彼方「今日もいい天気だなぁ……絶好のお昼寝日和だよ〜」
彼方「こんな日は、お外ですやぴしたくなっちゃうよねぇ……」
彼方「ここはちょうどお日様も当たって気持ちいいし、一休みしちゃおうかなぁ」
彼方「よいしょ」
彼方「枕もセットして……おやすみなさい」
彼方「すやぁ……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……ん」パチッ
彼方「体制がちょっと違うかな」
彼方「よし、もう一回、すやぁ〜……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……ん?」パチッ
彼方「目を閉じてたら眠れるかな……?」
彼方「よ〜し、今度こそ」
彼方「おやすみぃ〜」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「熱くなってきちゃった」パチッ
彼方「もう一回だけすやぴ……」
彼方「すやぴ……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」パチッ
彼方「う〜ん、お昼休みもう終わっちゃうな」
彼方「一休みしたかったけど、たまにはこういうこともあるよねぇ……」
彼方「教室に戻りますかー」
彼方「はぁ〜、なんだか消化不良だよ」ノソリ
その日の夜
遥「じゃあお姉ちゃん、おやすみなさい」
彼方「うん、おやすみ遥ちゃん」
遥「電気消すね?」カチッ
彼方「はぁ〜い」
彼方(今日はお昼寝できなかった上にバイトも忙しかったからよく眠れそうですねぇ)
彼方(よ〜し、おやすみなさい)
彼方(すやぁ……)
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「ん……」モゾモゾ
彼方(あれ?なかなか……寝付けないぞ)モゾモゾ
彼方(しっかりすやぴして疲れを取らないといけないのに……)
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方(布団、暑い……)モゾモゾ
彼方(彼方ちゃんがこんなに寝付けないなんて……)
彼方(今何時だろ……)スッ
彼方(えっ、もう2時!?)
彼方(はぁ〜、早く寝なきゃ)
彼方「……はぁ」
彼方(目を閉じて羊を数えよう)
彼方(羊が一匹、二匹、三匹、四匹、五匹……ろく……なな……は、ち……)
彼方「く……すやぁ」
彼方「」Zzz...
彼方「すー……」Zzz...
彼方「……」
彼方「……」
彼方「は……」パチッ
彼方(ん……もう朝?)
遥「すー……すー……」
彼方(遥ちゃんはまだ寝てる)
彼方(今何時かなぁ……スマホスマホ)
彼方(……えっ、まだ4時?)
彼方(そりゃ遥ちゃんもぐっすりなわけだ〜……って、なんだかいつになく目が冴えちゃってるなぁ)
ノレcイ´◉ω◉)
彼方(けど……目は冴えてるけど体はちょっとだるいし、まだ寝たりない感じもする)
彼方(う〜ん、二度寝といきますか)
彼方(おやすみ、遥ちゃん)
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」モゾモゾ
彼方「……」
彼方「……」ゴロン
彼方「……」
彼方「……」モゾモゾ
彼方「……」
彼方「……」
精神的なストレスがあると睡眠障害になりやすいそうな
(・8・)チュンチュン...
彼方「ん……」
彼方「あれ……もう朝?」パチッ
彼方(私、寝ちゃってた……?)
彼方(起きてたのか寝てたのか分からない……)
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」ボーッ
彼方(体だるいなぁ……)
彼方(でもそろそろ起きないとね)
彼方(お弁当作らないと)
彼方「……」ノソリ
遥「すー……」Zzz...
彼方「おはよう、遥ちゃん」ニコニコ
たまにあるよね
寝てたのか起きてたのかよくわからん状態
学校
ノレcイ´◉ω◉)........
「βカロテンは皮膚や粘膜の健康を維持するなど、様々な細胞の増殖や分化に寄与します」
彼方「βカロテン……」ボーッ
「その他抗酸化作用や……」
彼方「ふむ……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」ボーッ
「では2時間目の授業はこれで終わります、起立!」
彼方「はっ!?」ガタッ
彼方「……ありがとうございました」
彼方(全然聞いてなかった……)
彼方(あとでノート見せてもらわなきゃ)
彼方(なんでぼーっとしちゃってたんだろう……?)
\エマージェンシー!/
三,,(d!.•᷅ - •᷄..)
お昼休み
ノレcイ´◉ω◉)........
Σ,,(;.•ヮ•..!b)
エマ「彼方ちゃん、すごいクマだよ!?」
彼方「えっ、そう〜?」
エマ「うん! 大丈夫……?眠れてる?」
彼方「うーん、実は昨日なかなか寝付けなくてね〜」
エマ「そっかぁ……彼方ちゃんが必要ならいつでもわたしのここ、貸してあげるからね」ポンポンッ
彼方「え〜……じゃあ今貸してもらっちゃおうかな?」
エマ「もちろんいいよ〜!どうぞどうぞ!」
彼方「それじゃあ遠慮なく……」モニュッ
彼方「はぁ〜、エマちゃんのお膝最高〜」
エマ「ふふふっ、そうでしょ〜?」
彼方「これなら彼方ちゃんすぐ寝落ちちゃいそうだよ」
エマ「いいよ〜?しっかりおやすみ?」
彼方「ふふふ〜」
エマ「よしよし」ナデナデ
彼方「あー、気持ちいい〜……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「すー……」Zzz...
ノレcイ´=ω=)
彼方「気分爽快、彼方ちゃん復活!」シャキッ
彼方「練習もバイトも頑張るぞ〜!」
彼方「うおおおおおおおおおおお!」タッタッタッ
その日の夜
遥「今日は帰りちょっと遅かったよね……どうしたの?」
彼方「あぁ、それはねぇ……ちょっとバイトが忙しかったんだよねぇ」
遥「お姉ちゃん、休むときはしっかり休んでね……?」
彼方「もちろんだよ〜」
遥「本当?絶対だよ?」
彼方「本当本当!お姉ちゃん約束するよ。それに遥ちゃんの笑顔が一番疲れに効くんだから今が一番癒やしなんだよ?」
遥「えへへっ、そう?」ニコッ
彼方「あぁ〜、もう遥ちゃん可愛いなぁ〜!」ナデナデ
遥「それじゃあそろそろ寝よっか」
彼方「そうだね。遥ちゃんもゆっくりお休み」
遥「うん、ありがとう。おやすみなさい、お姉ちゃん」カチッ
彼方「おやすみ、遥ちゃん」
彼方(よいしょっと)モフッ
彼方(はぁ、今日も疲れたなぁ……早く帰れると思ったのにクレーム処理にあたらされるなんて、ついてないなぁ)
彼方(寝て忘れよう……)
彼方(……すやぁ)
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」モゾモゾ
彼方「……」
彼方「……」モフモフ
彼方「……」
彼方「……」モゾモゾ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「うーん……」ゴロッ
(・8・)チュンチュン...
彼方(えっ!? うそっ……もう朝!?)ビクッ
彼方(私、眠れてた?)
彼方(うぅ、どうしちゃったんだろう)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(今の時間は……6時前か)
彼方(……少しでも寝ておきたいな)
彼方「……ふぁ」
彼方(しかも今更眠気が来るなんて……とほほ)
彼方(30分でもいいから寝よう……)
彼方「すやぁ……」
彼方「……」
彼方「……」
(^8^)チュンチュン...
彼方「……」
彼方(うるさい……)パチッ
(^8^)チュンチュン!
ノレcイ´◉ω◉)........
その日の夜
ノレcイ´◉ω◉)........
彼方「はぁ……」フラフラ
彼方「授業に集中できなかったし、お昼寝できなかったし、バイトは忙しいし……」
彼方「眠れないのがこんなにつらいなんて」
彼方「今までこんなことなかったのになぁ……彼方ちゃんどうしちゃったのかな」
彼方「早く帰って遥ちゃんの顔がみたい……」フラフラ
「今日は5のつく日!ポイント5倍デー!」
「ココロ・カラダ・ゲーンキ♪」
彼方「……」
ノレcイ´◉ω◉)........
ピンポーン
「いらっしゃいませー」
彼方「……」
彼方(どこだろ……)
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
「エブイデイ・ファインデイ♪」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「あ、あった」スッ...
彼方「えっ……こんなに高いんだ」
彼方「う〜ん、でも眠れないよりはいいかなぁ……」
彼方「むむむ、悩ましいぞ……」
彼方「ドリエル……」
近江家
パカッ
彼方「たった6錠かぁ……6日分?」
彼方「まあ、物は試しってやつだよね」
彼方「……」パキッ
彼方「あむっ」
彼方「……ごくっ、ごくっ」
彼方「っぷはぁ」
遥「お姉ちゃん、何してるの〜?」
彼方「!」ビクッ
彼方「な、なんでもないよ〜。お水飲んでただけ」
彼方「……あ」ウト...
彼方「んぁ……」ウトウト
遥「お姉ちゃん、もう眠たい?」
彼方「ぁ〜……そうかも」ウトウト
遥「そっか、じゃあ今日はもう寝よ?私もちょっと眠たいし」
彼方「うん、そうしよ……」
遥「お姉ちゃん、今日もお疲れさま。おやすみなさい」
彼方「うん、おやすみ、遥ちゃん」ニコ...
彼方(やば……すごい眠たい)モフッ
彼方(こんな幸せな気分……久しぶりだよぉ)モフモフ
彼方(ふわぁ〜……おやすみぃ〜)
彼方「……」
彼方「くー……」Zzz...
彼方「くー……」Zzz...
彼方「くー……」Zzz...
(^8^)チュンチュン!
彼方「はっ」パチッ
彼方(今の時間は……7時前!)
彼方(あぁ〜っ、やばいよぉ、こんなにスッキリしたの、なんだかすごく久しぶりに感じる……!)
彼方「んーっ!」ノビッ
彼方(今日も頑張っちゃうぞぉ〜)
彼方(まずはお布団から出て……)モソッ
遥「すーっ……」Zzz...
彼方「おはよう、遥ちゃん……!」
ノレcイ´*=ω=)
学校
ノレcイ*´^ω^)
,,(.•ヮ•..!b)
(ζル|˘ᴗ˚ル
エマ「彼方ちゃん、今日はなんだかすごく調子よさそうだね」
彼方「分かるぅ〜?分かっちゃう〜?えへへ〜、彼方ちゃん、久々の快眠でご満悦なのだよ」
果林「あら?ということは最近よく眠れてなかったの?」
彼方「少しだけね」
エマ「え……この間からずっと眠れてなかったっていうこと?」
彼方「い、いやいや、もちろん寝てはいるよ?ほんのちょっと寝付きにくかっただけ」
エマ「ほんと?すごいクマだったけど……」
果林「嫌ねぇ……ストレスとか溜まってるんじゃないの?」
彼方「えぇ〜?彼方ちゃん、そんな感じは全然ないんだけどなぁ……たまたま体の調子が悪い時期なだけだと思う」
果林「そう?何かあったら病院に行った方がいいわよ」
彼方「あはは……ありがとう果林ちゃん。でもほんとにそこまでのことじゃないから心配しないでいいよ〜」
その日の夜
彼方(今日はしっかり眠れたし……お薬に頼らなくても眠れるかも)
彼方「それじゃ、おやすみなさい。遥ちゃん」
遥「うん、おやすみお姉ちゃん」モフッ
彼方「よいしょ……」モフッ
彼方(ストレスかぁ……あんまり自覚はないけど……)
彼方(それに今日はバイトも忙しくなかったし、侑ちゃんもお買い物に来てくれて少しお話できたし)
彼方(今日は安眠できそうな予感)
彼方(……よし、すやぴするよ〜)
彼方(すやぁ……)
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」モゾモゾ
彼方「……」
彼方「……」モフモフ
彼方「……」
彼方「……」ゴロン
彼方「う……」
彼方「……」モソッ
彼方「……」
彼方「やっぱり飲もう……」
彼方「んくっ、んくっ……」ゴクリ
彼方「はぁ、飲んだしきっともうすぐ眠くなるよね……」
彼方「……お布団に戻ろう」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」モフッ
彼方(……ふぁ)
彼方(あ、眠たくなってきた……)
彼方(眠気って気持ちいいなぁ……ふわふわする)
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「」Zzz...
3日後
ノレcイ´◉ω◉)........
彼方「……」バキッ
彼方(そんな……お薬飲んだのに全然眠たくならない)
彼方(えぇ……どうしよう)
彼方(……)
彼方(寝る努力をしなくちゃ……)
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」ゴロゴロ
彼方「……」
彼方「……」モフモフ
彼方「……」
彼方「……」ゴロン
彼方(あああああああ、いらいらしてきた……)
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」ゴロゴロ
(・8・)チュンチュン...チュチュンチュンチュン...
彼方「……」
彼方(はぁ……)
彼方(結局朝になっちゃったよ……)
彼方(やっぱり眠れないと体がだるい……)
彼方「……」ゴロゴロ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方(ちょうどドリエルもなくなるし、買いに行こうかな)
彼方(効いてくれるかどうか分からないけど……)
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「起きよ」モソッ
遥「すー……」Zzz...
彼方「いいなぁ……遥ちゃん」
ノレcイ´◉ω◉)........
ノレcイ´◉ω◉)........
ノレcイ´◉ω◉)........
ドラッグストア
「いらっしゃいませー」
彼方「バイト疲れたぁ〜……」フラフラ
彼方「練習も身が入らなくてせつ菜ちゃんにちょっとだけ注意されちゃったし……うー」
彼方「あ、あった」
<睡眠改善薬>
[ドリエル]
6錠 \900(税抜)
彼方「むぅ……やっぱり高いなぁ」
彼方「でもこれが無いと眠れるか分からないし……」
「眠れないんですか?」
彼方「えっ、あっ……はい」
「急に話かけてごめんなさい、私も不眠気味だから」
彼方「あーっ、そうなんですね」
「ドリエルを高いと思うんだったらレスタミンコーワはどうですか?」
彼方「れ、レスタミンコーワ……?」
「こっちですよ」
彼方「えっ、ここって全然関係ないコーナーじゃ」
「あっ、ありました。これです」
<かゆみ・鼻炎>
[レスタミンコーワ]
120錠 \900(税抜)
彼方「えっ!? 120錠!?」
「こっちの方がコスパいいですよ」
彼方「え、えと……効くんですか?これ」
「睡眠改善薬もこの薬も、ジフェンヒドラミン塩酸塩が主成分なんですよ」
彼方「ジフェンヒドラミン塩酸塩」
「もともと抗ヒスタミン薬なんです」
彼方「抗ヒスタミン」ウーン?
「要するに鼻炎やアレルギーに効く薬ってことです、でこの薬の副作用が眠気なんですよ」
彼方「へぇ、そうなんですか……えっ、じゃあ成分的には同じってことですか?」
「多少は違いはありますけど、大体同じですよ」
彼方「へえ……」
「レスタミンコーワ5錠でドリエル2錠分のジフェンヒドラミン塩酸塩があるんで」
彼方「えっ!? じゃあ全然こっちのほうがいいじゃないですか」
「もちろん、人によって効く効かないの差はあると思うんですけどね〜」
彼方「なるほど……ありがとうございます、私、これ買います……」スッ
近江家
カパッ
彼方「こっちのは粒が小さいなぁ……」
彼方「とりあえずドリエル1錠じゃあまり効かなくなったから2錠分……つまり5錠飲んでみようかな」カラカラカラ
彼方「うわ……5錠もお薬が手に乗ってるとなんか、ものすごい病人になっちゃった気分だよ」
彼方「小さいからまだしも……」
彼方「あむっ」パクッ
彼方(あ、ちょっと甘い)
彼方「んくっ、んくっ……」ゴクリ
彼方「っぷはぁ……」
彼方(これの良いところは、あくまで鼻炎やかゆみの薬として置いておけることかも……)
彼方(これなら薬箱に入れておいても遥ちゃんに怪しまれないだろうし)
彼方(今日は眠れるといいなぁ……)
遥「それじゃあお姉ちゃん、おやすみなさい」
彼方「うん、おやすみ〜」モフッ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」モゾモゾ
彼方(……っぁ)グラッ...
