付き合いのない職種だと、俺はまだ貴族の五男扱いだ。 もっともそれで問題はないから、あえて訂正はしなかった。 大工の店で、隅っこにある小さなテーブルで、熊みたいな男――ダリルと名乗った男と向き合って座っていた。
「それで、リアム様はなんのようで?」 「単刀直入に言う、家を建てて欲しい」 「えっと、貴族様のお屋敷を建てた事なんてないんだけど……」 ダリルは申し訳なさそうな顔をした。 自分のような街大工には荷が重い、と遠回しに言っている。 「お屋敷じゃない、まずは普通の一軒家だ」 「はあ……それならまあ」 「とりあえず、なものだから。広さは10メートル四方、内装とかは任せる。とにかく急いで建てたい」 俺はそう言って、あらかじめ革袋に入れておいた金貨500枚をだした。 テーブルの上に置いて、口を開いて中を見せる。 黄金色の金貨が、まばゆい輝きを放っていた。 「これで足りるか?」 「も、もちろん」 ダリルは大喜びした。 「で、どこに建てるんで?」 「この店の裏に作業場があったよな、俺が注文したのが丸ごと入るくらいの」 「え? ああ、まあ……あそこなら確かに入りますが……」 「じゃあそこに造ってくれ」 「え?」 「無理か?」 「無理じゃないですけど……えっと……」
「基礎とかいいから。家に見える、テントみたいなもの。そういう感覚で造ってくれないか」 「……わかりました」 「ありがとう。早く欲しいから、急ぎでやってくれる?」 「基礎とかいらないってんなら、三日で。手の空いてる連中をかき集めてくる」 「そうか、よろしく頼む」 ☆ 三日後、俺は再びダリルの店にやってきた。 店の裏にある作業場に通されると、そこに真新しい「家」があった。 俺が注文したとおりの、ざっくり十メートル四方の、一家建ての平屋。 「どうですか?」 「中は?」 「どうぞ」 ドアをあけて、中に入る 玄関があって、あがってドアをあけるとリビングがあって。 いくつものドアがあって、開けるとそれぞれ寝室やらキッチンやらに繋がっている。 トイレも風呂場もちゃんとあって、普通に家だ。 「うん、バッチリだ」 「これをどうするんで?」 俺は無言でにこっと笑い、外にでた。 ダリルも外に付いてきた。
「アイテムボックス」 何でもはいってしまうアイテムボックスを使う。 箱がでてきて、そこに建ててもらった家を入れた。 「えええ!? な、なんですか今の。家は?」 「魔法だ、この中に入ってる」 「魔法!? はあ……魔法ってすごいんですね」 ダリルは感嘆したあと。 「あっ、そっか。だからテントって感じなのか。リアム様は魔法で持ち歩けるから」 俺は無言で、ニコッと笑うだけで返事をした。 それは半分くらいしか正しくないが、あえて指摘することでもない。 ☆ 店を出て、その辺の路地裏に入った。 「アナザーワールド」 異空間を開いて、中に入る。 「アイテムボックス」 そして何でも収納できる箱を出して、その中から家をだす。
さっきまでダリルの店の裏にあったあの家が、異空間にドン! と出現した。 アイテムボックスを活用して、家を一瞬でここにうつした。 俺はそれを置いて、アナザーワールドをでた。 一旦消して、裏路地をでて、屋敷に戻る。 いつもの林にやってきてから、再びアナザーワールドを開く。 中に入ると――あの家があった。 家の中に入る、リビングがあって、キッチンや寝室、トイレに風呂場が普通にあるあの家だ。 もう一度アイテムボックスを出して、ストックしていた水で風呂桶を満たす。 どことも繋がってないけど、生活に必要な水とか物資は簡単に持ち込める。 一度外に出て、屋敷をでて――街をでて――街道にやってきた。 最近通い出した、野獣を狩猟する時によく来る街道。 そこでアナザーワールドをとなえて、中に入る。 あの家があった。 「よし」 俺は小さくガッツポーズした。 完全にマスターしたアナザーワールドで、どこでも出入り出来る、自分の家が出来た。 それだけじゃない。 アナザーワールドの空間は、魔力が上がれば更に広がる。
