【1】
曜「ねえねえ梨子ちゃん!衣替えだよ!衣替え!なつふくなつふく〜♪」
梨子「そうね。もう五月か……」
曜「もうすぐ夏だよね〜!夏になったら〜、梨子ちゃんと海行って、梨子ちゃんと花火して、梨子ちゃんとバーベキューして……」クルン♪
梨子「……」
曜「それからそれから……」クルクル♪
梨子「待って曜ちゃん!」
曜「……?」
梨子「その制服……曜ちゃんの夏服、なんかちっちゃくない?」
曜「え?あぁ〜……」ピラピラ
梨子「……」
曜「……確かに。一年間で私がおっきくなったからじゃない?」
梨子「……」
曜「むふん♪あのねあのね梨子ちゃん!聞いて聞いて!今朝一年ぶりにクローゼットから夏服取り出して着てみたんだけどね!」
曜「そしたら背丈と胸周りの部分がさ!ちょっと窮屈になってることに気づいてさ!いや〜、私もこの一年でいろいろ成長したんだなぁ〜ってしみじみ
梨子「曜ちゃん!!!!!」
曜「わあああっ!?な、なあに……?」
梨子「いいから!!!ちょっとこっち来てっ!!!!」グイッ!
曜「あっ!?ちょっと梨子ちゃん!?」ズルズル
〜更衣室〜
梨子「はい、これ!!!///」
曜「……?」
梨子「いいから!!今すぐ着替えて!!!///」
曜「へ?どして?」
梨子「下着!!!透けちゃってるの!!!///」
曜「……」
ジーッ
曜「……見えるの?」
梨子「見えます!!!///」
曜「わかるの?」
梨子「わかります!!!!///」
曜「……」
梨子「そんな濃い色のブラ付けてたら透けちゃうでしょ!!!?夏服って生地薄いんだからもうちょっとちゃんと考えて!!!!///」
曜「えぇ〜?」
梨子「ううう〜っ!!!///」
曜「大丈夫!中にちゃんとキャミつけてるもん」
梨子「じゃあもっと厚めのやつにして!!!///それかカーディガン着てくるとか!!!///」
曜「いーやーだー!暑いの嫌い!!」
梨子「それくらい我慢して!!透けちゃう方が大問題なの!!!///」
曜「え〜?誰も気にしてないって、女子高だし」
梨子「女子高だからみんな気にしてるんですっ!!!!///だいたい曜ちゃんはお洋服のことわかってなさすぎ!!」
梨子「いい?お洋服って一年着たら痛んじゃうものなのよ!!お洗濯とかで生地薄くなっちゃうし!!夏服なんてただでさえ無防備なんだから!!ほんとは今直ぐお家帰って冬服に着替え直してきて欲しいくらいなんだけどっ!!!///」
曜「むぅ〜、せっかくの衣替えなのに」プクー
梨子「とにかく!!今日はこれで我慢するから!!透けない色の下着に着替えて!!!これに!!!///」
曜「はーい……」
梨子「じゃあこれ!!今日の曜ちゃんの新しい下着ですっ!!私はあっち向いてるからっ!!!///」
曜「……」
曜(……あれ?どーして梨子ちゃん予備のブラ持ち歩いてるの?それに梨子ちゃんのじゃサイズ合うかわかんないし)
曜「ねえ梨子ちゃん、これ……」
梨子「大丈夫っ!!!前に曜ちゃんに貸してもらったやつだから心配しなくて大丈夫だからっ!!!///」
曜(私、梨子ちゃんに下着なんて貸したことあったっけ……?)
〜部室〜
曜(ふふふふふ〜ん♪でも夏服着られるならまぁいっか〜♪)ウキウキ
梨子「あぅぅ〜っ!!!///」チラチラ
梨子(あーもうっ!!//曜ちゃんってばほんとなーんにもわかってない!!!///)
梨子(だいたい曜ちゃんは女子高を甘く見過ぎよっ!!女の子だらけの空間なんてどこに敵が潜んでるかわかんないんだからね!!!///)キョロキョロ
梨子(それに!!!曜ちゃんは自分では気づいていないかもだけど!!曜ちゃんってば女の子人気が学校でも一、二を争うほどに高いし!!!ちょっと誘った風な格好しただけですぐ変な虫が寄って来ちゃうかもしれないし!!!)
ルビィ「あ、曜ちゃん曜ちゃん!今お時間いーい?」
曜「うん、大丈夫だよ」
梨子(んなっ!?)