彼方(きた、眠気が)
彼方(あー、すごい……すごい眠気だよ)フワァ...
彼方「は……ふわぁ」
彼方「あむ……」
彼方(これならすぐ……眠れ……)
彼方「くー……」Zzz...
彼方「くー……」Zzz...
(・8・)チュンチュン...
.....ちゃん!
お姉ちゃん!お姉ちゃん起きて!
ん……
遥「お姉ちゃん!早く起きないと遅刻しちゃうよ!」ユサユサ
彼方「ぁえ……?」
遥「やっと起きた……もう7時半だよお姉ちゃん」
彼方「ぇ……今何時って」ポヤポヤ
遥「7時半だよ、お姉ちゃん」
彼方「え!?うそっ!?ほんと!?」ガバッ
遥「うん……」
彼方「あああぁぁぁぁ、私、寝坊して……ごめん」
遥「それはいいから、早く起きたほうが良いよ!」
彼方「う、うん!そうだね!」ノソッ
彼方「駄目なお姉ちゃんでごめんね……」ションボリ
遥「もう、全然大丈夫だってば!」
彼方「お弁当も作ってないし……」
遥「いっつも作ってもらってるんだもん!たまにはいいよ!それよりも急いだ方がいいんじゃない?」
彼方「んー……いや、この時間じゃもう間に合わないから……私は遅刻の連絡入れるよ。遥ちゃんは早く行っておいで」
遥「分かった!じゃあ私はもう行くね?」
彼方「うん、気をつけて行ってらっしゃい、遥ちゃん」
ノレcイ´≡ω≡)..。・゜
学校
ノレcイ´≡ω≡)..。・゜
彼方「うぅ……まだ眠たいや」
彼方「ずっと頭が重たい……お薬が効きすぎちゃってるのかなぁ」
「はい、今日はテストをします、皆さん着席」
彼方「えっ?テスト?」
彼方(うわ……全然知らなかった……どうしよう)
彼方(まあ、なんとかなるよね、ノートはきちんと取ってるし)
「では制限時間は50分です。用意、始め」
彼方「よしっ」ペラッ
次の空欄を埋めなさい。
1.けしにはアルカロイドであるモルヒネや(@)などの麻薬が含まれている。市販の風邪薬にも含まれている(A)はモルヒネの約1/3の精神機能抑制作用・催眠作用がある。こうした市販品を含む薬品を快楽・あるいは自傷の目的で過剰摂取することを(B)と言う。
彼方「は?」
彼方(えっ……全然習った記憶がないよ)
彼方(彼方ちゃんがたまたま聞いてなかっただけ……?え、でも私達の学科でこんな内容……)
彼方(みんなは?)キョロキョロ
彼方(……え、普通に解いてる)
彼方(私がおかしいだけ……?う、とっ、とりあえず分からないし次の問題!)
2.漢方としても有名な(C)から抽出される(D)は覚醒剤の一つであるメタンフェタミンの前駆体である。
3,(E)の主要な有効成分は(F)とカンナビジオールである。
彼方(は?えっ?全然分からない……)
彼方(えっ、えぇっ!?全部全く分かんない……こんなの習ってない!)
彼方(なんで!?なんでみんな普通にペンを動かしてるの?)ダラダラ...
彼方(うそ……彼方ちゃん、成績上位をキープしなきゃいけないのに!なんで?どうして?)ダラダラ...
彼方(全然分かんない……なんで!?勉強はちゃんとしてるのに)ダラダラ...
彼方(えぇっ!?)キョロキョロ
「近江さん、どこを見ているんですか?」
彼方「えっ!?」
「カンニングの疑いがありますね」
彼方「いっ、いや、そんなつもりは……!」
「とりあえず教室の外に出ましょう」
彼方「ちっ、違います」
「言い訳は後で聞くので」
彼方「ちっ、違いますから!」
彼方「……違いますっ!!!!」ガタッ!
ザワザワ...
彼方「ぁえ、あ……?」ボーッ
彼方「ゆ、夢……?」
「近江さん、さっきからすごいうなされてたよ……?すごい汗だし」
彼方「え?あ、ほんとだ……ご、ごめん。あはは……」
ノレcイ´◉ω◉)..。・゜
彼方「うわ……ほんとにすごい汗だ」ビッショリ
彼方(私、学校に着いてから寝ちゃってたんだ……)
彼方(寝坊して遥ちゃんに起こされて、学校には遅刻して、挙句の果てに授業中にうたた寝……)
彼方「……ふぁっ、はぁ」
彼方(これだけ寝ててまだ眠たいなんて……5錠は絶対飲みすぎた)
彼方(はぁ……彼方ちゃんらしくないなぁ)
「アントシアニンはブルーベリー類に多く含まれる色素で、視覚改善作用があると言われていますが、科学的な実証という意味では……」
彼方「ふわぁ……ねっむ」
彼方「あんとしあにん……」
彼方「……」フルフルッ
彼方(まずい、また寝落ちしそうになった)
彼方「……」
彼方「……ふわぁ」
ノレcイ´≡ω≡)..。・゜
その日の夜
>>>>ノレcイ´◉ω◉)<<<<
彼方(最悪……昼間にあんなに寝ちゃったからお布団に入っても眠気ゼロ)
彼方(完全に悪循環だよ……)
彼方(もうこんなのよくない……)
彼方(ちゃんとお薬に頼らず生活リズムを改善しないと)
彼方(……おやすみ!)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方「……」モゾモゾ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」モフッ
彼方(どうしよ……本当に目が冴えてる……)
彼方(今日はもう起きて勉強でもしてようかなぁ……)ノソリ
>>>>ノレcイ´;ω;)<<<<
(^8^)チュンチュン...
彼方「……嗜好飲料に関する記述……合ってるのは4番。コーヒーの褐色はアミノカルボニル反応」カリカリ...
遥「お姉ちゃん?」
彼方「あっ、遥ちゃん。おはよ〜」
ノレcイ´◉ω◉)..。・゜
遥「おっ、お姉ちゃん!?もしかしてずっと起きてたの……?」ビクッ
彼方「うん、そうなんだぁ〜なんだか眠れなくてね」
遥「そんなに眠たそうな顔なのに……?」
彼方「え……お姉ちゃん、眠たそうな顔してる?」
遥「うん……」
彼方「鏡、鏡……うわっ、ほんとだぁ」
遥「お、お姉ちゃ……」
彼方「ごめんね、心配かけちゃうよね、こんなすごいクマがあると……今日はコンシーラー使わなきゃ」
遥「大丈夫……?」
彼方「うんうん、お姉ちゃんは全然大丈夫だよ〜。確かにクマはあるけど、眠たいわけじゃないから」
学校
ノレcイ´;≡ω≡)..。・゜
彼方(コンシーラー使ったら結構なんとかなった……よかったよかった)
彼方(それにしても……)
彼方「うぷ……」
彼方(眠たすぎて吐き気がする……)
彼方(寝たい、寝たいよ……このまま授業中に寝るか、頑張って起きても同好会のときには間違いなく寝落ちしちゃう……)
彼方(やっぱり徹夜もよくないなぁ……)
彼方(今日を耐えれば……またリズムが戻りそうだけど)
彼方(……はっ)
彼方「……今日バイトじゃん」
彼方「……はぁ」グデー
その日の夜
ノレcイ´;..≡ω..≡)..。・゜
彼方(結局授業中に寝ちゃった……)
彼方(とりあえずメイク落とそうかな)
ノレcイ´◉ω◉)..。・゜
彼方(今夜も絶対眠れない)
彼方(やっぱり飲むしか……)カパッ
彼方(……3錠くらいにしておかなきゃね)カラカラカラ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……んくっ、んくっ」ゴクリ
彼方「はぁ……」
彼方「それじゃあおやすみ、遥ちゃん」
遥「うん……しっかり休んでね、お姉ちゃん」
彼方「分かってるよ、ありがとね」
遥「絶対だよ?」
彼方「うん、もちろんもちろん。それじゃあお姉ちゃんもうおねむだから……電気消すね?」
遥「うん……おやすみなさい」
彼方「……」モフッ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」ゴロゴロ
彼方(おかしい……あんまり眠くない)
彼方(ちゃんと眠らないと、遥ちゃんに心配かけちゃうのに……どうして眠くならないの?)イライラ
彼方(……)
彼方「……」モソッ
彼方「……」カラカラカラ
彼方「……んくっ、んくっ」ゴクリ
彼方(追加で2錠……)
(^8^)チューンチュン...
彼方「ふあっ……んーっ」
彼方「結構眠れた……かなぁ」
彼方「おはよう、遥ちゃん」
ノレcイ´=ω=)
彼方「……」カランカラン[レスタミン]
彼方「……はは」
彼方「もうちょっと買いだめしておいた方がいいかなぁ〜?」
彼方「……お弁当作ろっと」
1週間後
ノレcイ´◉ω◉)..。・゜.。・゜.。・゜.。・゜
彼方(5錠じゃ効かなくなってきちゃったよ……)
彼方(どのくらい飲んだらいいのかなぁ……)
彼方(ここはね〜……倍プッシュだ)カラカラカラカラカラカラ
彼方「……」
彼方「10錠は圧巻の光景……」
彼方「あむっ」ポリポリ
彼方「んくっ、んくっ、んくっ、んくっ……」ゴクゴク
彼方「……ぷはぁっ!」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……ふへぁ」フラッ
彼方「にぇむしゅぎるぅ……」フワフワ
ノノノレcイ´◉ω◉))).。・゜
もうエマちゃんが毎日泊まりに行って子守唄歌ってあげるしか…
助けてエマちゃん!
毎日彼方ちゃんに膝枕してあげて!
眠れない時の描写がやけにリアルで共感してまうわ…めっちゃイライラする
エッチなことをするとストレス解消にもなるしほどよく疲労感もあってよく寝れるよ
ノレcイ´◉∀◉).。・゜
彼方「ふわぁ……」ピリピリ
彼方「手がぴりぴりするや……」ピリピリ
彼方「お布団が待ってる……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」モフッ
彼方(はぁ……しあわせ)
彼方(重力を感じる……全身が重たい)
彼方(重たさに意識ごと飲み込まれてしまいそうな……)
彼方「すやぁ……」Zzz....
彼方「」Zzz....
彼方「」Zzz....
彼方「」Zzz....
彼方「」Zzz....
遥「お姉ちゃん?」ヒョコッ
遥「あれ……もう寝ちゃってる」
遥「おやすみなさい、お姉ちゃん」
(・8・) ハノケチェン!...チェンチェン...
彼方「……ぁ」パチッ
彼方「ふわぁ……」
彼方(よく寝たぁ……体が軽いよ)
彼方(清々しい朝だね〜)
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」モフッ
彼方(よいしょ……っとと)フラッ
彼方(……)
彼方(……)
遥「すーっ……」Zzz...
彼方「……」クスッ
彼方「っぉはよ↑ッ゛……か」
彼方「んあ」
彼方(……)
彼方(……)カハァ
彼方(口が中がかっさかさになっちゃってるよ……お水飲まなきゃ)
彼方「んくっ、んくっ……」ゴクゴク
彼方「っぷはぁ……はぁ、はぁ……」
彼方「あー、あー」
彼方(よし、ちゃんと声も出る)
彼方(ちょっぴり体がだるいけど、今日は快適に過ごせそうかも)
彼方(彼方ちゃん、今日も一日頑張っちゃうぞぉ〜)
彼方(……早速お弁当を作って)フラッ
彼方「っと、あぶな……」
彼方(……と、ちょっとだけ休憩しよう……)
彼方(足元がおぼつかない……)
彼方(……)サスサス
彼方(やっぱり飲みすぎはよくないよねぇ……)
彼方(自制しなきゃ)
彼方(……)カパッ
[レスタミン]
[ ]
[ ]
[○○○○]
彼方(えっ、もう残り少ないじゃん)
彼方(帰りに買って帰ろ……って、彼方ちゃんついさっき自制するって言ったばかりなのに)
彼方「はぁ」
ノレcイ;´=ω=)
同好会
ノレcイヽ´≡ω≡).........
彼方「」グデー
彼方(やばい……なんのやる気もでない。朝は調子良かったのに、なんで)
彼方(だるい……重たい……)ズズズズ
彼方(……)
彼方(……)
彼方「んくっ、んくっ」ゴクゴク
彼方「ぷはぁ……」
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方「んくっ、んくっ」ゴキュゴキュ
彼方「ふぅ」
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方「んくっ、んくっ」ゴキュゴキュ
歩夢「彼方さん、なんだか調子悪そう」
しずく「同好会に来てからずっとテーブルに伏せられては時折水を飲まれて……」
せつ菜「彼方さん」
彼方「んぇ……? あ、せつ菜ちゃん」
せつ菜「少し様子が変だったので……もしかしたら体調が良くないのかな、と」
彼方「ん……う〜ん、ちょっと体がだるいだけ」
せつ菜「無理は禁物ですよ!今日は練習お休みされてもいいですよ」
彼方「う、どうしようかなぁ」
せつ菜「……」
彼方(うぅ、これ以上みんなに心配かけたくないよ……)
彼方(気合で……)
彼方「……いや、大丈夫。練習はちゃんとやるよ〜」
せつ菜「分かりました。ですが、厳しそうだったらすぐに言ってくださいね!」
彼方「うん、ありがと〜」
果林「……ねぇエマ」
エマ「彼方ちゃんのことだよね」
果林「やっぱりおかしいわよね?」
エマ「うん……」
エマ「あのっ、せつ菜ちゃん!」ピシッ
せつ菜「はい?」
エマ「今日は、彼方ちゃんはお休みさせます!」
彼方「えっ……!?」
エマ「寝不足なんだよね……?」
彼方「う、う〜ん……そうとも言えるしそうでないとも」
エマ「今日も私のお膝貸してあげるから!」
彼方「えっ、そんなぁ、大丈夫なのに」
エマ「ううんっ!ちゃんと休まなきゃだめ!ということでせつ菜ちゃん、わたしもお休みします!」
せつ菜「そういうことなら仕方ありません!しっかり休息を取るのも大切ですからね!」
彼方「ぅぇ……」
エマ「ふふっ、彼方ちゃん、おいで?」
彼方(う……今寝ちゃったら……)アセ...
エマ「?」ニコニコ
彼方(う……)
彼方「じゃあ……お言葉に甘えて」ノソッ
エマ「うん!」
こんなときでもエマちゃんのお膝はあったかくてやわらかくて気持ちいい
眠りたくないのに
寝ちゃいそうだよ
ノレcイ;´ーωー)....
ノレcイ;´ーωー)....
ノレcイ´ーωー)....すやぁ……
その日の夜
彼方「はぁ……」
彼方(結局買ってきちゃったよ……)
[レスタミン] [レスタミン]
[○○○○] [ ]
[○○○○] [ ]
[○○○○] [○○○○]
彼方(あ……)
彼方(頭が……しゃきっとしてきた)
ノレcイ´◉ω◉)
遥「お姉ちゃん?」
彼方「うわっ!?」ビクッ
遥「きゃっ!?」ビクッ
彼方「びっ、びっくりした!な、なにかな遥ちゃん!?」
遥「わ、私もびっくりしたよ……!」
彼方「あ、ごっ、ごめんねぇ……!急に話しかけられたからびっくりしちゃって」
遥「ごめんね?お姉ちゃんずっと薬箱見てるから体調悪いのかなって」
彼方「い、いやいや!え、えっとぉ……切らしてるお薬ないかなってチェックしてただけだよ?」
遥「あ、そうだったんだ」
彼方「う、うん……」
遥「……ほんとに体調悪いとかじゃない?」
彼方「全然っ、全然そんなことないよ」
遥「……本当に?」
彼方「ほんとほんと……優しいなぁ、遥ちゃんは」ナデナデ
遥「わっ……も、もうお姉ちゃん、私、本気で言ってるんだよ?」
彼方「なんのなんの、大丈夫大丈夫。ありがとねぇ」ナデナデ
彼方(う……疑われちゃってる?)