「すっっっっっごーい!!」 思いっきり溜めたあと、アスナは目を輝かせながら俺に迫った。 彼女の横で、口にこそ出していないが、ジョディも似たような感じで俺を見つめている。 俺達は今、アナザーワールドの空間の中にいる。 外から入って、一軒家のすぐ外に立っている。 「これ、さっきのと同じ家だよね。すっごいなあ、街の南端ではいった時も北端で入ったときも同じところに来るんだ」 「どこでも家を持ち運ぶ……こんな魔法初めて聞くわ」 二人とも大興奮だ。 アナザーワールドをマスターして、中に家を建てた。 この家はこの先、パーティーを組んでいる二人にも使ってもらう事になるから、実際に二人に見せた。 一回中に招いてから、一旦外に出て、まったく違う場所でもう一回アナザーワールドを開いて一緒にはいる。 すると、二人はこんな感じで興奮しだした。 「ねえねえ、家の中もみていい?」 「ああ、もちろんだ。この先狩りに行くときに使うから、使う部屋をもう決めてしまって良いぞ」 「本当!」 「あらあら……野宿しないで済むのね」
見た目は美少女に若返ったが、中身はベテランの冒険者であるジョディ。 これまで野宿を結構経験して来たんだろうな。 アスナがまず家に入って、ジョディ、そして俺と続く。 リビングに入った俺達。 ジョディはリビングに立ち止まったままあっちこっちを見回して、アスナはドアを一つずつあけてその奥をみた。 「すごい、中もちゃんと家になってる。ねえ、どの部屋でもいいの?」 「ああ」 「ジョディさんはどうする?」 「私は……うーん」 ジョディは窓の外を見て、困った顔をした。 「どうしたの?」 「ここって、採光の概念はあるのかしら」 「あっ、そういえば……」 アスナも窓の外をみる、俺も見て……はっとした。 アナザーワールドの中は太陽も月もない。 まぶしくないし、暗くもない。 不思議な、そして丁度いい明るさに常にたもたれている。 暗くないから今まで不便には思わなかったが。
「そうか、これじゃ夜寝るとき困るか」 「暗くできませんの?」 「無理だな――ああ、いや。できる、できるぞ」 俺は手をかざした。 魔法を使うと二人は瞬時に分かって、ワクワク顔をしだした。 「出でよ――シェイド!」 下級闇精霊、シェイド。 召喚されたそれは、目の前に小さく浮かぶ黒い塊になった。 夜にみる蛍――あれとまったく正反対で、明るいところにでてきた小さな闇。 俺はその闇――シェイドに聞いてみた。 「この空間を闇で包み込めるか?」 シェイドは小さく、上下に揺れた。 つぎの瞬間、辺りが一気に暗くなった。 自分が突き出した手がどうなっているのかすらみえない、完全なる闇。 「わっ、暗い!」 「精霊で闇を作り出したのですわね」 「ああ。とはいえこれじゃ暗すぎるな――サラマンダー」
今度は下級炎の精霊、サラマンダーを召喚した。 光の精霊でもいいのだが、それだと一気に明るすぎて訳が分からなくなりそう。 人間が生活の上で闇に対抗するには、やっぱり炎だ。 サラマンダーが出てくると、家の中はほどよく明るくなった。 「あ、落ち着く」 「丁度いいですわね」 「せっかくだから暖炉に火をおこそう」 俺はそういい、リビングにある暖炉に、アイテムボックスに溜めておいた薪を取り出してくべて、サラマンダーに火をつけるよう命じた。 暖炉に火がつくと、ますますほっとした。 暗闇の中の炎は、心を落ち着かせる不思議な効果がある。 「なんかすっごい不思議な気分だね」 「ええ。でも、すごく落ち着くわ。狩りの後に野宿じゃなくてここに泊まれたら、疲れを次の日に持ち越さなくて良いわね」 「うん! あたし、いっつも蚊に刺されてさ。まわりが誰も刺されなくてもあたしだけ刺されるから、野宿にがてだったんだ」 「それなら平気だ。ここは俺が許可した相手しか入って来れないから、蚊の心配はない」
「本当! やった!」 「リアムくん、この闇って、もう少しだけ明るくならないかしら」 「もう少しだけ?」 「ええ、夜くらいの暗さだったらもっといいって思ったの」 「ああ、それはそうだな」 ジョディの言うことはもっともだ。 今は、暗すぎる。 精霊シェイドが作り出した闇は「闇すぎる」。 向いている、火がついてる暖炉の方は良いが、そうじゃない方向はちょっとぞくっとするくらいの完全な闇だった。 「シェイド、闇の度合いを調整できるか?」 シェイドは否定した。 召喚者の俺にダイレクトで伝わってくるメッセージは―― 「この子じゃダメみたい。下級精霊は闇にするまでしかできなくて、調整は中級精霊じゃないと出来ないらしい」 「そうなのね」 「中級精霊か……闇もそうだけど、水も召喚出来るようになりたいな」