ルビィ「あのねあのね!このダンスのここのステップのとこなんだけど……」
曜「あぁ〜!それ難しいよね!お手本やるから見てて!いっくよ〜!」クルッ!
梨子「だめぇぇぇっ!!!!!」ガバーッ!!!!!
ルビィ「ぴぎゃぁっ!?」
梨子(だめっ!!!ルビィちゃんは曜ちゃんのこと見ちゃだめなの〜っ!!!!///)
曜「こう回って……とうっ!こんな感じだよ。どう?」
ルビィ「ふぇぇ……ルビィおめめ隠されてたから何もみえなかったよぉ……」
曜「……」
梨子「もうっ!!!曜ちゃん!!!!///」
曜「今度はなーに?」
梨子「いま曜ちゃん制服なのよね!!!?それも夏服!!!///」
曜「そうだけど……」
梨子「制服でダンス踊っちゃダメ!!!絶対だめ〜っ!!!!///」
曜「……」
梨子「だいたい曜ちゃんだって考えたらわかるでしょう!!!?制服でダンスなんてしちゃったらどーなるかなんて!!!///特にターンとか!!!シャツとかスカートとかふわってなっちゃうし!!!」
曜「そんなこといちいち気にしてるの梨子ちゃんだけじゃない?今更誰もとやかく言わないって」
梨子「言うの!!!気にしてるの!!!!///曜ちゃん以外の女の子は曜ちゃんのそういうところに注目しているの!!!!!////」
曜「えぇ〜?わかったよ〜、梨子ちゃんがそこまで言うのなら……」
◇———◇
曜「……」
梨子「……」
曜「……」
梨子「じーっ……」
曜「そ、そこまでキツく監視しなくても良くない……?」
梨子「曜ちゃんは目を離すとすぐに言いつけ破るからダメ!!!///」
曜(わ、私ってそこまで子供っぽいかなぁ……?)
コンコン
善子「……曜、いる?」
善子「この前借りた漫画返そうと思って」
曜「あぁ、ありがと善子ちゃ……」
梨子「すとぉぉっぷ!!!!!善子ちゃん!!!!!」ピューッ!!!
善子「わっ!!?な、なによ、びっくりしたぁ……」
梨子「曜ちゃんの半径三メートル以内に立ち入るの禁止!!!本は私が手渡しするから、貸して!!!!!」パシッ!
善子「……」
曜「あ、あはは……」
梨子「はいっ!!これで善子ちゃんの用事は終わりです!!!元の場所戻って!!!」シッ!シッ!
善子(とか言っときながらリリーは平気で曜の半径一メートル近辺に陣取るのね)
曜「ね、ねえ梨子ちゃん?さすがにこれはやりすぎな気が……私こんなお姫様みたいに守られるような立場じゃないし……」
梨子「曜ちゃん!!!!///」
曜「わあああっ!?こ、今度はなあに……?」
梨子「それだめ!!!腕上げるの禁止!!!///袖から下着が見えちゃうからぁ!!!!///」
梨子「あのね曜ちゃん!!!曜ちゃんは他校の制服なんてあんまり知らないのかもだけど!!!!」
梨子「浦の星の制服はただでさえ袖の部分が短いんだから!!!ちゃんと自己防衛しなくちゃだめなんだらかね!!!!///いい!!?わかってる!!?」ズイッ!
曜「ご、ごめん……これから気を付けるよ……」パタパタ
梨子「はい今の!!!今のも禁足事項です!!!///」
曜「ふぇっ!?な、何が……?」
梨子「襟の部分パタパタするの!!!胸元見えちゃうじゃない!!!暑いのくらい我慢して!!!!///」
曜「む、むぅ………けど、いちいちそんなこと誰も気にしてな
梨子「気にしてます!!!!///これ以上他の女の子誘惑しちゃダメなの!!!!曜ちゃんのファンがこれ以上増えちゃったら私が困るんだから!!!」
曜「……」
梨子「……」チラチラ
曜「……」
梨子「じーっ……」
曜(せ、せっかくの夏服なのに梨子ちゃんの監視が厳しいよぉ……私が梨子ちゃんみたいにお上品な女の子にはなれないばかりに……)
梨子「……」
曜「うぅぅ。わ、わかったよ……ちゃんと梨子ちゃんの言うこと聞くからぁ……」
梨子「……ほんとに?」
曜「う、うん。梨子ちゃんみたいなお淑やかな女性になれるように、私も努力……」
梨子「はい。わかったらならこれを着て」
曜「わああっ!?」ズポッ!
