実証試験では、福島県相馬市の福島ロボットテストフィールドで実施。施設とその周辺に、離着陸場を8か所設置し、災害調査、警備、物流、郵便の4つの利用シーンを想定してドローンを飛行させた。NTTドコモ、KDDI、楽天、日立製作所がそれぞれドローンを飛行させたほか、NEC、NTTデータ、日立製作所が運航管理統合機能を、ゼンリンと日本気象協会が情報提供機能を試験した。
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飛行経路図
まず、それぞれの事業者が申請した飛行計画から、ドローンの飛行経路や離着陸場の重複を事前に自動確認。気象や地理などの条件を踏まえつつ各事業者に変更を要請し、円滑な全体調整を実施した。また、全ドローンの位置情報をリアルタイムに一括で管理。ドローン衝突の危険性などを確認し、安全運航に関する情報をそれぞれの事業者に提供した。結果、安全を確保しつつ10機のドローンを15分程度飛行させることができたという。
将来ドローンの活用が一般的となり、高密度でドローンが飛び交う状況となった際、対策を講じない場合にはドローンが衝突する危険性がある。これを防ぐためには、全ての機体の飛行計画や飛行状況を把握し、ドローンの運航を統合管理する必要がある。また、ドローンの安全運航のためには、地形や建物の3次元地図情報や、気象情報などをドローン事業者に提供しなければならない。
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運航管理システムの構成
NEDOでは今回の試験結果をふまえ、より安全かつ効率的な運航管理を実現するため、機能の拡張や高度化を進める。また、今回開発した運航管理システムの普及にむけ、システムのAPIを順次公開する。これにより、現在参画しているドローン事業者以外でも、運航管理統合機能と接続したドローン運航試験を、福島ロボットテストフィールド内で実施できるようになるという。
2019年03月01日 19時16分
CNET Japan
https://japan.cnet.com/article/35133562/