かつて、海水を直接真水に出来ない、ウンディーネの事を思い出した。 やっぱり中級精霊の方が出来る事がふえる。 そういう魔法書……どこに行けば手に入るんだろう。 「しょうがないよね。精霊もあたし達みたいに成長出来れば良いのに」 「え?」 「え?」 アスナと俺がお互いに驚いて、見つめ合った。 「な、なにリアム。あたしなんか変なこと言った?」 「アスナ達みたいに……」 俺はシェイドと向き直った。 手をかざして、シェイドに新しい魔法をかける。 「ファミリア」 使い魔契約の魔法、ファミリア。 主従の関係を結ぶ魔法で、本来なら、召喚中はすでに絶対服従の精霊たちにかけてもまったく意味のない魔法だが。 魔法の光がシェイドを包み込んだ。 アスナ達が契約したときとまったく同じことが起こった後。 『ありがとうございます』
目の前の闇の中級精霊は、形が大きくなっていた。 さっきまで蛍の光程度の大きさだったのが、両手でギリギリ抱きかかえるほどの大きさになった。 「闇色」のボールみたいなボディに、はっきりとした目が一対ついている。 その目は知性と理性を併せ持った、落ち着いた光の目だった。 ものすごい変化。 まさに「進化」だ。 「アスナ達みたいに『変わる』って予想していたけど、中級精霊に進化するなんて予想外だった」 『これも主のおかげでございます。ご恩に報いるべく誠心誠意働きますので、いつでも呼び出して下さい』 「あー……」 精霊の言葉は真摯なものだった。 が……呼び出す、か。 「それは、お前を呼び出すって事だよな。中級精霊であるお前を」 『その通りでございます』 「そっか……それは……うん」 俺は眉をひそめて、苦笑いをしてしまう。 それを見たアスナが不思議そうな顔で聞いてきた。 「どうしたのリアム、難しい顔をして。なんかまずいことでもあるの?」 「まずいというか……俺は中級精霊の召喚魔法を覚えてないんだ」 「えっ、そうなの? どうして?」
まあ仕事しながらなんだろし 仕事忙しい時は本当に眠る時間作らないと体壊すからな そういう事情あれば自分の心身優先にするのはやむなしとは思う
もう少し話の規模をカープァ国内の周辺に留めてこじんまりとすれば余計な登場人物も増えずに書きやすそうではあるんだけど それは異世界の情勢とヒーロー文庫が許さないか
ヒーロー文庫ってWebサイト適当だったりするし雑誌売ってるだけってイメージなのに 意外としっかり編集が書籍の体裁に整えさせてから文庫化してるよな
なろうの出版なんて絵付けてそのまま刷りゃいいぐらいで 下手したらファンもそれを待ってるのに 安易にオタに媚びなく真面目に書籍化してる感ある 予算も、マンパワーも足りてなさそうなのに良くやるわ
ヒーロー文庫ってまともな編集いないんだが 異世界迷宮でハーレムをなんか書籍版で改変した結果酷い矛盾になってるし
なろう出身の作品の代表的レーベルにまで一人の編集者でもっていった実績は確かに凄い 未だに一人なんだろうか。さすがに編集も増やしているかな
>>895 あー しっかりって言葉のニュアンスが違うみたいで勘違いさせてしまった。
あの作品でいえば 完全になろうに特化したケータイ小説風のスタイルだったのを書籍用に変えさせただろ
そういう介入の話をしたかった
ありがちなオタに媚びてヒロイン増やしましょうみたいな奴じゃなくてね
別にそのままコピペしたって買う奴は、買うし買わない奴は買わないだろうにね
その手の介入があるから無理が生じているんだとは思うけど、あの作品に関してはウェブ版でも辻褄がーとか言ってたし そこを編集のせいだって言うのも何か違う気がするけどね
それに創作物にガチ勢が求める精度で辻褄合わせるのが当然みたいなのは過ぎた要求だと思うけどね
その緻密さを売りにしたいなら話は別だけど
侍女側室ルート
