監督の阪口が選手たちに尋ねる。
(阪口)「今の気持ちはどうだ?」
(選手)「ちょっと、やりにくいです」
静かだった阪口の口調がどなり声に変わった。
(阪口)
「馬鹿野郎!」
「そんな気持ちで(試合をして)相手はうれしいと思うか?」
「全力で対戦するのが礼儀じゃないのか」
「それなりに苦しい思いをして勝ち取った甲子園だろ」
畑は“苦しい思い”ということばが心に響いた。
異変
福井県出身の畑は、阪口が手紙をしたためて勧誘した選手だ。
ところが1年生の秋、体に異変が起きた。
走ると足がもつれたり、ノックを1球受けただけで息が切れたりする。
福井に戻って精密検査を受けると重度の貧血だった。
大垣日大 畑さん
「医者が血液の鉄分濃度を見て“こんなに低いのは初めてだ”と言っていました」
「毎日1時間以上、点滴をしなければならず、それが、1か月以上続きました」
その間、畑がいないチームは、大会で勝ち続ける。
東海大会を制し、全国の地区大会の優勝校が集まる明治神宮大会も勝ち上がって、日本一になった。
岐阜に戻りたくても体がいうことをきかない。
悔しい思いで眠りについた時、部屋のドアがわずかに開いて声が聞こえた。
「和来、ごめん。こんなふうに産んで、ごめん」
母だった。布団に顔をうずめた。涙が出た。
もう、いらないですよ
2か月後、治療が終わり、畑は大垣日大に戻った。
練習に出ようと監督の阪口にあいさつをすると、言われた。
(畑)「すみませんでした。また、練習に参加させてください」
(阪口)「もう、君はいらないですよ」
信じられないことばがさらに続く。
(阪口)
「君がいない間の結果、知っているでしょ」
「優勝したよね。うちは君なしでも優勝できるんだ」
「どうしても残りたかったら、マネージャーになりなさい」
そして、本当に練習に参加させてもらえなかった。
やらせてもらえたのは、ノックをするコーチにボールを渡すことくらいだった。
仕方がないので畑は全体の練習が終わったあと、毎日、夜の11時を過ぎてから、
1人で室内練習場に行くことを決めた。
バッティングマシンを相手に、日付が変わっても打ち続けた。
ひと月ほどたったころ、「畑!」と阪口に呼び止められた。
(阪口)「君、毎晩、遅くまでやっているらしいね」
(畑)「・・・・」
(阪口)「1回だけチャンスをやる。ただし、1打席だけだ」
そのチャンスは練習試合だった。
畑は代打に起用され、たった1回だけ与えられたチャンスに臨んだ。
その時のはっきりとした記憶はないが、センター前に打球が抜けヒットになったことを覚えている。
そのあとようやく練習に参加することが許され、いわば戦力外からはい上がり、
甲子園のメンバーを勝ち取ったのだ。
俺たち何か悪いことしたかな
大垣日大と東北高校の試合は1回戦の最後、6日目の第1試合に組まれた。
大垣日大のバスが甲子園に着いた時、周りから、「負けてやれよ」
「東北に勝つな、勝たせてやれ」といった声が聞こえた。
大垣日大 畑さん
「あの大会は鳴り物が禁止だったんですけど、東北高校への拍手がものすごかった。
比率にすると1:50、いや、1:70くらいの印象で、俺たち何か悪いことしたかなという感じでした」
試合はそうした雰囲気に包まれ、大垣日大の攻撃で始まった。
1番バッターは畑。
全力でやる覚悟を決めていたが、東北高校のエースの投球練習を見て気持ちが揺らいだ。
大垣日大 畑さん
「足が踏ん張りきれてない。球離れがはやくて、ボールもうわずっている。
震災で練習ができてないと聞いたけどそのとおりだと思いました」
絶対に振れ
そんな気持ちで打席に向かう畑を呼び止めたのは、またも監督の阪口だった。
目をみて、鬼のように怖い顔で言った。
(阪口)
「初球、絶対に振れ。少々ボールでも振れ。振らんかったら、承知せんぞ!」
畑は、「そう言われたらもう、絶対に振るしかない、ピッチャーが万全じゃなかろうが、1、2の3で振ったろう」
と思い直して打席に入った。
試合開始を告げるサイレンが鳴る。
ピッチャーがゆっくりと足を上げ、被災地だけでなく全国の人たちの思いを集めた1球を投げ込む。
畑は思いが集まったその初球を振りにいった。
高めに浮いた126キロのストレート。
畑が振り切り、サイレンが鳴りやまない中、打球はライト方向に伸びていく。
ライナーでスタンドに入った。思いを集めた球を畑はホームランにしとめた。
当時のテレビを見るとスタンドは最初、「オー」と驚きの声があがり、そのあと畑がホームインするまで、どよめきが続いていた。
監督の阪口はベンチに戻ってきた畑を、「よくやった」と褒めた。
試合は最後まで大垣日大のペースで進み、東北に1点も与えず7−0で勝った。
ヒットの数は大垣日大が17本で、東北は4本。
大垣日大の圧勝だった。
両校の選手がホームベースを挟んで並ぶと、審判が大垣日大の勝利を告げた。
その直後、大垣日大のもとに東北の選手が近寄って来て次々と同じことばを発した。
「ありがとう」
「ありがとう」
「ありがとう」
「ありがとう」
東北高校 中川さん
「実は試合中、負けていてもうれしくてしかたなかった、相手が全力できてくれたので。
手を抜かれたりするのが一番いやだった」
「大垣日大はぼくらのことも考えて、全力でやってくれたんかなと僕の中では思っています」
大垣日大が引き揚げようとしたとき、スタンドから、
「空気読めや」
「なんでお前らが勝つんや」
といった声が聞こえてきた。
そんな中で、畑も葛西も気持ちはすがすがしかった。
野球部って文化部の奴をイジメたりタバコ吸ったり酒飲んだり構内で女とセックスしてたり後輩にチンポしゃぶらせたりしてたけど
甲子園球児ならそういうのしないクリーンな感じなのかな
>(畑)「すみませんでした。また、練習に参加させてください」
>(阪口)「もう、君はいらないですよ」
>
>信じられないことばがさらに続く。
>(阪口)
>「君がいない間の結果、知っているでしょ」
>「優勝したよね。うちは君なしでも優勝できるんだ」
>「どうしても残りたかったら、マネージャーになりなさい」
監督がゴミすぎてワロタ
やっぱり指導者ってまともな感性じゃなれないんだな
君もういらない のくだりはいい話として描かれてるの?
まったく理解できないんだが
坂口監督が畑くんに言った要らないは意味わかんねえけど・・・
この試合は結構印象に残ってんな
終わったあとの整列がみんな笑顔でね
監督が悪人だ何様だコイツ
身近に金属バットがあるのによく生きてこれたな
かわいい きもー 男にいじめられてる人
障がい者とどこが 違うの?
日大は問題多いし岐阜県民ほぼいないし岐阜からも歓迎されてるか怪しいよなぁ
普通に市岐商か県岐商に行ってほしいわ
みなさん、これで感動して美談にしてしまうのが焼き豚です