彼方(同好会のみんなにも心配かけちゃってるし……うぅ、まずいなぁ)
彼方(それに、遥ちゃんにだけは心配かけたくない……!)
彼方(……お薬は鞄の中に入れておこうかな)
彼方「そろそろ寝よう?遥ちゃん」
遥「うん……ちゃんと寝てね?徹夜で勉強とかしちゃだめだからね?」
彼方「分かってる分かってる」ナデナデ
遥「……」
彼方「……約束するから」
遥「うん……」
彼方「ほら、おやすみ?遥ちゃん」
遥「……おやすみなさい」
彼方「おやすみなさい」カチッ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」モフッ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」ゴロッ...
ノレcイ´◉ω◉)
彼方「……」
彼方「……」モゾモゾ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」イライラ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
ピーポーピーポー...
彼方「……」イライラ
彼方「……ちっ」
ハマっちゃうと医者から睡眠導入剤をもらう以上の額を風邪薬に使っちゃうんだってな
俺のゾルピデムとベルソムラを分けてあげたい
彼方「……」ガバッ!
彼方「……」スタスタ
彼方「……」スタスタ
彼方「……」
彼方(飲もう)
カパッ
ザラザラザラ...
彼方「あむっ」ポリポリ
彼方「んぐっ」カリッ
彼方「……んっ、んっ、んっ」ゴクゴク
彼方「っぷはぁ……」
彼方「ふぅ〜……寝よう」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」モフッ
ノレcイ´≡ω≡)...。.・∵.゜
彼方「ふわぁっ……」
彼方(きたぁ……おもたねむい)フワァッ
彼方(雲の上にいるような岩の上で寝ているような)
彼方(眠いって幸せぇ……)
彼方(すや……ぴ……)
彼方「……」
彼方「……」
彼方「く……」
彼方「ッッ!!?!?」ビクッ!!
彼方「んぁ……???」ポヤポヤ
彼方「????」フワァッ...
彼方「……」
彼方「……」
彼方「ふぁ……」
彼方「すや……」
彼方「ッッ??!??」ビクッ!!!
Σノレcイイ´=ω◉))...。.・∵.゜
彼方(なに……?)
彼方(んんっ、気のせいかなぁ)
彼方(……10錠飲んだから眠れるはずだよね〜?)
彼方(……)
彼方(とりあえず目をつむろう)パチ...
彼方(……ぼーっとして気持ちいい)
彼方(……)
彼方(ん……)
彼方「くー……」ウト...
彼方「……」ウト...
彼方「」ビクッ!!!
彼方「ぁ?!」パチッ
ノレcイ´;◉ω◉)
彼方(な、何……?)
彼方(意識が飛びそうになると体がびくってなっちゃうみたい)
彼方(んん……?)
彼方(まさか……10錠でもまだ足りないの……?)ゾワッ...
彼方(いや、だめだだめだ)
彼方(これ以上は……!)
遥「くぅ……おねえちゃ……」Zzz...
彼方(遥ちゃんのためにもこれ以上は踏みとどまらなきゃ……)
彼方(……く)
彼方(体がだるい……)ズズズズ....
彼方「ぁ……」ウト...
彼方(今度こそ……)
彼方(……)モフッ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」Zz
彼方「」ビクッ!!!
彼方「」パチッ
彼方(ああああああ、なんで眠れないの!?)ガリガリガリガリ
彼方(なんで?ねぇなんで?)イライラ
彼方(こんなに眠たいのになんで……)
彼方「はぁ……」
彼方(口が渇く……)
彼方「お水、飲むだけ……」モフッ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」ジャーッ
彼方「……」
彼方「……眠れないのはしんどいし、あと5錠だけ」
彼方「うぅ〜……」カパッ
彼方「なんでっ、なんでっ」ポリポリ
彼方「んくっ、んくっ」
彼方「……」
ノレcイ´;ω;)
彼方「はぁ……」モフッ
彼方(私の体、どうしちゃったんだろう)
彼方(……いや、絶対お薬が元凶なのは間違いないけど)
彼方(ううん……お薬に頼った彼方ちゃんが悪いんだ)
彼方(そもそもどうして眠れなくなっちゃったんだろう……)
彼方(うぅ……こんなはずじゃなかったのに)
彼方(お薬がないと眠れるか不安で……あ)
彼方(きたきたきた……やっと眠れそうな)フワッ
彼方(次こそはびくってならないでね……)
彼方(……ん)
🦗...
彼方(うわ……虫がいる)
彼方(捕まえな……きゃ)ウト...
彼方「……」
彼方「……」
彼方「」Zzz...
このままじゃ勉強もアイドルもできなくなっちゃうね…
不眠症は本当にヤバい
嘘みたいな話、医者行って貰った薬が最初は効果あるのに、三日目ぐらいでほとんど効かなくなったりした。
自己判断で薬を増やす勇気が無いチキンでよかった
。。。。。。。。。。。。。。。
〜♪
ワァァァァァァ...
ノレcイ٩* ¯ ꒳¯)و
ζ(*^ヮ^*)ζ⁄ おねえちゃ〜ん!
(ζル; ˘ ᴗ ˚ル ╰*(..•ヮ•.. ) *╯
⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ 彼方さ〜ん!
彼方「ふぅ〜……近江彼方で『Butterfly』でしたぁ」
彼方「みんなぁ、今日は彼方ちゃんのライブに来てくれてありがとね〜」
彼方「一曲歌い終わったから……休憩で彼方ちゃんちょっとお水飲むね」
彼方「♪」スタスタ
⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ お水おいし〜?
彼方「うん、すっごくおいしいよ〜」ゴクッ
>>86
いくつかの睡眠導入剤は夢と現の境界をあやふやにするんだって凄く簡易的な説明受けた事ある
つまり起きながら夢を見て、それが幻覚になるんだって カパッ
彼方「……」ザラザラザラ...
彼方「んくっ、んくっ、んくっ……」ゴクゴク...
彼方「ぷはぁっ……」
ζ(;^ᴗ^)ζ お姉ちゃん?何飲んでるの?
彼方「え?」
彼方「なにって……あれ?なんでこんなところで飲んじゃったんだろ……」
ζ(;^ᴗ^)ζ それなに?私……知らないよ?
╰*(..•_•.. ) *╯ 彼方ちゃん?もう飲まないって約束したよね?
彼方「え?」キョロキョロ
ζ(* *)ζ ……
(ζル; ル ……
╰*(.. .. ) *╯ ……
⎛(cV V⎞ ……
彼方「み、みんな……?」
「次の曲行きまーす!」
彼方「えっ!? ま、まだ準備がっ」アセッ
彼方「わ……」
〜♪
彼方(え?)
彼方(知らない)
彼方(こんな曲知らない!)キョロキョロ
彼方(えっ、えっ……?どうしよう、何この曲……?ああっ、ああっ、イントロが終わっちゃう……!)
彼方(みんな見てるのに!)
彼方(歌わなきゃ、歌わなきゃ、歌わなきゃ、歌わなきゃ、歌わなきゃ、歌わなきゃ)
ズズズズズ....
Σノレcイ;´◉ω◉)...。.・∵.゜...。
彼方(お薬の効果で体が……頭が……重い)
彼方(あ、あ……)ズズズズ...
彼方(あぁ、あぁ……せっかくのライブが)フラッ
彼方(ね、む……なにも)
彼方(かんがえられな……)モモモモモ
彼方(……)
ガタッ!
(^8^)チュンチュン...
彼方「いたっ……」ボーッ
彼方(ベッドの枠に足ぶつけちゃった)
彼方(いてて……)
彼方(……変な夢を見てた気がする)
彼方(寝覚めわるいなぁ……)
彼方(……って、まだ6時かぁ)
彼方(……)ブルッ
彼方(……)
彼方(もう一眠りしたいけど……トイレも行きたいし)
彼方(……けどトイレに行ったら目が覚めちゃいそうなんだよねぇ)
彼方(う〜ん……)
彼方(……)ブルッ
彼方(んん……トイレのほうが大事っぽい)
彼方「はぁ……起きます起きます、起きれば良いんでしょ」ボソッ
彼方「……」ノソッ
ジャーッ...
彼方「はぁ」パタン
彼方(ちょっとしか出なかった)
彼方(せっかくベッドから出たのになんだか損した気分だよ……)
彼方(……眠くはないけど、だるい)
彼方(このだるささえなければ……お弁当つくるの、めんどくさい……)
彼方(……)
彼方(はっ!?)
彼方(私、何考えてるんだろ……お姉ちゃん失格だよ)
彼方「はぁ……」
彼方(……お水飲んで遥ちゃんのお弁当つくるぞ)
学校
彼方「……だる」
彼方(……しかも気持ち悪い)
彼方「……おぇ」
彼方(喉の奥……食道のあたりがすごく気持ち悪い)
彼方(吐こうと思えば吐けそう……)
彼方(……)
彼方「……」
彼方(だるくてえづくのもめんどくさいな)
彼方(授業も全然集中できなくなっちゃった)
彼方(先生の言葉が右耳から入って左耳へ抜けて、そのまま窓の外へ出ていっちゃう)
彼方(板書はよく見えないしさぁ……しっかり書いてよ。あの先生筆圧弱すぎなんだよねぇ)
彼方「はぁ……」
彼方(日中ちゃんと活動するために、夜しっかり眠れるようにお薬飲んでるのに……)
彼方(なんの意味もない……)
彼方(せめて頭がしゃきっとしてくれたら……)
「私自販機でジュース買ってくるけど何かいる?」
「ん〜……じゃあカフェオレ買ってきてもらっていい?」
「分かった!」
彼方「……」
彼方「……」スタスタ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
ピッ...
ゴトン
彼方「……」
彼方「……」プシュッ
彼方「じゅるる……」
彼方「おぇ、にが……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方(微糖でも結構苦いんだね……)
彼方「じゅるる……」
ノレcイ´≡ω≡)
「還元糖とアミノ酸といったアミノ化合物を加熱した時に見られる褐色物質を生み出す反応のことをメイラード反応と言います。皆さん聞いたことくらいはありますよね?この褐色色素のことをメラノイジンと言いますが、抗酸化作用や整腸作用があり、コーヒーなどにも……」
彼方「ふむふむ……」カキカキ
彼方「……」カキカキ
彼方(ちょっとだけすっきりした気がする……苦がったけど頑張って飲んで良かった……のかなぁ?)
彼方(う〜ん、プラシーボってやつかも知れないけど)
彼方(……まあしゃっきりしたからよし!)
彼方「……Fe2+……ポリフェノール……」カキカキ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……ふわぁ」
彼方「……」カキカキ
1週間後
ノレcイ´≡ω≡)〜♪
彼方(最近は意外と快適に過ごせてる)
彼方(レスタミンは12錠くらいがちょうどいいっぽい)
彼方(学校に着いてからはコーヒーでごまかして)
彼方(ちょうどカフェインの効果が切れてくるのがバイトの時間)
彼方(この時間がだるさも眠気もひどくて最悪だけど……立ち仕事だからなんとかなってるんだよね)
彼方(正直、商品の陳列とレジ打ちは適当にやってても体が覚えてくれてるし……集中しなきゃっていうプレッシャーがない分楽な感じ)
彼方(で、家に帰る頃には目が冴えてきて……)
彼方(寝る30分〜1時間前くらいにお薬を飲む)
彼方(それでちょうどよく眠れる)
彼方(……タイミングを見誤ると呂律が怪しくなっちゃうから、効いてくる前に遥ちゃんにおやすみしないといけないんだけど……)
彼方(一つ残念なのはせっかくコスパを求めてレスタミンを買ったのにコーヒー代も含めて結局ドリエルと大差ないこと)
彼方(インスタントコーヒーも昨日買ったし、今日からは魔法瓶にコーヒーを淹れて持っていくけどね〜。口の乾きも潤せるし一石二鳥)
彼方(彼方ちゃんはやりくり上手なのです)フフン
チンッ!
彼方(あ、トースト焼けた)
彼方「遥ちゃん〜、朝ごはんできたよ〜」
ζ(*-ᴗ-*)ζ.。.・
ノレcイ´≡ω≡)
遥「お姉ちゃんおはよぉ〜……」ポーッ
彼方「おはよう遥ちゃん」
遥「よいしょ……いただきます」
彼方「いただきます」パクッ
彼方「……」モグモグ
遥「あ、ジャムが新しい」
彼方「遥ちゃんさすが〜、そこに気付くとは」
遥「えへへっ、誰でも気付くでしょ」
彼方「白桃とグァバって昨日見かけて、美味しそうだなぁって。つい買っちゃったんだ〜」
遥「へぇ〜、美味しそう!」
彼方「美味しいよ〜!遥ちゃんも食べてごらん?……ずずっ」ゴクゴク
遥「……あれ?お姉ちゃんコーヒー?」
彼方「うん、そうだよ」
遥「えっ、しかもブラック!?……苦くないの?」
彼方「ふっふっふ、お姉ちゃんは大人の舌なのだよ……ん〜、美味し」ズズッ
遥「へぇ〜……!わ、私も飲んでみようかな?」
彼方「遥ちゃんにはまだ早いんじゃないかな?」
遥「も、もうっ、そうやって子供扱いして!」
彼方「ふふ〜……ごめんごめん。それじゃあしゃきっとできるように濃いめで淹れてあげるね」
遥「えぇっ、濃いめ!?」
学校
彼方「ずずっ」ゴクッ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「ずずっ」ゴクッ
彼方(う〜ん……ちょっとだけでも気怠さが和らいでくれるのはありがたいけど)
彼方(水っ腹でこれはこれでちょっと気持ち悪い)チャポチャポ
彼方(飲みすぎて授業中におトイレ行きたくなっちゃうし)
彼方「ずずっ」ゴクッ
彼方(カフェインもだんだん効かなくなるのかなぁ……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方「ずずっ……」ゴクッ
その日の夜
ノレcイ´◉ω◉)
カパッ
ザラザラザラ....
彼方「……」ポリポリ
彼方「んくっ、んくっ、んくっ……」ゴクッ
彼方「っぷは……」
彼方(最初はたくさん飲むのが辛かったけど……すっかり慣れちゃった)
彼方(余裕ができたせいか気づいたけど……)
彼方(一口で何錠も飲むと、喉で飲み込むときに粒と粒がぶつかりあって変な音が鳴る)
彼方(……ちょっと気持ち悪いな)
彼方(……みんなが見たらなんて思うかな)
彼方(……)
彼方(まあ今更これなしじゃ……)
彼方(……)
彼方(あっ、あと1回使ったら無くなっちゃいそうだし……明日は帰りにドラッグストアに行かなきゃ)
彼方(……)
彼方(あ、きたきた……胃の奥がちょっとふわってしてきた……)
彼方「〜♪」フワフワ
翌日
ドラッグストア
ノレcイ´≡ω≡)....
「いらっしゃいませー」
彼方「ふんふんふん〜……♪」
<かゆみ・鼻炎>
[レスタミンコーワ]
120錠 \900(税抜)
彼方「あったあった……」
彼方「もう1個買っておこうかな……?」
彼方「何回も通うのめんどうだし……今日はポイント5倍だし」スッ...
彼方「よしよし……」
彼方「……」スタスタ
彼方「……」スタスタ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……あ」
<眠気覚まし>
ねむけ・だるさに
[エスタロンモカ12]
24錠 \400(税抜)
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」スッ...
彼方「……1錠100mgかぁ」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「2箱買っておこ……」
彼方(あくまでお守りとして、ね)
「ありがとうございましたー」
近江家
ノレcイ´≡ω≡)
彼方「……」フキフキ
ノレcイ´◉ω◉)
彼方「ふぅ……今日も疲れたぁ」
彼方「ちょっとだけ勉強……」
彼方「……」パラパラ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……嗜好飲料に関する記述……合ってるのは……んー」
彼方「んー……」
彼方「ん〜?」
彼方「あっ」
彼方「3番だ」カキカキ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」ペラッ
彼方「……違った」
彼方「……はぁ」
彼方「今日はこのくらいでいいや」
彼方「……11時か」
彼方「遥ちゃんがお風呂入ってる間に〜」
彼方「……」パカッ
彼方「……」ザラザラザラ....