ぶっちゃけ側室じゃなくてもいいし愛とかどうでもいいからとにかく子供作ってってのが周囲の本音だろうなー
>>899 侍女がソファーに座り遊びに興じ主人を立たせたまま遊びの説明を受けるって改めて凄いな、和む光景だけどw
小説の方はあくまで間接交流のみの描写だけど 3年も一緒に過ごしてたらこんな機会も何度かあるんだろうなぁ
>>904 問題児3人組と主人公の関係の特異さをよく表している絵だなw
実際こういう形で交流したわけではないけどね ゲームを貸し出しするのだって説明書と一緒に置いただけだし 侍女と一緒にゲームする描写もない
その漫画の描写が原作にはないものだと言ってるんだけどね
原作に三人娘との関わり方についてはっきりと描写されてるのに 漫画でありえない絵を描かれたからって原作でもそうだと勘違いしてるのはアホだなーと思いましたまる
まあいつものアホ 足りない頭でケチつけるから残念なことにしかならない
オッペケ は頭が足りないから家系図は当主の都合で書くものとレスしちゃうんだね
263 この名無しがすごい! (オッペケ Srbb-aWhQ)[sage] 2019/09/27(金) 08:28:09.11 ID:BTyJ0XYar
>>261 どちらにせよ家系図はなんの証拠にもならない
当主の都合で書くもんだからな
お前はそれを証拠として使えると思い他人を攻撃する馬鹿だ
低脳すぎて話にもならんよ
>>912 漫画の話で皆でワイワイ楽しくやってるとなぜか来るんだよね
>>899-914 ここまでがワンセットで自演、って聞いた
肉の切り方逆じゃね?と思ったら次のページでは普通になってた
ヒモの話から逸れるようで逸れない(と思う)けど 久しぶりに出た十二国記読んだら色々辛かったわ 山が大きすぎて2巻費やしても全然越えられないというか話が動かない ヒモみたいに大きい目標を達成するために小さい事件を 短いスパンで順次越えていく話の方が圧倒的に読みやすいね
いや思いっきりスレチなんだけど 十二国記?とやらの作品スレに書き込めよ
事件のひと山の大きさというか一件落着までのスパンの話ね ヒモで言えばもしガジール辺境伯領に着くまでに1冊 裁判沙汰に2冊とかかけられたら嫌じゃない? 事件が小粒になりすぎても不満が出そうだけど長々解決しないのも辛い そのへん皆さんどれくらいがお好みなのかなーと ちなみに自分は短いスパンで一仕事終えて アウラと夜の反省会&親睦会をして終わる序盤のペースが結構好きだった
スレとは全く関係ない作品の名前を唐突にだして 理想のヒモ生活との共通点でも話すのかと思ったらここが気に入らなかった!と言われても知らねえよとしか思わないし 自分の感覚がさも共通認識かのように〇〇は嫌じゃない?と同意求められても反応に困るし かといって理想のヒモ生活が自分の望む理想のスパンの作品かと思いきや「序盤」が「結構好きだった」程度の話なのね いやほんとどうでもいいです
デジカメを持ち込んだ別の異世界モノを読んだが 発想が異なってて成程と思った 別作品 要人を撮って、面通ししておく。暗殺も視野に ヒモ(プジョル) 地形を撮って、戦術の足しにして地の利を得よう さすが将軍というか戦術視点 ヒモ(アウラ?) 北大陸の様子を撮って、風土・文化・技術など探りたい 貿易などを考えた外交的政治視点 ヒモ(ゼンジロウ) 出張で会えないから、愛娘の成長を撮っておいてくれ 親視点
>>919 ガジール辺境伯の事件やら共和国の教会との戦いとかは
1巻で終わらせているからいいよね
あれが2巻使ってやられていたら相当ダレる
ヒモでは側室関係は主人公的には嫌だというのもあって
何巻も使って進めてきたから次巻ではついに決定するか
>>923 その比較対象が誰も読んでない作品な時点で他人に伝える気がないよ
