【ワシントン=小太刀久雄】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が米ワシントンで17日夜(日本時間18日朝)、2日間の日程で開幕した。初日は世界経済の減速について話し合い、米中貿易戦争や英国の欧州連合(EU)離脱問題などの影響が焦点となる。世界的に利下げが相次ぐなか、金融政策だけに頼らず経済成長を促す必要性も各国で共有する。
日銀の黒田東彦総裁は開幕前、記者団に対し「世界経済の回復シナリオは大筋で変わっていないが、回復時期が後ずれしている」と語った。世界的に雇用情勢や消費は堅調との見方を示しつつ「世界貿易は減少に転じ、製造業の生産が減少している」と課題を挙げた。
麻生太郎財務相は初日討議終了後の記者会見で、米中貿易摩擦の影響を「注意深く見ていかないといけない」と語った。
国際通貨基金(IMF)は2019年の世界経済の成長見通しを3.0%と、7月時点から0.2ポイント下方修正した。米中貿易戦争により、日本を含む広範なサプライチェーンにも影響が出ている。米国と中国は11日までに貿易問題をめぐり部分合意に達したが、IMFのゲオルギエバ専務理事は17日の記者会見で「不十分」と指摘。さらなる進展に期待を示した。
17日に英国とEUは離脱条件の修正で合意したが「英議会で承認されるかまだ不確実」(黒田総裁)だ。景気の先行きへの不透明感に対処するため、米連邦準備理事会(FRB)はすでに利下げに踏み切り、新興国も相次いで追随している。世界銀行のマルパス総裁は17日の記者会見で「多くの国はすでに追加の財政・金融政策を打てる余地が少なく、構造改革が欠かせない」と指摘した。
討議2日目は米アップルやグーグルのようなグローバル企業を念頭にした新たな課税方法や、米フェイスブックが主導するデジタル通貨「リブラ」がもたらす金融システムへの影響などを話し合う。
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51114860Y9A011C1000000/
日銀の黒田東彦総裁は開幕前、記者団に対し「世界経済の回復シナリオは大筋で変わっていないが、回復時期が後ずれしている」と語った。世界的に雇用情勢や消費は堅調との見方を示しつつ「世界貿易は減少に転じ、製造業の生産が減少している」と課題を挙げた。
麻生太郎財務相は初日討議終了後の記者会見で、米中貿易摩擦の影響を「注意深く見ていかないといけない」と語った。
国際通貨基金(IMF)は2019年の世界経済の成長見通しを3.0%と、7月時点から0.2ポイント下方修正した。米中貿易戦争により、日本を含む広範なサプライチェーンにも影響が出ている。米国と中国は11日までに貿易問題をめぐり部分合意に達したが、IMFのゲオルギエバ専務理事は17日の記者会見で「不十分」と指摘。さらなる進展に期待を示した。
17日に英国とEUは離脱条件の修正で合意したが「英議会で承認されるかまだ不確実」(黒田総裁)だ。景気の先行きへの不透明感に対処するため、米連邦準備理事会(FRB)はすでに利下げに踏み切り、新興国も相次いで追随している。世界銀行のマルパス総裁は17日の記者会見で「多くの国はすでに追加の財政・金融政策を打てる余地が少なく、構造改革が欠かせない」と指摘した。
討議2日目は米アップルやグーグルのようなグローバル企業を念頭にした新たな課税方法や、米フェイスブックが主導するデジタル通貨「リブラ」がもたらす金融システムへの影響などを話し合う。
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51114860Y9A011C1000000/