彼方「あむっ」
彼方「……じゅるっ……んごきゅっ」プチプチ
彼方「……ぷはぁっ」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……テレビでも見ようかなぁ〜」ピッ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「あれ?何錠飲んだっけ」
ノレcイ´;◉ω◉))?
彼方(まずい……完全に流れ作業になってて数えてなかった)
彼方(残り入ってたやつ全部飲んだよね……)ドキドキ
彼方(何個あった?)
彼方(何個あったっけ……?)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(ぅあ……)ピリピリ
彼方(きた……)ピリピリ
ノレcイ´;≧ω≦))
彼方(最近は12錠だったから、えっと……少なくともこの1週間は同じ瓶で、12×7……12×7……)フワフワ
彼方(ぅあぇ……思考がまとまらない)
彼方「んゃ」
彼方(何個あったっけ?)
彼方(12錠どころではなかった気がする、もっと多いのどごしだった……)
彼方(残り少なかったし流石にそんな多くはないはずだけど……おあ)フワフワ
彼方(……12錠どころではなかった気がする、もっと多いのどごしだった……)
彼方(15?20?もっと?)
彼方「……12錠どこおではなかった気がすう、もっと多いのどごしらっあ……」フワフワ
彼方(15?20?もっと?)
ノレcイ´*≧ω≦)).。・゜
彼方(ふわふわする……)
彼方(何錠のんだんだ?私……)
彼方(いつもより激しい感じがする)
彼方(へぁ)
彼方(……今までで一番飲んだのは間違いないよね?)
彼方(気持ちいい……気持ち悪い……気持ちいい……)
彼方「おぇっ……」
彼方「ふぅ、ふぅっ……」
彼方(酔っ払うってこんな感じなのかな?)
彼方(でも眠い、重たい)
彼方「……はぁっ、はぁっ」
彼方「……ぁ」
彼方「……はぁっ、はぁっ」
彼方(手足が重たい……)
彼方(ね、寝よう……)
彼方(……うっ)フラッ
彼方(テレビ消さなきゃ……)
彼方(リモコン持つのもだるい、重い……)フラフラ
彼方「……っ」ピッ
彼方(ベッドへ……ベッドいかなきゃ)
彼方(ねたい)
彼方(眠らなきゃ……きもちい)フワフワ
ノレcイ´*◎ω◎)).。・゜
彼方(……)フラッ...フラッ...
彼方(……)フラッ...フラッ...
彼方(……)フラッ...フラッ...
彼方(……ついたぁ)
■■
彼方「……べっどぉ……」ノソッ...
彼方(やっとお布団……)
■■
彼方(入ろ……)
彼方(うえ……視界が)
彼方(なんか黒いのがちらつく)
■
■■■■■■■
彼方(早くお布団入ろ……)ノソッ
彼方「おあふみ……」
彼方「……」モフッ ■■
彼方「!」ゾワワワワワ
彼方(布団と肌がこすれて……ひえぇ)
■■■
彼方(やばい、なんだこれ)
彼方(お、おちつけ)
ノレcイ´;;*◎ω◎)).。・゜■
ノレcイ´*◎ω◎)).。・゜
■
■■
彼方(……)フワフワ
■■■■
彼方(……)フワフワ
■■■■■■■■■■
彼方(きもちい……眠い)
■■
彼方(体が重い)
■
彼方(足が痒い)
■
彼方(からだがおもい……)
彼方(押しつぶされそう……まぶたが閉じる……)
彼方(ふわふわしてるのにおもい……)
(^8^)チュンチュン...
彼方(まだ朝じゃないよ……)
(^8^)チュンチュン...
彼方(おこさないでよ……)
彼方「ほぁ……」
彼方「」Zzz...
彼方「」Zzz...
彼方「」Zzz...
彼方「」Zzz...
彼方「」Zzz...
チュンチュン...
彼方「」Zzz...
彼方「」Zzz...
ピーポーピーポー
彼方「」Zzz...
彼方「」Zzz...
彼方「」Zzz...
ブロロロロ....
彼方「」Zzz...
カサカサッ...
彼方「」Zzz...
彼方「」Zzz...
彼方「」Zzz...
ノレcイ´;ーωー).。・゜
カサカサッ
ノレcイ´;ーωー).。・゜ んぅ……。
リンリンリンリン....
カサカサッ...
ミンミンミン...
カサカサッ..
ノレcイ´;;ーωー).。・゜ んん〜……。
うるさ……。
彼方「んぁ――」フワフワ
彼方「うるはいよ……」
彼方「かーあちゃん、まあすやぴ……っする」
彼方「んん〜……」ブルッ
彼方「と……といれ……いきらい」
彼方「ぁぁ……」パチッ
ノレcイ´◎ω◎)).
▃
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◢▍ ▼◢▓▓▓▀ ▐◣
▂◢◤ ▀▓■▀
彼方「ろきうり!??!?!?」ビクッ
彼方「うあ……!」
彼方(でかい!!!!)
彼方(殺虫剤)
彼方(殺虫剤持ってこなきゃ)ドタドタドタ
彼方(どこ?殺虫剤どこ!?)ドタドタドタ
彼方(あ……ここか!)
彼方(あった!)
彼方(でかすぎた……!)
彼方(早く!)
彼方(……早く!)ガチャッ
彼方(まだ私のベッドのところにいる!!)
彼方「うぇ……」
彼方(気持ち悪い……!)
プシューッ!!
プシューッ!!
プシューッ!!
ノレcイ´◎ω◎))
ノレcイ´◎ω◎))
プシューッ!!
プシューッ!!
プシューッ!!
遥「お、お姉ちゃん!?」ビクッ
遥「んうっ……!けほっ、けほっ……!」
遥「お、お姉ちゃん……!」
彼方「おきうり……!」プシューッ!!
遥「えっ!?ゴキブリ!?ゴキブリいるの!?」ビクッ
彼方「うんうんうん」プシューッ!!
遥「ぅえっ、殺虫剤が……えほっ」
遥「どこにいるの?」
彼方「わらしのべっど……!」プシューッ!!
遥「えっ?ベッド!?」
遥「どこっ!?」ヒョコッ
遥「え?どこ!?」
彼方「だからそこぉ!!私の枕もと!!」
遥「んーっ」ジーッ
彼方「は、は……やっおうろかなくなっあ……」
彼方「はぁっ……はぁっ……」
彼方「ご、ごめんねぇ、はうかちゃん……」アセ...
遥「お姉ちゃん、ゴキブリどこ……?」
彼方「あから……」
遥「お姉ちゃんの枕もとになんて……いないよ」
彼方「ぇ……?」
彼方「あっえ、そこに……」キョロッ
彼方「え……」
彼方(……いない)
彼方(え?)
彼方(は?)
彼方(えっ……?)ドキドキ....
彼方(……?)ドキドキ...
彼方「ぁ……」ゾワッ...
遥「……」
遥「……お姉ちゃん……」
遥「お姉ちゃん、どうしちゃったの?」
ζ(;´・ω・`)ζ……
ドラッグ濫用防止の教育ビデオを観ているような気分だ
恐ろしすぎる
麻薬の常習者は皮膚の下に虫がわいてる妄想にとりつかれたりもするらしいね。薬怖い
虫が大好きで子猫が絶体無理って人がいたら子猫の幻覚をみるのだろうか
彼方(幻……覚……?)
彼方(確かにそこにいたはずなのに、幻覚だったの?)
彼方(あんなにリアルだったのに……)
彼方「ぁ、はは……」
遥「……ねぇ、お姉ちゃん最近本当にちゃんと寝てる?ずっと酷いくまがあるし……」
彼方「はう、遥ちゃんは心配しないで……おっ、お、姉ちゃんはちゃんと寝てる」ピクッ
遥「……」
彼方「……」ピクピク
遥「嘘だ……お姉ちゃんの手、震えてる……」
彼方「え?」ピクピク
彼方(あ……ほんとだ……)
遥「最近ちょっとおかしいと思ってたけど……気付いてあげられなくてごめんね……」
彼方「ぅあ……」
彼方(遥ちゃん……)
彼方「わっ、わらひは大丈夫らから……ね?」
遥「……うっ」グスッ
遥「おかしいよお姉ちゃん!さっきから呂律が回ってない!」
彼方「ぅえ……あ、ねえはう、遥ちゃん……新ひいジッ、ジャム買ってきたの」
遥「え……?急になに言って」
彼方「食べよぉ?」
遥「お、お姉ちゃん……?」
彼方「こないだね……ばっ、バイトでお客さんからはきはき喋れって怒らっ、怒られたんだぁ」ピクッ
彼方「あう……あう」
彼方「ごめっ、ごえんえぇ……はうかちゃん」グスッ
ノレcイ´;ω◎)
遥「お姉ちゃん……?」
彼方「えまちゃんがね、ひっ、膝枕してくれるの」
彼方「お、おくすり……すすめられえ、て、」
彼方「あ……しってう?はっ、はるっ、はうかちゃ……アントシアニン、って疑似科学あんだって」
彼方「うぅ……」
遥「お姉ちゃん、何言って……」
ζ(;´・ω・`)ζ
彼方「あ、遥ちゃ、ちゃん……つっ、つぎのライブ、いつあっけ……?」
彼方「かなあたん、最前列でえっ、絶対に応えん、すうかあ」
彼方「……あ、床がうごっ、うごいてう」
彼方「き、っ、気持ち悪い……」ビクッ
遥「お、お姉ちゃん……?」ゾクッ
遥「おっ……お母さん」
遥「お母さん呼んでこなきゃ……!」
彼方(床の木目がうねうね動いてる……)ピクッ
彼方(面白いけどちょっと気持ち悪い……)
彼方(遥ちゃんと喋ってたような気がする)
彼方(彼方ちゃん宿題やったっけ?)
彼方(明日はテストだったっけ……また変な時間に起きちゃった)
彼方(遥ちゃんちょっと泣いてた……なんで?)
彼方(ぅ……手足が重い)
彼方(明日は6時半に起きて遥ちゃんのお弁当を作って、7時半に家を出て、3時間目がテストだったかなぁ)
彼方(明日は木曜日だからシフトある……)
彼方(さっきから私、何考えてるんだろ)
彼方(全然まとまらない)
彼方(何を考えようとしてるんだっけ……)
彼方(だるい……あっ、そうだ、昨日はたくさん飲んで……)
彼方(学校ついてからきっとだるさがすごいんだろうなぁ、いやだなぁ)
彼方(なんでこんな時間なのにお部屋の電気ついてるんだろ)
彼方(もうちょっと寝なきゃ……)
彼方「う……おえっ」
彼方「おえええっっっっ……」
彼方「うぷ、あぅ……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「」
彼方「」Zzz...
彼方「」Zzz...
翌日
彼方「ん……」
彼方「……」
彼方「うっ……!」
彼方(体が重い……!全身が石になってしまったみたいだ……)
彼方「うえっ……」キョロキョロ
彼方(どこだここ……)
彼方(お家じゃない。お家じゃないどこかのベッドの上だ)
彼方「かっ……」
彼方(尋常じゃないくらい口が乾いてる……)
彼方(お水、どこ……?)
彼方(苦しい……)
彼方「ああああぁぁぁあ……」
彼方「うう……」ノソ...
ノレcイ´;≝ω≝)
彼方「っん……!」
彼方「……ふぅっ、ふぅっ」
彼方(うごかなきゃ……お水飲まなきゃ)
彼方(……)ノソッ...
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方「ぁ……」
彼方(ここ、病院だ……)
彼方「……おえっ」
彼方(体が言うことを聞いてくれないし、吐き気が酷い……)
彼方「……はぁっ」
彼方(立ってられるので精一杯みたい……とりあえず部屋の外まで出られた)
彼方「う……」ノソッ
彼方「……」ノソッ
「あっ……!どうされましたか?」
彼方(あ……看護師さん)
彼方「お、おみず……ください」
彼方(良かった。流石にこれ以上歩くのはきついと思ってたから……)
彼方「はぁ、はぁっ……」
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
「お水持ってきましたよ。ベッドまで戻れますか?」
彼方「え……」
彼方「あ……はい」
彼方(……)ノソッ...
彼方(……)ノソッ...
彼方(……)ノソッ...
彼方(あ……ベッドのテーブルにお水置いてあったんだ)
彼方(どうして気付かなかったんだろ……)
彼方(それに、お姉さんの声……いや、気のせい……?)
彼方「んぅっ……」ドサッ
彼方「……はぁ」
「ちょっと上向いてもらっていいですか?」
彼方「ぁ……はい」
彼方(あぁ、お水……飲ましてくれるんだね)
彼方「んっ、んっ……んっ」ゴクッ
ノレcイ´ヽ≡ω≡)
「ここに置いておきますから、もし一人で飲めなかったらいつでもナースコールしてくださいね」
彼方「はい……ありがとうございます……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」モゾモゾ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……おえ」
彼方「……」
彼方「……おみず……」スッ
彼方(……手が震えてる)カタカタ
彼方「……っと、う……あっ!」ビシャッ...
彼方(こぼしちゃった……)
お昼
彼方「う゛う゛っ……!」ガンガン
彼方(頭が……いたい……!)
彼方「うぅぅぅぅぅ……」ガンガン
彼方「うー……」ガンガン
彼方「……うぷ」
彼方「おえっ……あぁ」
彼方「いたい……」
彼方(頭痛と吐き気で目……あけてられない)
ΣΣΣノレcイ´ヽTωT)
いまさらだけど>>1は何で深夜か早朝にしか更新してないんだ…? 夜
Σノレcイ´ヽ◎ω◎)
彼方「ぅ……」
彼方「んん……」
彼方「っ……」
相変わらず強烈な倦怠感と頭痛と吐き気が続いている。
夕方にお仕事を時間休を取って仕事を抜けてきたお母さんと遥ちゃんがきた。
……隠しておいた薬瓶が見つかってしまった。
遥ちゃんを泣かせちゃった。
私というと、お薬の離脱症状があまりにも辛すぎて、泣いている遥ちゃんに何もしてあげることができなかった。
彼方(……だめなお姉ちゃんでごめんね、ごめんねぇ……)グスッ
ノレcイ´ヽ;ω;)
驚いたのは、お薬の後遺症なのか全ての音が半音下がって聞こえるのだ。
朝方に看護師さんと話したときから違和感はあったけど、遥ちゃんとお母さんの声を聞いて確信した。
一度気付いてしまうとはっきりと自覚してしまって、何気ない風の音も気持ち悪く聞こえた。
治らなかったらどうしよう……。
彼方「おえっ……」
彼方「ううっ……」
彼方「……」モゾッ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」ゴロッ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「おみず……のみたいな」
彼方(でも、起き上がるのもだるい……)
彼方(……お薬ばれちゃった)
彼方(お母さん……遥ちゃん……)
彼方(二人にも、みんなにもなんて説明したらいいかわかんないよ……)
彼方(彼方ちゃん……ほんとにだめだめだ……)
彼方「……うぅっ」グスッ
彼方「うぇっ……ひっく……」
彼方「あぁ、っ、あぁぁぁ……」ポロポロ
昨日のことはよく覚えていない。
一体、どんなことをしちゃったんだろう……。
遥ちゃんにみっともない姿を見せたに違いない。
遥ちゃんは優しいから、もしかしたら自分を責めてしまうかもしれない。
今すぐにでも家に帰って寄り添ってあげたいのに、誤解を解かないといけないのに、体が言うことを聞いてくれない……。
彼方(いや……こんなお姉ちゃんじゃ、遥ちゃんに寄り添ってあげる資格もないよね……)
彼方「……」グスッ
彼方「……おえぇぇぇぇぇぇっ」
彼方「うぅっ……」
ノレcイ´ヽ;ω;)
彼方(夜が長い……)
彼方(眠れない……)
あ……そうだ……病院に運ばれた私は、検査を受けて、様子見で今日だけ入院ということにだったみたい。
検査なんて全く記憶にないけど……。
命に別条はないっていう判断なのかな……でも、こんなに苦しいなら死んだほうが……。
いけないいけない、私、変なこと考えちゃった……。
明日は体調を見て、退院、そしてそのまま心療内科に行くのが、一応現時点での予定。
彼方(うぅ……)ガンガン
彼方(いたい……おもたい……くるしい)ガンガン
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)モゾモゾ...