件の作品をヒモに喩えるとカープァの王宮で謀反が起こって アウラが生死不明の行方知れずになってるみたいな話 それで善治郎・フレア一行が戻ってきてアウラを捜し暫定政権を倒そうとしてる感じかな それが面白そうかどうかは置いとくとして 18年の間に4冊の本が出た 王(アウラ)は生きてるから希望を捨てるなという話になってたし 読者にもさんざん気をもたせてたんだけど 善治郎一行が駆けつける直前に死んだらしいと判明してグダグダになってる 18年4冊かけてそんな感じ 作者はあと2冊で決着をつけると言ってるw 最後に怒涛の解決編が用意されてるのかもしれないけど いかんせんトンネルが長すぎるよねと 実際のヒモの方は近ごろ善治郎の出張が長期化する傾向もあるけど トンネル1個あたりの長さはそんなに長くないのではるかに読みやすい (というかこの書き込み長すぎるね)
クラスに一人はいたなぁ。誰も興味ないのに自分の好きなことを長々と語っちゃうタイプ そういう人って相手のこと考えてないから大抵周りから浮いていたけど、ネットでも浮くんだね
ヒモ生活はこのところ {カープァ王国の安定[側室を迎える(フレアの実家へ挨拶に行く)]} という入れ子構造になってて 12巻は{フレアの実家へ挨拶に行く旅[ポモージエでのトラブルを乗り切る (打ち合わせや戦勝パーティに出席)]}という格好になってたね こんな感じで大目標に向かっていく中でぶつかる小さ目の案件を 1個ずつ乗り越えてはホッとする感じで 緊張と緩和を繰り返してくれると読みやすい
1,2レスなら許すけど、長文で何レスも自分語りかまされるとキツイから流石にNGにしたわ
ヒモ生活の序盤が結構好きだったってことは最近のヒモ生活は好きじゃないってことでしょ? もっと好きな作品のスレに行って語ってきなよ
>>924 同じ道具でも違う使い道を考えるだろうというのは面白いね
地形が軍事情報だという意識は庶民にはあまりない
>>929 個人的には12巻続いて読んでいても間延び感はないから
言いたいことはよく分かる
側室とりの話が1巻でおさまらない話だから
次巻が楽しみだ
これをテンプレに入れたいと思いました (書き込む前に読んでね、より) 頭のおかしな人には気をつけましょう 利用者が増えるに従って、頭のおかしな人もそれなりに出没するようになって来ています。 頭のおかしな人に関わるとなにかと面倒なことが起こる可能性があるので、注意しましょう。 頭のおかしな人の判定基準 「みんなの意見」「他の人もそう思ってる」など、自分の意見なのに他人もそう思ってると力説する人 他人が自分とは違うという事実が受け入れられない人です。自分の意見が通らないとコピペや荒らしなど 無茶をし始めるので見かけたら放置してください。 根拠もなく、他人を見下したり、差別したりする人、自分で自分を褒める人 他人を見下すことで自分を慰めようとする人です。実生活で他人に褒めてもらう機会がないが プライドだけは高いとか、匿名の掲示板しか話し相手のいない人です。可哀想なので放置してください。 自分の感情だけ書く人 「〜〜がムカツク」とか自分の感情を掲示板に書くことに意味があると思っている人です。 何がどのようにムカツクのか論理的に書いてあれば、他人が読んでも意味のある文章になりますが、 そういった論理的思考の出来ない人です。もうちょっと賢くなるまでは放置してあげてください。
>>933 分かるって書いてくれて正直嬉しい
まあ間延び感を覚えずにこの作品を楽しめてる事も
この作品が設けてるトンネルの長さというか歩幅が
読者の感覚と合ってるからでもあるんだろうね
11巻でワレンティアから出港するまでにグダグダと小エピソード挟んで1巻使ってて 12巻でもそのままウップサーラまで飛ばせる話なのにわざと騒動に巻き込まさせて1巻消費してる最近の展開見てたら間延びしてるようにしか見えないけど そもそも理想のヒモ生活自体が5巻でフレア登場させたのに12巻になっても一向に側室入りしないし ルクレツィアも側室入りする目途もたってないし、ガラス玉も安定した量産体制にすら入れてないからなろうとしてはかなり展開の遅い作品だと思うけどね 別の作品でも読んでるんだろうか
>>937 ポモージェ編は本当に辛かったね
新しいキャラを何人も出されても興味持てないし
北大陸の人物だからそこから発展されても困るというか
早くウップサーラで結婚の承諾とってきて南大陸に帰ってほしい
>>940 ワンピースのデーベーバック編や魚人島編でも変わらず楽しめるタイプなの?
