性的目的での撮影や、画像悪用の被害に遭う女性アスリートが後を絶たず、対策強化を求める声が高まっている。2008年の北京五輪と12年のロンドン五輪に出場したバドミントン元日本代表の潮田玲子さん(37)に、自身の現役時代などの話を聞いた。
現役時代の潮田玲子さん(右)。小椋久美子さん(左)とペアを組み、「オグシオ」の愛称で親しまれた(2008年11月)
――警視庁が先月、女性アスリートの競技画像をアダルトサイトに転載した男を著作権法違反容疑で逮捕しました。
「女子選手を取り巻く環境が問題視されたことは、大きな一歩だと思います。これから被害がなくなっていくことが重要で、今回の摘発が抑止力になってくれれば」
――被害の経験は。
「最初に被害に気づいたのは2005年頃でした。小椋久美子さん(37)と組んだ『オグシオ』で注目を浴び始めた時期で、コンビニ店で『オグシオ』と書かれた見出しの雑誌を見つけて手に取ると、下着の肩ひもがずり落ちた状態でプレーする写真が掲載されていました。『どうしてこんな写真を使うのか』と怒りがこみ上げました」
「バドミントンのシャトルを拾おうと脚を開いた瞬間にシャッター音が聞こえました。胸元や、太もも、お尻を強調した写真を撮られました。こうした画像がインターネットの掲示板やツイッターに卑わいなコメントとともに投稿されていました」
――周囲の反応は。
「男の人から『そんな格好をしているから』と、まるで私が悪いかのように言われてショックを受けました。ノースリーブは腕を動かしやすく、スコートは短パンより機能性が高いのです。一生懸命に試合をしているだけなのに……。ビーチバレーなど他の競技の選手たちも、私と同じ悩みを抱えていました」
――周囲への相談は。
「注目を集めている証拠でもあるし、当時は、仕方がないと思っていました。競技以外に無駄なエネルギーを使いたくなかったし、見て見ぬふりをしようとしていました。それでも、試合中にカメラが気になり、日本バドミントン協会に『カメラマンの距離が近い』と相談し、競技会場の撮影エリアを変更してもらったこともあります」
「母が画像を見つけて教えてくれたこともありました。その時の母の悲しそうな顔は忘れられません。性的な対象とされた画像は、今でも私は見たくないし、大きな心の傷として残っています。夫や子どもにも絶対に見せたくありません」
――今後、訴えたいことは。
「選手が声を上げ始めたのは、勇気ある行動だと思います。現役の人たちが余計な労力を使わないで済むよう、引退した私たちが経験を語ることで、抑止力につながればいいですね。たとえば、昔は当たり前のようにあった体罰も、声を上げる人がいたからこそ、みなの認識が変わっていきました。性的画像の問題も、被害を訴え続けることで、現状を変えていきたいと思っています」
現役時代の潮田玲子さん(右)。小椋久美子さん(左)とペアを組み、「オグシオ」の愛称で親しまれた(2008年11月)
――警視庁が先月、女性アスリートの競技画像をアダルトサイトに転載した男を著作権法違反容疑で逮捕しました。
「女子選手を取り巻く環境が問題視されたことは、大きな一歩だと思います。これから被害がなくなっていくことが重要で、今回の摘発が抑止力になってくれれば」
――被害の経験は。
「最初に被害に気づいたのは2005年頃でした。小椋久美子さん(37)と組んだ『オグシオ』で注目を浴び始めた時期で、コンビニ店で『オグシオ』と書かれた見出しの雑誌を見つけて手に取ると、下着の肩ひもがずり落ちた状態でプレーする写真が掲載されていました。『どうしてこんな写真を使うのか』と怒りがこみ上げました」
「バドミントンのシャトルを拾おうと脚を開いた瞬間にシャッター音が聞こえました。胸元や、太もも、お尻を強調した写真を撮られました。こうした画像がインターネットの掲示板やツイッターに卑わいなコメントとともに投稿されていました」
――周囲の反応は。
「男の人から『そんな格好をしているから』と、まるで私が悪いかのように言われてショックを受けました。ノースリーブは腕を動かしやすく、スコートは短パンより機能性が高いのです。一生懸命に試合をしているだけなのに……。ビーチバレーなど他の競技の選手たちも、私と同じ悩みを抱えていました」
――周囲への相談は。
「注目を集めている証拠でもあるし、当時は、仕方がないと思っていました。競技以外に無駄なエネルギーを使いたくなかったし、見て見ぬふりをしようとしていました。それでも、試合中にカメラが気になり、日本バドミントン協会に『カメラマンの距離が近い』と相談し、競技会場の撮影エリアを変更してもらったこともあります」
「母が画像を見つけて教えてくれたこともありました。その時の母の悲しそうな顔は忘れられません。性的な対象とされた画像は、今でも私は見たくないし、大きな心の傷として残っています。夫や子どもにも絶対に見せたくありません」
――今後、訴えたいことは。
「選手が声を上げ始めたのは、勇気ある行動だと思います。現役の人たちが余計な労力を使わないで済むよう、引退した私たちが経験を語ることで、抑止力につながればいいですね。たとえば、昔は当たり前のようにあった体罰も、声を上げる人がいたからこそ、みなの認識が変わっていきました。性的画像の問題も、被害を訴え続けることで、現状を変えていきたいと思っています」