気温の急変でなぜ体調を崩すのか−。
その仕組みの一端を、甲南大理工学部(神戸市東灘区)の久原(くはら)篤教授らの研究チームが明らかにした。
ヒトと遺伝子が似た線虫を使い、特定の酵素の有無で低温に耐える力や寿命が変化する現象を確認。
成果は14日付の米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。
線虫は体長約1ミリで、土の中などに住む。
これまでの久原教授らの研究で、線虫は20度以上から2度へと温度環境を変えると死ぬが、15度から2度の環境に移した場合は生き残ることが判明。
頭の知覚神経から出たホルモンが腸や精子などに温度の情報を伝えているとみられるが、仕組みの全容は未解明となっている。
チームは、DNA情報を読み取るRNA(リボ核酸)の分解酵素「ENDU−2(エンドゥ・ツー)」に注目。
同酵素がない変異体の線虫と、同酵素を持つ野生の線虫を比べた。
すると変異体の方が、25度から2度に移した場合の生存率は高かったものの、寿命が短く、産卵数も少なかった。
寒さや温度の落差に極めて強くなる一方、環境の激しい変化で体内バランスが崩れたとみられる。
変異体の筋肉でENDU−2を働かせると、嗅覚神経でも同酵素が活性化し、多くが2度で死滅。
筋肉から嗅覚神経に何らかの物質が分泌され、温度に敏感になったと考えられる。
また変異体は、神経細胞間で情報を受け渡す「シナプス」という部位が、野生より増加。ENDU−2は細胞数を適切に保つ性質を持つが、同酵素のない変異体はシナプスが多くなり過ぎ、情報伝達が乱れたと推測されるという。
温度変化への適応に同酵素が影響する可能性が示され、久原教授は「ENDU−2に相当する酵素は人間にも存在する。人間もメカニズムは同じではないか」と指摘。
続きはリンク先で
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201808/0011566029.shtml
2018/8/22 11:10
その仕組みの一端を、甲南大理工学部(神戸市東灘区)の久原(くはら)篤教授らの研究チームが明らかにした。
ヒトと遺伝子が似た線虫を使い、特定の酵素の有無で低温に耐える力や寿命が変化する現象を確認。
成果は14日付の米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。
線虫は体長約1ミリで、土の中などに住む。
これまでの久原教授らの研究で、線虫は20度以上から2度へと温度環境を変えると死ぬが、15度から2度の環境に移した場合は生き残ることが判明。
頭の知覚神経から出たホルモンが腸や精子などに温度の情報を伝えているとみられるが、仕組みの全容は未解明となっている。
チームは、DNA情報を読み取るRNA(リボ核酸)の分解酵素「ENDU−2(エンドゥ・ツー)」に注目。
同酵素がない変異体の線虫と、同酵素を持つ野生の線虫を比べた。
すると変異体の方が、25度から2度に移した場合の生存率は高かったものの、寿命が短く、産卵数も少なかった。
寒さや温度の落差に極めて強くなる一方、環境の激しい変化で体内バランスが崩れたとみられる。
変異体の筋肉でENDU−2を働かせると、嗅覚神経でも同酵素が活性化し、多くが2度で死滅。
筋肉から嗅覚神経に何らかの物質が分泌され、温度に敏感になったと考えられる。
また変異体は、神経細胞間で情報を受け渡す「シナプス」という部位が、野生より増加。ENDU−2は細胞数を適切に保つ性質を持つが、同酵素のない変異体はシナプスが多くなり過ぎ、情報伝達が乱れたと推測されるという。
温度変化への適応に同酵素が影響する可能性が示され、久原教授は「ENDU−2に相当する酵素は人間にも存在する。人間もメカニズムは同じではないか」と指摘。
続きはリンク先で
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201808/0011566029.shtml
2018/8/22 11:10