すごいなぁ
まあ今は話題も少ないしちょっとくらい別作品の話してもいいんじゃね? 作品関係なく延々不毛な罵りあいしてるの見るより平和でいいわ
11月になったが「活動報告」に新刊予告がないから今年は1冊でうち止めかな 早く続き読みたい
まあ新刊発売前には大体Web版が更新されるからなあ
>>944 同じなろうならまだ分かるけどなろうですらないって意味不明やな
amazonの11/30発売のヒーロー文庫の中には無かったな。
次はみんなが大きく期待しているであろうフレア嫁取り編だから作者としても時間掛けてでも充分練っていつも以上に丁寧に書きたいってのはあるかもね
国際情勢的に共和国と騎士団のどっちが勝つのか、わかるまでは結婚の話はちょっと待ってねとか言われる可能性が…
>>939 まあ飛ばすと書き手てきには勿体ないんだよ
あとで外伝書く方法もあるけど
時系列守らないと蜘蛛ですがみたいになるぞ
大陸間移動が大変なのは
ある意味リアルなんじゃない?
行く先々でトラブル発生するのは
お約束だよ
>>952 蜘蛛ですがは時系列を使った叙述トリックだし...勇者の外伝で一冊使うのは意味不明だけど
そのトラブルがなぁ、偶然が折り重なった物語的都合によるものだから萎えるんだわ
>>942 正直言って君のその感覚だけでなく
>>950 >次はみんなが大きく期待しているであろうフレア嫁取り編だから
っていう同意を求めるというか、他人も同じはずだみたいな前提での話は全般的にウザいです。
理想のヒモ生活っていうタイトルで最初は普通にアウラしかヒロインが居なかったわけだし、あれが好きじゃなきゃ読んでいないはず。 アウラみたいなのが好みじゃなくてフレアやボナ、ルクみたいなのは好みって奴はこの作品は読まんだろ! みたいな話しだす奴いたらウザいってのはわからんのかな?同じぐらいアウラをdisするのもウザいと思う ストーリーについても細かく丁寧に話を進めてくれるのが嬉しいって奴もいるだろ。 問題は遅筆な上に話が進まないって事じゃないか? まぁなんでもいいからドンドン先書いてくれればいくらでも寄り道してくれて構わん。
まさにID:v58r6p3R0のレス全部に当てはまるね
俺はこう思う そうだね、でも俺はこう思うよ って言う会話がどうしてできないのかな 意見すら否定したら会話が成り立たなくなると思うんだけどもw
>>954 キャラクターの好みがどうかとか、ストーリーの好みがどうかという問題はさておき
フレア姫の側室入りというのは、現在までの書籍化された分量の半分近くに渡って
(ストーリーの中核として機能した話ばかりではないけれど)ずっと存在してきた問題で、
ウップサーラでその父親に会うというのが、ストーリー上の大イベントなのは間違いなかろう
これで話がどう動くのか?を期待してない読者はいないと思うがな
アウラ以外のキャラクターの側室入りを歓迎しているかどうかなどの方向性が
読者ごとにどちらを向いているかはともかくとして
>>958 さも同意を得られているような前提で話をされるのが「俺は」ウザいわけで、意見をそういう感じで提示するだけならいいと思いますよ。
ただまぁなんか暴れてる奴はその前提が大多数の奴と違うベクトルだから叩かれてない
>>950 はそこまでズレてないからスルーされてるだけの違いしかないんじゃないかな?
>>959 まぁ別に同意なんてしてくれなくていいけど
善治郎自体が乗り気でない婚姻話より北の国々の情勢が詳しく話される事でヒモの世界の広がりが感じられてテンション上がる みたいな奴もいるだろうよ
全般的に自分の考えを無意識に押し付けてる自覚足りねぇんじゃないっていう例で挙げただけで
その内容自体はそこまで重要じゃないから別にフレア婚姻云々に対してのストーリー上の重要さについて俺に対して主張してくれなくていいよ
>>960 んじゃあ僕は自分語りを作品スレで長文で書く君がウザいと思います
終わり
>>961 >
>>960 >んじゃあ僕は自分語りを作品スレで長文で書く君がウザいと思います
>
>終わり
鏡みろよ 自分が自分語りしてる自覚ないんか?
