とび職の技能実習生として来日したのに、熊本地震の被災家屋の解体作業などに従事させられたとして、熊本県に住むフィリピン人男性(29)が6月29日、
実習先の同県御船町の建築会社と派遣元の岡山市の監理団体に対し、慰謝料など計約540万円の損害賠償を求め、熊本地裁に提訴した。
訴状によると、男性は2015年から3年間の実習期間で来日したが、当初の実習先が16年8月に倒産。
男性は監理団体の指示で熊本の建築会社に移ったが、同年の熊本地震で被災した民家の公費解体や道路工事作業を命じられ、無資格での重機操作も強いられた。
けがをしても労災申請することを止められ、退職までの約3カ月分の賃金や残業代計約70万円も未払いだという。
男性は「監理団体は派遣先への指導を怠った」と主張する。
男性は提訴後に記者会見し「熊本では実習ができず、家族に仕送りもできなくなり、つらかった」と訴えた。
監理団体と建築会社は、いずれも「訴状が届いておらず、コメントできない」としている。【清水晃平】
https://mainichi.jp/articles/20180701/ddl/k43/040/312000c