梨子「いい?ちゃんと大切な部分は見えたり透けたりしないようにすること。お肌の露出は最低限にすること!必要以上に他の女の子を誘惑しないこと!!ちゃんと守ってよね曜ちゃん!!!////」
曜「うぇぇ!?け、けど梨子ちゃん、さすがに真夏に長袖は暑いような……それにせっかくの夏服なんだし……」
梨子「暑くてもいいの!!!///これから曜ちゃんは夏でも長袖と黒タイツなの!!!私のいいつけは絶対なのっ!!!!///」
曜「ふぇぇ!!?で、でも……そ、そうだ!!ほら!私って一応スクールアイドルだし
梨子「関係ありません!!!///曜ちゃんのファンは私一人いれば十分なんだからっ!!!!///」
よしまるびぃ「……」
ルビィ「これ、曜ちゃんのことをそういう目で見てる梨子ちゃんが一番下心に溢れているんじゃ……」
花丸「しっ!それに気づいてしまったら梨子ちゃんに存在を消されてしまうずら」
ルビィ「ぴぎっ!?消されるぅ!!?」
善子「無視よ無視。あんな茶番に付き合ってたらこっちの精神の方が持たないわよ」
【2】
曜「はわぁ〜、でもやっぱり夏服ってたまんないよね〜♡」
曜「こう夏が来て身も心も開放的になってる感じがさ〜♡ね〜、梨子ちゃん?」
梨子「……」ジーッ
梨子(さっきから曜ちゃん……周りの女の子のこと見過ぎじゃない?)
梨子(……たかだか衣替えくらいでそんなに周りの娘に興味示さなくったっていいのに)
梨子(まあずっと曜ちゃんの制服姿眺めてる私が言えたことじゃないかもだけど……)
曜「むふふ♡夏服っていいなぁ〜、最高だなぁ〜♡」
梨子「……」
梨子(曜ちゃんってばほんとに制服大好きよね……いつか新手の詐欺にでも引っかかったりして)
曜「でへへ〜♡」
梨子「……」
??『ねえ、そこのキミ……お姉さんと一緒に遊ばない?』
??『実はお姉さんね、読者モデルのお仕事してるの。カワイイ制服たくさん持ってるんだけど……うふっ♡興味なあい?』
曜『わーい!せいふくせいふく〜♪お姉さんだ〜いすき!!』ハグッ!
梨子『……』
梨子(……)
梨子(いやいやいやいや、さすがに曜ちゃんでもそんなのあり得ない……)
曜「あ、ルビィちゃんポニテ可愛い!」
ルビィ「ほんと?暑かったから髪の毛アップにしてみたんだ〜!」
曜「うんうん!衣替えの醍醐味だよね〜!涼しげで似合ってるよ!」
ルビィ「えへへ、ありがと曜ちゃん」
梨子「……」
梨子(いや曜ちゃんって単純で素直なところあるし、案外簡単に悪い女の子にひっかかっちゃいそうかも……)
梨子「はぁ……ねえ、曜ちゃん?」
曜「……?」
梨子「その……もしかしてそういうのってみんなに言ってるの?」
曜「そういうのって?」
梨子「可愛いとか、似合ってるだとか」
曜「へぅっ!!?そ、それは……みんなってわけじゃ……」
梨子「……ほんとに?」
曜「ほんとうだって!」
梨子「……」
曜「……あ、でも今日花丸ちゃんには言ったかも」
梨子「……」
曜「あはは……」
梨子「……天然無自覚たらし。飼ってるペットにエサあげないで餓死させちゃうタイプね」
曜「そ、そこまでひどくはないもん!!!」
梨子「はぁ……あんまり他の娘に勘違いさせるようなこと言っちゃダメって言ってるじゃない」
曜「え?か、勘違いってわけじゃ……」
梨子「ほんとはただ制服のことが好きなだけなんでしょ?」
曜「ぎくっ!?そ、それはその……制服が好きというか、制服を着ている女の子が好きと言いますか……」
梨子「……」
曜「……」
梨子「はぁ……」スクッ!