だからお前叩かれてるんだよ 気持ちがわかって貰えて嬉しい
>>963 だから ウザいだろうなってことをわざわざしているからね 君に言われるまでも無いよ そもそも
>>941 に指摘されてるように スルー推奨されてるのにいつもの奴に絡みに行ってるだけで 同じだよ
自覚ないの?こうやって俺にもわざわざレスつけるわけでさ
頭のおかしな人の判定基準 「みんなの意見」「他の人もそう思ってる」など、自分の意見なのに他人もそう思ってると力説する人 他人が自分とは違うという事実が受け入れられない人です。【自分の意見が通らないとコピペや荒らしなど 無茶をし始めるので見かけたら放置してください。】 根拠もなく、他人を見下したり、差別したりする人、自分で自分を褒める人 他人を見下すことで自分を慰めようとする人です。実生活で他人に褒めてもらう機会がないが プライドだけは高いとか、匿名の掲示板しか話し相手のいない人です。可哀想なので放置してください。 基本放置が正しいようです
この作品に出てくる女性キャラだいたいみんな好きだけどアンナ王女はさすがに手前の都合のことばかりでちょっときつかった でもFEとか好きだからペガサスナイト好きなのでジレンマでビクンビクン
アンナ王女にひくの判るわ 目標達成に全力なのは美点だろうが、他人を巻き込んで平気なのはなあ 特にフレア王女、彼女の立場上すごい不利益被ることわかって巻き込んでるよな まあ、俺らのこの世界でも、そういうメンタリィティじゃないと 政治屋として偉くなれないのかもしれないが
>>974 >特にフレア王女、彼女の立場上すごい不利益被ることわかって巻き込んでるよな
南方との貿易を望むなら中継港としてあそこを利用したいのはほぼ必須だろうからどの道参入しないといけ
ないのは既定事項だと思うけどね
南方との貿易オプションをとるかどうかの選択肢があったフレア父の立場からすれば選択肢が無くなったも等しいけど、フレア的にはある意味で善治郎との結婚を後押しする出来事でもあるかと
勿論介入するにしても、参加の仕方の程度は選べたのにそれが出来なくなったという不利益はあるだろうが、教会連中とは直接国境接して無いみたいだし、実際はそこまでの実害的なのは無いんでは?
13巻はまだかね? 「ガラスが実は北大陸では普通に売ってました」をどう収めるのか気になって仕方ない。
港一つの使用権のために戦争に参加するのは必須というのはどうかと ポモージェ港が教会圏の手に落ちようがすぐ精霊信仰国が使えなくなるわけじゃないし(現に南の教会圏国は南大陸と貿易してる) 文字通り教会すべてに喧嘩売るのはメリットに対してデメリットが大きすぎるんじゃないかなぁ ウップサーラだってきっと教会圏の国とも交易してるでしょ ポモージェ港が使えなくなってもまだ他に港はあるだろうし
>>952 >行く先々でトラブル発生するのは
>お約束だよ
たとえば堺正章主演の西遊記を思い出してみると
目的地は天竺だけど毎回へんな妖怪が出てきて
そいつらを1話に1匹退治することで緊張と緩和が毎回繰り替えされてた
だからなかなか天竺という目的地に着かなくてもダレてる感じは無かった
まあそういうことだよね
ただヒモ生活は最初宮廷ものだったのが出張ものになり
今は旅ものの様相も呈してきてるから読者側も読み方というか
期待の仕方を多少変える必要はあったかなとは思う
>>979 だいたいよろしかろう
乙
しいていうなら
VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvv:1000:512:: EXT was configured
はいらない部分がどうしても増えていくのでその都度 消していくもの
>1にコマンド3行と書いてあるからいまはいいけど
さらに次を立てるならそれもその都度
コピペして足しておくもの
ってあれ、980立てのスレだったかw
まぁ少しだからいいけど
>>979 その場合でも「スレ立てる」とか宣言しましょう
>>978 > だからなかなか天竺という目的地に着かなくてもダレてる感じは無かった
> まあそういうことだよね
西遊記(原作)はとんでもなくつまらないぞ
「イベントをいかに魅力的に見せるか」に十分に工夫がなければ
