曜「梨子ちゃん! トリックオアトリート!」
梨子「はい、お菓子」
曜「え?」
梨子「朝のうちに買っておいたの。どうせ曜ちゃんとか千歌ちゃんにせがまれると思って」
曜「……ありがとう」
梨子「うん」
曜「……」モグモグ
梨子「おいしくなかった?」
曜「ううん、なんで?」
梨子「曜ちゃん、あんまり嬉しそうじゃなかったから」
曜「あ、そんな顔してた? ごめんね。おかしはおいしいよ。でも、なんというか……」
梨子「なあに?」
曜「お菓子よりイタズラしたりされたりの方が嬉しいよね」
梨子「え?」
曜「千歌ちゃんも毎年聞いてくるんだけどさ、わたし、必ず最初はお菓子持ってないって言うんだよね」
梨子「そうなの?」
曜「それでイタズラされるの。それが嬉しくてさ、だからイタズラの方がいいなぁって」
梨子「…………」
曜「あれ? なんで距離をとるの?」
梨子「別にあなたたちが何をしてようが勝手だけど、わたしを巻き込むのはやめてね」
曜「えっ? 梨子ちゃん、何を言って……」
梨子「近づかないで」
曜「ちょ、ちょっと、なんか勘違いしてない? 別に変な意味で言ったんじゃないよ」
梨子「……そうなの?」
曜「ハロウィンでお菓子もらうって、言ってみれば当たり前じゃん。なんなら顔見知り程度の人とでも成立するっていうか」
梨子「まぁ、そうね」
曜「でもイタズラってさ、それなりに仲のいい人としか成立しないと思わない?」
梨子「確かにそうかもね」
曜「でしょ? だから、この機会に親睦の深さを確かめたいというか、スキンシップをとりたいというか、そういう気持ちがあるの」
梨子「なるほどね」
梨子「じゃあ、千歌ちゃんにイタズラされて興奮するとかそういうのじゃないのね?」
曜「やだなぁ。そんなはずないじゃん」
梨子「それなら安心したわ」
曜「梨子ちゃん、わたしのことなんだと思ってるのさ」
梨子「ごめんなさい。でも、そういうことなら少し分かる気も……」
千歌「あっ、曜ちゃんと梨子ちゃんだ!」
千歌「とりっくおあとりーと!」
梨子「はい、どうぞ」
千歌「やったぁ! 梨子ちゃん、ありがとぉ!」
曜「ごめん。いま、お菓子持ってないんだ」
千歌「そうなの? じゃあいたずらだね! よーし……こちょこちょこちょ」
曜「ひゃっ」
千歌「こちょこちょこちょ!」
曜「やっ、ちかちゃっ、だめっ♥」
千歌「こちょこちょ……!」
曜「あっ、やっ、やぁっ♥」
千歌「こちょこちょ! どうだー!」
曜「んうっ、んん、んぁ♥」
千歌「ふぅ、これくらいで許してあげよう! それじゃあ、ちかはお菓子集めに戻るのだ!」タッタッタ…
曜「はぁ……はぁ……♥」
梨子「…………」
曜「ということでさ、イタズラされたいって気持ちは梨子ちゃんにも分かってもらえたと思うんだけど」
梨子「まって」
梨子「たしかにさっき曜ちゃんの言ったことは理解できたよ。でも、今のはおかしかったと思うの」
曜「……?」
梨子「いや、だって明らかにわたしの言った意味で嬉しそうだったじゃない」
曜「やだなぁ。梨子ちゃんったら」
梨子「今のを見たら誰だってそう思うわよ」
曜「やっぱり都会の子は少し違うのかなぁ」
梨子「いや、そういう話じゃなくて……」
善子「ヨハネ! 堕天降臨!」
曜「あっ、善子ちゃんだ」
善子「ヨハネよっ! さぁ、わたしとともに堕天するか、さもなくば供物を差し出して許しを乞うか、二つに一つよっ!」
曜「ごめんね、わたし、お菓子持ってなくて……」
善子「クックック、この堕天使ヨハネの眼をごまかせると思って? そのポケットに入っているものはなにかしら」
曜「あっ、これはさっきもらった余りなんだけど」
善子「やはりこのヨハネへの供物に間違いないようね! それを頂くわ!」
曜「まぁ、いいけど」
善子「梨子、あなたはどうするのかしら?」
梨子「お菓子なら……ってあれ? さっき千歌ちゃんにあげたので最後だったかな。教室に戻ればまだあるんだけど」
善子「この場で用意できないというのなら堕天してもらうほかないようね!」
梨子「……何をすればいいの?」
善子 ドンッ!
