企業内には、必要なものは何でも、自社で作るかあるいは購入するかについての緊張が常にある。数年前Dropboxは、必要とするインフラストラクチャの大部分をAWSから自社のデータセンターに移行することを決定した。想像できるように、それには大変な努力を要したが、自らの運命をコントロールできることの利点は、そこに到達するまでに直面する、すべての困難に見合う価値があると彼らは信じていたのだ。
まず第一に、Dropboxのような会社は、莫大な量のデータを保存している多数の顧客を扱っている。最新の数字によれば、5億人のユーザーと20万のビジネス顧客がいる。彼らが移行を行ったときには、AWSサーバーに置かれていた500ペタ(5のあとに0が17個続く)バイトという真に膨大な量のデータを移動させる必要があった(AWSはまだ一部のワークロードで使用されている)。
最初のステップは、それを置き換えるインフラを構築することだった。ここで話題にしているのは、わずか数十人のインフラチームを抱える、総勢1500人の会社のことだ。これは超大規模な作業ではなかったが、彼らがやろうとしていたのは、それまでは遥かに大きなチームを抱えたわずかな会社だけが成し遂げていたことを、自力で行なうということだった。
それには米国内の3つのデータセンターの建築と運用が含まれていた。またそれは、米国のデータセンターと世界中に散らばる他の施設の間をつなぐネットワークバックボーンの構築も意味していた。Dropboxを開いてファイルをリクエストしたなら、利用者はファイルが待ち時間なくほぼ即座にダウンロードされることを期待するだろう。古いシステムから新しいシステムへの移行が行われている最中も、それが確実に行われるかどうかはチームの腕次第だった。
「バックボーンについて見られる素晴らしい点は、おそらくGoogleやFacebookの中でも見つけることができるでしょう。しかし私たちはそれを彼らよりも小さなチームで成し遂げたのです」とTechCrunchに語るのは、Dropboxのプロダクションエンジニアリング責任者のDan Williamsだ。そしてその小さなチームは、すべてのサービスを継続的に運用しながら、バックボーンを構築して、すべてのコンテンツを移動しなければならなかった。
とはいえ同社は、インフラストラクチャーのコントロールを切望していたので、この大規模な作業を喜んで行ったのだ。Williamsは、このような決定を下す際には常に譲歩が必要なことは認めていたが、最終的にそれらのトレードオフは意味のあるものだった。「私たちの場合、それは品質とコントロールと管理に関するものでした。高い品質と性能を備えたしっかりした第三者がいることは分かっていますが、私たち自身のシステムも同じか、あるいは更に良いものだと感じています。なぜなら自分たちのシステムなのでその中身を良く知ることができるからです」。
Williamsによれば、Dropboxにとって、ネットワークを構築することはビジネス上の決定であり、全体的なビジネスにプラスの影響を与えたと語った。「このようなかなり規模のネットワークを実際に構築した者は、ビジネス上によい影響があると考えています。本当にユーザーの信頼を獲得することができますし、この高い品質のサービスに基く、更なるプロダクトやサービスへユーザーを迎えることができるからです」とWIlliamsは説明した。
新しいシステムは、確かに企業ITにおけるDropboxの評判にプラスの影響を与えた。過去を振り返ると、Dropboxは大規模な組織内での未許諾利用によって、しばしばIT部門から悪評を招いていた。今日では、Dropbox Businessの製品ラインが、企業のインフラストラクチャとネットワークを組み合わせて、これまでにないレベルの信頼性を実現している。Williamsは、Dropboxがネットワーク運用の詳細な洞察を得ていること、そして今回の変更でユーザーに新たな負担は求めなかったものの、その運用データはセールスに活用できていると語った。
「私たちの信念の1つは、高性能で低コストの製品を提供することです」彼はこれによって、この移行を通じて古い顧客を維持しつつ、ユーザーベースを増やすこともできたのだと信じている。
所有コストが実質的に下がったかどうかにはかかわらず、同社はそれを自ら構築することによって目標を達成できた考えている。「コストは常に考慮していますが、私たちのネットワーク拡張の目標は、ユーザーのためにパフォーマンス、信頼性、柔軟性およびコントロールを向上させることでした。これには成功することができたのです」と同社広報担当者はTechCrunchに語った。
