北海道警察本部の警部補が、スピード違反の取締りで、違反していないのに速度データをねつ造して取り締まっていたとして証拠偽造などの疑いで逮捕されました。
ねつ造は40件余りに上り、警察は、スピード違反を取り消し、ドライバーへの違反金の返還を進めています。
逮捕されたのは、北海道警察本部交通機動隊に所属する警部補の吉本潤容疑者(58)です。
警察の調べによりますと、去年8月からことし5月にかけてスピード違反を取り締まる際、違反していないのに速度のデータをねつ造して違反切符を交付していたとして、証拠偽造や虚偽有印公文書作成などの疑いが持たれています。
本来、速度の計測は停車したパトカーからレーザーを照射して行いますが、スピード違反と判定されなかったにもかかわらずパトカーを走行させながらレーザーを電柱などに照射して、うその速度データをねつ造していたということです。
内部調査の結果、47件のねつ造が確認され、警察は、取締りを受けたドライバーに謝罪したうえでスピード違反を取り消し、違反金の返還を進めています。
調べに対し、警部補は容疑を認めているということで、警察は、取締りに同行していた部下3人からも話を聞くなどして詳しい状況を調べています。
北海道警察本部の高田重栄監察官室長は「不正を正すべき警察官による言語道断の行為であり、関係者ならびに道民の皆様に深くおわびする。事実に基づき厳正に処分したい」とコメントしています。