
「ベツノマスク」注文殺到、減収カバー 札幌の障害者就労支援施設
安倍晋三首相の肝いりで、政府が新型コロナウイルス感染防止策として全世帯に配布した布マスク。
大人向けには小さいとの指摘が相次ぎ「アベノマスク」とやゆする向きもあるが、おしゃれな柄の生地を
縫い付けるなどして作り直し、「ベツノマスク」として活用する動きが広まっている。
障害者の就労支援施設では作り直した「リメーク商品」が飛ぶように売れ、生産が追いつかない事態も起きている。
「せっかくもらったのに使わないのはもったいない」。写真共有アプリ「インスタグラム」には、
こんな投稿が4月上旬以降相次いでいる。政府が投じた費用は約260億円。これを何とか生かそうとする動きだ。
インスタでは「#ベツノマスク」というハッシュタグを付けた投稿が目立つ。マスクの縫い目をほどいて立体マスクにしたり、
カラフルな柄の布を表地として縫い付けたりとそれぞれのアイデアと工夫が光る。動画投稿サイト「ユーチューブ」でも、
リメーク術の紹介で100万回以上動画が再生される投稿が複数あり、関心の高さをうかがわせる。
こうしたネット上の動きに触発され、高次脳機能障害者の就労継続支援施設「クラブハウスコロポックル」
(札幌市豊平区)は5月上旬にリメーク商品の販売を始めた。布マスクを持ち込んだ客に、
1枚税込み300円でリメーク済みの商品と交換している。
「小さくて、見た目もちょっと……」。施設向けの布マスクが届いた4月上旬、利用者からは不評の声が漏れた。
そこで、生活支援員の土谷規子さん(58)が思い付いたのが、自宅で眠ったままになっていた浴衣の活用だった。
当初は利用者向けに製作。利用者らが裁縫道具を使い、縫い糸を外した布マスクの表面に、
不要となった浴衣の生地を縫い付けた。
交通事故で脳を損傷するなどした利用者には、指先を使う作業はいいリハビリになった。
https://news.livedoor.com/article/detail/18465137/