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)モゾモゾ...
あと1、2回の更新で終わる予定です。
明日、明後日はお休みします。
あまりにもつらすぎるにゃ…
いやマジでつれぇわこれ
薬に耐性が付いて量増やして依存症になるって話は聞いたことあるがここまでなるのか…
音が半音低く聞こえるとか細かい描写がリアルすぎて…
フツーに風邪薬飲んでるだけでもたまになるよね
フラベリックのことだな
ライブ前に飲んで焦ったことあるわ
カフェインとレタスのチャンポンによる合法スピードボールだぞ
今夜(というか明日未明)更新か
リアタイ辛いんで起きてから読むわ
(・8・)チュンチュン...
彼方(結局朝まで一睡もできなかった……)
「かな」
彼方(あ……お母さん……)
彼方「遥、ちゃんは……?」
近江母「学校よ」
彼方「ぁ、そっか、そうだよね……」
近江母「体の調子はどう?」
彼方「……よくはないよ」
近江母「もう一日居させてもらう?」
彼方「ううん……それはいいかな。大丈夫。お母さん、仕事は?」
近江母「今日は休みを取ったわ」
彼方「……ごめんなさい、私のせいで」
私がそう言うと、お母さんはぴくりと肩を震わせて、「謝らないで」と言って私を抱きしめた。
お母さんは泣いていて、目元を見ると私みたいなくまができていた。
心療内科
ノレcイ´◉ω◉)
彼方「……」カキカキ...
病院を出た私達は、そのまま近くにあった心療内科へ。
よれついた文字を書く私の手は「症状が改善したら何がしたいですか?」なんてことを問うてくるところで止まった。
彼方(症状が改善したら……)
彼方(何がしたいかな……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(『みんなでお泊まり会がしたい』っと……)
診察室
医者「近江彼方さんですね、初めまして」
お医者さんの前に座った私は、もやがかかったような鈍い頭を振り絞って質問の答えを作っていく。
医者「不眠の症状から市販薬のオーバードーズに走ってしまったんですね」
彼方「……」コクリ
医者「何か嫌なことがあったとか、不眠のきっかけや心当たりはありますか?」
彼方「いえ……私はただ眠りたくて」
近江母「どうして眠れなくなったのかを聞いてるのよ」
彼方「あ……ごめんなさい。心当たりは、ないです」
医者「そうですか。不眠症になる前は1日どれくらい睡眠時間を取られていましたか?」
彼方「えと……どのくらいだったかな」
彼方「1日5時間くらいだったと思います……。それで、何回か昼寝をしたりして、プラス1、2時間くらい寝てました」
医者「1日5時間?ちょっと少ないね……日中辛くなかったですか?」
彼方「日中は眠たくなったら昼寝をするようにしてたので……」
近江母「そうだったの……?」
彼方「……」コクリ
医者「寝るまでの時間はどんなことをして過ごしてましたか?」
彼方「勉強とか……ですかね」
近江母「この子……週5日でバイトをしてますし、勉強も遅くまでやっていて」
彼方「別にそれは……」
医者「それが無意識にストレスになっていた可能性はゼロじゃないですよ。どうですか?」
彼方「そんなことは……ないと思います」
なんとなく、私に聞いても無駄だと察したのか、お医者さんはお母さんに家庭環境や私がバイトを入れている理由をずけずけ聞いていく。
私に申し訳無さそうに返答するお母さん。
私を置いて話が進んでいく……私、お母さんにそんな顔をさせたくて頑張ってたわけじゃないんだけどなぁ……。
と、思っているとまたお医者さんは私の方に顔を向き直して、
医者「今までストレスを感じたらどう対処してきましたか?」
彼方「え……そうですね」
彼方「ううん……」
彼方「寝てた、と思います」
医者「――はい」
医者「話を総合すると、不眠の原因は生活習慣に起因する複合的なものかな?と思います。それで、今の彼方さんはストレスのはけ口を塞がれた状態だと考えられます。ですので、いかに眠りやすい体に戻してあげるかが大切ですが」
医者「まずは市販薬の断薬が最優先ですね。今後は絶対にむやみに飲まないようにね」
彼方「はい……すみません」
医者「私に謝ることじゃないですよ。次に不眠症の改善ですが、これは依存性の少ない睡眠薬の一種を出しておきます。薬の管理はご家族の人がして、彼方さんの手の届かないところに置いてください」
近江母「はい、分かりました」
彼方(信用されてないな……まぁ、当然だけど)
医者「効果が長く持続するタイプの薬じゃないので中途覚醒はあるかもしれないですが、まぁ、例え途中で起きたとしても無理に眠らなくてもいいです」
医者「眠ろう眠ろうと思うことがストレスになって悪循環に陥る人もいるので」
彼方「……わかりました」
たしかに、眠ろうと頑張りすぎていたのかもしれない。
今まで、眠ることに困ったことなんてなかったから……。
毎日やらないといけないことがたくさんあって、全部しっかりこなすために、なによりも寝て疲れを取ることが大事だと思ってた。
医者「念押しになりますが、お薬の飲み方については彼方さん本人もそうですが、ご家族全員で注意してください。毎日のようにODしていたとなると、身体的にも精神的にも薬に依存してしまっていると思われますし」
医者「離脱症状ももうしばらくの間は辛いと思います。加えて気分が落ち込んだり不安定になってしまうこともありえるので、自棄になってまた大量に飲んでしまうようなことがないように気をつけて」
彼方「……はい」
お母さんが運転する車に乗りながら、処方された薬の袋を見つめる。
彼方(ついに本物のお薬のお世話に……)
彼方(自分がみじめだよ……)
1日か2日か、よく分からないけど、久々にスマホの画面を見たら、同好会のみんなからの通知で画面が埋まっていた。
けど……恥ずかしすぎて合わせる顔がない。
指も腕もだるいし、何よりも自分の状況の説明のしようがない。
返信する気が起きない。
万が一にでも既読がついてしまうことがないように、アプリも開かずスマホを放り投げた。
彼方「……はぁ」
彼方(だるい……)
近江家
遥「あっ……!お姉ちゃん……!」
家に帰ると遥ちゃんが小走りで玄関まで駆けてきて、両腕を広げて私に抱きつこうとして、止まる。
ぴくりと動いたと思うと、顔をしゅんと悲しげな表情に変わって……
遥「ごめんなさい」
ああ、やめて、そんなこと言わないで。
遥ちゃんの力が足からすーっと抜けて、そのまま床へへたりと座り込んだ。
遥「ごめんなさい、お姉ちゃん、ごめんなさい……!うぅ……!ぐすっ」
遥「私がっ、私が無理させちゃったから……!」
彼方「なかないで……遥ちゃん」
遥ちゃんを撫でようとして差し出した手は、青白く血管が浮き出ていて、小刻みに震えていた。
そんな手で遥ちゃんを触るのが、なんだか遥ちゃんを穢してしまうような気がして……。
彼方「……」
ノレcイ´◉ω◉)....
ζ(*PД`q。)ζ
彼方「……」バタッ
彼方「……」
彼方「……」
彼方(遥ちゃんに今更お姉ちゃん面なんてできないよ……)
彼方「……はぁ」
結局、遥ちゃんにまともな言葉もかけられないままベッドに倒れる。
私の寝具一式は交換されていて、洗濯したての柔軟剤の良い香りがする。
彼方(……)ジーッ
彼方「うぇ……」
彼方「……」
彼方(……)
2段ベッドの下段に寝転んで、上の木材の模様を眺めていると、その年輪やしみが動き出しそうな気がして目を閉じた。
耳をすますと居間の方向から遥ちゃんとお母さんが話している声がぼそぼそと聞こえた。
。。。。。。。。。。。。。。。
〜♪
ワァァァァァァ...
ノレcイ٩* ¯ ꒳¯)و
ζ(*^ヮ^*)ζ⁄ おねえちゃ〜ん!
⁄/*イ`^ᗜ^リ 从cι˘σ ᴗ σ˘* せんぱ〜い!
@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ 彼方さ〜ん!
彼方「ふぅ〜……近江彼方で『My Own Fairy-Tale』でしたぁ」
彼方「みんなぁ、今日は彼方ちゃんのライブに来てくれてありがとね〜」
彼方「一曲歌い終わったから……休憩で彼方ちゃんちょっとお水飲むね」
彼方「♪」スタスタ
⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ 回って〜?
彼方「うん、すっごくおいしいよ〜」ゴクッ
⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ 回ってよ〜
カパッ
彼方「……」ザラザラザラ...
彼方「んくっ、んくっ、んくっ……」ゴクゴク...
彼方「ぷはぁっ……」
ζ(;^ᴗ^)ζ お姉ちゃん?何飲んでるの?
彼方「え?」
彼方「なにって……あれ?なんでこんなところで飲んじゃったんだろ……」
ζ(;^ᴗ^)ζ それなに?私……知らないよ?
╰*(..•_•.. ) *╯ 彼方ちゃん?もう飲まないって約束したよね?
彼方「え?」キョロキョロ
ζ(* *)ζ ……
ζ㎗ ヮ リ ……
从 从 ……
jΣミイ リ ……
彼方「み、みんな……?」
「次の曲行きまーす!」
彼方「えっ!? ま、まだ準備がっ」アセッ
彼方「……って何これ、デジャブなんだけど……」
〜♪
彼方「……はっ」
彼方「あ……」
彼方「え……私、寝てた……?」ゾワッ
彼方「あ……」
眠ってしまっていたことに気付いて血の気が引く。
こんな時間に寝てしまったら、夜が……。
頭を抱えてうめいた。
彼方「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
彼方「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……」イライラ
彼方「……」ガンッ!
彼方「っ。いた……」
彼方「……」ガンッ!
彼方「……」ガンッ!
彼方「……」ガンッ!
彼方「……」ガンッ!
うかつに眠ってしまった自分にいらついて、ベッドの枠を殴る。
彼方「……」ガンッ!
彼方「……」ガンッ!
彼方「……」ガンッ
力任せに殴り続けていると、不意に腕を掴まれた。
彼方「あっ……」
遥「もうやめて」
彼方「……」
遥「……」
彼方「ごめん……」
遥「うぅ……。手、真っ黒だよ」サスサス
彼方「……」
彼方「こんなお姉ちゃんでごめんね」
彼方「ごめんね……遥ちゃん」
彼方「ごめんねぇ……!ごめんねぇ……!」
彼方(自分が情けなすぎて)
彼方「うあああ……ああああ……ごえんええ、ごめっ、ごめえ……!」
彼方(いつから彼方ちゃん、こんなに弱くて惨めでどうしようもなくなっちゃったの)
遥「……めて」
遥「もういいからやめてよ……」
彼方「あああああっ、あああああっ、んんううう……っ、ごめんねえ、ごめんねぇ……!」
夜
遥「じゃあお姉ちゃん、これ」
彼方「うん……」
妹から淡黄色の錠剤を渡される。
『バラ色の夢を見ましょう』という願いを込められた名前の錠剤を飲み干す。
たった1粒の喉越しに逆に違和感がある……。
彼方「んくっ……ありがとう」
遥「ううん……眠れそう?」
彼方「分かんない。そんなに効果がすぐ現れるものでもないし」
遥「そうなんだ……私、明日は朝練あって……早く起きなきゃいけないからもう寝るね?」
彼方「うん。分かったよ……おやすみ」
遥「うん、おやすみ、お姉ちゃん」
彼方「あの、遥ちゃん……」
遥「なに?」
彼方「……こんなお姉ちゃんで、ごめんね」
遥「……やめて」
遥「……」バタン!!!!!
ノレcイ´;◉ω◉)
彼方「……」キョトン
一瞬何が起きたか理解できなかった。
扉の風圧が前髪を揺らす。
あの、遥ちゃんが、あんな風にドアを閉めるなんて……。
怒らせちゃった。
彼方(最悪だよ……)
いいねえ
ヤク中は医者に診てもらってハイ終わりじゃないもんね
ゾクゾクする
それからしばらくして……。
彼方「……」ウト...
彼方「……ぁー」ウト...
彼方「お母さん、私寝るね。おやすみなさい」
近江母「うん、おやすみ……。かな」
パタリ...
遥「すーっ……」Zzz...
彼方「……」
彼方(ごめんね、遥ちゃん)
彼方「……」モフッ
彼方「……」モゾモゾ...
彼方「……」
彼方「……」
彼方(レスタミンほど強烈ではないけど……心地よい眠気……な、気がする)
彼方(おやすみ……)
彼方「くー……」Zzz...
彼方「くー……」Zzz...
ホーッ...ホーッ...
彼方「ん……」パチッ
彼方(……)キョロキョロ
彼方(まだ夜か……何時だろ)
彼方(4時半ね……結構眠れた気がするけど……効いてたのかな、それとも思い込みで眠くなれただけだったのかな)
彼方(……う)
彼方「っ……」
彼方(体が重い……)
彼方「ぅぅぅ……」
目が覚めて、感覚が鮮明になってくると今度は離脱症状が容赦なく襲いかかってくる。
苦しくて声を出さずにはいられない。
けれど、遥ちゃんを起こしてしまわないようにできるだけ声を殺してうめく。
それでも声を完全に押し殺すことはできなくて、少しでも聞こえないように布団をかぶって、ダンゴムシみたいに丸くなりながら、だるさや吐き気と戦う……。
彼方「うううぅぅぅ……」
彼方「はぁ、はぁ……っ」
彼方「おぇ……んっ、んんっ」
彼方「うぅ……」
ノレcイ´;◉ω◉)
クスリが抜けた後でも薬物の再犯率が高いのは、脳が薬物の刺激を覚えてしまっていて、それを求めているかららしい
心が弱いとか隙があるどうこうではなく、そういう生理的欲求が備わってしまい、常にそれに抗い続けねばならんとか
薬物怖いね
彼方「うぅっ……」
苦しいけど、何も考えずに痛みに耐えるのも辛くて、スマホを手に取る。
同好会のグループラインで侑ちゃんが私にメンションしてくれていた。
『ゆう: @近江彼方 彼方さん、今日お休みだったみたいだけど、大丈夫!?』
それで、私が返事しなかったからみんな心配したのか、みんなが個別にメッセージを送ってくれてる。
その優しさがかえってつらい。
彼方(……うぅ)
彼方(うれしいけど……返す気力がない)
彼方(それに、こんな時間に送って起こしたら嫌だし……朝。朝になったら返すんだ)
全身のだるさで返す気力が出ないというより、みんなに過度な心配を抱かせてしまわないような穏便な文章を考えるエネルギーがないのだ。
私は布団の中の淀んだ空気を吸いながらネットを眺めて時間を潰すことにした。
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……『オーバードーズ』、検索)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(うわ……私みたいな人、けっこうたくさんいるんだ)
彼方(……)
彼方(いろんな薬がある……)
彼方(ブロン、パブロン、コンタック……)
彼方(パブロンなんてうちに今もあるよねぇ……)
彼方(……)
彼方(……はは、私が飲んでた薬、苦行呼ばわりされてるや)
彼方(……すごっ、ブロンを一気に100錠……。そんなに飲んでも死んじゃったりしないんだ)
彼方(ジヒドロコデインリン酸塩とdl-メチルエフェドリン塩酸塩が作用……)
彼方(コデインは麻薬に近い成分で、まったり……)
彼方(エフェドリンは覚醒剤に近い成分で、しゃっきり……)
彼方(カフェインも入ってるんだ……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……私が飲んでたのは成分は1つだけだったから、こんなの飲んじゃったら)
彼方(本当に戻れなくなっちゃいそう……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……でも、この症状が収まるなら)
彼方(ううううううう、何を考えちゃってるんだろ……私……)ガリガリ
彼方(飲んで楽になるのは一瞬なだけ……そう、一瞬なだけ)
彼方(耐えなきゃ……)
彼方「……おえ」
(・8・)チュンチュン...