どうしようもなくマンネリでダレたシロモノになる
戦争に参加すると教会が敵に回るって意見だけど必ずしもそうとはかぎらんのでは? 今回の場合はあくまでも共和国と騎士団の教会勢力同士の戦争なわけだから
>>979 たておつです
>>982 西遊記は原作つまんないのか
マチャアキ版で毎回ゲスト悪役を用意したのはそれでかな
少年漫画の部活ものやバトルものでは
ダレないために対決を繰り返す形式のものが多いし
1試合が長引きすぎる場合なんかによく間延びしてると言われるね
>>984 教会の騎士団相手を敵に回したらそりゃ敵対宣言になるよ
もし共和国が騎士団に負けてポモージェ港が占領されても
戦争に参加してなかったらウップサーラも多少不便になるとはいえまだ使用できるかもしれないけど
戦争に参加したら利用できなくなるだろうし
他国の港一つのためにわざわざ戦争参加するメリットは少ないかと
>>986 騎士団はいくつもある教会の派閥の1勢力に過ぎないわけで、同じく教会の別勢力である共和国に味方しただけで教会全部に喧嘩売ることにはならんのでは?
>>985 スレ違いだけど、スレを埋めるタイミングだしいいかw
ゲスト悪役に相当するキャラクターは毎回出てくるし、バトルもあるんだよ<西遊記
問題は大半のエピソードで爽快感がこれっぽっちもないことw
仏教や道教の偉い人のゆかりの下僕などが妖怪となって旅を妨害する
↓
勝てなくて困った悟空たちが正体を探って偉い人の所にクレームを付けに行く
or観音様などが正体を教えてくれる
↓
偉い人が仏縁などについて悟空などに説教をし、妖怪を回収して帰って解決
基本この繰り返しなので、少なくとも現代日本人が読んだ場合カタルシスは全く感じないw
パロディ作品と同じで元ネタに相当する部分がわかると面白いのかも知れんし、
せめて仏縁とか因果に関する価値観を共有できたらまだ我慢できるのかもしれないけど・・・
換骨奪胎して妖怪にキャラをつけ、エピソードをふくらませ、自力でかっこ良く勝つように
バトル部分を改変すれば現代日本人(及び外国人)にも楽しめるようになるんだけどね
それこそマチャアキ版のように
>>982 コナンくんも
行く先で さつ人事件 発生するしな
ネタで、トラブルを呼ぶ王族!とか
無意識に洗脳魔法を使ってる!
とか言われるようになる
>>988 あー原作は解決方法が他力本願的なのか
西遊記じたいを元ネタにした漫画やアニメが山ほどあるってことは
「こうすればもっと面白くなるのに」と思った人が沢山いたんだろうね
問題を解決しながら目的地を目指すという構造じたいは
悪くないはずだし
れいわになったから シンゴくんの西遊記でもオッサん扱いかな
なろう作品の中では対象年齢高めだしね 西遊記はいろんな伝承の英雄や化け物が出てくるから現代のfateとかに近いのかね
完全にスレ違いになってしまった、話少し戻して辺境伯家での話は主人公側が一方的に勝利する形になったけどヒモ生活ではそうゆうの珍しいのでは?
>>997 事実関係が争点になってしまうとなー
大人の対応をして五分五分で手を打つとしたら
明らかな嘘を半分も事実認定する事になる
それは現代人の読者にとって後味が悪すぎるだろうね
だからか事実関係で譲らないかわりに罰則の内容を甘くしてる
あるいはクリス騎士長をムカつくキャラにし過ぎて
あれ以上手加減できなくなったのかも
次スレを立てたらさっさと埋めて移住するようにした方がいいな 残りがちょっとだからちゃんとした話もできないしともたもたしている間に 次スレが100レスほど荒らしで埋まってるw すみやかに移住しても、2日で100レス荒らされたら対策のしようはないのだが
-curl lud20241205110020caこのスレへの固定リンク: http://5chb.net/r/bookall/1567953762/ ヒント: 5chスレのurlに http ://xxxx.5chb .net/xxxx のようにb を入れるだけでここでスレ保存、閲覧できます。TOPへ TOPへ
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