梨子「えっ?」
善子「さぁ、梨子。ヨハネの目を見なさい」クイッ
梨子「あっ♥」
善子「復唱しなさい。わたし、桜内梨子はヨハネ様のリトルデーモンとなることをここに誓います」
梨子「わ、わたし、さくらうちりこは、ヨハネさまの……♥」
善子「目をそらしてはダメよ。きちんと服従を誓いなさい」
梨子「はいぃ♥ リトルデーモンとなることぉ、ここにちかいますぅ♥」
善子「よくできたわね。これで契約完了よ。それじゃあ、ヨハネはさらなる眷属を求めて彼の地へと向かうわ」タッタッタ…
梨子「はぁ……はぁ……♥」
曜「…………」
曜「さて、それじゃあ梨子ちゃんにも分かってもらえたみたいだし」
梨子「まって」
梨子「ちがうの。今のはちがうの」
曜「都会の子だなんて言ってごめんね。梨子ちゃんはわたしたちの仲間だよ」
梨子「やめて」
曜「リトルデーモンとなることぉ、ここにちかいますぅ」
梨子「このっ……!」
曜「まぁそういうことでさ、梨子ちゃんも今度からイタズラしてもらうといいよ」
梨子「…………」
曜「さて、それじゃあ千歌ちゃんを探しに行こうかな。わたしも教室にお菓子持ってきてあるし」
梨子「……ってない」
曜「え?」
梨子「わたし、まだ曜ちゃんに言ってない」
曜「……えっ?」
梨子「トリックオアトリート」
曜「…………」
梨子「トリックオアトリート」
曜「だ、だから教室に戻れば」
梨子「今はお菓子持ってないのよね」
曜「……うん」
梨子「だったらイタズラね」
曜「ちょ、ちょっと」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
梨子「いいじゃない。わたしたち、イタズラが大好き同士なんでしょ」
曜「その、イタズラじゃすまないような気がするんだけど」
梨子「曜ちゃん、くすぐられるの好きなんだよね。だったら思う存分くすぐってあげる」
曜「ま、まって」
梨子「だーめ♥」
曜「た、たすけ……」
………………
…………
……
千歌「あれ?」
善子「どうしたのよ」
千歌「いま、曜ちゃんの悲鳴が聞こえたような」
善子「気のせいでしょ。部室から随分離れてるし」
千歌「そうかなぁ」
善子「それよりも行くわよ! 新たなる眷属を求めて!」
千歌「うん! おかし……、じゃなかった! くもつをもとめてっ!」
おわり
あれ? かなまりにイタズラされるダイヤちゃんはまだですか?
梨子ちゃん珍しくノンケかと思ったら
やっぱりレズじゃないか(歓喜)
95 名前:名無しさん@1周年[sage] 投稿日:2017/10/31(火) 21:20:28.42 ID:3oX71tGs0 [1/3]
>>31
歯型とかからアシがつくのを恐れて
捨てられなかったのか
生のまま猫砂とかでいれるより
髪の毛剃ってから
早々にオーブンとかでマグロの兜焼きみたいに
焼いてしまえば
まだ処分しやすそうだけどなぁ
643 名前:名無しさん@1周年[sage] 投稿日:2017/10/31(火) 21:38:55.47 ID:2dooV86h0 [8/10]
>>605
その割には、防腐処理がネコ砂ね・・・・