彼方(……朝かぁ)
彼方(……動けないや)
彼方(……)
ミシッ...ミシッ...
彼方(あ、遥ちゃん……起きたみたい)
彼方(……寝たふりしてよう)パチリ...
遥「……」
遥「……っ」
遥「……」スタスタ...
彼方「……はぁ」
彼方(おはようは無しかぁ……はは……思ってたよりも辛いや)
彼方「……ぐすっ」
ノレcイ´;;;;ω;)....
最後にODしてから2日?3日……?
症状は一向に収まる気配はなくて、むしろ……。
彼方「かぁっ……あぁっ!」
彼方「うううぅぅぅううぅぅぅ……」
彼方「んぁぁぁっ……ぁぁっあっ、んぅっ!」
彼方「いっ、ぅい、痛い……」
学校は当然欠席。
お母さんに言って、ただの風邪ということで学校には伝えてもらった。
家に誰もいなくて本当によかった……こんな姿は誰にも見せられない。
ノレcイ´;;;;◉ω◉)))....
彼方「はぁっ……はぁっ……」
彼方「……っ!」
彼方「……」ドタドタドタ
彼方「……」ドタドタドタ
彼方「おええええええっっっっっっ!!」ピチャピチャ....
彼方「おえええっ……うぇっ……かはっ」ピチャッ...
彼方「はぁっ……はぁっ……」
朝から何も食べていないので、吐いて出てくるものはほとんどないに等しい。
ただただ胃酸の酸っぱい味と喉に刺さる刺激だけ……。
彼方「……だぅ、だ……だれもいぃ……いなくてよかった」
彼方「あはは……うぅっ」
どうせ部屋に戻ってもまた気持ち悪くなってトイレに駆け込むのが目に見えていた私は、
トイレのドアを背もたれにしてうずくまりながら吐き気と戦うことにした。
辛いのは吐き気だけじゃない。呂律は回らないし、目の焦点も合わない、体は異常に熱くて重い……。
インフルエンザを数倍辛くしたような最悪な気分だった。
夕方
ノレcイ´;;;◉へ◉)...
彼方「……」
彼方「……」
彼方「ぁぁぁぁぅ……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「ぅぅ……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……うぁぅ」
ピンポーン
彼方「……!」
彼方「だれぇ……」
彼方(今はとてもじゃないけど出られないよ)
彼方(宅配便だったらまた再配達お願いしたらいいよね……)
ピンポーン
彼方(音が響いて……)イライラ
彼方「やめへぇ……」
ピンポーン
侑『あれぇ……彼方さん、留守かなぁ〜』
しずく『お休みされてるんじゃないですか?』
侑『あぁ、そうかも……う〜ん、お見舞いのプリン、どうしよう』
彼方「え……」
ドアの前から漏れ聞こえる声の持ち主達を想像して、目の前がくらくらする。
お見舞いに来てもらえることが嬉しくないわけじゃない。とにかくこんなあられもない姿を無垢なあの子達に晒したくないのだ。
どうする……出る?だんまりを決め込む……?
どうしたらいいか分からない。ただでさえ調子の悪い体には荷が重い考え事なのだ。
考えが何周も同じところを回って結論に至らない。
彼方「う……どぉ、どうしよ」
果林『彼方がこの家にいるかどうかなら分かるわよ……少し前に遊びでZenly一緒に入れたの』
お互いの位置情報をリアルタイムで伝えられるアプリだ。
こんなことになるなら遊びでも果林ちゃん相手でも入れるべきじゃなかった……。
少なくともこれで家にいることは分かってしまう。
彼方「ぅぅ……あぅ」
彼方「ぁぁぁぁぁぁ……」
彼方(どうしようどうしようどうしよう……寝てることにしちゃう?)
彼方(でも、せっかくお見舞いに来てくれてるのに)
彼方(うううう……あぁ、そっか、朝連絡し忘れてたから……ああああ……朝に風邪を移すといけないからって言えてれば)
彼方(とりあえず……これ以上心配かけないためにも……)
彼方(少しの間だけでいいから、動いて……耐えて、私……)
のそのそと緩慢な動きで玄関まで向かう。
顔色を悟られないように、吐瀉物臭い息をみんなに浴びせてしまわないようにマスクをつける。
ノレcイ´◉ ▭ ◉)....
彼方(これでいいかな……)
カチャリ...
⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ 彼方さん!調子はどうですか?
(ζル; ˘ ᴗ ˚ル 彼方!
╰*(..•ヮ•.. ) *╯ 彼方ちゃん!元気?痛いところない?
jΣミイ˶º ᴗº˶リ 彼方さん……!
⁄/*イ`^ᗜ^リ 彼方さん!大丈夫ですか!?
从cι˘σ ᴗ σ˘* 彼方先輩っ
@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ 彼方さん、ごめんなさい……みんなで押しかけちゃって
ζ㎗òヮóリ おぉっ、カナちゃん!大丈夫か〜?
从||>ᴗ<||从 彼方さん……お見舞いにきたよ
ノレcイ´◉ ▭ ◉)....
彼方「……だ、大丈夫……だよ。ちょっときつめの風邪、ひいちゃって……ごめん、ね……ライン返せてぇ、な、なくて」ブルブル
おかしな言動をしないようにとにかく必死に取り繕った。
みんなも私の体調を気遣ってか必要以上の長居はせずに帰ってくれた。
お見舞いに買ってきたというプリンを受け取って、2、3日したら元気になって戻ると約束をしてしまった。
離脱症状で摩耗しきった体力を絞りに絞って、消耗しきった私は玄関の床にそのまま倒れ込んだ。
彼方「はぁっ、はぁっ……や、やっお、おあった……」バタッ
彼方「はぁっ……うっ」
彼方「おええええええっ……!」
彼方「ううっ……!」
彼方「ぐぅ……んんっ」
彼方「……っ」
彼方「はぁっ……」
彼方「……」ガサッ...
彼方「あぁ、これ……彼方ちゃんのぉ、すきなやつ……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「みん、なぁ、ありがとう」
彼方「ごめんああい……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「――」
彼方「――」
彼方「――」
彼方「――」
意識が遠のいていく。
ポッムが普通に歩夢の顔文字として使われてるのなぜか笑ってしまった
彼方「ん……」パチッ
彼方(私、何して……)
彼方(あ……そ、そうだった)
彼方(玄関でみんなを見送ったあと、力が抜けていって……)
私が気を失っている間に、多分遥ちゃんがベッドまで移動させてくれたんだろう。
また余計な心配をかけてしまったに違いない。
恥ずかしいお姉ちゃんだ……。
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)モゾッ
彼方(……)
彼方(……)
私は動く体力が全く残っていなくて、ただただ暗い方へ暗い方へ考えを巡らせながら二段ベッドの木板をぼーっと見つめていた。
身体的にも精神的にも最悪の状況に近い。
遥『なんで!?どうしてわかってくれないの!?』
思いがけず、居間の方から遥ちゃんの声が飛び込んできた。
遥ちゃんの声はかなりの怒気を帯びていて、錯乱しているように聞こえた。
Σノレcイ;;;´;◉ω◉)
彼方(……!?)
遥『私、もう部活やめる……!!』
彼方(え――)
近江母『それは駄目よ!はる!お姉ちゃんの頑張りを無駄にしないで!』
ガチャンッ!
遥『お姉ちゃんの頑張りって何!?私はお姉ちゃんだけが辛い思いをするなんてもう嫌なの!!無理してほしくないの!!』
ドサッ!
近江母『落ち着いて!!きゃっ、あっ……!』ガチャン!!
遥『大体さ、うちが貧乏なのが悪いんだよ!!なんでお姉ちゃんだけバイトも勉強も頑張らなきゃいけないの!?』
パリィッ
近江母『そっ、それはかながはるにはやらせちゃ駄目って!はるに楽しい思いをさせてあげようってかなは一生懸命頑張ってきたんだよ!?』
ドンッ! ドンッ!
遥『もおおおおっ!!それが嫌なの!!私ばっかり守られて、じゃあお姉ちゃんはどうでもいいって言うの!?』
近江母『そんな訳……そんな訳ないに決まってるでしょ!!』パシッ!!
パキッ
遥『ったぁっ……!じゃあ私だってお姉ちゃんを手伝って家計を守る権利はあるよねぇ!?どうなのお母さん!!』
近江母『お姉ちゃんが知ったらどう思うか……考えたことはあるの!?』
ガチャンッ!
遥『お姉ちゃんの気持ちとかそんなの分からないよ……!!知らないよぉっ!!お姉ちゃんがあんな大量のお薬を飲んでおかしくなっちゃったのだってもとを正せば私のせいじゃん!!』ドンドンドンッ!!
パキッ
近江母『それは違うって何回言ったら分かるのっ!!』
ボンッ!
遥『お姉ちゃんが幻覚を見て暴れたり、玄関で倒れてるのを見たりしても、何もするなって言うの!?無理だよそんなの!!』
近江母『だから何もするななんて言ってない!!部活をやめるとかそういう極端なことをはるが言うから!』
ガチャンッ!
遥『お姉ちゃんが辛い思いをしたぶん、私も辛い思いをしないと報いを受けたことにならないの!!』ガコンッ!
近江母『それをしてかなが喜ぶと思うわけ!?』パリィッ!
お母さんと、遥ちゃんが喧嘩してる……今まで、こんなの一度も見たことなかったのに。
私は、私はというと……体に一切に力が入らなくて、ただベッドで仰向けになって二人の口論と食器が割れる音を聞くだけ。
お母さんが傷つくのを見たくない。
遥ちゃんが傷つくのを見たくない。
遥ちゃんが部活を辞めちゃったら私の頑張りはなんだったの?私がやってきたことの結末がこれ?
彼方「も……やめてよぉ」
彼方「やめてよぉ……」
彼方「うああああっ……あああっ」
彼方「やめて……おえがい、ふたりおも……やめえ、うあ」
彼方「うえっ……ぐすっ、うあああああああっ……!!」
彼方「ごめん、ごめんなあい、ああう……うああああっ……んんん、ごめんああい……!!」
私は二人のところに届くほど大きな声を出す体力が残っていなかった。
どれほど泣き喚こうが、それは虚空へ消えていく。
涙があふれて止まらない。
遥『―――――――――――!?――――!?』パリィッ
ドンッ!
近江母『――――――――!!』ガコンッ!
バキッ!
遥『―――――!!――――!!――――――!!』パシッ!
ガシャッ!
彼方「ああああっ、うああああああっ……!!」
彼方「うぐっ、ぐうううううう……!」
彼方「やめえ、やめえよぉ」
彼方「おえがい」
彼方「やめえっ、……やあ、やだ」
彼方「うううううう……!」
彼方「……もうやぁ、もうやだよぉ」
彼方「かなあたんがわうぁ、ったかあ……許して、よぉぉ……っ、ぐすっ」
彼方「あああああっ……!!」
彼方「ごめんああい、ごめんああいぃぃぃぃぃ……!」
彼方「うわあああああぁぁぁぁぁぁんっ……ああっ、ああっ、わぁぁぁぁ……っ」
彼方「……あい、おえんああい、おえんああいいい……!」
お薬がほしい。
もっと楽になりたいし、もっと苦しくなりたい。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
……彼方ちゃんが浅はかでした。
ノレcイ´◉ω◉)
彼方ちゃんが辛え目にあってるのが同時にあって心が死にそう
こんな状況とはいえ、人に食器投げるとか素の遥ちゃんヤバくない?
彼方ちゃんの幻聴であってほしいが…
曲がりなりにも病院に行ったんだしこれで一安心だね、良かった良かった
と思ってたら今まで以上の地獄が待っていた
次の更新くらいで終わるって言ってたよな?
ここからハッピーエンドになるのか? なれるのか…?
m9(^8^)チュンチュン...
彼方「……」
彼方「ん……」パチッ
彼方「……」
彼方(昨日よりはましだけど……今まで通りとは程遠い)
彼方(いつまでこんなのが続くの……)
彼方「……おえっ」
彼方(……)
彼方(……)キョロキョロ
彼方(9時かぁ……遥ちゃんもお母さんもいないや)
彼方(……)
彼方(……お水飲んで、ベッドに戻ろうかな)
彼方(……)
彼方(……)
彼方(……)
彼方「……んくっ、んくっ」ゴクリ
彼方「……」モフッ
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」モゾモゾ
彼方「うぅ……気持ち悪い」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
昨日のことを考える。
私が動けるようになって部屋から出たときには何事もなかったみたいに片付いていて、いつも通りの私の家の光景があるだけだった。
……遥ちゃんが私のために部活を辞めようとしている。
昨日はお母さんが止めてくれていたけど、それで遥ちゃんの決心を崩せたかどうかは私には分からなかった。
もしかしたら、今日にも辞めることを伝えに行ってしまっているかもしれないと思うと胸が苦しくなって、なぜか離脱症状も酷くなるような気がした。
遥ちゃんにあんな思いをさせていた自分が嫌だし、耐えきれなかった自分の体が不甲斐なくて憎い。
彼方(やっぱり、私がしっかりしなきゃ……)
そう思う一方で、このままどこかに逃げてしまいたいような気持ちも募るばかりだった。
ドラッグストア
「いらっしゃいませー」
ノレcイ´◉ω◉)フラ...フラ...
彼方(しっかりしなきゃ……)
彼方(つらいよ……たすけてほしいよ)
彼方(でも、お姉ちゃん……まだ頑張れるから……)
彼方(こんなの……なんてことない……今すぐに動かなきゃ駄目なんだ)
彼方「うぷ……」
<風邪薬・咳止め>
[エスエスブロン錠]
84錠 \1,000(税抜)
彼方「……」スッ
彼方「……」スッ
彼方「……」ノソ...
彼方「……」ノソ...
彼方「おねがいします……」コトン
「あっ……申し訳ございません、お客様。こちらの商品お1人様1点までとなっていまして」
彼方「ぁ……そうなんですか。じゃあ1個で、大丈夫です」
公衆トイレ
パカッ
彼方「……」
彼方「……」カラカラカラ....
彼方(粒が大きいな……)
彼方(流石に一度に全部は飲み込めないかもね〜……)
彼方「……」
彼方「……」
彼方(……ごめんね、みんな……)
彼方(でも、とにかく今すぐに彼方ちゃんは動けるようになりたいんだ)
彼方(……ごめんなさい)
彼方(……今が10時半か。飲んでどれくらいで効くのかな)
彼方(今後のためにもメモ帳に記録しておかなきゃ……)
彼方「んくっ、んくっ……」ゴクゴク
彼方「……はぁ」ザラザラ...
彼方「んくっ、んくっ……」ゴクゴク
彼方「……はぁ」ザラザラ...
彼方「んくっ、んくっ……」ゴクゴク
彼方(……『午前10時半、30錠』っと)ポチポチ...
公園
(^8^)チュンチュン...
彼方「ふぅっ……」
彼方「今日もいい天気だなぁ……絶好のお昼寝日和だよ」
彼方「暖かいし、風もちょっとだけ吹いてて……」
彼方「遊具で遊んでるちっちゃい子の声も、悪くないし……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……口渇いちゃった」
彼方「……お水……買おう」
彼方「……」ノソ...
彼方「……」ノソ...
彼方「……」ピッ...ゴトン
彼方「ん……」
彼方「んくっ、んくっ……」
彼方「ぷは……うぷっ」
彼方「学校さぼって日向ぼっこかぁ。良い御身分になったもんだねぇ、彼方ちゃん」
彼方(『11時過ぎ、口が渇く。少しだけ吐き気が落ち着いた』……)ポチポチ
彼方(みんなは今頃授業中だよねぇ……)
彼方(私本当に何してんだろって感じ……)
彼方(……んぁ)フラッ...
彼方(ちょ、ちょっと立ってるのも辛いしベンチに座ろ……)
彼方「……」ノソ...
彼方「……」ノソ...
彼方「……はぁ」モフッ
彼方「……」
ヒューッ....
