日本は今、空前の猫ブームを迎えていると言われる。だがその陰で、飼い主の知識不足で近親交配を招き、急激に増えすぎた多頭飼育崩壊が各地で起きている。
ピーク時に70匹の猫を飼い、譲渡で40匹まで減らした中濃地方の20代の女性は「こんなに早く産むと思わなかった」と飼い主としての責任を感じている。
アパートの一室のドアを開けると猫特有のふん尿の臭いが鼻を突いた。いすや壁は爪研ぎでボロボロだ。似たような毛色をした猫が、部屋中を動き回っている。
女性がかつて住んでいた部屋だが、今は、猫だけの住まいだ。女性は昨年から別のアパートで寝泊まりしている。
猫の部屋代とえさ代だけで月に数万円かかるため、昼間と夜の仕事を掛け持ちし、毎日少なくとも二回、仕事の合間に訪れて世話をしている。
飼い始めたのは七年前のこと。動物愛護ボランティアから、雄の子猫を引き取った。「かわいくて、ひと目で気に入った」。
その後、弟が雌猫二匹を近所で拾ってきた。不妊去勢手術をしていなかったため近親交配などで爆発的に増え、四年後に七十匹に激増した。
日本動物愛護協会(東京)はホームページで「人間の都合で不幸な犬や猫を増やさないために不妊去勢手術は必要」などと呼び掛けている。女性は「知っていたが、忘れていた。自分のせいで猫に申し訳ない」とため息をついた。
二〇一五年ごろ、行政を通じて事態を把握した動物愛護ボランティアなどの協力を得て全頭の不妊去勢手術を終え、譲渡を始めたが、もらい手は少ない。
それでも、保健所には連れて行かないという。「かわいそうだから」。関わるボランティア女性は「多頭崩壊の飼い主の中でもかなり責任感を持っている方だが、猫が大きくなってしまうともらい手は見つかりにくい」と肩を落とす。
全文はソース元で
猫の多頭飼育崩壊、相次ぐ 中濃の20代女性、知識不足で一時70匹に|中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20180209/CK2018020902000036.html