曜「ど、どこ行くの……?」
梨子「千歌ちゃんのところ。ちょこっと用事を思い出したの」
曜「あ、うん。行ってらっしゃい……」
曜「……」
曜(むぅ……餓死させそうとか、そこまで酷いこと言わなくたっていいじゃん)
曜(それに私、梨子ちゃんが思ってるほど軽い女の子じゃないし……制服着てる娘だったら誰でもいいってわけじゃ……)
曜「すんすん……あれ?この匂いは……」
ヒラヒラ♪
曜「!?」
曜(あの白くて薄くて汗かいちゃったらちょっと濡れて透けちゃいそうな生地のワイシャツと!お胸のふくらみを大切そうにガードしちゃう恥ずかしがり屋のスクールベストと!風が吹いたらふわっと広がる涼しげで爽やかな群青色のスカートは……!!!)
曜「音ノ木坂の〜!せいふくーっ!!!」ハグッ!
スカッ!
曜「いてっ!」
曜「待て〜っ!!」テテテッ!
曜「制服マスター曜ちゃんから逃げられるなんて思うなよ〜っ!それっ!」
ハグッ♡
曜「やったー!捕まえ
ガッシャーン!!!!!
曜「んなっ!!?」
曜「お、檻!!?いつの間に!!?」
ガシャガシャ
曜「出してーっ!!誰か助けてよ〜!!!」
千歌「おぉ〜!ほんとに釣れたね!」
梨子「そうね、ありがと千歌ちゃん」
曜「千歌ちゃん梨子ちゃん!?ひ、ひどいよ!!こんなことするなんて!!」
梨子「こんな見え見えの罠なんて引っかかる方が悪いの!!!ちょっとは反省して!!!」
曜「うぇぇ!!?これ罠だったの!!?」
梨子「曜ちゃんが自分から檻の中に突っ込んできたんじゃない!!ちゃんと罠だって入口にも書いておいたのに!!!」
曜「ふぇぇ、そんなぁ……」
曜「ち、千歌ちゃん!!千歌ちゃんは私の味方だよね!!?助けて!!!」
千歌「えぇ〜?でもこの調子だとよーちゃんまたおんなじ手に引っかかっちゃいそうじゃん。さすがにここまでバカだとは思わなかったけど」
梨子「そうよ曜ちゃん!!!元を正せば全部曜ちゃんが悪いんだからね!!!///」
梨子「だいたい曜ちゃんってばいっつもそう!!!目を離すとすぐちょろちょろっていなくなっちゃうし!!!気づいたら他の女の子のところにいるし!!!今回みたいに簡単に制服に釣られちゃうし!!!」
梨子「私はいっつも心配なの!!!///曜ちゃんが悪い女の子に騙されてないかって!!!曜ちゃんもこれを機にちょっとは落ち着いて
千歌「あっ!じゃあ私いいこと考えた!」
千歌「曜ちゃんは(変な)制服着てる女の子が好きで、梨子ちゃんは曜ちゃんをずーっと引き留めていたいんでしょ?だったら梨子ちゃんがずーっとコスプレしてればいいんだよ!」
千歌「そしたら曜ちゃんもコスプレ拝めて満足だし、曜ちゃんが変な犯罪に手を染める心配もないし!いや〜、チカってばあったまいー!」
曜「おぉ〜!」パチパチ
梨子「……え?コスプレ?私が??」
曜「おぉ〜!!」
梨子「ほ、ほんとに言ってる……?//」
曜「おぉ〜!!!!」キラキラ
梨子「へっ!?ふぇぇぇぇ〜っ!!!?////」
〜部室〜
曜「梨子ちゃん梨子ちゃん!こっち向いて!!」パシャパシャ!!
梨子「はぅぅ……///」
曜「ピース!ピース!!」パシャパシャ!!
梨子「ぴ、ぴーす……///」
曜「おぉ〜!!むふふっ、オトノキの制服も可愛いね!」
梨子「ね、ねえ曜ちゃん。そろそろ……///一人だけ違うの着てるって恥ずかしいし、去年のだからスカート丈ちょっぴり短いし……///」
曜「もうちょっとだけ!」
梨子「え、えぇ〜?///」
曜「似合ってるから大丈夫だよ!梨子ちゃんすっごく可愛い!」
梨子「か、かわ……///もうっ!もうちょっとだけなんだからね!!///」
曜「えへへ〜♪」
よしまるびぃ「……」
花丸「この前から全く成長していないずら」
ルビィ「うゅ。二人ともおバカさんだびぃ」
善子「無視よ無視。バカップルに効く薬はないんだから」
終わりです。代行して下さった方ありがとうございました
ええやん
ようまりばっかでウンザリしていたから丁度良かったわ
おつです。曜ちゃんに過保護な梨子ちゃん本当に可愛いな
>>4
去年の夏服…?妙だな…
浦女1年生の夏服は袖無し制服のはず…
まさか!