http://jp.techcrunch.com/2017/09/16/20170915why-dropbox-decided-to-drop-aws-and-build-its-own-infrastructure-and-network/
まず第一に、Dropboxのような会社は、莫大な量のデータを保存している多数の顧客を扱っている。最新の数字によれば、5億人のユーザーと20万のビジネス顧客がいる。彼らが移行を行ったときには、AWSサーバーに置かれていた500ペタ(5のあとに0が17個続く)バイトという真に膨大な量のデータを移動させる必要があった(AWSはまだ一部のワークロードで使用されている)。
最初のステップは、それを置き換えるインフラを構築することだった。ここで話題にしているのは、わずか数十人のインフラチームを抱える、総勢1500人の会社のことだ。これは超大規模な作業ではなかったが、彼らがやろうとしていたのは、それまでは遥かに大きなチームを抱えたわずかな会社だけが成し遂げていたことを、自力で行なうということだった。
それには米国内の3つのデータセンターの建築と運用が含まれていた。またそれは、米国のデータセンターと世界中に散らばる他の施設の間をつなぐネットワークバックボーンの構築も意味していた。Dropboxを開いてファイルをリクエストしたなら、利用者はファイルが待ち時間なくほぼ即座にダウンロードされることを期待するだろう。古いシステムから新しいシステムへの移行が行われている最中も、それが確実に行われるかどうかはチームの腕次第だった。
「バックボーンについて見られる素晴らしい点は、おそらくGoogleやFacebookの中でも見つけることができるでしょう。しかし私たちはそれを彼らよりも小さなチームで成し遂げたのです」とTechCrunchに語るのは、Dropboxのプロダクションエンジニアリング責任者のDan Williamsだ。そしてその小さなチームは、すべてのサービスを継続的に運用しながら、バックボーンを構築して、すべてのコンテンツを移動しなければならなかった。
とはいえ同社は、インフラストラクチャーのコントロールを切望していたので、この大規模な作業を喜んで行ったのだ。Williamsは、このような決定を下す際には常に譲歩が必要なことは認めていたが、最終的にそれらのトレードオフは意味のあるものだった。「私たちの場合、それは品質とコントロールと管理に関するものでした。高い品質と性能を備えたしっかりした第三者がいることは分かっていますが、私たち自身のシステムも同じか、あるいは更に良いものだと感じています。なぜなら自分たちのシステムなのでその中身を良く知ることができるからです」。
Williamsによれば、Dropboxにとって、ネットワークを構築することはビジネス上の決定であり、全体的なビジネスにプラスの影響を与えたと語った。「このようなかなり規模のネットワークを実際に構築した者は、ビジネス上によい影響があると考えています。本当にユーザーの信頼を獲得することができますし、この高い品質のサービスに基く、更なるプロダクトやサービスへユーザーを迎えることができるからです」とWIlliamsは説明した。
新しいシステムは、確かに企業ITにおけるDropboxの評判にプラスの影響を与えた。過去を振り返ると、Dropboxは大規模な組織内での未許諾利用によって、しばしばIT部門から悪評を招いていた。今日では、Dropbox Businessの製品ラインが、企業のインフラストラクチャとネットワークを組み合わせて、これまでにないレベルの信頼性を実現している。Williamsは、Dropboxがネットワーク運用の詳細な洞察を得ていること、そして今回の変更でユーザーに新たな負担は求めなかったものの、その運用データはセールスに活用できていると語った。
「私たちの信念の1つは、高性能で低コストの製品を提供することです」彼はこれによって、この移行を通じて古い顧客を維持しつつ、ユーザーベースを増やすこともできたのだと信じている。
所有コストが実質的に下がったかどうかにはかかわらず、同社はそれを自ら構築することによって目標を達成できた考えている。「コストは常に考慮していますが、私たちのネットワーク拡張の目標は、ユーザーのためにパフォーマンス、信頼性、柔軟性およびコントロールを向上させることでした。これには成功することができたのです」と同社広報担当者はTechCrunchに語った。
http://jp.techcrunch.com/2017/09/16/20170915why-dropbox-decided-to-drop-aws-and-build-its-own-infrastructure-and-network/