(^8^)チュンチュン...
彼方「……風、きもちいー」
彼方「……ふわぁ」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「久しぶりに、外の空気がおいしく感じるよ……」
彼方「……」
彼方「……ふわぁ」
彼方「暑くなってきた……」
彼方(……)ソワソワ
彼方「んんっ……」ソワソワ
彼方「きた……?」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……ぁ」フワッ...
彼方「きてる……」
彼方「あぁ……」
彼方「うあ……」
12時 手足がふわふわとし始める
こんな軽い感覚はいつぶりだろうか。
彼方「……」
彼方「……あぁぁぁぁぁぁ……」
彼方「ほんの少しの間だけ、横になってもー……怒られたりしないよね」
彼方「……んっ」ゴロン...
彼方「あぁぁ……」
彼方「……」
彼方「さいこう……」
ノレcイ* ¯ ꒳¯)
ノレcイ* ¯ ꒳¯) Zzz....
すやぴ……。
こりゃもうお小遣い持たせらんないな
非治産者やむなし
バイトも辞めさせられそう
ここで壊れなければ、だけど
……ちゃん。
……お姉ちゃん。
……お姉ちゃん!
彼方「はっ……!?」パチッ
彼方「遥ちゃ……!?」ビクッ
子供「はるか?」
彼方「あ……いや、ごっ、ごめんね?なっ、なにか用かな?」
子供「お姉ちゃんずっとここで寝てるから大丈夫かなって思ったの」
彼方「あ……あぁ……。うん、大丈夫だよ〜。ありがとうね」
子供「うん!」
彼方「ふふふ〜」ナデナデ
びっくりした……遥ちゃんに見つかっちゃったかと思ったよ。
今は……お昼の3時半か……そりゃ小学生の子供たちも帰ってくる時間だよね。
結構寝ちゃってたんだ……目がすっごく冴え……。
え……?
だるさが全くない……頭を揺すっても気持ち悪くないし、吐き気もない。
髪の毛からつま先まで、全身の隅から隅まで血液が行き届いているような感覚……体にエネルギーが満ち満ちている。
ノノレレccイイ`,,;=ω=)))―☆
ノレcイ´*=O=) うっ……うおおおおおおおお!!
彼方(……)バクバク
彼方(……)バクバク
彼方(……やばい)バクバク...
彼方(彼方ちゃん……いまキレッキレだ)
彼方(彼方ちゃんいまキレッキレだよ!!!!)
彼方「うっ……うおおおおおおおお!!」
彼方(やらないといけないことが次から次へと頭の中に浮かんでくる……!!!)
彼方(あぁっ、じっとしてられない!!)
彼方(今までの分を取り返せそうな気がする……!!!!)
彼方(こっ、これは……このお薬は……使える!!!)
彼方(かっ、買わなきゃ……!!)
彼方(このあたりのドラッグストアはあそこ以外にも3つはある……あっ、あそこのお店がちょうどいいや、ついでにスーパーで今夜のお夕飯の材料も買いたいし!)
彼方(遥ちゃんとお母さんが帰ってくる前にお家のお掃除もして!)
彼方(あっ、そうだっ、みんなにも心配かけないようにちゃんと連絡を入れないと!)
近江家
ノレcイ´*=O=) うおおおおおお!!!
彼方「ただいまぁ!」
彼方「誰もいないだろうけどねぇ〜!」
彼方「んふふふ〜♪」
彼方「るんるんっ♪」
彼方「お薬はぁ……ここがいいかなっ」
買ってきたお薬は私の下着が入っている棚の奥に隠す。
ここならいくら家族とはいえそう簡単に見られはしないだろう。
彼方「……はっ、ラインライン……」
彼方「……」スッスッ
『かなた: みんな、昨日はありがとう。明日も大事をとって休むかもしれないけど、必ず元気になって戻るから待っててね」ピョンッ
この薬効が切れたときのこともケアして、明日も休むかもしれないことを伝えておく。
今は集中力と気力が溢れすぎて体中が熱いくらいだけど、これが終わったらどうなるかも分からないから念の為の保険。
彼方ちゃんは抜かりないのですよっ!
彼方「次はお掃除!」
彼方「はっ、はっ……」フキフキ
彼方「はっ、はっ……」フキフキ
普通なら気付かないような小さな汚れも目立って見える。
何度も何度もこすって、それを消す。それを繰り返す。単調な作業が楽しくて仕方ない。
玄関の遥ちゃんとお母さんの靴もしっかり綺麗に並べてあげて……!
あっ、1ミリずれちゃった。直す。
あれ?これだと全体のバランスが変?全体的に3ミリ修正。
イレ(*`=ω=) 。・゚・⌒) 香りだけで味まで分かる!
/ o━ヽニニフ)) 今ならミシュランの三ツ星シェフにだって負ける気がしないぜ
しー-J
ノレcイ´*=O=) 勉強も……分かる!
1.けしにはアルカロイドであるモルヒネや(@)などの麻薬が含まれている。
市販の風邪薬にも含まれている(A)はモルヒネの約1/3の精神機能抑制作用・催眠作用がある。
こうした市販品を含む薬品を快楽・あるいは自傷の目的で過剰摂取することを(B)と言う。
2.漢方としても有名な(C)から抽出される(D)は覚醒剤の一つであるメタンフェタミンの前駆体である。
3,(E)の主要な有効成分は(F)とカンナビジオールである。
彼方「@コデイン!Aジヒドロコデイン!Bオーバードーズ!」
彼方「C麻黄!Dエフェドリン!」
彼方「E大麻!Fテトラヒドロカンナビノール!」
彼方「授業でやった気がしないけどなんか分かる……!」
彼方「ネットでいろいろ調べたからかな……!?」
彼方「この調子でよく聞いてなかった授業のノートも全部頭に叩き込まなきゃ!!」パラパラパラ....
ノレcイ´*=O=) うおおおおおおおお……!
ノレcイ´*=O=) うおおおおおおおお……!
ノレcイ´*=O=) おおおお……!
これはもう強制入院させて独房みたいな真っ白い部屋で薬が抜けるまで監きn…もとい保護するしかないね
自殺防止用の拘束衣着せて
ところで真っ白いキツキツの拘束衣着せられた彼方ちゃんを想像したら随分エロかった
夜
ノレcイ´;≡ω≡) うぁ……あれ?もう夜……?
私は気付くとベッドに横たわっていた。
おぼろげながら、恐らく遥ちゃんやお母さんに助けられた訳ではなく、自発的にベッドまで戻った記憶がある。
昼下がりの多幸感や止めどないエネルギーはどこへやら、私に残ったのはいつもと変わらない倦怠感と吐き気だった。
しかし、またお薬に頼ってしまったからだろうか……離脱症状は少しだけ穏やかになっていた。
振り出しに戻る、ともいうのかもしれない。
耳を澄ますと、私が作ったであろう料理の香りと、食器のかちゃかちゃという音が聞こえた。
きっと遥ちゃんとお母さんが戻ってきて、私の手料理を食べているんだ。
彼方「……わ、たしもいかなきゃ……」
彼方「んう……」ノソッ
彼方「……はぁっ」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……よい、しょ……」スクッ
彼方「っとと……」フラッ...
彼方「……」
彼方「……」
彼方「お母さん?遥ちゃん?」
遥「おっ、お姉ちゃん……!」
近江母「かな……」
遥「これっ、お姉ちゃんが作ったの!?それに、お家も綺麗に掃除と整理整頓されてて……!」
彼方「え、へへ……そうなんだー……。ちょっとだけ体調が良くなってきたから」
近江母「そうなの……!?良かった……お薬が抜けてきたのね!?」
遥「おねえちゃ……ううっ」
遥「おねえちゃぁぁぁぁんっっっ!!!」
ζ(*PД`q。)ζ
遥ちゃんの体が私を包む。
遥ちゃんの香り、体温だ……。
私は遥ちゃんの頭を、少しだけ震えが小さくなった手で撫でた。
彼方「おお……よし、よし」クスッ
遥「ううっ……!おねえちゃっ、おねえちゃ……!うわぁぁぁぁぁぁん……」
ノレcイ`;≡ω≡) ヨシヨシ...
絶対に隠し通さないといけないと思った。
もうこれ以上遥ちゃんやお母さんの悲しむ顔は見たくない。
止めろぉ!誰か殴ってでも彼方ちゃんを止めろぉ!果林さんかエマさんLINE見て不自然だと思ってくれぇ!
それから1週間。
⁄/*イ`^ᗜ^リ はいっ!ではこれで今日の練習は終わりにしたいと思います!
ノレcイ´*=ω=) ……あいっ!
私は薬と「うまく付き合う」ことで日中の授業と同好会の練習を乗り切っていた。
自分に甘いって言われるかもしれないけど、結構うまくやれているんじゃないかなあ。
コデインのせいで少しぼや〜っとしてしまうことはあっても、もともとの性格や仕草のおかげか、そこまで怪しまれることもなかった。
夜は処方してもらったロゼレムが頑張ってくれてる。
そして、清々しい鳥の鳴き声が聞こえてくる時間、景気付けの10錠。
学校についてからは滅多に人が来ない穴場スポット的なトイレでさらに20錠。
あ……いや、最近はちょっと効かなくなってきちゃったからもう少し飲んでるか。
一日40〜50錠くらい飲んでいる。
……薬代は辛いけど、これで私の日々が成り立っているんだからどうしようもない。
薬は彼方ちゃんの血潮であり、衣食住の一部なのだ。
そこまで飲むんなら普通の睡眠導入剤の方が安く付くのでは?
そんな彼方ちゃんの守るべき平穏は、前触れ無く壊れてしまった。
1時間目と2時間目の間、ライフデザイン学科のA棟とB棟の中間にあるトイレ。
ふわふわと感覚の鈍い手で瓶から30錠くらいを取り出し、それを口の中にかっこみ、ペットボトルから出る水の勢いに乗せて嚥下するいつも通りの朝だった。
少しだけぼーっと、そう……ちょっとだけ小鳥のさえずりに耳を澄まして、油断しちゃったんだと思う。
カチャリとドアが空いて……。
(ζル;´˚ ᴗ ˚ル 彼方……それは……何?
,,(d!.´・֊・..) 彼方ちゃん……。
ノレcイ´◎ω◎) ……なん、で……。
>>導入剤の方が安上がり
しょうがない
もうクスリの常習性に脳がヤられてるから…
いつ、どこで、気付かれたのか全く心当たりがなかった。
彼方「こっ……こんなところで会うなんて、すごい偶然……!」
彼方「とっ、特にエマちゃん!なんでうちの学科に?」
果林「……」
エマ「……」
果林「それ、ブロンよね」
彼方「え……」
慌てて薬瓶をポケットに隠そうとしたけど、果林ちゃんに腕を掴まれて取り上げられてしまう。
果林「飲んでるの?」
目を細めて訝しげに私を睨む果林ちゃん。
その奥には悲しさと心配が混ざった顔をするエマちゃん。
やめて、そんな目で私を見ないでよ。私はただ今ある幸せを守りたいだけ。
彼方「かっ……風邪気味でさ……あ、あはは……」
エマ「彼方ちゃん、本当のことを言って……?」
彼方「さあ……っ、かっ、彼方ちゃん、二人が何を話してるのかさっぱり、なんだけど」
果林「時々ね、いるのよ。私のモデルの知り合いの中にも、そういうのに逃げちゃう子が」
彼方「は……」
果林「……っ。ねえ、なんで?いつからなの?」
彼方「だから、ちっ、違うって」
エマ「彼方ちゃん……」
果林ちゃんに握られた腕が痛い。
エマちゃんの視線が痛い。
薬で起きた動悸で心臓が痛い。
エマ「私たちじゃ力不足かなぁ……?彼方ちゃんの悩みや不安を一緒に背負わせてはもらえない?」
果林「……お願い、彼方」
そんなこと言わないでほしい。
エマちゃんや果林ちゃんは悪くない。
安易な方向へ逃げた私が悪い。
目の前に二人に、私に関わる全員の人に、そんな悲しい顔や思いはさせたくなかった。だから秘密にしないといけなかったのに。
迂闊だった……。
自分の間抜けさを恨む。
今すぐにこの場から逃げたい。願わくば私の存在ごと無かったことにしてはもらえないだろうか。
エマ「……彼方ちゃんのお母さんや遥ちゃんは知ってるの?」
やめて、その名前を出さないで。
彼方「……めて」
果林「遥ちゃんが知ったらどう思うか……」
彼方「やめてって言ってるでしょ!!??」
彼方「遥ちゃんのことは言わないでよ!!!!!!!!」
果林「……っ」ビクッ
エマ「ひっ……」ビクッ
彼方「ねえ……ここだけの秘密にしておいてもらえないかな?」
彼方「同好会の仲間でしょ?いっ、一生のお願いだから……」
彼方「私はこんなのでみんなを困らせたりしたくない」
彼方「これは私だけの問題だか、ら……ね?ここで見たことは忘れてほしい」
彼方「私は大丈夫だか、ら。うまくこれと付き合ってうから……ぁ」
彼方「……うぁ」フワッ...
彼方「きたぁ……」フワッ...
彼方「……ね?おぉ、おね、おねっ、おねっ……おねあっ、おねっ、おねあい……おえあい……おえあいひまう……」トロォッ...
エマ・果林「「……」」ゾクリ...
意識がふわりと、雲の中にいるような気分になって現実感が薄らいでいく。
今はまったりしたい訳じゃない。早くあのしゃきっとする時間が来てほしい。
彼方「あう……」
果林「かっ、彼方……?」
エマ「彼方ちゃん……!うぅっ、も、もうわたし、見てられないよ……っ」
彼方「ね……ね……お願い」フワフワ
彼方「内緒に、して?」
彼方「なんでもいうこときいて、あげるからぁ」
彼方「おねがい……」
果林「……」
エマ「……」
苦々しく顔を見合わせる二人。
果林「……ごめんなさい。それはできないわ」
彼方「うええっ……?なんでぇ……!?」
果林「こんなの放っておけないわよ!!」
彼方「んええ……。えっ、えまちゃんは!?」
エマ「……わたしも果林ちゃんと一緒。内緒になんて……できないよ」
彼方「ううううう……!!」ダンダンッ
おもいどおりにならなくてじだんだをふむ。
あ……せめて、せめてはるかちゃんだけには。
彼方「うええ……んんぅ……!」
彼方「は、はるかちゃんにはぁ……!?」
果林「……言うわ」
彼方「なんれぇ!?!?!」
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。
わたしのじんせいなにもおもいどおりにならない。
果林「彼方がそうであるように、彼方のことを一番大事に思っているのは遥ちゃんなのよ……?」
エマ「どっちみち隠し通すなんて無理だよ……?それなら早く言っちゃった方が」
彼方「ぜったいにしられちゃいけないの!!!!!」
彼方「はるかちゃんにはぜったいだめなの!!!!!」
彼方「もうはるかちゃんのかなしいかおはやなの!!!!!」
少しずつ、思考が明瞭になっていく。
先日、遥ちゃんに直接部活を辞めたか聞いた。
遥ちゃんはすんでのところで思いとどまってくれたらしく、私は今までに感じたことのないような安堵感を覚えた。
遥ちゃんが同好会に来て、すぐ疲れて寝ちゃう私を見て、「スクールアイドルを辞める」と言った件から、
遥ちゃんはお料理も手伝ってくれるようになったし、掃除も、洗濯だってしてくれるようになった。
遥ちゃんはちょっとだけ不器用で、どれもこれもあと一歩足りてないけど、それは時間が解決してくれること。
私にとっては、そして多分お母さんにとっても、手伝おうとしてくれる気持ちが何よりも嬉しかった。
できるだけ遥ちゃんには苦労をかけたくないけど、週に1〜2回バイトを入れてもらったりしたら、私は楽になるかもしれない。
それも提案することはできた。
前ならば。
全ては私が壊してしまったのだ。
私が薬に溺れていくのを見た遥ちゃんは、自分を責めた。部活を、スクールアイドルを辞めることで報いを受けたいとまで言った。
私が嘘をついて、無理をして、どうしようもないことをしていたと遥ちゃんが知ったら……?
