─福満先生がエロを描くのは妻として、ぶっちゃけどう感じていましたか?
奥様:はい、見てましたね。でも、イヤに感じたことはまったくないんです。それよりも「大変そうだな」という気持ちのほうが大きかったですね。
上手く描けないと言って悩んでいることが多かったので。
─その時は横でこう、セクシャルなポーズをとったりとか……。
奥様:それはないですね(笑)。夫は綾波レイのフィギュアを見たりしていたんじゃないかな。
福満:確かに綾波フィギュアはよく見てたけど、行きづまった時にそんなことはしてないよ。
昔から何か見ながら描いたりするのはルール違反的な思いがあって……一度記憶したものを思い出しながら、時には妄想で色々膨らませながら描いてましたね。
─福満先生が描かれる女性は胸部の服のしわが多い印象ですが、そのあたりも奥様がモデルになっているわけではないんですか?
福満:僕は緒川たまきさんという女優さんが好きでしてね。その方がかつて『週刊プレイボーイ』でタンクトップ姿のグラビアを披露した時に、シャツのしわで乳首が表現されていたんですよ。
乳首が見えてるわけじゃないんですけど、シャツのしわによって乳首の存在が証明されているっていう……そのことに当時の僕はすごく感動しましてね。
その体験が原点です。妻自身をモデルにしてるわけじゃないんです。
─奥様はその絵を見て「この胸やりすぎじゃない?」みたいなツッコミを入れたりは?
奥様:なんか独特な「何も言うな」オーラを感じて、口にしちゃいけない気がして(笑)。
以前、某コスプレイヤーさんが好きだという話を描いていて、「ああいうコ、好きなんだ?」的なことを私が言ったら、夫が「ハ、ハハハ」と露骨に動揺したことがあって。
「あ、この人こういうことで興奮するんだ」とは思ってます(笑)。「ふーん、そうなんだ……」みたいな。
─漫画の登場人物にされること自体は奥様はどう感じていますか?
奥様:それはもう抵抗がありましたよ! ただ、どんなに言っても描くのをやめないんですよね。
ネタのいくつかは泣き崩れ落ちながら抗議したり、怒鳴ったり、色々なかたちで抗ったんですけどダメでした……。
できあがった絵を見て、「私はこんなに太くない!」と文句をぶつけたこともありましたねぇ。まぁ今は実際太くなっちゃったので、そこは何も言えないんですけど(笑)。
福満:一応「これを描いたら嫌がられるかな」っていうラインは自分の中に設けているんですよ。
とはいえ、こういう漫画を描いて収入にしてきた部分もありますし。妻には「もっと一緒に犠牲になってよ」って思ってるんですけどねぇ。
─仲のいい夫婦ですね
福満:ただ、何で結婚したのかは全然覚えてないんですよね。お互い、カラダ目当てだったのかなって。
奥様:いつもこういうことを言うんです……。