遥ちゃんは私のアイデンティティなのだ。
可愛い可愛い最愛の妹を守りきれないということはすなわち、私の存在価値がないことを意味する。
おぼつかなかった手足に再び力が入っていく。
血液が循環し、成分が作用し始めていくのを感じる。
私は、渾身の力を込めて二人を突き飛ばし、駆け出した。
果林「きゃっ……!」
エマ「いたっ……!」
果林・エマ「「彼方(ちゃん)!!」」
彼方「っ……!」ダッ...
私はとにかく走った。
もうすぐ全てが終わってしまうという事実から逃げたくて、どこでも買えるあのお薬達が欲しくて。
どんな成分にも致死量というものが存在する。
処理しきれないほどの成分を与えられた体の中では、臓器は悲鳴を上げて壊れ、循環不全となり、死に至る。
ノレcイ´;;*;ω;)
近江家
バタンッ!!
彼方「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
彼方「……」ドタドタドタ
彼方「……」ドタドタドタ
彼方「……」ドタドタドタ
彼方「……」ガサゴソ
彼方「……」ガサゴソ
彼方「あったあ……うぅっ、うああああああっ……!」
涙でぼやけた視界のまま戸棚をまさぐり、新品のブロンとレスタミンの箱を開ける。
蓋を開けて、そのまま瓶を口へ向けて逆さまにする。
ザラララララララララッ!!!
彼方「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
彼方「うえっ、ああっ……んんっ、ひう……!」
彼方「ああっ、ああああっ……!」
ザラララララララララッ!!!
彼方「うううううっ」ボリボリ..
彼方「ごめんねぇ……!」ボリボリ...
彼方「こんなお姉ちゃんで本当にごめんねぇ……!」ボリボリ...
どちらの薬も、一瓶飲んだところで確実に死に至るわけではない。
運が悪ければそのまま息途絶え、運が良ければ死を免れることができる。
最悪死ねなくてもいい、意識が朦朧として何もかも曖昧になればそれでいい……。
彼方「うっ……」ピリピリ
彼方「あぁっ……!」フワッ...!!
彼方「うぅっ、うぅっ……!ごめんなさい、ごめんなさい……!」グスッ
ノレcイ´;ω;)
カチャッ
遥『お姉ちゃん!!』
彼方「あぁっ……!あぁっ、はっ、遥ちゃ……!」
遥『果林さんとエマさんから連絡があって……お姉ちゃん……!』
彼方「ごっ、ごめんねぇ、ごめんねぇっ!最低なお姉ちゃんでごめんねえっ……!!」
遥『本当に最低だよ、私、信じてたのに』
彼方「ぅえっ……!?」
遥『こんなの、私のお姉ちゃんじゃない』
遥『死んじゃえばいいのに、偽物』
ζ(* *)ζ
彼方「はっ、はるかちゃ……」
遥『酷いよ、お姉ちゃん……』
彼方「ううっ……」グスッ...
遥『どっか行ってよ、私から逃げて死ぬつもりだったんでしょ?』
彼方「うううっ、ごめんっ……ごめんなさいぃぃぃ……うぐっ、ううううっ!!」
果林『本当に最低よね。私達を突き飛ばすなんて……骨でも折れたらどう責任取るつもりだったの?』
エマ『わたしたちの友情ってその程度のものだったんだね』
彼方「うぇっ……かりんちゃ、えまちゃ……!?」
彼方「ううっ、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……!悪気があったわけじゃなくて……うううううっ」
(ζル ル
,,(d! ..)
m9(^8^) バーカ!バーカ!...
ノレcイ´;ω;) ううううぅぅぅぅぅっ……!うわぁぁぁぁぁぁん……
彼方「うあっ……!?」ビクッ (●)
(●) (●)
彼方「なにこれぇっ……どこもかしこも虫っ……虫ぃっ……!!」
(●)
彼方「うあっ、嫌……嫌だ!!」
(●)....
彼方「足の中にもいる……出て!!」
(●) (●) (●)
彼方「私の体から出てって!!」
遥『あははははははっ!!』
(●)
彼方「ううううっ!!かゆい、かゆいよぉっ……!」
(●) (●) (●)....
果林『良い気味ね。これが安易に市販薬の乱用に逃げた末路よ』
彼方「いやだ、やだぁっ……!」
(●)... m9(^8^)
彼方「ごめんなさい、ごめんああいっ……!!」 (●)
エマ『……』 (●)(●)(●)(●)
(●)
彼方「あああっ、くるしいっ、やだよぉっ……!!」
彼方「遥ちゃん、お母さん……!!」
(●) (●)
彼方「みんなぁっ、やだよぉっ……!!」(●)
彼方「彼方ちゃんが悪かったからぁっ、助けてよぉ……!!」
(●) (●)
(●) (●)
ノレcイ´;ω;) (●)
(●)....(●)... (●(●((●)...
ζ(* *)ζ お姉ちゃんの嘘つき、死ぬつもりだったくせに苦しくなったら人にすがるんだ。
彼方「あああっ……あああっ!!ううううっっ……」グルグル
(●) (●(●)....
彼方「うぅっ……ごめんなさぁいぃ……っ!!」 グルグル
(●)... (●)..(●)(●)
近江母『かな、さっきから同じところをグルグル回ってどうしたの?』
(●)
彼方「おかあさっ……お母さん…・…!」 (●)
彼方「足がね……ぞわってして、じっとしてられないの」
(●) (●)
彼方「何かが足の中にいて、むずむずって、這ってるの」
(●) (●)(●)
近江母『そう』 (●)...
(●)...
彼方「うぅっ……助けてお母さん……!」
(●)...
近江母『嫌よ。親不孝者』
(●) (●) (●)
彼方「うぅぅぅぅぅぅっっ!!!」 (●)
誰からも見捨てられちゃった。
みんなを騙して、怒らせて、失望させて、彼方ちゃんって一体なんだったのぉ……?
ううううっっ……。
彼方「ううっ……ごめんなさい」
彼方「もう二度とめいっ、迷惑かけないからぁっ……」ダッ!!
遥『走ってどこいくの?また逃げるの?』
彼方「もうやだぁっ、ゆるしてよはるかちゃんっ……」タッタッ
ζ(* *)ζ
ノレcイ´;ω;)
地下鉄
ノレcイ´◉ω◉)....
『間もなく、5番線に……行が参ります』
『黄色い点字ブロックでお待ち下さい』
彼方ちゃん、頑張ったよね……?
私、最後はみんなを失望させちゃったけど、それでもめいっぱい頑張ってたと思うんだ〜。
ふわふわしてるとか、おっとりしてるとか言われるけど、いつもいつでも全力で遥ちゃんやみんなのために頑張ってたんだー……。
こんなことしたら、もっと嫌われちゃいそうだけど、彼方ちゃんもう疲れちゃったよ。
今は頭もぼーっとして、全身がふわふわしてるし、ちょっとやそっとの刺激じゃ痛みなんて感じないと思うんだぁ……。
いっぱい頑張ったんだもん、死ぬときくらいは痛くなく、一瞬で……それくらいは許してほしいなぁ。
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン....
ピンポーン...ピンポーン...
暗がりから鉄臭い空気が吹いてきた。
ごめんね……みんな……。
みんなを怒らせちゃった分は私がちゃんと責任を取るから……。
ノレcイ´◉ω◉)....
近江家
ガチャッ!!
遥「お姉ちゃんっ!!」
果林・エマ「「彼方(ちゃん)っ!!」」
ζ(;´・ω・`)ζ ……。
(ζル;; ˘ o ˚ル ……。
,,(d!;´・_・..) ……。
遥「あっ……これっ!」カラッ...
果林「彼方っ……2瓶も」
遥「ううっ、うっ……おねえちゃっ……うあ、あああっ……」グスッ
エマ「……探しに行かなきゃ……!」
遥「はっ、はいっ。そうですねっ……!お姉ちゃん……!」
果林「同好会の他の子達にも連絡を入れるわね!」
子供がバイトしてまで生活費入れなきゃいけないってそもそも生活破綻してるよな。
彼方ちゃん特待生だから学費はない、もしくは減額だし。でも遥ちゃんの学校は学費高そう。
夕方
ζ(;´・ω・`)ζ 駅の周辺を探しましたけど……私は……。
(ζル;; ˘ o ˚ル 学校のあたりにも……。
,,(d!;´・_・..) わたしもだめ……。
遥「お姉ちゃん……お姉ちゃんの身に何かあったら私、私っ……!」
果林「まだ、1年生と2年生の子達が探してくれてるわ……希望は捨てちゃ駄目よ」
エマ「そうだよ、遥ちゃん……」
〜♪
遥「電話……」
遥「あ……お母さんから……」
(ζル;; ˘ o ˚ル ……。
,,(d!;´・_・..) ……。
遥「……」ピッ
遥「……もしもし」
遥「うん……」
ζ(´;ω;`)ζ
(ζル;; ˘ o ˚ル ……。
,,(d!;´・_・..) ……。
彼方ちゃんが無事だから泣いてるんだよね?!そうだよね?!そうだと言ってくれよ…
遥「うん……うんっ……!」
遥「うん、大丈夫……分かった、ありがとう」
遥「お母さんは?……うん、私もあとで行く……」
遥「ありがとう……お母さんは早く行ってあげて。うん……じゃあ、また後で」
遥「……」ピッ
ζ(´;ω;`)ζ うぅっ……!
ζ(´;ω;`)ζ お姉ちゃん……見つかったみたいです。
ζ(´;ω;`)ζ 命は無事みたいで……!今は集中治療室でっ……!うううっ、ぐすっ……!
(ζル; ˘ ヮ ˚ル ……!本当!?本当なのねっ!?無事なのね……!!
,,(d!;´・ヮ・..) よっ、よかったぁ……!!
後日
ノレcイ´;≡ω≡)
私は死ねなかった。
確かにあの瞬間、私は向かってきた電車に飛び込んだ。
ところが実際は、駅のホームで泡を吹いて気絶して、そのまま病院に搬送されたらしい。
つまり、あれは私の幻覚か夢だった。
彼方「……はは」
彼方「ははは……」
彼方「……」
ICUに運ばれた私は胃の中を洗浄され、数日の入院を経て退院した。
久しぶりに再開した遥ちゃんとお母さんに、どんなことを言われるか不安で仕方なかったけど、会ってみるとお互いにとにかく泣きじゃくってて、きつくきつく何度も抱きしめられた。
みんなにも迷惑をかけてしまったみたいで、あとで必ずお詫びをしないといけない。
今度はできるだけみんなが喜ぶような形で……。
退院した私は、薬に依存しきった体を矯正するために再び心療内科へ。
前に診てもらった先生は少し呆れ顔で、でもよくある話という感じで、私に入院治療か薬物治療の選択肢を提示した。
私は迷わず入院治療を選んだ。
先生に紹介状を書いてもらって、別の大きな病院の閉鎖病棟に入った。
まあ閉鎖病棟にでも入らないとまた薬に手を出しちゃうもんね…
なにからなにまで生々しくて怖い、凄い
薬物依存系の作品を相当見てるのかな?
今は閉鎖病棟に入院して9日目になる。
明日の10日目で再度診察を受けて、それ次第で退院になる。
最初の4、5日は本当に地獄だった。
何度も吐いて、のたうち回って……。
でもその4、5日を越えると今までの辛さが嘘だったみたいに軽くなった。
とはいえ、昔みたいな体に戻るのはとてつもなく時間がかかる。もしかしたらどれだけ時間が経っても100%の元気には戻らないかもしれない。
それに、多少の記憶障害が残る可能性もあるとお医者さんに言われた。
悲しいけど、あれだけの薬を飲んで、自殺寸前までいって、命があるというだけでお釣りが来る。
彼方「10時か……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」モゾモゾ...
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……」ウトウト...
消灯された室内で、ゆっくり眠りに落ちる。
明日で退院。
良い夢が見れますように……。
ノレcイ´≡ω≡) すやぴ…… Zzz...
エピローグ
近江家
近江母「さて……かな。おかえりなさい。もうどこにも行かないでね」
彼方「……ぐすっ」
近江母「ああっ、ちょっと!泣くのはまだ早いわよ」
彼方「うんっ……ただいま、お母さん」
近江母「うん!さ……入って入って」
彼方「うん……」
カチャリ....
ζ(*^ᴗ^*)ζ お姉ちゃんっ!
(ζル; ˘ ᴗ ˚ル ╰*(..•ヮ•.. ) *╯
jΣミイ˶º ᴗº˶リ ⎛(cV„Ò ᴗÓV⎞ @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ
⁄/*イ`^ᗜ^リ 从cι˘σ ᴗ σ˘* ζ㎗òヮóリ 从||>ᴗ<||从
「「「「「おかえりなさい!」」」」」
これで終わり?
もうこれ以上、彼方ちゃんが辛い目に合わない?
薬って怖いね・・・
ノレcイ* ;ω;) ただいま……ただいま!
色とりどりのデコレーションで飾られたうちの居間にみんなが集まっていた。
聞けば、今日はみんな泊まっていくつもりらしい。
私と遥ちゃんとお母さんと……さらに8人が寝るスペースなんてこの家のどこにあるんだろう?
答えは、私と遥ちゃんの部屋で雑魚寝。
どう考えてもすし詰めで息苦しくなるに決まってる。
でも、そう言ってもみんな譲ろうとしなかった。
私と遥ちゃんでみんなに料理を振る舞ったり、みんなでパーティーゲームで遊んだり……それはまた別のお話。
⎛(cV„Ò ᴗÓV⎞ それじゃあ電気消すよ〜?
「「「「「は〜い」」」」」
カチッ...
やっぱりこんなに密集して寝るのは苦しい……。
安眠……できるのかな?
でも……真っ暗な部屋の中、みんなの寝息や体温を感じながら眠りに落ちるのも悪くない。
人生で一番良い夢が見れそうな気分かもしれない……。
……ふわぁ、じゃあ、うだうだ言ってないで私もそろそろ寝ようかな。
ノレcイ´=ω=) ……おやすみ〜。
乙
ハッピーエンドでよかった
しばらくは遥ちゃんと抱き合って寝るんでしょうねえ(ニチャア
乙
面白かった
最後が優しすぎて末期の幻覚なのかと思ったぜ、寝たきりになって幸せな夢を見てるって感じの
皆でお泊まり会、叶って良かったね
最高でした
鬼気迫る展開に翻弄される彼方ちゃんから漂う大女優オーラよ
彼方ちゃんはやはり不幸なのがよく似合う
面白かった
すげえ怖かったけどめちゃくちゃ面白かった
引き込まれたわ
乙でした、いやあ面白かった
あらゆる描写が生々しくて、でもとにかく引き込まれて、怖いのに画面をスクロールする手が止まらなかった
同じくここ1週間の楽しみでした、乙です
ハラハラしながら見てたけど彼方ちゃんのやりたいことが叶ってよかった
あまりにも描写が生々しすぎてドキドキしながら見てたけど最後は救われてよかった…
めちゃくちゃ面白かった乙
薬物依存系作品に目覚めた
誰か映画でこういう系統の作品知らない?
らき☆すたのつかさがシャブにハマるSSとかけいおんのムギちゃんがシャブ持ってくるSS思い出したよ
乙
俺も睡眠に関して薬考えたこともあったけどやっぱり怖いから手出せんわ
こんな分かりやすくキマったことないわ
彼方ちゃん羨ましい
列車に飛び込むシーンでの脳内挿入歌がスレタイだった
宿題片付けて♪早く飛び込みたいな♪
久しぶりにガッツリな鬱ssで良かった
たまにはこういうのもいいね
乙
薬物→幻覚はあんまり知識なくてもイメージしやすいけど、音が下がって聞こえるのあたりは未知の情報でゾワッってした
>>345
パッケージに写るガリガリの男が衝撃的すぎて忘れられそうにないわ
俳優が凄すぎるな
>>353
これの音楽だけは知ってる
見てみるわ、ありがとう